【不思議少女シルバームーン第七話 第二章「ジャックの為の木」】
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
「………………。」
不思議少女シルバームーンにおいて魔法少女の敵として現れては情けなく撃退されることに定評のある上田明尊だ。
本編では自尊心ばかりが高くて我儘に振舞うだけで実力の足りないバカ息子みたいな扱いだが今回はまるっと俺が主役である。
どうか見捨てずに最後まで話を読んで欲しい。
とまあそんなことはどうでもいいのだ。
明尊ですがネバーランドの空気が最悪です。
理由は至ってシンプル。
俺の部屋から微妙に乱れたパジャマ姿のルルが出てくる所を紅瀬縁さんに見られてしまったのだ。
俺と彼女の名誉の為に断言したいのだが俺は決して彼女に手など出してない。
出していないのだがまあその……うん。
なんか下手に言えないぶんそういう雰囲気っていうか。
任務に向かう車中でも現在進行形でルルが俺にベタベタとくっついているせいで否定しても信じてもらえないっていうか。
この空気が続くならもうさっさと裏切って組織に戻っても良い気がする。
何が言いたいのかというと紅瀬さんはいくら拷問されても仲間は売らなかっただのなんだのと言われている一流のテロリストの筈なのだがどうにも男女の仲については笊らしいということだ。
彼女がジャックやら他の奴に自分の見たことをペラペラ喋らなければもっとマシな展開だってあったと思うんだ。
ていうか帰って良い?
今から帰って良い?
有給使っていいよね!
え、正社員じゃないので有給は与えられてない?
ここ非正規雇用者ばかりじゃねえかよ!
ていうかテロ組織に雇用ってなんだよ!
とんだブラック企業じゃねえか畜生、組織ですら有給つくぞ!
本編では自尊心ばかりが高くて我儘に振舞うだけで実力の足りないバカ息子みたいな扱いだが今回はまるっと俺が主役である。
どうか見捨てずに最後まで話を読んで欲しい。
とまあそんなことはどうでもいいのだ。
明尊ですがネバーランドの空気が最悪です。
理由は至ってシンプル。
俺の部屋から微妙に乱れたパジャマ姿のルルが出てくる所を紅瀬縁さんに見られてしまったのだ。
俺と彼女の名誉の為に断言したいのだが俺は決して彼女に手など出してない。
出していないのだがまあその……うん。
なんか下手に言えないぶんそういう雰囲気っていうか。
任務に向かう車中でも現在進行形でルルが俺にベタベタとくっついているせいで否定しても信じてもらえないっていうか。
この空気が続くならもうさっさと裏切って組織に戻っても良い気がする。
何が言いたいのかというと紅瀬さんはいくら拷問されても仲間は売らなかっただのなんだのと言われている一流のテロリストの筈なのだがどうにも男女の仲については笊らしいということだ。
彼女がジャックやら他の奴に自分の見たことをペラペラ喋らなければもっとマシな展開だってあったと思うんだ。
ていうか帰って良い?
今から帰って良い?
有給使っていいよね!
え、正社員じゃないので有給は与えられてない?
ここ非正規雇用者ばかりじゃねえかよ!
ていうかテロ組織に雇用ってなんだよ!
とんだブラック企業じゃねえか畜生、組織ですら有給つくぞ!
※無論使うことは許されません
だけどな!
あそこもブラックだ!
バックレるバイトが良いバイトだ!
連絡してから休もうとするのは悪いバイトだ!
本当に職場は戦場だぜ!
あそこもブラックだ!
バックレるバイトが良いバイトだ!
連絡してから休もうとするのは悪いバイトだ!
本当に職場は戦場だぜ!
突然、隣に居たベルが噴き出す。
こいつ俺の思考を読んでやがったなヒャッハー!
なんてやつだ今日という今日は許さねえこうなったら一子相伝の秘技酔拳で……
こいつ俺の思考を読んでやがったなヒャッハー!
なんてやつだ今日という今日は許さねえこうなったら一子相伝の秘技酔拳で……
「シンク、落ち着いてくれ。
俺は何も君を責めているわけじゃなくてだな……。
別にメンバー間の異性関係についてなにか制限を設けているわけじゃないし……。」
俺は何も君を責めているわけじゃなくてだな……。
別にメンバー間の異性関係についてなにか制限を設けているわけじゃないし……。」
元凶である紅瀬縁のいっぱいおっぱいに凭れかかりながらジャックは俺に話しかける。
違うんだ誤解なんだ信じてくれっていうか俺超頑張ったし、耐えたし、空の上から神様が
『ここで選択肢を誤るとハーレムエンドは無くなるんじゃよ』
って電波を送ってきてたから耐えたし。
電波ユンユンでエンドルフィン全開来ちゃってますううううううううう!
