凶悪なモンスターたちが今も徘徊する薄暗い炭鉱、その地下にある洞窟に小さな影があった。
白い体毛、背中には小さな羽根。頭にポンポンがある二頭身の生き物、モーグリ。
マフラーを首に巻いたモーグリが洞窟の壁に向かってただ一匹、じっと佇んでいた。
そのモーグリの名はモグ。勇敢な戦士であり、世界を救った英雄たちの一員でもある。
モグは俯いてじっと、掌中のお守りに視線を注いでいる。在りし日に思いを馳せながら。
白い体毛、背中には小さな羽根。頭にポンポンがある二頭身の生き物、モーグリ。
マフラーを首に巻いたモーグリが洞窟の壁に向かってただ一匹、じっと佇んでいた。
そのモーグリの名はモグ。勇敢な戦士であり、世界を救った英雄たちの一員でもある。
モグは俯いてじっと、掌中のお守りに視線を注いでいる。在りし日に思いを馳せながら。
破壊者は倒れ、瓦礫の塔は崩れ落ち、滅びに瀕した世界には生命の息吹が吹き込まれる。
そしてそれを為した英雄たちも、それぞれの居場所に戻っていった。
ティナはモブリズに。ガウは獣ヶ原ヘ。セッツァーは空を自由に翔けまわっている。
リルムは約束の為にジドールと、他の面々も思い思いの自分が行くべき場所に歩き出した。
仲間たちと同じく、モグもまた子分のウーマロと一緒に帰っていった。
生まれ故郷のナルシェの洞窟、待つ者も無いモーグリの住処に。
そしてそれを為した英雄たちも、それぞれの居場所に戻っていった。
ティナはモブリズに。ガウは獣ヶ原ヘ。セッツァーは空を自由に翔けまわっている。
リルムは約束の為にジドールと、他の面々も思い思いの自分が行くべき場所に歩き出した。
仲間たちと同じく、モグもまた子分のウーマロと一緒に帰っていった。
生まれ故郷のナルシェの洞窟、待つ者も無いモーグリの住処に。
荒れ果てた世界に緑が戻り、人々は活気に満ちていた。
一時はゴーストタウン同然だったナルシェにも、少しずつではあるが人が戻ってきている。
それでも、戻ってこないものはある。
モグと一緒に暮らしていた十匹のモーグリたち。
モグリン。モグプウ。モグッチ。モグシン。モグポン。
ムグムグ。ズモモグ。モグール。モグタン――モルル。
もう、誰もいなかった。
残ったのは手の中のお守りだけ。
一時はゴーストタウン同然だったナルシェにも、少しずつではあるが人が戻ってきている。
それでも、戻ってこないものはある。
モグと一緒に暮らしていた十匹のモーグリたち。
モグリン。モグプウ。モグッチ。モグシン。モグポン。
ムグムグ。ズモモグ。モグール。モグタン――モルル。
もう、誰もいなかった。
残ったのは手の中のお守りだけ。
世界は救った。平和は戻った。しかし、モーグリは?
