とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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初デート

再会」の続き


10:05 自動販売機前

現在美琴は上条を待っている。理由は昨日交わした約束が原因である。
時間は昨日に遡る。
きっかけができた場所はとある高校のとあるクラスである。


「ぼくの考えやったら彼女との初デートはやっぱり遊園地やね!なんてったって観覧車になんか乗ってもうたら…」
「ベタだにゃー青髪は。ここはあえて彼女の家で遊ぶのがベストってもんだぜい?な、かみやんもそう思うよな?」
「うーん…遊園地も捨てがたいけどアイツの家…つっても寮なんだよなー…」
「え?かみやん遂に妄想癖まで出てきてもうたん?」
「かみやーんなーに言ってるんだにゃ?」
「え?あー悪い、まだ言ってなかったっけ?俺彼女できたんだ」
「「え?……」」
「あっちなみに相手はみ――」
「よかったにゃーかみやん!!いやーよかった。」
「ほんまやなーこりゃクラスの男子でお祝いでもするんとちがいます?」
「え?どうしてそんな喜んでんだ?しかもなんだか女子からの視線が変わったというか…」
「まっ、それはかみやんが悪いんだぜ?」
「これでかみやん病が治るといいんやけどねー」
「なんだよそれ!?」
「じゃあ俺からはお祝いにこれやるから楽しんでくるにゃー」
そう言って土御門から渡されたものは2枚のチケットだった。

「これなんだよ?えーっと何々…遊園地カップル招待券?」
「常盤台の超電磁砲と行って来ればいいんだにゃー」
「待て待て、お前彼女との初デートは家でどうたらって言ってなかったか?」
「あー舞夏と行くつもりだったんだがそれカップル券だし流石に世間の目がにゃー…」
「そういう問題かよ…まぁサンキューな土御門」
「まぁいいってことぜよ。それでかみやん病が治るって言うんなら安いもんだぜ」
「ぼくなんかもってたかなー…あっ!これいいんとちがう?」
そう言って青髪はカードを手渡す。

「これ何のカードだ?」
「それはぼくの行きつけのゲーセンの会員のカードやねんけど、そんなかにゲーセンのコインたくさん入ってるはずやから彼女さん連れてったりーな」
「ゲーセンかアイツ好きだろうしな…サンキューな青髪」
「いいんやよ。でもこれで超電磁砲の娘も報われるんやるなー」
「…ちょっと待て!?なんでお前ら知ってんだよ!?」
「「まぁまぁ細かいことは気にすることないで(にゃー)」」
「まぁ…別にいいか。本当にサンキューな」
「じゃあまた日曜日学校でにゃーかみやん。」
「明日の補習はぼくが小萌センセーに言っといてあげるからねー」
「え?明日補習あんのかよ?じゃあ俺今からセンセーのとこ行って…」
「もういいからかみやんは帰れぜよー」
そう言って上条はクラスから追い出された。
「わ、わかったよ。それじゃーな」
と言うことがあって今日のデートプランが実現したのだ。美琴の我慢がそろそろ限界に差しかかったとき


「悪い美琴ー。ちょっと遅れちまっ…て」
上条は着なれない服をあれこれ着替えている内にじかんが過ぎてしまったのだった。
しかし目の前にはいつもの常盤台の制服姿ではない美琴がいた。それは上条の好みとまんまと一致していて上条は思わず見とれてしまっていた。
「もう!あんた遅いわよっ…て」
美琴も上条の姿を見て面を食らった。いつもは制服姿の上条がなんと私服を着てきているのだ。
何処かの雑誌でみた流行りの服装そのままだったが今の美琴から見れば『カッコイイ』としかいいようがなかった。
「あの…何ていうか…似合ってるぞ」
「あ…ありがと。と、当麻もその…似合ってるよ?」
「そ…そうか?ちょっとおしゃれしてみたんだ」
美琴はそれが雑誌のカッコとまるっきり一緒だったことには触れなかった。上条にとって精一杯の努力だろうからだ。
「じゃあ行きますか。」
「そ、そうね。まずはどこだっけ?」
「えーっと、とりあえず肩慣らし…って言い方変かもしんねーけどとりあえずゲーセン行こうぜ」
「いいわよ!ゲームなら私の得意分野よ。」
「上条さんだって負けないのことですのよー」
こうして二人の初デートは始まった。



