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「あの…御坂さん?怒ってらっしゃいますか?」
「怒ってなんかないわよ。」
上条は、美琴との約束を破った。
上条はそれはそれはきれいな土下座をして謝ったのだが、美琴はそれでも許さなかったために今に至る。
「それじゃ、いくわよね?デート!」
「ひぇええええ!今日はそういう日じゃないんですよ。上条さんは日々の補習と宿題に追われて大変なのです。」
「あんたが約束守らないからこういうことになるのよ。」
「不幸だ…」
「なんか言ったかしら?」
美琴はジト目で上条を見る。
「いいえ。なにも!」
「それじゃ、いきましょ?と・う・ま!」
上条に電撃走る。―――
美琴は気分が良くなったのか笑顔でしかも鼻歌つきのサービスを提供している。
上条は、罰ゲームだといわれて美琴の持っていた大きなカバンを持たされている。それがとても重い。
行先は美琴だけが知っている。
2人は、いつの間にか静かな高台の上にいた。ここからの眺めはとてもきれいだと評判らしい。
「ついたわよ?」
「やれやれ…上条さんはとても疲れましたよ。ったく。」
「あんたがわるいんでしょ?ったく。もうそろそろ見える頃なんだけどさ。」
「そうか。そんじゃ、願い事でも3回言いますか。」
「願い事か…そうね…」
美琴は、願い事を心の中で絞る。
「あんたの願い事って、もしかして不幸なことが起こりませんようにとかじゃないの?」
「なんでわかったんですか?」
「わかるわよ。私を誰だと思ってるの?」
「びりびr「びりびりゆうなぁ!」」
「でも、それは可能性があるならって。願い事は、あとで公表だな。」
「うん。分かった。ってながれてるわ!」
空は、とっくの間に暗くなっている。夜景がとても美しい。
空から流星群が降ってくる。二人は、願い事を3回言おうと頑張っていた。
この二人は現実的なところもあるが、メルヘンチックなところもある。似たもの同士である。
上条と美琴は二人並んで流星群を眺めている。
さりげなく、上条は美琴の顔を自分のほうに近付ける。
そして、美琴は突然起こったことに言葉が出ない。
「…今お願いしたのは、おまえと…御坂とずっと一緒にいられたらいいなって」
「わたしとあんたが?て、あんたがそう思ってたの?」
「ずるいわよ…当麻は当麻なんだね。…チュッ!…」
「あの暴食シスターのものまねはすんなよ。」
二人の顔の距離はかなり近い。あと数センチで鼻が触れるくらい。
無数に空を飾る満点の星空の下で不釣り合いなカップルがいう。
「「あんた(お前)みたいなバカ(ビリビリ)を愛せるのはこの(俺)私しかいないわよ!(ぞ?)」」
二人は見合って、春の夜空に響き渡るような声で笑った。