2012年8月31日〆 図書紹介文
200914028 亀本啓介
- 図書名:『これでいいのか食料貧国ニッポン』
- 著者:ジェームス・R・シンプソン
- 訳:加納壱子
- 出版年:2004年
- 出版社:家の光協会
- 要約
2001年9月、千葉県で日本で初めてBSE(牛海綿状脳症)感染牛が発見されたときの日本でのパニックはすさまじく、牛肉消費は急減し、その間に畜産農家、牛肉業者、外食産業は大きな痛手を負うことになった。これを機に、日本では食品安全委員会を内閣府に設立と世界一厳しい全頭検査を導入し、消費者でも食の安全に関心を持つようになった。(156文字)
第2章 食品の安全を考えよう
今や日本では、野菜や果物の輸入を飛躍的に拡大し、年がら年中新鮮なものを手に入れることができるようになったが、中国国内で使用した化学薬品の残留や不適切な処理が原因で深刻な疾患にも直面するかもしれない。そのような悲劇を防ぐために、国の検査員の管理・監視するのは消費者自身である。わたしたちは安全な食品を求める権利があると同時に、それを実現させるための義務も背負っている。(183文字)
第3章 日本の農業を考えよう
日本の農業の国内総生産(GDP)はおよそ2%しかなく、日本の農家の半数が65歳かそれより高齢である。農業がこれからも存在するためには若い人たちが担い手として育つ必要がある。従来の組織のもとで制約されることを嫌う若者たちに、彼らの才能を十分に活用できるような工夫をすれば、農業に若い人たちがもっと参入してくるだろう。(154文字)
第4章 行動しよう
私たちが最も恐れるものは、日本が輸入食品に依存してしまうことである。もし日本が極端に多くの食料輸入を認めれば、国内には生産者も特有の産物もほとんど残らない。農業生産者がいなくなれば地方の食文化が消え去り、伝統料理も失ってしまう。輸入食品に頼りきりとなるのは、戻れない橋を渡ってしまうのと同じで、輸入に頼る以外に食べるすべがなくなってしまう。そうした依存を防ぐためや食の安全性を侵されないために日本の消費者が立ち上がり行動を起こす時であると考える。(223文字)
- まとめ
とくに日本は食料の多くを海外に依存しており、輸入食品に対する不安な点を解消することに力を入れるべきである。そして輸入食品に頼らない国内の農業を復興することも大事な課題である。
本来、食品は人間の健康的な生活に欠かせないものであり、人生の楽しみでもある。これからも食を楽しむためにも、消費者自身が正しい知識に基づいて、食の問題をもっと国の立法や行政に反映させていくような努力の必要性を本書で感じることができた。(402文字)
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