10:20

二人はとあるゲームセンターに来ていた。
「さーてまずはレースゲームで勝負よ!」
「おっ!上条さんの得意分野で来るとは中々度胸があるな」
「そんな余裕が見せれるのも今のうちよ!」
こうして二人のレース勝負が始まった。
「くっ…なんて走行しやがんだ」
「へへーん、こんなことだってできるんだから」
「ちょ!?おい馬鹿やめろーーーー」
「ハハハ、パンクしてやんのー!!」
「お前がさせたんだろーが!」
「勝負は勝ちゃいいのよー」

結局この勝負は美琴の圧勝となったのは言うまでもない。

「くっそー…まさかあんな手があるとは…」
「あれは私が編み出したのよ」
「あんなのありかよ…」
「ありありよー。で?次何する?」
「そうだな…あ、あれしようぜ?」
上条が指をさしたのはプリクラ機だった。
「い…以外。当麻から誘ってくれるなんて…」
「上条さんだって恋人らしいことがしたいんですよ」
「じゃ、速くいこ?」
「おう!」
二人は隅のほうにあるプリクラ機に向かっていった。

『写真は3枚とるよ。コインを入れてね』
なんとも機会らしい音声が聞こえてくる。
「えっと…ここにコイン入れるんだな。しっかし…あいつどんだけコインもってんだよ。」
「え?何か言った?」
「いや、何も。じゃあ撮るぞ?」
「う…うん。あ、あのね…とーまとその…チュ…チュウプリ撮りたいなって…ダメ?」
「(うっ…そんな目で見られたらダメとは言えない)…い、いいぜ。美琴がいいならさ」
「じゃ…じゃあは、はい」

そう言うと美琴は上条のほうへと体を向ける。

『行くよー3・2…』
「好きだ美琴」
「え!?」
カシャ。という音とともにシャッターが切られた。
『後2枚残ってるよ』
「ふ、ふにゃー…と、とーまが…とーまがわ、私とキ…キスしちゃった…しかも初めて…しかも好きだって…ヘヘヘ」
「バ・・馬鹿!?電気漏れてるから、しかもそんな恥ずかしいこと繰り返し言うんじゃねぇ!」
ガガガ…ピー『写真ができたよ。写真ができたよ』
「おぉ!?美琴の漏電で写真が出てきた!と、とりあえず出るぞ美琴」
「う…うにゅ・・・」
「あーもうなんて声出すんだよ!?」
上条は顔を赤面させ美琴を連れてゲーセンを後にした。

11:25

「おい?大丈夫か?」
二人は一時間以上前に待ち合わせをした自販機のある公園まで戻ってきていた。
「あ…ありがと。もう…大丈夫」
「そっか…しかし驚いたぜ…美琴って何ていうか・・・ウブ?」
「し…しかたないじゃない!と、当麻がこんなに積極的だったなんて知らなかったんだもん」
「俺だって美琴が…その…あんな事言ってくるとは…」
二人の顔はトマトのように赤くなっていた。
「ほ、ほら?そういや写真半分ずつでいいよな?」
「それでいいわよ。て言うか…あれが初キスだったのよね…これ大事にしなきゃね」
「あぁ…まさか初キスがこれとは…なんとも初々しい事だと思いますよ…はい」
「ねぇ?携帯かして?」
「まさか…携帯に張るとか言うんじゃねぇだろうな?」
「ダメ…??」
(う…美琴のやつわざとじゃねぇんだろうけど…破壊力高すぎだろ…)
「あー、わかったよ。ほら」
上条は携帯を美琴に手渡した。
「ここに…よし!できた。はがしちゃだめよ?」
「わかったよ。しかし…あいつ等が見たら間違いなく八つ当たりされるよな…」
ちなみにあいつ等とは青髪&土御門の事である。
「じゃあ次は遊園地よね?」
「あぁ、そうだな。じゃあ行きますか」
「あっ、聞いてなかったんだけどさ、遊園地って第9学区の?」
「あぁ。そうなってるな。なんでも最新式らしいな」
(この馬鹿…知らないで選んだのかしら…第9学区の遊園地って言えば…カップルコースがあるって初春さんたちが…)
「?どうしたんだよ?さっさと行こうぜ」
「あっ…うん。待ってよ」



