小ネタ 上琴にかくあれ
アイツと出会う5分前。
いつものキックで、ジュースを手に入れる。
「ったく…あのバカ…なんであんなこと言うかな」
(べ、べつに…気にしてるわけじゃないけど、アイツがそういうつもりじゃないってのもわかってるけど!――っつーかバカみたい何1人でテンパってんのよ私)
あ~もうやめやめ、考えたらだめ、なんか負けだ。もやもやした気持ちを押し込むように、ぐーと黒豆サイダーを一気に飲み干す。
(それでもここを通りかかるアイツを待ってる私は――嫌いじゃないから、むしろ逆…わかってる、わかってるけど)
予測(コントロール)できないこの気持ち。
あの時、言った事は。
ちょっとは期待していいってことなの?
ヴィーナス、アイツはいつだってそう。
どうして、私にそこまでしてくれるの?
ジーザス、この気持ち、引き返せないの。
(早く、気付いて)
「げっ…」
とか言っておいて、私を無視して通ろうとするなんて甘い。電撃を繰り出し、引き止める。
「気付いてないとでも?」
気持ちとは裏腹に。
「ほら、とっとと相手になりなさいよ!」
素直になれない5分後。