分厚い日記
物見の塔の物語
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魔女の物語とは関係ないかもしれないお話です。
物語シリーズ。ちょっとある民俗音楽を聴いてたら自然と設定が…
相変わらずの魔法とか魔術とかそういった設定です。
相変わらずの魔法とか魔術とかそういった設定です。
物語としては別物なので最後の魔女の物語には出てこないと思います。
物見の塔の物語
その聳える塔は雲海を突き抜けるほどまでに空高く伸びていた。
その先には、この世の楽園が広がっているのだという。
その先には、この世の楽園が広がっているのだという。
私たちはいつから咎を負ったのだろうか?
私たちがその楽園に踏み入れられなかった罪とは何だったのだろうか?
私たちがその楽園に踏み入れられなかった罪とは何だったのだろうか?
もはや、その理由など知る者はいない。
ある者はその楽園を目指し天の声を聞き入れ…
ある者はこの地に安住を求め、新たな楽園を築こうと暮らし…
ある者は数多もの災厄から己が信念を守るために戦う…
ある者はこの地に安住を求め、新たな楽園を築こうと暮らし…
ある者は数多もの災厄から己が信念を守るために戦う…
巨大な壁に閉ざされたこの場所だけがここに住まう者たちの世界そのものだった。
その壁の向こうには何が広がっているのだろう?
その塔の頂きには何が待っているのだろう?
その塔の頂きには何が待っているのだろう?
登る事も、進む事も出来ず…住人達はこの街で何かに縋り生きている。
ただ悠然と聳え立つ塔だけが…全ての真実を知っている
人種
- 魔の法に触れた者
貴族のような存在。その流れる血統の力で有り得ない現象を起こす力。基本にプライドが高いが能力も高い。差別する者も多いが、極稀に人徳者が現れる傾向がある。
- 術の調べを奏でる者
才能では魔法を扱う者に勝てず、術というものでその差を埋めた努力と知識の力。努力家が多く。勤勉で優等生が多い傾向がある。
- 鉄の魂を持つ者
才能も知識も無い者たちがそれでも対等に渡り合おうと購った根本の力。魔法も魔術も使えないが、その名の通り自らの鍛えた力と、研ぎ澄ました武器を扱う。精神力が強く、寡黙だったりとっつきにくい人物が多いが、心は優しく。あまり身分などを気にしない傾向がある。
- ガラクタ
上の上記の何にも当てはまらない者の総称。いわゆる『落ちぶれ』だが、魔法とも魔術とも言えない特殊な力を持つものが存在する。性格は二極に分かれる傾向が強く。とてつもないお人よしか、とてつもない劣等感を抱いた人物に分かれる。
舞台
天にまで繋がっていると言われる物見の塔と、その塔のふもとの街が舞台。
世界というものを知らず、物見の塔と塔のふもとの大きな街だけが自分達の世界だと思っている人々が織り成す物語。
世界というものを知らず、物見の塔と塔のふもとの大きな街だけが自分達の世界だと思っている人々が織り成す物語。
世界観
- 物見の塔とふもとの街
巨大な壁で土地を円形状に仕切られた名前も無い街。そしてその円形状に仕切られた壁の中心に天高く聳えるのが物見の塔。
- 物見の塔
天の使いを守る者が住まい、ここの住人達の生きる目標。
誰か言ったかは既に過去の事で、物見の塔は天まで通じ、天の使いに認められた者には、
この世の全ての幸福がもたらされる場所へと繋がっていると言われる。
誰か言ったかは既に過去の事で、物見の塔は天まで通じ、天の使いに認められた者には、
この世の全ての幸福がもたらされる場所へと繋がっていると言われる。
そこでは魔法も魔術もという差別は無く、皆が幸せに暮らしているのだと言われている。
物見の塔には魔法を扱える物たちの住居が存在し、天の使いから選定された管理者がもっとも天に近い場所に住んでいる。
天からの言葉を忠実に守り評価される事によって、物見の塔に住まう場所が高くなれば高くなるほど身分が高い事を意味する。
現在、住居スペースとして住んでいるところの最上階から見る景色からは、雲の海が世界を覆い、地平線ならぬ雲海が広がる空平線が広がっているだけである。