12:16

二人は遊園地手前のファミレスで昼食をとることにした。

「何食べよっかな…美琴ーもう決まったか?」
「私は…ハンバーグセットにしよっかな。で、当麻は?」
「俺もそうしよっかな」
「じゃあ店員さん呼ぶわよ?」
「あぁ」

数分後二人の元にハンバーグセットが持ってこられた。

「「いただきます」」
「うめぇ!以外といける」
「うん。まぁまぁってとこね」
「ハハ…流石お嬢様。言うことが違うな」
「悪かったわねー」



12:40

「ここかー。見た感じはシンプルだよな」
「そ、そうね。」
二人はゲートへと向かっていった
「いらっしゃいませ。チケットの提示をお願いします。」
上条は受付にチケットを提示する。
「カップルコースですね。では証拠としてなにかカップルだとわかるものを見せてもらえますか?」
「げ?そんなのあるのかよ!?」
「アンタ本当に何にも知らないのね!どーすんのよ!?」
「えーっと…あーもう!これでいいですか?」
上条は自棄になったのか美琴を自分のほうへ引き寄せキスをした
「んっ!?」
「ラブラブなカップルさんですね。OKでーす、じゃあこのカード受け取ってください。」
「なんですか?このカード?」
「19時以降に観覧車に乗るものです。乗る時はこのカードを提示いてくださいね。」
「わかりました。じゃあ。」
「いってらっしゃいませ。」
二人は園内へと歩いて行った。
「ふー、しっかし恥ずかしかった―。まさか人前でキスをすることになるとわな…って美琴?」
「……………………」
「おい?美琴…ってまさか!?おい!よせやめ――」
「ふにゃー。い、いきなり…その…キスするなんて…し、しかも人前で…」
美琴は毎度同じくといっていいほどの反応を上条に見せる。
「あーもう!しゃーねーだろうか、あんなこと言われてほかにすることなかったし」
「も…もう…わかったわよ!(この馬鹿写真見せればよかったのに)」
「そりゃどうも。(あっ!?写真があったんだ…)で?最初は何に乗る?観覧車に乗るまでまだだいぶ時間があるしゆっくりしてこうぜ?」
「そーねぇ…最初はジェットコースターでもいいんじゃない?」
「げ!?いきなりかよ…まぁいっか。じゃあ行くぞ?」
「あっ、あのねその前に…手、つながない?ほ、ほら、他の人たちもみんな手つないでるしいいでしょ?」
「いいぜそれぐらいならさ。」
二人は互いの手を握り合う。
「じゃあ行こ?」
美琴の無邪気な笑顔に上条はつい顔を赤く染める。
「お、おう。」


「しかし…初っ端から一時間待ちかよ」
「待つのは私も苦手よ…あー早く乗りたい!」
「まぁそう言うなよ。時間はまだあるんだぜ?」
「そうだけど…じゃあ待ってる間あんたが戦場<あっち>に行ってる間にあった出来事話してあげる」
「あー、そりゃ助かる。」
美琴は何を話すかを少し考え話し始めた。
「あんたが行ってから何日か立ってからだったんだけどさ。やっぱり学園都市にも敵が攻め込んできたんだ。」
「それって確かお前が全滅させたって話じゃなかったっけ?」
「まぁ一応…表向きはね?」
「表向き?どういうことだよ??」
「私…実はあんたもよーく知ってる奴に助けられたんだ。」
「俺がよく知ってるやつ?」
「うん…とってもしってる。実はさ――」

時間は数ヶ月前。学園都市が敵の攻撃を受けた日に戻る。

御坂美琴が上条もしっている『奴』に助けられたのは外につながっている貨物列車の近くだった。

「あんたら…ここから出て行きなさいよー」
美琴は全力を出すために一人で戦っていた。
「第一部隊から第三部隊は防御結界を。残りの部隊は一斉攻撃だ」
鋼の鎧を纏った敵のリーダーらしき人物からの命令が飛ぶ。
「くっ…あの結界をなんとかしないと…」
「本当にここは化け物ぞろいだな。まさか我々が少女ごときにここまで追い込まれるとは…だが結界が破れないとわかった今、君になすすべはないだろう。」
「そんなのやってみなきゃわかんないでしょうが!」
ピンッと美琴がコインを指ではじくと美琴の周りからすさまじい量の電気が溢れだす。
「これでゲームオーバーよ!」
ズガァァンと爆音が炸裂し、あたりが砂煙で覆われた。
「これで…どうよ!!。」
美琴の最大出力で最強の技超電磁砲<レールガン>を放った美琴にはもうあまり力が残っていなかった。
砂煙がはれるとそこには――粗方敵は片付いていた。しかし敵のリーダーはあまり傷を負っていなかった。
「まさか…あれを食らってもまだ立ってるなんて…」
美琴がポツリと呟いたとき後ろから貨物列車が走って来た。
「くっ…ここまでとは…しかしこれで勝負あったようだな。」
目の前の敵は鋼の鎧の下で勝ち誇ったような笑みを浮かべていると美琴は思った。
「くっ…」
貨物列車はどんどん近付いてくる。
「しかし…後ろの列車は目障りだな…先にあれを潰してしまうか」
そう言うと敵のリーダーは炎の魔術――美琴の目から見れば『発火能力』<パイロキネシス>に見えただろう――を貨物列車目に放った。
美琴は電撃で敵の攻撃を防ごうとしたがただでさえ力を使い過ぎていたせいで攻撃にも威力がくなっていた。
そのせいで敵の炎はかき消せきれなかった。
貨物列車は炎に包まれ爆発が起きている――はずだった。
だがそれは突然起きた暴風でかき消された。

「こっちは急いでんだァ…邪魔すんじゃねェぞォーー」

白髪の少年が叫ぶと暴風がさらに強くなる。
「な…なんなんだ貴様は!?」
「ア…アンタは…一方通行!?どうしてそんなとこに!?」
「お前は…『あいつら』のオリジナルかァ…」
「ア…アンタその傷!?何があったのよ??」
「細かいことは答えねェ…」
「な、なんでアンタまで…アイツもアンタも何するのよ!」
「アイツってのがァ誰だか知ンねェがとりあえずそいつが俺の行く道を遮るってなら――」
一方通行は次の言葉を発した。まるでとある幻想殺しの少年のように。
「まずは目の前のゴミを片づける――」


「ってことがあったのよ・・」
「以外…とでも言うと思ったか?俺は戦場<あっち>でアイツがそういう奴だって知ったからさ、今更驚かねぇよ」
「アイツ…変ったね」
「あぁ…そうだな」
「では次のお客様ー」
二人が話している間に一時間は過ぎていたようだ。
二人が乗り込んだ後に他の客の声に混じってこんな声が聞こえてきた。

「まだ並んでから30分しかたってないーってミサカはミサカは愚痴ってみたり」
「まーもうちょっとまつじゃんよ。一方通行なんか飲み物かってきてくれるとありがたいじゃん」
「なんで俺がンな事しなきゃいけないのでございませうか?っておいお前ェ言語機能取り上げるンじゃねぇ!!」
「だってヨミカワの言うこときかないんだも―んってミサカはミサカは注意してみたり!」
「わーったよ…で?なンの味にするンだァ?」
「ミサカも行くーってミサカはミサカは甘えてみたり」



13:15

「あー楽しかった―。」
「そうだなー。で?次は何乗る?」
「次は当麻が決めなさいよ」
「じゃああれ乗るか?」
上条が指をさしたのはメリーゴーランドだった。
「うわー懐かしいー。じゃああれ乗る?」
「そうしようぜ」
ちなみに学園都市のメリーゴーランドは大人から子供まで幅広く愛される乗り物となっている。

