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世界連合崩壊後にできた自治区(共同体)の一つ。
現在(対ノルト・リヒト戦時)アインスとセレンはこの自治区に所属している。 当初は小規模自治区「フリージア」であったが、同様の小規模自治区を吸収統合する形で徐々に組織拡大を果たす。 組織拡大に関しては、軍事、経済共にフェアシュタントの活動が大いに影響を与えたとされている。 ちなみにルフトシュトロームとは「気流」を意味する言葉である。 |
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世界連合崩壊後にできた自治区(共同体)の一つ。
現在(対ルフトシュトローム戦時)ラーテイルはこの自治区に所属している。 ルフトシュトローム同様、小規模自治区から拡大していき現在に至る。 ルフトとの開戦直後、各地の軍事設備、資源基地などを早々に奪取したことで優位に立つ。 奪取した基地の中には、以前フェアシュタントの研究施設があったエリアも含まれており、何らかの軍事的または科学的情報の流出があったと考えられている。 ちなみにノルト・リヒトとは「オーロラ」「北極光」を意味する言葉である。 また「ノルトリヒト」という品種の薔薇も存在する。 |
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小国規模となったルフトシュトローム内において、発生した科学者のグループ。
当初、ルフトシュトロームとは関係性は無く、独立した組織ではあったが、活動内容、組織の拡大化の為の資金提供、悪化する治安に対しての安全保障をルフトより受ける。 見返りにルフトに対して兵器開発の為の技術提供、協力を行うことで密接な関係となる。 人体と戦闘兵器との融合理論を生み出した事は大きな成果ではあったが、その頃より組織内部で意見の衝突が頻繁に起こるようになる。 現在(ルフトシュトローム、ノルト・リヒト戦勃発後)組織は解散している。 ちなみにフェアシュタントは「知力」「理解力「理解する」の意味。 |
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ノルト・リヒトの降伏宣言時にクーデターを起こした急進派の一味(共同体)。
ルフトシュトロームの公式発表ではクーデター軍とされているが謎が多い組織。 急進派を扇動しクーデターの中核を担っていたのがクロムとされているが、それが事実かどうかは定かではない。 シュヴァルツ・リヒトの組織力、中核をなす構成メンバーなどは一切が不明とされており公表されてはいない。 一部では、単にノルト・リヒトの敗残兵であり、本来の意味する所のクーデター軍とは違うものではないか?という話もあるがそれもまた不明。 ちなみにシュヴァルツは「黒」、リヒトは「光」を意味する言葉である。 |
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ルフトシュトロームの前身、最初の自治区(共同体)。
「この世界に再び自由と平和を」をスローガンにして生まれた自治区。 政治、経済の安定を図るべく、発足当初から、周辺の少数自治区の吸収統合を積極的に行い、数年のうちに小国規模まで成長するに至る。 それを前後に名称をルフトシュトロームと改名。 後にフェアシュタントと提携することで、さらに政治力、経済力に力を付けると共に、軍事力の拡大も果たす。 そして、ここへ来てフリージアの当初のスローガンを、やや強引に曲解した軍上層部により、さらに支配地域拡大の為の発展へ、やや舵を切るようになる。 ちなみにフリージアとは花の名前からきている。 またにフリージアの花言葉は色によって異なり、白はあどけなさ、黄は無邪気、赤は純潔、紫はあこがれ、淡紫は感受性を表す。 |
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世界連合崩壊後にできた小規模自治区(共同体)の一つ。
自治区と言っても規模的には農村に近い形の小規模集落であった。 各地の戦争被害から逃れるため、都市部から移ってきた人々がこのような小規模な集落を形成していた。 フリージアとは異なり、自治区自体に明確な目標や目的などはなく、戦禍から逃れて暮らしているだけの自治区であった。 その為か小さな事件や外的要因に脆く、自警の組織すら無かったためか、発足からわずか10数年程で消失する。 ラーテイルがまだ普通の人間であった頃、幼少期をこの自治区で過ごしており、クロムと最初に出会ったのもこの場所である。 元々から資源価値や戦略的価値もないこの地域は、現在廃墟と化しており誰も住んで居ないが後にセレンが一人で訪れる事となる。 ちなみにシュネーとは「雪」を意味する。 |
