※開発未満2※



「…それより、“変なの”じゃなくて、気持ちいい、だろ?またお前は隠す。ほら、言ってみ」
「…ッ…」
「言えって。言わないともう舐めてやらねぇぞ」
ゼシカは口を結んで、必死で首を振り拒否する。
ゼシカにとって、性的な快感は未だに恥ずべき感覚だ。素直に言葉に出して認めることは、
罪を告白することにあまりに似ていた。罪――隠しておきたい秘密。
快楽の懺悔を強要するのが、恋に堕落した僧侶というのも皮肉な話で。
「…ったく、この強情。………………こんな濡らしといて」
いつの間にかスカートの中に潜んだ指が、下着の上から「濡れた」場所を縦になぞる。
ゼシカは声にならない息をのみこんで咄嗟に両足を閉じるが、ククールの身体に阻まれてかなわない。
強情なゼシカに対するお仕置きなのか、ククールはニヤリと嫌な笑みを浮かべ、
「確かにゼシカは恥ずかしいくらい胸、弱いよな。敏感すぎだし、エロすぎ」
「やっ、――やだやだっ、そんな、コト…ッあっ、あ、ん…」
下の縦筋をいじくるだけいじくって乱れさせたあと、唐突にそこから指を退く。
「…もしかしてゼシカって胸だけでイケる?試してみようか」
一瞬その意味を捉えかね、すぐにゼシカの顔が朱に染まった。限界ギリギリの羞恥に
身を竦ませるほど悶える。即座に色付いた先端をキツくつままれ、もう片方を音を立てて吸われ、
ゼシカは怯えにも似た声を上げてククールの肩を必死で押し返す。
「ひぁあっ!…ッや、だっ!やめて、やめてクク…ッ、ぅ、あ…っ」
「ホントやらしーな。オレにいじってほしいみたいに立たせちゃって」
「く、ぅう…ッッ!!!!」
ゼシカの脳内がぐるぐる回る。かろうじて保ててきた精神がもう少しで焼き切れる。
…壊れる。これは覚えのある感覚。この屈辱の瞬間さえ乗り越えれば、あとは何も考えなくていい。
恥辱と、恍惚。拒絶と、切望の狭間で、ゼシカは早く、と叫んでいた。壊してほしいのは―――理性。




「―――ゼシカ、逃げるなって言ってるだろ。今イったら、今夜はもうこれでお終いにするぞ」
そしてククールが、そんなゼシカの「逃げ」をわからないはずもなく、それを許すはずもなく。
唐突にククールはゼシカの身体から全てを離した。ぬくもりと快感を与える全てを。
まさにただベッドの上に放り出された格好のゼシカは、荒い息を吐いてわけもわからず首を振る。
いきなり遮断された快楽は浅ましく続きを期待して、ゼシカの全身を濡らし続ける。
ククールはそんなゼシカに跨り、悦楽に堕ちかけているそのエロティックな表情を眺め、耳元に囁いた。
「オレにどうして欲しいのかちゃんと言えたら、ゼシカが望んだとおりにしてあげるよ」
「…どう、して、ほし…?」
「どこを触ってほしい?」
「…ッ」
夢から覚めたようにハッとして、真っ赤なままでぷるぷると首を振り返答を拒否するが、
「言わないと本当にもう何もしない」
ククールの瞳が冷たい光を放ってゼシカを射るように見る。ゼシカは、怯えた。
「そ…っ、そんな、の、わかんな…」
「わかってるくせにウソつかねぇの」
「ウソじゃない…ッッ!!」
「ふぅん」
ククールはゼシカと視線を合わせたままわざとゆっくり身体を起こし、四つん這いになると、
次に何が起こるのか恐々としている不安げな表情を悠然と見下ろし。
「じゃ、今日はここで終わりな」
にっこりと。有無を言わさぬ圧力の笑顔。ゼシカはようやくククールの意図と、自分の置かれた状況を理解する。
ここで終わりということは、つまり……
「―――ずっ…、ずる…!!」
「ずるい?何が?お前さっきからやだやだヤメテってずっと言ってたじゃん。
お望みどおり、全部やめたぜ?…ココ舐めるのも、ココいじるのも」
そっと羽根が落ちるほどの軽さで、ふるり と揺れるゼシカの胸に触れ、スカートをまくりあげた状態で
ピッタリと閉じられている太ももを辿り、際どいラインを指でひっかく。
ビクンと敏感に反応する身体に、ゼシカは全身を朱に染め、ククールはほくそ笑んだ。
最初から勝負ですらなく、これは仕掛けられた罠だ。今さら気づいてもどうにもならない。
ゼシカは胸元で拳を握り締めながら、歯ぎしりしそうなほどに歯を食いしばった。
(…ずるい、悔しい…!!こんなの、ずるい…)
どんなに強がってみせても、ここまで登りつめた身体をどう治めればいいのかなんて、
ゼシカには見当もつかない。ククールはここで行為を中断したってきっと困らないんだ。
ここで終わって、困るのは自分だけ。官能の直中に置き去りにされたこの熱い身体を持て余して
長い夜を一人でどう過ごせばいいのか、考えることすらできない。
最初から選択肢はなかった。この熱を解放する方法を…ゼシカは一つしか知らないのだから。
ゼシカは目尻に涙を湛えてククールを見上げ、
「ひどいよ……っ」
虚勢も張れなくなった、それは心底からの本音だった。
ゼシカはこんなククールを知らなかった。こんな風に楽しげに、自分をいじめるククールを。
「……お前が悪い」
そしてこんな風にゼシカをいじめて楽しんでいる自分を、ククール自身も知らなかった。
そう、ゼシカが悪い。
オレにこうさせているのは、間違いなくお前だ、と。