お出かけですかレレレのれえええええええええええ!
俺は俺はれおれろあれおれおれおれおあれひゃっほう!
違うんだ誤解なんだ信じてくれっていうか俺超頑張ったし、耐えたし、空の上から神様が
『ここで選択肢を誤るとハーレムエンドは無くなるんじゃよ』
って電波を送ってきてたから耐えたし。
電波ユンユンでエンドルフィン全開来ちゃってますううううううううう!
お出かけですかレレレのれえええええええええええ!
俺は俺はれおれろあれおれおれおれおあれひゃっほう!
「ただこのタイミングでこれはあまりにも死亡フラグっていうかさ……。」
未だに沈黙が続く。
俺は意を決して違うんだと言おうと口を開い……
足に痛みが走る。
俺の足を赤いヒールが踏みつけている。
ヒールの中に収まっている足の生えている元へと視線を移すと……紅瀬さんのじゃないですか。
俺と彼女の目が合う。
「く・う・き・よ・め」
と彼女の口が動いていた。
ジャックからは彼女の表情が見えていない。
俺のアーマーの袖を隣にいるベルが引っ張っている。
そんなうるうるした目で見ないで!?
まるで俺がなにかしたみたいな雰囲気じゃん!
ここまできて俺はやっと自分がはめられた事に気がついた。
女性二名を敵に回してしまえば流石の俺といえどどうなってしまうか分からない。
というかそれは同時に孤立無援というオチにも繋がっている。
敵地潜入中に囲まれるとか死も同然である。
むしろここはルルを口説き落として溶け込むのが俺の正しい行動なのだろうが俺としてはそんな俺の父と母の馴れ初めのようなことはしたくない。
つまり俺が今取るべき一番安全な行動は……黙っていることだ。
俺は意を決して違うんだと言おうと口を開い……
足に痛みが走る。
俺の足を赤いヒールが踏みつけている。
ヒールの中に収まっている足の生えている元へと視線を移すと……紅瀬さんのじゃないですか。
俺と彼女の目が合う。
「く・う・き・よ・め」
と彼女の口が動いていた。
ジャックからは彼女の表情が見えていない。
俺のアーマーの袖を隣にいるベルが引っ張っている。
そんなうるうるした目で見ないで!?
まるで俺がなにかしたみたいな雰囲気じゃん!
ここまできて俺はやっと自分がはめられた事に気がついた。
女性二名を敵に回してしまえば流石の俺といえどどうなってしまうか分からない。
というかそれは同時に孤立無援というオチにも繋がっている。
敵地潜入中に囲まれるとか死も同然である。
むしろここはルルを口説き落として溶け込むのが俺の正しい行動なのだろうが俺としてはそんな俺の父と母の馴れ初めのようなことはしたくない。
つまり俺が今取るべき一番安全な行動は……黙っていることだ。
「あ、ああ……。」
「まあ二人がそういう風になるなら俺は嬉しいし、最初は何時裏切るかとドキドキしてたけどまあ馴染んでいるみたいだし。
ルルは僕の親友から預かってる娘だし、明尊くんも期待のルーキーだしさ。
むしろそういうのは俺歓迎しちゃうからさ、ねえ紅瀬ちゃん。」
「ええ、不純異性交遊とか言い出したら私とジャックだってあれだし。
ですよねサンタさん。」
「ああ、良いんじゃないかな。私もワイフと付き合い始めたのはちょうどジュニアハイスクールの頃だったね……」
「まあ二人がそういう風になるなら俺は嬉しいし、最初は何時裏切るかとドキドキしてたけどまあ馴染んでいるみたいだし。
ルルは僕の親友から預かってる娘だし、明尊くんも期待のルーキーだしさ。
むしろそういうのは俺歓迎しちゃうからさ、ねえ紅瀬ちゃん。」
「ええ、不純異性交遊とか言い出したら私とジャックだってあれだし。
ですよねサンタさん。」
「ああ、良いんじゃないかな。私もワイフと付き合い始めたのはちょうどジュニアハイスクールの頃だったね……」
欧米か!