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フェアシュタントによる人間と戦闘兵器との融合実験の被験者のこと。
ルフトシュトロームと提携をすることで、不安定な情勢下での安全の保証と、経済的な支援を得る事が出来たフェアシュタントだったが、 代わりにルフトシュトロームに対して、軍事兵器の新規開発事業を請け負う事を余儀なくされた。 そんな中、クロムによる「人の脳と神経細胞の強化手術に関する研究」を軍事転用する為の依頼が入る。 クロムはもちろん、反対する人間も居たが、外的圧力とそれを望む人々(一部フェアシュタント内部の研究者も含む)の働きにより、結果として決戦兵器開発へ向かう。 第一被検体(第一試作機)、YF-01アインス。 第二被検体(第二試作機)、YF-02ツヴァイ。 となっているが、YF-02ツヴァイの被検体は、さらに前にXF-01として実験体登録もされている。 |
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ノルト・リヒト、シュヴァルツ・リヒトによる、大型戦闘兵器を指す。
ルフトシュトロームとの決戦に向けて新造した大型機。 しかし、予想外にルフト側の抵抗が激しかったため、実践への投入時期にバラつきがあり、早期に投入した大型機は、旧世代の兵器を改良しただけのものでしかなく、 耐久性、火力に秀でてはいるが、逆に言えばそれ以外の機能、性能共に、お世辞にも優れたものである、とは言えない。
※補足事項
初期投入の大型機は戦闘域までの航行は行えたが、戦闘開始直前となって動力源に異常をきたし、航行不能となっている。 各兵器の基本コンセプトは火力による領域の制圧を目的としており、細やかな対応を必要とする戦闘には不向きである。 その為ほぼ全ての大型兵器には死角が存在しており、アインスのような高機動型の兵器に対して必ずしも効果的な形状、効果的な攻撃が可能というわけではない。 しかしながらそれぞれが独自の運用方法を考えられて設計されており、それ自体の破壊・攻略する為の手段は状況に応じた対応が必須となる。 |
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シュヴァルツ・リヒトに移ったクロムが完成させたとされる新兵器。
空間に特殊な微粒子とナノマシンを満たし、その上で特定の波長の電磁波を高出力で発生させることで状況を発生させる。 フェアシュタントの被検体である彼女らの神経細胞への直接的な働きかけが主な効果であり、加えて全身の筋組織、外骨格等にも強いダメージを与える事がわかった。 また、過負荷による過電流が起きているので、見た目にも放電現象、加熱、発煙などを確認することができる。 一般的な単純機械に対しては大きな影響を与えないが、色彩認識、色彩再現機構に対して支障をきたすことがわかっており、ロト地区では、いまなおその実験の証拠を確認することが出来る。 この事は、この現象を極端に受ける可能性のあるアインスとラーテイルも同じ、またはそれ以上であると考えられるため、その空間内において彼女たちがモニタリングしている映像が本来のものである可能性は極めて低い。 これは彼女等の場合眼球機構から入力される光情報でけでなく、前述における神経細胞への直接的な影響により脳内の視覚野自身のエラーも考えられるためである。
※補足事項
ロト地区では緑、青の色認識が極端に弱くなるため赤みが強く出るが、技術的には逆に赤のみを弱くすることも可能。 また理論上ではあるが、微粒子とナノマシンの濃度を極端に高めた場合虚像を映し出す事でさえ可能になる為、実質的に視覚センサーそのものを掌握出来る技術であることが予想される。 その為、彼女が強くダメージを受けたエリアにおいて、彼女自らの視覚による情報に関してはその信用性が低く、もしもIFFの故障と、近辺に味方援軍という状況が重なった場合、同士討ちを起こす危険性があったことは確かである。 しかしこちらの技術は研究中の副産物なのか、実際に兵器として効果的に活用される所までは至ってはおらず現時点において直接的な被害報告も認められていない。 |
