生徒からは「右京先生」と呼ばれ慕われており、コンピューターウイルスの影響で教科書が使えなくなった際には「今日はデュエル大会にしよう」という遊馬の提案を呑む等、中々のデュエル脳である。
プログラムを自作するなど、コンピューターにも精通しているのだが、《
No.34 電算機獣テラ・バイト》に憑依された影響で負の感情が暴走しており、その技術を使って町中にコンピューターウイルスをばら撒き、しかもその責任を
等々力に負わせるというとんでもないことをやらかしている。
また、本人は普段から生徒に「失敗は成功のもと」と説いているのだが、憑依された状態ではやたら「完全」に拘っていた。
負の感情は植え付けられたものではなく増幅するものなので、これが彼の本性なのだろう。
後にあった授業参観での体育の授業の時には「完全」と大きくプリントされたTシャツを着ていたので、もう完全に開き直っているのかもしれない。
遊馬とのデュエルでも「完全」なプレイングをしている…………というわけではなく、おかしなプレイングも見られる。
プレイングミスと断言できることでこそないが、《No.34 電算機獣テラ・バイト》に依存している上にいとも簡単に崩せる布陣しか敷いていないことも含め、完全と言うにはほど遠い。
ダメージを受ける度に《ダメージ・ワクチンΩMAX》で執拗に回復しているため、どうやら彼の言う「完全」とは、ゲームで言うところの「ノーダメージクリア」でしかなかったようである。
一方の遊馬も、《油断大敵》をさっさとセットしていれば右京にもっと早く勝てていたため、色々と不完全なデュエルとしか言えない。
最終的には遊馬に倒された事で
ナンバーズから解放されて元に戻っているのだが、実行犯である右京や黒幕である遊馬や
アストラルが事件の責任を取るといったことは一切なく、その後も彼らは普通に学校に通っていたりする。
まぁ、右京の方はある意味被害者なので、これで懲戒免職は可哀相だろうという話である。…………
あった。
というのもこの男、町中にコンピューターウイルスをばら撒くという犯罪はナンバーズに関係なく行うつもりだったのである。
一応、本人は町中をパニックに陥れるつもりはなく、《バグマン》のフレイバー・テキストをハートランドシティで再現したかっただけと言っているが、結局クラッキングという犯罪を行っていることには何ら違いなく、町がパニックになったのも本人の「完全」には程遠い技術力不足の結果であった。
つまり、ナンバーズの影響は「態度の急変」にしかなかったのである。
本人は「ちょっと迷惑をかけた」とか言っているが、明らかに「ちょっと」で済む問題ではない。
被害額の大きさは言わずもがな、この一件の責任を取らされて解雇されてしまった者もいるだろう。
最悪の場合、死者すら出る。
倫理崩壊や選民思想が度々指摘されている
ゼアルであるが、その問題は4話の時点で既に示されていたのだ。
最後はまるでいい話であるかのように終わっているのが、心底気持ち悪い。
結局のところ、ゼアルの世界は「行い」ではなく「立場」で物事の是非が決まるということなのだろう。
そしてそれは、「クラッキングとハッキングは違う」という欺瞞に似ている。
もちろん、脚本担当者は
こいつ
なお、後に右京はこの一件をバラされたくなければと等々力から強迫されており、その結果またクラッキングを行っている。
犯罪の責任は犯罪者にあるが、犯罪者が足を洗えない原因は自称罪なき一般人の悪意にあるということか。
なぁに、
バレなきゃ犯罪じゃないんだよ!
最終更新:2024年01月21日 19:46