「……言えよ、どうしてほしい?」
溜まった涙を舐め取り、耳に息を吹きかける。それだけでゼシカは震える。
「それともこのまま朝まで一人で悶えてるか?」
「……ッッ!!」
「一人で気持ちよくなるやり方も、お望みなら教えてやるぜ?オレに見られながらやってみる?
 ゼシカはエロいから、もしかしたらハマっちゃうかもな。それはそれで見てみたいけど」
「ぅ、…ヤ、だ、もぅ…ッ」
ゼシカの表情はククールの言葉を浴びるたび恥辱に歪み、そこに嫌悪はなく、あるのは、むしろ。
(…興奮、してる。オレも、ゼシカも)
ククールはゾクゾクと背中を這いあがる戦慄のような感覚に、口角を釣り上げた。
「…ゼシカ」
「…ッ、……!――……………あつ、いの…あつくて、…変…の…っ」
「うん。……どこが?」
「ん…っ」
ゼシカは足をすり合わせ、無意識に自分でそこを刺激した。下着の冷たさが羞恥を煽る。
ククールの好奇に似た視線が楽しげに、残酷に自分を見下ろし、その視線にまたそこが熱くなる。
無意識にきゅううと締め付けると、じんじんという痛みにも似た感覚が下肢全体を襲った。
「おねがい…ね…さわって…?」
「うん、触るよ。どこを?」
最後までククールは意地悪な笑みを絶やさない。ゼシカは泣きながら決心して身を起こし、
ククールの手を自分の下肢に震えながらそっと導いた。といっても乱れたスカートの裾の中に
招き入れるだけだ。しかも肌に直接触れさせることもできなくて、布の中で彼の手を空に浮かせたまま
固まってしまう。それが本当の精一杯。恥ずかしくて顔をあげられないゼシカは、
震えながら黙って次の展開を待った。お願いだからこれ以上イジめないでと心の中で叫びつつ。
ククールの小さな笑いが聞こえた気がした瞬間、ゼシカの指が逆に握り返され、スカートの中で蠢いた。
「あっ!」
「……あぁもう、お前ホントかわいすぎ」
ククールの長い指に重ねられたゼシカの細い指が、下着の上から濡れた箇所に喰い込まされる。
咄嗟にゼシカはククールにしがみついて悲鳴をあげた。
「やあッ!!」
「教えてやるよ。さっき言ってたろ?ゼシカが気持ちいいと、なんでオレも気持ちいいのか」
「ひ、ぁ、ああっ」
指を取られたままゼシカはゆっくりと押し倒される。ククールは彼女と自分の手を、下着の中に滑り込ませた。
指先が柔らかく熱い肉に触れ、それが自分の恥部だと理解した瞬間、ゼシカは衝撃に身を竦ませた。
「イヤッやめてやだ!!!!」
「…濡れてんの、わかるだろ?」
「やめておねが、い…ッ!!!!」
「これはゼシカが気持ちいいと出てくるやらしー汁のせい。エロければエロいほどどんどん出てくる」
「や、や、あ…っ」
「ゼシカはやらしいコだから、胸だけでもうこんなに濡らしてる」
「あっ、あっ…やだ、やだククール…やだ」
ククールは嫌がるゼシカの耳元に執拗に囁きながら、指を動かし入口をくつろげて弄ぶ。もちろん彼女の
指を操り、退けようと抗う手を押さえつけ、その蕩けきった淫らな感触を無理やり実感させながら。



「…ゼシカ」
ククールはこの箱入りには早すぎたかと刺激的すぎた行為を今さらちょっぴり後悔しつつも、
あまりの羞恥に錯乱して泣きじゃくるゼシカに優しく口づけ、その緊張を和らげようと試みた。
「落ち着いて。大丈夫、怖くないから」
「…ぅ、やだ、もう…ッひ、うぅ…」
「どんなにゼシカの身体がオレを気持ちよくしてくれてるのか、知ってほしいだけだよ」
「恥ずか、しぃ…っ。もうやだ…」
「ゼシカ、目開けて」
「恥ずかしいよ…もうやだぁ…」
目尻や額や頬に何度も繰り返しキスを落として、よしよしとなだめ続ける。涙を堪えながら
ゼシカがようやくククールを見上げると、慈しむような優しい口づけが口唇に落とされた。
翻弄するばかりの激しいキスは強引に性感を呼び起こすためでしかないが、口唇をはみ、
舌もじゃれあうように重ね合わせるだけの長く優しいキスは、全ての警戒心をゼシカから
奪ってしまうある意味危険な代物だ。それはこの世でただ一人、ククールにしか使えないスキル。
ククールはもちろんそのことを知っていて実に効果的に使用するが、ゼシカはスキルの存在
そのものに気づいていないので、ククールにばかり一方的に便利な技だったりする。
目論見通り、ゼシカは徐々に体の力を抜かれ、うっとりと口付けに酔いしれはじめた。
ククールは慎重に様子をうかがいつつ、口唇を合わせたままそっと、
彼女の下腹部で重ね合わせたお互いの指を、濡れた裂け目の中に侵入させた…












タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年05月10日 03:36
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。