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ルフト、ノルト戦における戦闘地区(地域名)。
戦闘以前は小規模な資源採掘場とそれに付随する形で労働者の住居などもあったが、現在は使われておらず施設なども風化・崩壊している。 施設建設以前は原生林が広がっていたが、採掘による土壌と大気汚染により、荒涼とした土地に変化していった。 ちなみにヴューストは「荒れ果てた」「猛烈な」を意味する言葉である。 |
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ルフト、ノルト戦における戦闘地区(地域名)。
年間を通して降雨量が少なく昔から荒野が広がる地域。 また雲が少なく大気が澄んでいる事から、荒野と青空のコントラストが美しい土地であった。 しかし世界連合崩壊以前より、近隣の影響で大気汚染が深刻化。 その影響でこの地域全域に微小粒子状物質が溜まることとなり、高度の低いところでは青空も赤みがかった色となる。 世界の崩壊により現在は近隣の経済活動が激減。 完全ではないものの、大気の状態は回復しつつあるところがなんとも皮肉である。 ちなみにフェルスは「岩盤」「岩塊」を意味する言葉である。 |
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ルフト、シュヴァルツ戦における戦闘地区(地域名)。
白色鉱物を含む岩石が多い土地で、大地は白や灰色がかっている。 しかし、現在は大気の汚染により有害な微粒子が舞っており、大気は黄色から茶色に変化してしまっている。 地表近くだけでなく、上空まで汚染されており、太陽光が届きにくく、年中気温が低く動植物も生息しにくい状態にある。 以前は街明かりも少なく空気も澄んでいたため、天体観測施設、気象観測施設があったが、現在は使われておらず、無人の廃墟だけが残る。 ちなみにグラオは「灰色の」を意味する言葉である。 |
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ルフト、シュヴァルツ戦における戦闘地区(地域名)。
もともと動植物が少なく不毛の土地であったため、人の手も入っていなかったが、ノルト・リヒトが軍事力拡大の為いくつかの施設設備を建設した地域。 この地区の渓谷エリアでは施設同士を繋ぐ橋など、盆地エリアでは実験施設などが残されているが、現在は使われておらず廃棄されている。 何らかのトラブルにより、この地域一帯に実験中の微粒子とナノマシンが漏れ出し、肉眼ではなくカメラまたはモニタの色彩認識、色彩再現能力に支障をきたし、全体的に赤みがかった像を映してしまうようになっている。 ロトという名はその現象が由来であり、その後その現象が起きる地域に付けられた名称とされる。 ちなみにロトは「赤い」を意味する言葉である。 |
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ルフトシュトロームのエースパイロットであり、かつフェアシュタントによる新型兵器。またその被検体1号でもある。
元々は普通の人間の少女であった彼女は、戦災孤児であったという過去があり、戦争や自身の戦いへの参加に関しては独自の解釈、思想を持つ。 被検体へ至る経緯に関しては本編、別途レポートナンバー2の中で言及しておりこの場では割愛するが、その辺りが深く関係している。 中枢機能が人体であり人型の兵器であるものの、戦闘状況に応じて飛行形態への変形(変身)機能を有しており、認識としては航空戦闘決戦兵器とされている。 その為か本機に関しては「YF-01」として登録されており、これは前世紀の西側大国が軍用戦闘機の命名規則として使っていたものをそのまま踏襲している。 運用方法としては多目的機(Multi-Mission)を示すMを配するのが妥当ともされたが、現段階において地上攻撃用の大型爆雷等を運用できる兵器にはなっておらず、基本コンセプトは空対空戦闘を目的とした戦闘機を示すF(Fighter)が付けられている。 ただし、現行機は開発上の倫理的問題が強くあり、また兵器としての問題点も数多くあり試作機Y(Prototype)とされている。 