世界を巡って世界を見てきて、それでもモーグリはどこにもいなかった。
モグは世界に残った最後のモーグリかもしれなかった。
そう断言できる確証は無い。だが生き残りがいると楽観する事も出来ない。
世界に刻まれた爪痕は深く、滅びた種は数多い。
世界を巡って世界を見てきて、それでもモーグリはどこにもいなかった。
モグは世界に残った最後のモーグリかもしれなかった。
そう断言できる確証は無い。だが生き残りがいると楽観する事も出来ない。
世界に刻まれた爪痕は深く、滅びた種は数多い。
力が無ければ生き残れない。知恵が無ければ生きる道は無い。
それが大自然の理、自然に生きる者たちの法。
激変する環境、分断された大地、現れた強力なモンスターたち。
果たしてモーグリたちが滅びの運命に抗う事はできたのか。
活気が戻ろうとするナルシェの街と静寂に包まれるモーグリの住処が、その答えである。
それが大自然の理、自然に生きる者たちの法。
激変する環境、分断された大地、現れた強力なモンスターたち。
果たしてモーグリたちが滅びの運命に抗う事はできたのか。
活気が戻ろうとするナルシェの街と静寂に包まれるモーグリの住処が、その答えである。
それでも、もしかしたら誰か生きているかもしれない。帰ってくるかもしれない。
そんな淡い希望を胸に抱いて、モグは今日も一人で洞窟に佇む。
それが叶わぬ望みと知りながら。
そんな淡い希望を胸に抱いて、モグは今日も一人で洞窟に佇む。
それが叶わぬ望みと知りながら。
共に戦った仲間はいる。子分のウーマロも炭鉱に住んでいる。
みんなとの繋がりは今のモグにとってかけがえの無い宝物だ。
平和になった今、誰に会いに行くのだってそう難しいものでは無い。
移住だってどこにだってできるだろう。
しかし、モグは故郷を離れることはできなかった。
みんなとの繋がりは今のモグにとってかけがえの無い宝物だ。
平和になった今、誰に会いに行くのだってそう難しいものでは無い。
移住だってどこにだってできるだろう。
しかし、モグは故郷を離れることはできなかった。
どうしようもなく寂しかった。
それが仕方の無い運命なのだとしても。
モグは一人で孤独に耐えていた。
耐えるしかなかった。
それが仕方の無い運命なのだとしても。
モグは一人で孤独に耐えていた。
耐えるしかなかった。
そんなただ一匹だけのモーグリがやり直したい、そんな思いがちらりと頭に浮かんでも仕方の無い事だったろう。
○ ○ ○
「不愉快クポ! 全く何考えてるクポ!」
モグは激怒していた。首に巻かれたマフラーと、その下から首にかけたお守りが揺れている。
温厚なモーグリには大変珍しい激昂ぶりだった。どこか間が抜けてもいたが。
モグは怒りに任せて絶叫した。
温厚なモーグリには大変珍しい激昂ぶりだった。どこか間が抜けてもいたが。
モグは怒りに任せて絶叫した。
「ぼくはぬいぐるみじゃないクポー!」
モグが聖杯戦争の舞台に呼ばれ、降り立った場所。
それはぬいぐるみ専門店だった。
気づいた時には大きいサイズのぬいぐるみと仲良く一緒に陳列されていた。
頭についているポンポンにタグがつけられていた。値段は五千百十円。
目を覚ましたモグが自分の扱いに気がついた瞬間、ぶちキレた。蓄積されたストレスが爆発した瞬間だった。
ポンポンのタグを力任せに引きちぎり、満身の力を込めて握りつぶした後、渾身の力で地面に叩きつけた。
それはぬいぐるみ専門店だった。
気づいた時には大きいサイズのぬいぐるみと仲良く一緒に陳列されていた。
頭についているポンポンにタグがつけられていた。値段は五千百十円。
目を覚ましたモグが自分の扱いに気がついた瞬間、ぶちキレた。蓄積されたストレスが爆発した瞬間だった。
ポンポンのタグを力任せに引きちぎり、満身の力を込めて握りつぶした後、渾身の力で地面に叩きつけた。
その後は自分はぬいぐるみじゃないと叫びながらモグは店内を爆走。
