アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 魔法少女銀河-26

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
【不思議少女シルバームーン 第九話 第五章「宵闇」】

「……ここは?」
「お目覚めの気分はどうかな?我が息子よ。」
「真祖(マスター)じゃないですか、僕は死んだんじゃあ……。」
「ビルの瓦礫に埋まってたお前をこっそり掘り出してきたんだよ。
 少しは感謝して欲しいもんだね。」
「……とはいってもねえ、僕は全てを失ってしまった。
 生きていたって……。」
「馬鹿者!我が貴様に吸血鬼の能力をくれてやったのは何のためだったと思っているのだ!」
「いやそうなんですけどね。折角お金も兵士も援助してくださったのに……。」
「何を言っている、貴様が失ったのは消耗品だけだ。
 貴様にとって本当に大事な物は何一つ失っていないではないか。」

 目が覚めたのは和風な家屋の一室。
 黒曜石のように黒くなめらかな肌、引き締まった肉体、黒衣。
 眼の前に居たのは僕を吸血鬼にしてくれた師匠。
 僕はあの魔法少女に負けた後、彼女に助けてもらったらしいのだ。

「縁とやら、入ってくることを許可しよう。」
「ジャック!」
「紅瀬ちゃん、生きていたの!?」

 部屋に飛び込む赤一色でドギツイ色した服の女性。
 紅瀬縁である。
 彼女だけは……本当に僕の思想に共感してくれた女性だ。
 僕のそばに居てくれた女性だ。
 母親のような女性だ。

「良かった!目が覚めて本当に良かった!」

 思い切り抱きしめられたせいで呼吸ができない。
 まあ十分間くらい呼吸を止めようが楽勝なので気にしないことにしよう。

「見ろジャック、お前は何一つ失っていない。
 乖離姫と謳われたこの我が直々に血を吸ってやったのであるからして当たり前ではあるがな。」
「真祖(マスター)、ありがとうございます。」
「堅苦しい、師匠で良い。」
「はぁ……。」
「エリザベス様、私の治療も含め、本当にありがとうございます。」
「構わんよ、碧が貴様のことを殊の外気に入っておるようだったしな。
 まあ偶にはヤツの機嫌もとってやらねば。」
「茶飲み友達の青さんと緑さんですか。」
「ああ、偶には鵺の字の所に顔を出してやれよ。私の代わりに。」
「どんだけ不精なのですか。」
「気にするな、私は少し部屋を空けるからおとなしくしていろよ。」

 そういうと“師匠”こと元テンプル騎士団最強“鬼札(ジョーカー)”の“吸血鬼”エリザベスは部屋を出ていった。
 部屋を出た彼女を待ち構えるように佇む人影。

「おや、鵺の字よおまえも来るなら言ってくれよ、契約者も一緒か。」
「契約者なんかじゃないわ、私の可愛い息子よ。」
「ご無沙汰しています鵺さん。」
「そういえば青と緑の作った警備会社に就職したそうじゃないか。」
「縁故採用ですよね。」

 鵺、古代日本に於いて最強を謳われた都市伝説である。
 そしてその契約者鵺野夜行も彼女の側に控えている。

「あらあら、実力よ実力。偶々知り合いだったから優先的に雇っただけ。」
「いくら知り合いでも使えなきゃ使わないわ。」

 品の良い双子の老婦人が歩いてくる。

「青と緑ももう来てたのか。」
「「ええ」」
「済まんかったな、私の弟子のために金を使わせて。」
「良いわよ。」
「彼のおかげでまた儲けられたもの。」
「「それに私たちの息子のこともあったしね、世の中助けあいよ」」
「それにしても何故戦争で儲かるのだ?しかも隠蔽されて世界への影響は少ない物だとばかり。」
「私たち生粋の都市伝説には仕組がさーっぱり分からないわね。」
「どこかが損すれば」
「どこかが得する」
「「世の中のルールよ」」
「契約者は心を削り」
「都市伝説は力を与える」
「貴方達や私たちが生まれる前からの世界の大原則ね。」
「それより立ち話もなんだわ。」
「お茶でもゆっくり飲みましょう。」
「今日は話すことが沢山あるねえ。」
「ジャックを倒した魔法少女だったっけ?」
「ああ、あの子ね、私たちの計画に有用だと思うわ。」
「あまり多くの人間を計画に巻き込むのは賛成できんな。」
「解っているわよ。」
「九尾ちゃんも呼びたいわねえ。」
「あの子今どこにいるの?」
「さあ、どっかの国でまた同じようなこと懲りもせずにやってんじゃないの?」 

 四人の女性はクスクスと笑う。

「悪者が居てそれを倒せば全部解決するなんて時代はもう終わり。」
「この世にあるのは正体不明の欠片のみ。私たちは悪なのかしら善なのかしら。」
「我は退屈が紛れれば何でもいいんだがなあ。」
「見てみたいのよね、人も妖も全てが混じり合い一つになっていく、それはそれは残酷で優しい世界。」

 誰の手も届かぬ場所でほくそ笑み
 未だに蠢く者がいる
 それが悪かは分からない
 例えるならば宵の闇
 決して光は届かぬけれど
 そこから命は湧いてくる
 闇は全て払われるべきか?
 光で照らせば全て解決するのか?
 解らない

【不思議少女シルバームーン 第九話 第五章「宵闇」 fin】

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー