とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

7-669

最終更新:

NwQ12Pw0Fw

- view
だれでも歓迎! 編集

小ネタ 黒子→美琴×上条の日常 1



―――――常盤台中学学生寮208号室。
その部屋のベッドで、ツインテールの少女は枕を掴んでいた。
白井黒子は苦悩していた。
その理由は、ルームメイト(本人としてはこの言葉よりも上の関係がいいのだが)である、白井がこよなく愛するお姉様、御坂美琴のことだった。

(最近、お姉様の様子がおかしい)

原因は、これだった。とにかくおかしいのだ。
ボーッとしているかと思えばいきなりニヤニヤしだしたり、「えへへ……」などと言い出したり、時折可愛いぬいぐるみではなく普通のネックレスなどを持って帰ったりするのだ。
あきらかにおかしい。
少し前にそのことを問い詰めてみたら思い切り動揺していた。

(まさか……あの殿方と何かありましたの? おぅのれあの類人猿がァァァァああああああああああああああ!!!!!!!!!!)

枕を憎き類人猿の顔とみなして殴りつける。
もうほとんど確定していた。お姉様はあの類人猿と何かあったと。
とりあえず頭の中で奴を5回ぐらい八つ裂きにしておいて、白井はベッドから起き上がる。
今、ルームメイトである御坂美琴は部屋にはいない。おそらくどこかで暇をつぶしているのだろう。
あの類人猿と一緒にいるという可能性に関しては頭から省く。今考えるとまた頭の中で八つ裂きにしなければならない。

(ふふふふ………。お姉様待っていてくださいまし)

どこぞの悪女のような笑みを浮かべながら、白井黒子は208号室からテレポートした。

あの類人猿や奴、あの殿方こと上条当麻は今、彼女である御坂美琴と共にいた。
御坂美琴が彼女になった経緯は省くが、一つ言うならば告白してきたのは彼女の方からだということだった。恥ずかしいことに。

(でもまあ、上条さんは幸せですよーっと)

普段の態度が態度だっただけに、告白されたときはもの凄く驚いた。ドッキリかなにかだと思って適当にあしらったら凄まじい勢いで雷撃の槍をぶっ放された。
で、ドッキリでも何でもない本当の告白だと知って、上条は快く引き受けた。
それで、付き合い始めてから今日は大体1週間。たったそれだけの期間なのに、上条は美琴に完全に惚れてしまっていた。
まず、電撃が減って、手を繋いだりもして、デートにも行った。で、さらに2人きりの時は美琴が凄く甘えてくるので上条としては物凄く困る。精神的に。理性的に。

「当麻、どうかしたの?」
「いや、ちょっと考え事をな」
「む~。私がいるのに考え事なんてするの?」
「ゴメンゴメン」
「………何考えてたの?」
「美琴のこと」
「ッ!!??」

美琴の顔が瞬時に真っ赤になる。まだこういう言葉に耐性はついていないようだ。
だが、漏電するということはもうない。その代わりに力が抜けるらしい。
なので、美琴を支えてやる。当然密着するので上条の心臓は勝手に速く脈打つ。

「ふ、ふにゃぁ………」
「おいおい、こんなところでそんな顔すんな」

美琴の顔は緩みきっていた。もの凄く幸せそうで、見ている方まで顔が緩みそうになる。
なんとか顔に力を入れて緩むのを抑えて、とにかく支えることに専念する。

「大丈夫かよ?」
「う、うん。もう大丈夫」

数分後、力が戻ってきたらしいので上条は美琴を支えるのをやめる。その時に少し残念そうな顔をしていた気がするが、自分も同じなので諦めてもらうことにした。
その代わりに、手を繋ぐ。指と指を絡めあう、いわゆる恋人繋ぎで。
美琴は少し顔を赤らめていた。恐らく少し恥ずかしいのだろう。それは上条も同じだが、できる限り表情には出さない。
と、その時。

「おねっ!? お姉様ぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!」

上条たちの背後から少女の声が聞こえたかと思うと、次の瞬間には上条は吹っ飛んでいた。頭に痛みをプラスして。
美琴は唖然としていたが、すぐ近くで憤怒の形相で立っている、先ほどの声の正体である少女の姿を見る。

「くっ、くくく黒子!!??」
「お姉様!? 大丈夫ですの!? どこも汚されてないですわよね!?」
「けっ、汚っ!?」

白井は美琴の肩を揺さぶりながらそう言って、何事もなさそうであることを確認した後瞬時に上条の方へと向き直る。
上条はしりもちをついた状態で頭を擦っていた。

「いててて誰だ…………って白井かよ!?」
「お姉様に手を出した罪は重いですわよ………?」
「え? な、なんで金属矢なんて取り出してんの? そ、それをどうするつもりでせう?」
「どうするって、こうするに決まってますのよ!!」

そういって白井は金属矢をテレポートしようとするが、いきなり肩を叩かれて驚いたのですることができなかった。
肩を叩いたのは美琴だった。

「黒子………、やめなさい」
「お姉様………。いいえ! わたくしは止めませんわよ! 死ねェェええええええええこの類人猿がァァァあああああああああああああ!!!!!!!!!」
「どわあああああ!!!???」
「く、黒子!!??」

上条が不幸だーといいながら逃げだし、それを白井が金属矢をもって追いかける。その後ろから白井を止めるために美琴が追いかけるという極めて珍しい組み合わせの追いかけっこが始まった。


ウィキ募集バナー