突然の事態に反応できた者は誰もいなかった。あっという間にモグは人の隙間を潜り抜け店から脱出。
荒ぶるモーグリは怒りに任せて昼間の通りを出鱈目に走り、姿をくらました。
現在は何らかの倉庫らしき場所に逃げ込んでいた。人の気配も明かりも無く、潜むには絶好の場所だった。
積み上げられたダンボールの一つに腰掛けて、いまだ収まらない怒りをぶちまけている。
突然の事態に反応できた者は誰もいなかった。あっという間にモグは人の隙間を潜り抜け店から脱出。
荒ぶるモーグリは怒りに任せて昼間の通りを出鱈目に走り、姿をくらました。
現在は何らかの倉庫らしき場所に逃げ込んでいた。人の気配も明かりも無く、潜むには絶好の場所だった。
積み上げられたダンボールの一つに腰掛けて、いまだ収まらない怒りをぶちまけている。
「どうやったら間違うクポ! どこからどう見てもなまものクポ!」
モグの身長は122cm、体重は43kgと確かにぬいぐるみと間違えるのは少々無理があった。
実際どういう経緯でそんな事になったのかは定かではない。謎である。
実際どういう経緯でそんな事になったのかは定かではない。謎である。
「本当に非常識クポ! ここの人間は――」
「そこまでにしておけ、毛玉」
「――クポ?」
「そこまでにしておけ、毛玉」
「――クポ?」
なおも収まらぬ怒りであったが不意にかけられた言葉にモグは固まった。
辺りを見回すが、誰もいない。少なくとも人間の姿は無い。
辺りを見回すが、誰もいない。少なくとも人間の姿は無い。
「誰クポ? どこにいるクポ?」
「毛玉よ、私はここにいる」
「クポ!?」
「毛玉よ、私はここにいる」
「クポ!?」
また声がしたと思ったらいきなりモグの身体が浮き上がった。
モーグリは短時間なら浮遊する事は可能だが、これはモグの意志によるものでは無かった。
抵抗しようとするも身動きが取れない。見えない何かで押さえつけられたように手足は動かなかった。
この事態にモグは危機を感じ……る前に崩壊する瓦礫の塔での出来事が頭を過ぎる。
モーグリは短時間なら浮遊する事は可能だが、これはモグの意志によるものでは無かった。
抵抗しようとするも身動きが取れない。見えない何かで押さえつけられたように手足は動かなかった。
この事態にモグは危機を感じ……る前に崩壊する瓦礫の塔での出来事が頭を過ぎる。
「ぬいぐるみじゃないって言ってるクポー!」
「口を閉じていろ毛玉。安心しろ、別にお前を喰おうとしている訳では無い」
「口を閉じていろ毛玉。安心しろ、別にお前を喰おうとしている訳では無い」
言葉と同時にモグの身体が下降を始め、そのままゆっくりと地面に着地した。
一体何なのかと訝しむモグの目の前、そこに何かがいた。
辺りは暗いが洞窟暮らしのモグにはそれが何かはっきりと視認できた。
それはモグより更に背が低い二頭身の――二足歩行するトカゲ、そうとしか言いようの無いなにか。
石か何かでできた鎧を着込んで、マントまで羽織っている。
人間なら普通は衝撃を受ける異様な姿であるが、ここにいるのは同じく人ではないモーグリ。
姿よりも先に身体の大きさに目がいった。
一体何なのかと訝しむモグの目の前、そこに何かがいた。
辺りは暗いが洞窟暮らしのモグにはそれが何かはっきりと視認できた。
それはモグより更に背が低い二頭身の――二足歩行するトカゲ、そうとしか言いようの無いなにか。
石か何かでできた鎧を着込んで、マントまで羽織っている。
人間なら普通は衝撃を受ける異様な姿であるが、ここにいるのは同じく人ではないモーグリ。
姿よりも先に身体の大きさに目がいった。
「……ぼくより小さいクポ」
「見た目で能力が決まる訳では無い。サル共を見れば良く分かるだろう」
「サルってもしかして人間のことクポ? それよりあんた誰クポ?
ここに住んでるクポ? それなら勝手に入ってごめんクポ」
「見た目で能力が決まる訳では無い。サル共を見れば良く分かるだろう」
「サルってもしかして人間のことクポ? それよりあんた誰クポ?