天からの言葉を忠実に守り評価される事によって、物見の塔に住まう場所が高くなれば高くなるほど身分が高い事を意味する。
現在、住居スペースとして住んでいるところの最上階から見る景色からは、雲の海が世界を覆い、地平線ならぬ雲海が広がる空平線が広がっているだけである。
- 物見の塔のふもとの街
天の使いに選定される事を諦め、その土地で一生を遂げようと決めたもの達や平和に暮らした者達が暮らす。
中には元魔法を使うもの。や元魔術を使うもの、元武器を扱うものなどもおり、ガラクタである事や身分などを気にせずに暮らしている。
中には元魔法を使うもの。や元魔術を使うもの、元武器を扱うものなどもおり、ガラクタである事や身分などを気にせずに暮らしている。
基本的にこの者達から生まれてくる人物は『ガラクタ』であることが多いが、その血、その資質、その能力によって、稀に優秀な人材が生まれる事もある。
このもの達は基本的に階級制度には含まれず『商売人』という人種には関係ない待遇を受ける事が保障されているが、中には彼らを蔑む者達も少なくない。
このもの達は基本的に階級制度には含まれず『商売人』という人種には関係ない待遇を受ける事が保障されているが、中には彼らを蔑む者達も少なくない。
壁に仕切られた敷地は広大で、街を一望できる丘、かつて物見の塔に住まう事を嫌った者が作った古城。湖、森や畑などの場所が広く存在している。
しかし、物見の塔に登らない限りは壁で仕切られた向こう側の世界を見ることは絶対に出来ない。
しかし、物見の塔に登らない限りは壁で仕切られた向こう側の世界を見ることは絶対に出来ない。
天の使い
物見の塔が大地と天空を繋ぐ架け橋であり、物見の塔の屋上にあらゆる幸せを手に入れた者達が住まうとされている。
その者達と同じ権利を得たくば彼らの試練をこなし、彼らから自分達と同じ幸せを得られるに値する人物だと選定されなければならない。
…と言われている。
天からの試練
どこからとも無く現れる人間ではない化物。それは時に人間の姿をしていたり、化物とすぐに分かる姿をしていたりする。
大抵の天からの言葉はこの『天からの試練』を倒す事である。魔法や魔術によって力を増大する化物。武器が一切きかない化物など多様な存在が確認されており、
これに対抗するべく、普段はあまり中の良くない『魔の法に触れた者』と『術の調べを奏でる者』と『鉄の魂を持つ者』達が共同で事の鎮圧を図る。
大抵の天からの言葉はこの『天からの試練』を倒す事である。魔法や魔術によって力を増大する化物。武器が一切きかない化物など多様な存在が確認されており、
これに対抗するべく、普段はあまり中の良くない『魔の法に触れた者』と『術の調べを奏でる者』と『鉄の魂を持つ者』達が共同で事の鎮圧を図る。
当然、力のある者達が化物を倒せる為、ガラクタの中で物見の塔に住まう人物はいないとされている。
三傑
『魔の法に触れた者』と『術の調べを奏でる者』と『鉄の魂を持つ者』の中でも、特に天への功績が大きい実質的、その道を行く憧れのような立場である。
特性上、魔法を扱えるものの中では若輩であろうと、血が強ければ若くして頂点に上り詰めるものもいる
特性上、魔術を扱えるものの中では術の鍛錬と努力を怠らなかった者が頂点に上り詰める事が多い
特性上、武器を扱うセンス、武器を練成する技術が高い職人としての資質を持った者が頂点に君臨する事が多い。
特性上、魔法を扱えるものの中では若輩であろうと、血が強ければ若くして頂点に上り詰めるものもいる
特性上、魔術を扱えるものの中では術の鍛錬と努力を怠らなかった者が頂点に上り詰める事が多い
特性上、武器を扱うセンス、武器を練成する技術が高い職人としての資質を持った者が頂点に君臨する事が多い。
特性上、魔法を扱えるものの差は血の強さである。均衡状態になることが多く、変動するのもなかなか難しい。
特性上、魔術を扱えるものの差は努力と鍛錬の差が顕著に現れる為、その差は歴然と出る場合がある
特性上、武器を扱うものは、突然の覚醒やスランプなどにより上下の並が激しい為、大番狂わせが起こる場合もあるが、年数を重ねた玄人の体に染み付いた技術を覆すのは難しい。
特性上、魔術を扱えるものの差は努力と鍛錬の差が顕著に現れる為、その差は歴然と出る場合がある
特性上、武器を扱うものは、突然の覚醒やスランプなどにより上下の並が激しい為、大番狂わせが起こる場合もあるが、年数を重ねた玄人の体に染み付いた技術を覆すのは難しい。
ガラクタの英雄
かつて、ガラクタという存在でありながら、三傑の力をも寄せ付けず、数多の天の試練を同時に相手にしても劣らない強さを持った一人の英雄がいた。
かの者は、魔法の全てを受け流し、魔術の全てを跳ね返し、武器の全てを砕き、あらゆる攻撃に耐え忍ぶ、あらゆる攻撃の効かない体、それはまるでガラクタのようだったと言われている。
かの者は、魔法の全てを受け流し、魔術の全てを跳ね返し、武器の全てを砕き、あらゆる攻撃に耐え忍ぶ、あらゆる攻撃の効かない体、それはまるでガラクタのようだったと言われている。
文献はかの者の言葉をこう残す。
値打ちすら無かった自分だからこそ、
使い道すら無いと笑われた自分だからこそ、
役にすら立たないと蔑まれた自分"達"だからこそ、
使い道すら無いと笑われた自分だからこそ、
役にすら立たないと蔑まれた自分"達"だからこそ、
その価値を見出された時
その存在する価値を見出した時
その強さは、何にも替え難い特別な『強さ』となった
その存在する価値を見出した時
その強さは、何にも替え難い特別な『強さ』となった
例えば。鉄くずの中に、誰も知らない未知の力を秘めた金属が混ざっていたら…?
例えば。その魔術を使わなくとも事が足りてしまう上位の魔術があってもなお…その魔術に新たな使い道を見出したら…?
例えば。血の強さを力とする魔法の中に、別の血が混ざる事により今まで語られなかった違う魔法の存在が出来たら…?
例えば。その魔術を使わなくとも事が足りてしまう上位の魔術があってもなお…その魔術に新たな使い道を見出したら…?
例えば。血の強さを力とする魔法の中に、別の血が混ざる事により今まで語られなかった違う魔法の存在が出来たら…?
それは今までとは違う新たな強さとなる
かの者は誰もが得ない強さを得た。ガラクタが意味を持つことの強さを示した。
しかし、ある日を境にかの者は皆の前から忽然と姿を消した。
しかし、ある日を境にかの者は皆の前から忽然と姿を消した。
かの者が住んでいた場所には、継ぎ接ぎだらけのガラクタのような武器が転がっていただけだと言う。
やがて、その者は『ガラクタの英雄』と言う伝説となり、英雄譚だけが文献によって残される存在となった。
やがて、その者は『ガラクタの英雄』と言う伝説となり、英雄譚だけが文献によって残される存在となった。
諸説には、彼こそが天の使いに認められ、新たな天の使いの一員になった者であると記す。
諸説には、彼はこの場所のこの生き方に疑問を抱き、誰もが考えなかった外へと飛び出したと記す。
諸説には、彼はこの場所のこの生き方に疑問を抱き、誰もが考えなかった外へと飛び出したと記す。
諸説には、彼は今も尚、この地に留まり、機会を伺っているのではないだろうかと…自らを笑い蔑んだ者達に復讐する為に…そう記されている。
登場人物
『ガラクタの英雄』に助けられた少女
少女はこの世界の中でも三本の指に入る程に有名な血を受け継いだ少女だった。
魔の法に触れた者の中でもその力は絶大で、彼女が使う法は大地。
彼女が拳をあげれば、たちまちそこには雲を突き抜ける山脈とも言えるむき出しになった大地が姿を現した。
魔の法に触れた者の中でもその力は絶大で、彼女が使う法は大地。
彼女が拳をあげれば、たちまちそこには雲を突き抜ける山脈とも言えるむき出しになった大地が姿を現した。
少女には夢が無かった。
夢が無かったから、少女は夢を探した。
そんな夢探しの中、少女の幼さゆえの過ちによってもたらされた窮地に、
少女は夢すらを与えられず生涯を終えるのだと感じた時、