「おっ、これは10分待ちかぁ…意外と早いな」
「さっきなんか一時間だったもんね」
二人が先ほどのアトラクションの感想を言い合っている時だった。

「あーお姉さまだ―ってミサカはミサカは抱きついてみたり!」
「えっ!?打ち止め??」
「打ち止めってことはやっぱ…」
「てめェ…うろうろすンじゃねェ!!ってお前ら…」
「よ、よう!一方通行あの日以来だな」
「へェー…そういうご関係だったとわなァ…いやいや驚いた。おい打ち止め!邪魔しちゃ悪いだろォからとっとと戻るぞ」
「わかったーってミサカはミサカはあなたの思いやりにこたえてみたり!じゃあねーお姉さまー」
二人は上条たちが先ほどまでいたアトラクションの方へと歩いて行った。

「まさかあいつがこんなとこくるなんてな…」
「そ、そうね…」


13:30

「さ…流石にあれは恥ずかしかったぞ」
「い、いいじゃない別に!」
「だって二人乗りしたまではいいけどそのあとお前が――」
「こんな人前で恥ずかしいこと言うな!!」
ベシッと上条の頭にゲンコツが舞い降りてきた。
「わかったからもう殴るな!!」
「アンタが悪いんでしょうが」
その後二人は何かのアトラクションに乗るための待ち時間には必ず二人の出くわした。



18:50

二人は現在最後のアトラクションに乗るために列にならんでいる。

「き、今日は本当に楽しかった―」
「まぁ楽しんでもらえたならなによりだ。」
「当麻は楽しくなかったの?」
「いやすげー楽しかったぞ。おっ次が俺たちの番だな」
「そ、そうね」

「はーいではカードの提示をお願いします。」
上条は係りの人に入り口でもらったカードを見せる。
「はい、ではこちらのカメラをお持ちください。中に入ったらカメラを置く台がありますのでその上に置いてください。」
「カメラ?何に使うんだろ?」
「どうせ記念撮影とかだろ?どうせ一番高いとこに来た時とかにさ」
「なるほどねぇ…じゃあ行きましょ」
二人は観覧車に乗りこんだ。しかしこの時気づかなかった。このカメラに隠された秘密が――


「うわーやっぱきれいねー」
「へーこりゃすげぇな。学園都市が一望できるぞ」
「あっ、もうすぐ天辺だ。当麻準備はいい??」
「え?準備ってなんだ――」
カシャというシャッター音とともに二人の姿が観覧車の側面に映し出されているとは二人は気付かない。
「こ、ここでもキスかよ!?」
「い、いいじゃない!い、いやなの?」
「い、いやってわけじゃねぇけどさ…り、理性が…」
「バ、、バカ!何言ってるのよ…とーまのエッチ…」
「うっ…そう言われると純情少年上条さんは何も言い返せません」
「ハハ、正直ね」
「うっせぇ…」
「ねぇとーま。」
「ん?」
「ずっと傍にいてね?」
「あぁ…いるさ。傍に――」



二人が観覧車から降りると周りの客から拍手が湧きあがった。

「お二人さんラブラブだねーミサカはミサカは羨ましがってみたり!」
「けっ、見てらンねェなァ」
「一方通行もしてきたらいいじゃんか打ち止めとさ」
「ミサカは恥ずかしいよーってミサカはミサカは頬を赤らめてみたり」
「な、なンでこいつとなンだよォ!!」
「ひっど―いってミサカはミサカは頬を膨らませてみたり!」
「ま…また今度な…」
「?何か言った?」
「うっせェ!!」


「な、何で拍手なの?ってうわーー」
「どうしたんだよってぎゃーーーー」
二人が振り返ると観覧車には二人が中でキスをしている写真が浮かび上がっていた。
「お客様中々度胸がありますね。じゃあこれ記念にどうぞ。」
係りの人はそう言って写真を渡す。
「こ、こんなサービスあるなんて知らなかったぞ!?」
「わ、私だってこんなことになるなんて…あーもう」
二人は同時にこう言った。

「「不幸だーーーー」」

しかし二人の顔には笑顔が浮かびあがっていた。
fin


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