本来ならば、試作機をそのまま実践投入するという事は、パイロットの生命の危険という意味でのリスクが高い為行われることはないが、この場合の彼女が人としてのパイロットに該当するのか、すでに機械化された兵器であり区分的にロボットや無人機等と同じ扱いになるかの議論には答えが出ておらず、うやむやのうちにルフトシュトローム軍上層部の決定により投入されることとなった。 また通常、作戦を遂行する際はその成功率を高めるためにも、被害を最小限に抑えるためにも多勢に無勢となるような無謀な作戦立案自体が行われないものだが、彼女に至っては味方の支援などを受けることが出来ない状況での作戦(単独での作戦)に当てられるため、常に危険を伴っている。 これも試作機としてのミッションデータを後に回収分析するためではないか?といわれているが、ノルト・リヒトとの戦闘に疲弊していたルフトシュトロームにとって、致し方ないとも取れる為、真意は不明である。 |
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ルフトシュトロームに所属している科学者で、現在はアインスのバックアップ(作戦支援)を担当している。
軍に属した経験は無く、自身も戦闘経験が無い為、本来作戦支援が出来る能力を有しては居ないが、自身の強い希望があった事、元フェアシュタントの有力者による手回しがあった事などで、特例的に着任している。 その為か、基本的にルフトシュトロームの軍内部からは快く思われておらず、動向自体も一部監視されている。 各作戦に関する情報にしても全貌が提供されているわけではなく、もちろん彼女の方から作戦立案する権利など与えられてはいない。 軍組織からすれば、決戦兵器を開発する高い能力があり、その活動に一定の独自性、秘密性、特異性があるフェアシュタントという組織自体に対する畏怖と脅威が少なからずあった為、彼女の性格や立ち振る舞いを無しにしても、そこに警戒するのは致し方ないことではあった。 セレンはセレンで軍に同調するわけでなく、あくまでも過去の所業に対する清算的な意味合いでの参加であるため、根本的に反戦寄りの思想を持っている。 その部分もルフトシュトローム軍との対立に少なからず関係している。 セレン自身はアインスと古くからの知り合いというわけでは無い為、元来彼女に肩入れするような意識は無かったものの、ルフト軍の無謀な作戦やアインスに対する対応を見るうちに徐々に心境を変化させていく。 ノルト・リヒト戦後半においては戦況的にルフトシュトロームが優勢であり、作戦遂行に際しセレン、アインスのツーマンセルのみというのが続く事自体、特異であり不可解ではあるが、ルフト軍側が彼女等の生命の有無を重要視しなくなったと考えれば一定の筋が通る。 この戦争終盤にあたってセレンをバックアップしたのは元フェアシュタントのメンバー達と推測されるが、形的には戦争終結までは従軍しており、その辺りが表面に出てはいない。 それ故か終戦後は独自の行動を取ることとなる。 またその時期、彼女が残したであろうメッセージが記された戦場の写真が1枚発見されている。 |
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ノルト・リヒトのエースパイロットであり、かつフェアシュタントによる新型兵器。またその実験体1号かつ被検体2号。(※1)
データではシュネー出身となっているが、幼児期に両親を亡くしており引き取られた先がシュネーであった為、出生地は不明である。 アインス同様に戦災孤児ではあるが、アインスとは異なり幼少期の環境に恵まれず、その為多くの心的外傷を負いPTSDを発症するまでに至る。 研究の為シュネーに立ち寄ったクロムと出会った頃の年齢は身体的特徴から10歳前後と予測されるが、読み書きは出来ず、自身の名前すら分からない状態であった。 その為、彼女の本名、正確な年齢(誕生日)等は現在も不明のままである。 彼女の事を憐れに思ったクロムは彼女を養子として迎える事となり、以後彼女は彼の娘として育てられることになる。 その際、童話白雪姫のモデルとなった姫の名、またギリシャ語の「純粋(katharos)」を由来とさせる名を付けている。(※2) 愛情を受けずに育ったが故に、彼女にとってクロムの存在というのは、本当の両親との絆すら越え深い関係となっていく。 その後、数年をシュネーで過ごすものの、シュネー自体が崩壊。 当時目覚しい勢いで急成長していたルフトシュトロームへ2人で移民する。 