猫のいる日常
「ただいま」
玄関で靴を脱ぐ男を、猫たちがにゃあにゃあと出迎える。
「すぐにご飯にするよ。ちょっと待っててね」
男は着替えもせずにキッチンへとまっすぐ歩み、食器棚からいくつものエサ皿を取り出す。
次いでキャットフードも取り出すと、そのエサ皿へ次々に注いでいった。
次いでキャットフードも取り出すと、そのエサ皿へ次々に注いでいった。
「こらクロハル、キッチンに入ってきちゃ駄目だって言ってるだろ」
待ちきれないといった風に擦り寄ってきた黒猫をつまみ上げ、キッチンの外に追いやる。
他の猫はというと、キッチンの外に集まってまだかまだかと待ちわびている。
すべてのエサ皿にキャットフードを注ぐと、それをリビングまで運んで床にずらりと並べる。
待ってましたとばかりにエサ皿に喰らいつく猫たち。
他の猫はというと、キッチンの外に集まってまだかまだかと待ちわびている。
すべてのエサ皿にキャットフードを注ぐと、それをリビングまで運んで床にずらりと並べる。
待ってましたとばかりにエサ皿に喰らいつく猫たち。
「あれ……コノハ?」
エサ皿のひとつが空いているのに気づき、男は辺りを見渡す。
リビングの隅に寝転がっている三毛猫を見つけると、男はそっと三毛猫に触れる。
リビングの隅に寝転がっている三毛猫を見つけると、男はそっと三毛猫に触れる。
その体は冷たく、また、ひどく硬くなっていた。
男は硬くなった三毛猫をやさしく拾い上げて、エサ皿にかじりつく一匹の黒猫の元に歩み寄る。
黒猫もそれに気づいた様子で、エサを食べるのをやめて男を見上げる。
黒猫もそれに気づいた様子で、エサを食べるのをやめて男を見上げる。
「クロハル、お願い」
男は手に乗せた三毛猫を黒猫へと差し出す。
黒猫はその三毛猫の頭にそっと前足を置いた。
すると三毛猫はゆっくりと目を開き、男を見上げて、にゃう、と鳴いた。
黒猫はその三毛猫の頭にそっと前足を置いた。
すると三毛猫はゆっくりと目を開き、男を見上げて、にゃう、と鳴いた。
「おはよう、コノハ。ごはんだよ」
三毛猫を床におろしてやると、ひとつ伸びをしたのち、空いているエサ皿に駆け寄ってエサを食べ始めた。
「遺体に猫が触れると亡者として蘇る」という俗信がある。
愛しい者と死別することは、たいていの人にとっては耐え難い苦痛である。
もし、愛しい者と再び会える手段があるのなら、すがりつく者がいてもおかしくはないだろう。
愛しい者と死別することは、たいていの人にとっては耐え難い苦痛である。
もし、愛しい者と再び会える手段があるのなら、すがりつく者がいてもおかしくはないだろう。
それがたとえ亡者であろうとも。
「ずっと一緒だからね」
誰へともない男の呟きに、黒猫だけが、にゃあ、と応えた。
【終】