少女の血と命と名前を守る為に現れた姿を少女は目に焼き付けた。
そんな夢探しの中、少女の幼さゆえの過ちによってもたらされた窮地に、
少女は夢すらを与えられず生涯を終えるのだと感じた時、
少女の血と命と名前を守る為に現れた姿を少女は目に焼き付けた。
自らの体を張り、その憎悪の塊から自分を守る、一人の英雄の後姿。
少女には夢が出来た。
少女は今も、その夢を追い続けている。
双子の詩姫
二人の少女は歌う事だけが自らの存在する意味だと知った。
一人が歌えば、皆がその歌声に涙した。
一人が歌えば、皆がその歌を褒め称えた。
一人が歌えば、皆がその歌声に涙した。
一人が歌えば、皆がその歌を褒め称えた。
二人が手を重ね合わせ、翳しながら歌えば、そこに生命が生まれた。
自分達の歌には人々の『心』を動かす何かがある。
ガラクタと言われ蔑まれた日々、愛されたいと願い、少女達は歌い続ける。
ガラクタと言われ蔑まれた日々、愛されたいと願い、少女達は歌い続ける。
その歌声は、あらゆるモノに活力を与えた。
己が信念を忘れた男
彼には自慢の右腕があった。
槌を振るえば、誰もが唸るほどの名具が生まれ
刀を振るえば、誰もが驚嘆する技が栄えた
刀を振るえば、誰もが驚嘆する技が栄えた
男は自分に惚れていた。
男には美しい恋人がいた。
男には美しい恋人がいた。
恋人は悲しい笑顔で男へ囁く
「私が好きになったのは…そんな貴方じゃないんだけどな…」
男はその意味が分からなかった。
誰もが羨む名具を生み、その名具を振るえば様になる技を持つ自分のどこに不満があるのか?
恋人は首を振る
「私は、貴方のそんな所を好きになったのではないもの」
その言葉が、男には最後まで分からなかった。
そして、それはこれからも知ることの無い自分の『本質』となる。
そして、それはこれからも知ることの無い自分の『本質』となる。
あの頃を懐かしむ事にも男は疲れ果てていた。
昔のように槌を振るうことも、名具と呼ばれた作品を振るうことも無い。
片腕が無い事は彼の戒めだった。
大切なモノを目の前で無残に殺された戒め。
死ぬ事を恐れ、大切なモノを差し出すことで生きながらえた事による戒め。
その時に見せた、彼女の絶望の顔を忘れぬ戒め。
死ぬ事を恐れ、大切なモノを差し出すことで生きながらえた事による戒め。
その時に見せた、彼女の絶望の顔を忘れぬ戒め。
彼女は、いったい自分の何処に惚れていたと言うのだろうか…
今となっては、彼には自分が何故そこまで自分に惚れていたのかが分からなくなっていた。
今となっては、彼には自分が何故そこまで自分に惚れていたのかが分からなくなっていた。
天に最も近い女
誰もが彼女の前ではその頭を垂れた。
金色の髪に白銀の衣を纏い、その美しいという言葉では語れない麗しい姿と仕草は天の使いとなるにふさわしいモノであった。
金色の髪に白銀の衣を纏い、その美しいという言葉では語れない麗しい姿と仕草は天の使いとなるにふさわしいモノであった。
…そうその悪魔のような性格でなければ…彼女はとうの昔に遥か天の上の世界へと招かれているはずだと…皆は口を揃える
「天女帝」
それが彼女のこの世界での異名だった。
男を侍らせ、欲しいものは全て奪う。いらなくなったものはゴミのように棄てる。
しかし、彼女はいつも待っている。
そんな私を否定する…この誰も手の届かぬ場所にいる私の場所に、
土足で上がりこんで自分を這い蹲らせる程の殿方を…
そんな私を否定する…この誰も手の届かぬ場所にいる私の場所に、
土足で上がりこんで自分を這い蹲らせる程の殿方を…
術を使えぬ術を奏でる者
彼は生まれもって才能も知識も無かった。
そんな自分をよくしてくれる知識も才能も十分にあった血の繋がらない母親。
そんな自分をよくしてくれる知識も才能も十分にあった血の繋がらない母親。
「どうして。こんな自分に良くしてくれるの?」
少年はその母親に聞くと母親は答える
「貴方が私の可愛い子供だからよ」
知識も才能も何も無かった。しかし、彼はたくさんの『愛情』で育てられてきた。
…途中で力尽きました。