……欧米である。
今回運転手を務めるサンタさんは元々トイザ●スの社員である。
紛争地の子供たちに銃の代わりに玩具を持たせたいという思いのあまりネバーランドに参加したのだとか。
とりあえずこれで話せる雰囲気に……
……欧米である。
今回運転手を務めるサンタさんは元々トイザ●スの社員である。
紛争地の子供たちに銃の代わりに玩具を持たせたいという思いのあまりネバーランドに参加したのだとか。
とりあえずこれで話せる雰囲気に……
「まあ、今は天国から私を見守っているがね……。」
なりませんでした!
ちょっとしんみりしちゃったよ!
どうするんだよこれ!
ちょっとしんみりしちゃったよ!
どうするんだよこれ!
「あーでも俺も中学生の頃に先輩と付き合い始めたな。」
「ライちゃんイケメンだからもてるしねー。」
「ライちゃんイケメンだからもてるしねー。」
ライディーンが場の空気を変えようと話を始める。
こいつは最初の頃は険悪な仲だったのだが最近はわりと普通に話せるようになってきた。
中国出身で料理が意外と上手いのだ。
こいつは最初の頃は険悪な仲だったのだが最近はわりと普通に話せるようになってきた。
中国出身で料理が意外と上手いのだ。
「ていうか勢い余ってベッドインだったし。」
「あら意外と手が早いのね。」
「いや、向こうが誘ってきたんですよ。」
「へえ……。」
「年上だから積極的なのかしら。どんなタイプ?」
「可愛い系ですね。」
「やっぱ彼女の家?」
「いや、彼女じゃなくて彼氏だな。兄貴の友達だった。」
「あら意外と手が早いのね。」
「いや、向こうが誘ってきたんですよ。」
「へえ……。」
「年上だから積極的なのかしら。どんなタイプ?」
「可愛い系ですね。」
「やっぱ彼女の家?」
「いや、彼女じゃなくて彼氏だな。兄貴の友達だった。」
マ ヒ ャ ド !
上田家は代々ドラクエ派なのであしからず。
車内の空気は更に凍りついた!
上田家は代々ドラクエ派なのであしからず。
車内の空気は更に凍りついた!
「兄貴と元々付き合ってたらしいんだけどあいつが家出してから寂しがっていて……。」
男女でもドロドロなのに男同士でそれとか嫌すぎるわ!
二重の意味で兄弟じゃねえか!
誰かこのバカさっさと止めろ!
地上の星ならぬ痴情のホモだよ!
二重の意味で兄弟じゃねえか!
誰かこのバカさっさと止めろ!
地上の星ならぬ痴情のホモだよ!
「あ、着いたよ。」
森の真ん中で車は停まる。
酷いトークが中断されて本当に助かった。
ここからは徒歩で研究所まで行くということか。
酷いトークが中断されて本当に助かった。
ここからは徒歩で研究所まで行くということか。
「よーし、それじゃあ皆行こうか。
作戦は昨日伝えたとおりだ。
ライディーンは能力で空から奇襲をかけてもらうためにここでしばらく待機。
サンタさんは陽動の為に正面から大量の動物を使った突撃をお願いしている。
その為の突破口は俺が開くから暢気して待ってて頂戴な。
あとその前にシンクとルル=ベルには能力でこっそりと研究所に忍びこんでもらいます。
できるだけ戦闘しないで敵の数とか警備の状態とかをもう一度調べて俺達に教えてちょうだい。
それが終わったら研究所の奥深くまで潜り込んで、俺達に実験材料として使われている人達の居場所を教えてね。
連絡が来たら紅瀬ちゃんは能力で地下道を作って実験台の人達をここまで誘導、最終的には外で敵を引きつけたサンタさんが能力で基地までワープだ。
二人は実験台の人たちと一緒に地下道を通ってもいいし、ライディーンの奇襲が上手く成功していれば彼が引き上げるときに一緒に連れていってもらってもいい。
ただしその為には対空兵器の完全な破壊が必要だから気をつけてね。
とにかく組織に関わっている研究所だから何が出てくるか分からない。
実験中の都市伝説や実験台の契約者による攻撃は皆にルルちゃんの作ったデータを渡しているから大丈夫だと思うけど、
それを鵜呑みにしないで危ないと思ったらすぐに退くことを心がけてね。