フェアシュタント発足後は彼女自身の希望によりクロムの研究の助手的活動を行うようになる。 ※XF-01、YF-02、KATHAROS-01等に関しては、本編、別途レポートナンバー3にて。 ラーテイルはアインス同様、身体改造・兵器化への処置にあたり記憶の消失を防ぐことは出来ないはずではあったが、状態としてはアインスのそれと比べても格段に軽微であり、自我の消失も認められてはいない。 クロムによるなんらかの処置があった事は間違いないが、加えて素体としての彼女自身の精神、身体の強さのようなものが大きく影響したと推測されている。 ただしこの事に関して、ルフト側は積極的な調査を行っていない為、今となっては不明である。 「絆」、「繋がり」に起因する精神の強さが自我の崩壊、記憶の消失を防ぐ為の重要なファクターであるという見方をする学者が一部において存在することは確かだが、世界が崩壊した現代、またそこで生きてきた人々において、「絆」が人の心(精神)または意志等において重要な役割を有しているとする考え方は非常に少なくなっいる。 それ(絆や繋がり)は単に社会におけるネットワークの1つであって、コミュニケーションとは複雑なニューラルネットを模しているように見えても、実際大半は多層でありながら単一方向へ伝播するもの、そしてその内容においても真に双方向とされる情報と理解に関しての伝播は人一人が持つ脳内のネットワーク機能に対して遥かに劣っており、重要視するものにあらずというのが一般的な見解である。 すなわちすでに人同士の相互理解が希薄なこの現社会において、そういったスペックとして定義されない(または満たない)とされる要素が重要な因子として機能していると考える事自体がマイノリティとなっている。 ※単に精神の安定、精神力の強化という意味においては、効果の不確かな「絆」より薬物投与により直接的な刺激、スペックアップが効果的というのが主にルフトの公式的な見解。 特にルフト軍上層部においてはそのように考える傾向が強く、情報部による彼女(ラーテイル)の解析に関しては、兵器としてのスペック以外依然として進んでいないが、アインスがラーテイルと比較して劣っているとは考えられず、また兵器として考えた際それらが重要視されるか否かはまた別の問題である。 しかしながら、それらがラーテイルとアインスとの記憶量、自我の強さの違いとして現れているのではないか?といわれている原因になっている事は確かである。(※3) それを考慮するに、アインスと比較するとラーテイル自身は厚遇されていたと推測されるが、彼女が残した言葉から考えるにそれが彼女自身の宿願であったとは考えにくい。
(※1)
正式な被検体1号をアインス(eins)とした場合、ラーテイルは被検体2号であり、この際の名称はツヴァイ(zwei)とされていたが、実験体としてはアインスより先であり、被検体0号ヌル(null)とも言える。
(※2)
「ラーテイル」は後にノルト・リヒトの新兵器として名づけられたものであり、また正式名称は「KATHAROS-01 ラーテイル」である。 この「KATHAROS」とはここからきているものと想定される。
(※3)
ルフト軍で運営されたアインスと、クロムの元で過ごしたラーテイルとでは、メンテナンス、スペックアップの処置自体も思想が異なる。 クロムの政治的思想に関する情報はあまりわかってはいないが、クロムとラーテイルとの関係を示す資料は一部発見されており(レポートナンバー6)、そこからラーテイルの処置コンセプトも伺える。 ルフト軍においては、アインスに対する、記憶の回復、自我の検証などの処置を重要視する声はなかった。 |
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元フェアシュタントの科学者で、アインス、ラーテイルの開発においての責任者。