あくまでこの作戦は“大戦争”を円滑に進める為の保険的な役割だ。」
「了解した。」
「良いわ。」
「では私は待機か。」
「俺は出撃ね。」
「道案内は任せて明尊ちゃん!」
「私は何すればいいの?」
「俺の椅子。」
「あ、そうだ紅瀬ちゃん途中まで借りて良いかな?」
「良いよ、じゃあ紅瀬ちゃん、能力使ってルルの言うとおりに道を作ってあげて。」
「了解。」
作戦は昨日伝えたとおりだ。
ライディーンは能力で空から奇襲をかけてもらうためにここでしばらく待機。
サンタさんは陽動の為に正面から大量の動物を使った突撃をお願いしている。
その為の突破口は俺が開くから暢気して待ってて頂戴な。
あとその前にシンクとルル=ベルには能力でこっそりと研究所に忍びこんでもらいます。
できるだけ戦闘しないで敵の数とか警備の状態とかをもう一度調べて俺達に教えてちょうだい。
それが終わったら研究所の奥深くまで潜り込んで、俺達に実験材料として使われている人達の居場所を教えてね。
連絡が来たら紅瀬ちゃんは能力で地下道を作って実験台の人達をここまで誘導、最終的には外で敵を引きつけたサンタさんが能力で基地までワープだ。
二人は実験台の人たちと一緒に地下道を通ってもいいし、ライディーンの奇襲が上手く成功していれば彼が引き上げるときに一緒に連れていってもらってもいい。
ただしその為には対空兵器の完全な破壊が必要だから気をつけてね。
とにかく組織に関わっている研究所だから何が出てくるか分からない。
実験中の都市伝説や実験台の契約者による攻撃は皆にルルちゃんの作ったデータを渡しているから大丈夫だと思うけど、
それを鵜呑みにしないで危ないと思ったらすぐに退くことを心がけてね。
あくまでこの作戦は“大戦争”を円滑に進める為の保険的な役割だ。」
「了解した。」
「良いわ。」
「では私は待機か。」
「俺は出撃ね。」
「道案内は任せて明尊ちゃん!」
「私は何すればいいの?」
「俺の椅子。」
「あ、そうだ紅瀬ちゃん途中まで借りて良いかな?」
「良いよ、じゃあ紅瀬ちゃん、能力使ってルルの言うとおりに道を作ってあげて。」
「了解。」
一度作戦が始まってしまえばそこは経験値が違う。
全員が作戦に集中し始め、真剣な表情で最終確認を行う。
重ねて言うが妙な空気が吹き飛んでよかった。
全員が作戦に集中し始め、真剣な表情で最終確認を行う。
重ねて言うが妙な空気が吹き飛んでよかった。
「それじゃあ……“ジャックと豆の木”発動!」
紅瀬さんの能力が発動する。
彼女の契約した都市伝説は“ジャックと豆の木”
彼女が一度手に触れた無機物は一瞬で木に変わってしまうのだ。
そして木に変わったものは彼女が思うように自由自在に成長し、彼女の意思のままに消滅する。
破壊された木の破片を使って木を作り出すことも可能な辺りわりとずるい。
今回彼女は木の根だけを巨大化させてその中身を空洞にすることで研究所の奥深くに侵入するためのトンネルを作る役割を持っている。
彼女はルルの指示通りに木のトンネルを作成すると俺たちに早くその中に入るように促した。
彼女の契約した都市伝説は“ジャックと豆の木”
彼女が一度手に触れた無機物は一瞬で木に変わってしまうのだ。
そして木に変わったものは彼女が思うように自由自在に成長し、彼女の意思のままに消滅する。
破壊された木の破片を使って木を作り出すことも可能な辺りわりとずるい。
今回彼女は木の根だけを巨大化させてその中身を空洞にすることで研究所の奥深くに侵入するためのトンネルを作る役割を持っている。
彼女はルルの指示通りに木のトンネルを作成すると俺たちに早くその中に入るように促した。
「じゃあ行くよ明尊ちゃん。」
「ああ、解ったよ。」
「ああ、解ったよ。」
俺とルルは紅瀬の作ったトンネルに足を踏み入れた。
【不思議少女シルバームーン第七話 第二章「ジャックの為の木」】
【不思議少女シルバームーン第七話 第二章「ジャックの為の木」】