戦前より主に神経科学の分野で活躍しており、細胞神経学、システム神経学、発達神経学、理論神経学、認知神経学、神経工学など広い分野で研究を進めていた。 幼少期から学問が好きで、研究に人生を捧げていたような男であった為なのか、元々から口数少なく無愛想で、社交的とは言えない性格の持ち主ではあったが、大戦、戦後を生きぬく中、あまりにも多くの人間の醜状陋態(しゅうじょうろうたい)を見続けてきたせいもあり、良好な人間関係を築くことが出来ず、出来る限り人との接触を拒んでいた。 そんな中、自身の研究の為立ち寄った街にてラーテイル(このときの彼女に名前はない)に出会う。 クロムと彼女との出会いは、彼女の人生に強い影響を与えたが、それは彼にとっても同じであった。 このときの彼はすでに50代であり、残りの人生を細々と自身の研究の為に費やそうと考えていたのだが、彼女を養子にしたことで徐々にその行動、生きる目標を変化させていく。 彼女と二人で過ごす平穏な日々は彼にとっても彼女にとっても幸せな時間であり、また人として充実した毎日だったことであろう。 だが、広がる戦火によってシュネーの街は崩壊。 再び人々の争いの渦中に巻き込まれていくこととなる。 これにより平和な日常を失った彼は、戦争終結の為の方法を模索する事を決意。 そして自身の思想に同意する人間を探すべく、当時多くの知識人が集まるルフトシュトロームに移り住む。 元々政治や経済にはとことん疎くメンバー集めのノウハウ等も全く無かったが、昔のつて(縁故)をたどるように科学者と会合を意欲的に行い、その結果として自然結成的に組織としての形が作られていった。 この頃からルフトシュトローム治安維持部隊情報局の監視がつくようになるが、政治的思想を有していない科学者グループであるという事の認知の為にも、自らの組織をフェアシュタント(知力)と称し表向き平和維持活動の為の科学者同士の繋がり、学術組織としての活動を世間に対し公表。 結成間もない有望株の彼らのことを、利用価値があると考えたルフトシュトローム防衛局(ルフト軍)上層部は早々に様々なアプローチを仕掛けてくる。 その結果、フェアシュタントはルフト軍に対して新兵器開発の為の研究、技術提供を行う事で、見返りにルフトからの莫大な研究費用、安全保障を受ける事となるのだが、これはクロムを含むフェアシュタント結成初期メンバーの望んだことではなく、実情は一般に伝えられている事とは異なっていた。 表向き、ルフトシュトロームとフェアシュタントの協力関係は利害の一致(金、技術、安全)としての結びつきに見えるものであったが、クロムの考えは「巨大組織に対して自分達の活動を公式に認めさせたうえで、独立した勢力としての立場を確立させる為」としてのものであった。 つまりはじめからルフト軍を信用しているわけではなく、あくまで独自の立ち位置を確保した上で、機会があれば自ら第三の勢力として独立する為の準備期間としての同盟。 その為、得られる資金運用の工面や技術力拡大の為の組織改革や人員補填など、自身の研究以外にも粉骨しなければならなくなっていった。 すでに高齢かつ負担の大きい活動は、元々から丈夫でなかったクロムの身体を徐々に蝕んでいく。 さらに不運なことに無理な組織拡大のせいか、組織のまとまり自体も弱くなっていき、本来の目的であった「独立した第三の勢力」も現実味のないものになっていった。 これに関してはルフトシュトローム側のフェアシュタントに対する篭絡戦略があったのではないかとも言われている。 こういった状況を打開する為、クロムは理論としては完成していた決戦兵器の開発に着手する。 完成と共にルフトシュトロームからの完全独立を果たし組織の再構成を行う予定ではあったが、ここへきてルフトの息の掛かった一部組織メンバーの裏切りにあい計画が漏洩。 情報を得たルフト軍は、クロムと数名を第一種の要監視人物として指定する。 状況によってはフェアシュタントの組織解散やクロム自身の拘束の危険もあったが、これをいち早く察知し、実験体であったラーテイルをコールドスリープとし計画を凍結。 ルフト軍側には「実験体に重要な問題が発生した為実験は中断した」との報告をした上で技術情報とレポートの完全開示をすることで最悪の状況からは逃れる。 だが代わりに今後はルフト軍上層部からの指示管理の元、新しい被検体の確保と研究の再開要請を受けることになる。 さらにこの新兵器開発に関しては倫理的な問題が解決されていない為、軍指導の下そういった活動がなされているというのは体裁が悪く、またその事で政治に対しての求心力低下を恐れたルフト軍は、被検体の確保から実施まで全てはフェアシュタント独自の意志と活動で行われているという体をとらせる。(※1) 小規模メンバーのフェアシュタントと違い、実質的には軍が関与していたことで被検体に関しては結構な数が集まる事になったが、これに対し本意ではないクロムらは被検体として耐えられる身体能力、神経細胞等の審査基準を厳しく定め開発の引き伸ばし工作を画策。(※2) しかしながらその思惑も上手くはいかず。 ルフト軍側は「新兵器の納品期日がこれ以上延びるようなことがあればそれを意図的な開発妨害行動と捉え、実力行使を行う」との文書をフェアシュタントに送りつけ、実験体で現在コールドスリープ中であるクロムの娘の身柄を提供するよう要求してくる。 致し方なく開発継続を決めるクロムらではあったが、ルフト側はさらにクロムの息の掛かった初期メンバーのうち数名を革命運動家と位置づけ政治犯として拘束。 足りない人材はルフトの技術関係者の中から派遣し(監視役としての意図もあり)開発継続を強制させる。 これらルフト軍の手回しにより完全に打つ手を失ったクロムは被検体1号をベースとした試作機製作を行う。(※3) アインスの開発は成功するがこれを機にクロムは姿を消し、フェアシュタント自体も程なく解散。 組織の解散によってメンバーは散り散りになるが、ルフト軍の監視は厳しく、半数以上はそのままルフト軍に吸収されアインスのメンテナンス要員として活動することになる。 無論その中には、ルフト軍に殉じつつその後の身の振り方に関し模索する者も多くあり、セレンもそういったメンバーの中の一人である。 ちなみにこれら政治的な動きに関して全貌を把握しているのはクロムのみであり、セレンを含め他のメンバーは一部の事情しか知らない。
アインス開発後のクロムが何を考えて何処に身を隠していたかは不明だが、コールドスリープ状態であったラーテイルのルフトシュトロームからの奪還を考えるに、新たな組織結成を考えていたとも、単に娘との再会を行い昔のような生活を望んでいたとも、様々に言われている。
消えたクロムの事を警戒したルフトシュトロームは、ノルト・リヒト戦、シュヴァルツ・リヒト戦において、彼の足取りを追うようにセレン、アインスを利用した作戦を多用するが、彼女らとクロムの関係に関してそれほどの理解が無いルフト軍の動きは空振りを続けることになる。(※4)
クロムは最期に自身の後継となる元フェアシュタントメンバー数名に後を託す言葉を残している。
だがセレンに対しては別の生き方を模索する旨(第三勢力としての組織作りではなく、この荒んだ世の中で生きていく新たな世代の人間としての生きる道の模索)の内容を遠まわし(暗号的)に伝えているが、その真意がセレンに伝わったかどうかは彼女自身でなければ判らない。 彼の残した言葉で 「嘘で固められた平和と、真実の戦争、その事自体に何かを言いたいわけではないが、多角的に見たうえでそれぞれにある個別の真実を、各々が独自に受け入れる事、そしてそれこそ人の未来、生きていく為の多様性である」 というものがある。 自身とフェアシュタント、ルフト軍との関係を経て、上っ面の事情では本質は分からない。 しかしながらそれをどう見て、どう判断して、どう行動するかは千差万別であり、真実を知る事こそが必ずしも良いとは限らないという考えがあったのだあろう。
(※1)
被検体募集に関してもルフト軍がフェアシュタントの名を騙り中心となって行っていたと言われている。
(※2)
クロムの考えとしてはセレンと異なり倫理的で感情的な反発ではなく、フェアシュタントが組織としての評判を落としてしまっては、その後世間の支持を得る事は極めて難しく、ルフト軍の後ろ盾無くしては存続出来ない組織になってしまうことの懸念。 そうなっては第三勢力としての独立の道が完全に潰えてしまうという事に対しての考えがあったと言われている。
(※3)
この試作機というのがYF-01 アインスという事になる。 アインスの開発に加わったメンバーのうち半数はルフト軍からの派遣研究員であり、記録されている処置手術直前の会話に関しても半数はルフト軍関係者である。
(※4)
セレン、アインスに作戦概要を説明する前線基地指令補佐は、ブリーフィングにおいて嫌味をいう事もあったが、この時のセレンはクロムの真意を知らずにいた。
最後に、コールドスリープする直前、実験体になることを望んだ彼の娘(ラーテイル)とクロムとの会話の記録を、元フェアシュタントのメンバーより入手したので記しておく。
私には彼と彼女の関係性が少し垣間見えた気がする。 そしてここでこの一連の大戦の調査を一旦の区切りとする。(記:匿名)
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これが終わると お前にはもう 戦いしか残されていない お前は 何故 戦う事を選んだ?
貴方の 為に。
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