ここに住んでるクポ? それなら勝手に入ってごめんクポ」
どこかずれた事を言って頭を下げるモグに、直立するトカゲは冷静に応じた。少々の呆れを滲ませて。
「……私はライダーのサーヴァント。お前に召還された……従者だ。
だから私はこの場所に住んでなどいない。わかるか、毛玉?」
「あ、そうだったんだクポ……サーヴァントって何クポ? ライダーって名前クポ?」
「……先が思いやられるな。サルよりはましかと思ったが、毛玉はしょせん毛玉か」
だから私はこの場所に住んでなどいない。わかるか、毛玉?」
「あ、そうだったんだクポ……サーヴァントって何クポ? ライダーって名前クポ?」
「……先が思いやられるな。サルよりはましかと思ったが、毛玉はしょせん毛玉か」
やれやれといった調子でライダーを名乗るトカゲは首をすくめた。
その思いっきり馬鹿にしたような物言いと態度に、頭に血が上っているモグはカチンときた。
なんで馬鹿にされているか解らないのにも苛ついたが、なにより毛玉呼ばわりが気に入らない。
その思いっきり馬鹿にしたような物言いと態度に、頭に血が上っているモグはカチンときた。
なんで馬鹿にされているか解らないのにも苛ついたが、なにより毛玉呼ばわりが気に入らない。
「さっきから毛玉毛玉うるさいクポ! ぼくの名前はモグだクポ! モーグリのモグクポ!」
「ほう、それは失礼した。ならば私の事はライダーと呼ぶがいい。
ではモグよ。改めて訊くが今の自分がどんな状況にあるか理解しているか?」
「だから一体何のことだかさっぱり……クポ? 聖杯戦争? サーヴァント?」
「ほう、それは失礼した。ならば私の事はライダーと呼ぶがいい。
ではモグよ。改めて訊くが今の自分がどんな状況にあるか理解しているか?」
「だから一体何のことだかさっぱり……クポ? 聖杯戦争? サーヴァント?」
頭の中で妙な単語がちらつくのにモグは気づいた。
聖杯戦争、サーヴァント、マスター……本来は知るはずの無い単語の羅列。
一つ違和感が生じると連鎖的に次々と湧き上がる疑問。
自分の今の状況がどれだけ異常であるか、モグはやっと認識し、そして混乱した。
頭を抱えて、いや押さえてその場でぐるぐる回り始める。
聖杯戦争、サーヴァント、マスター……本来は知るはずの無い単語の羅列。
一つ違和感が生じると連鎖的に次々と湧き上がる疑問。
自分の今の状況がどれだけ異常であるか、モグはやっと認識し、そして混乱した。
頭を抱えて、いや押さえてその場でぐるぐる回り始める。
「ど、どういうことクポ。なんでぼくはこんなこと知ってるクポ?
ここどこクポ? なんでこんな所にいるクポ?」
「血の巡りの悪いお前の為に、一つ一つ答えよう」
ここどこクポ? なんでこんな所にいるクポ?」
「血の巡りの悪いお前の為に、一つ一つ答えよう」
うろたえるモグにライダーは仕方ないとばかりに嘆息する。。
ぐるぐるしているモグを先ほどのように押さえこんでから、知りうる限りの情報で説明を始めた。
ぐるぐるしているモグを先ほどのように押さえこんでから、知りうる限りの情報で説明を始めた。
「何故、知る筈も無い知識が頭の中に入っているのか。これは恐らく聖杯によるものだな」
「聖杯……ええと、願いごとをかなえるアイテム……クポ?」
「与えられた知識に誤りが無いならその認識で間違いなかろう。
ここでの戦いで守らねばならぬ掟の周知のためだろうよ。
この汚らしい世界の知識も有る程度与えられているようだ」
「世界クポ?……そういえば確かに何かここは変クポ」
「聖杯……ええと、願いごとをかなえるアイテム……クポ?」
「与えられた知識に誤りが無いならその認識で間違いなかろう。
ここでの戦いで守らねばならぬ掟の周知のためだろうよ。
この汚らしい世界の知識も有る程度与えられているようだ」
「世界クポ?……そういえば確かに何かここは変クポ」
冷静になって振り返れば、ここに落ち着くまでモグにとって見知らぬものばかり目にした。
建築物、服装、綺麗に舗装された道路に、道に転々としているよく分からない機械。そして今いる倉庫。
先ほどまで腰掛けていたダンボール箱もモグは見たことが無い。
世界最速の飛空挺ファルコン号でモグは世界の土地を巡ったが、こんな場所はどこにも無かった。
建築物、服装、綺麗に舗装された道路に、道に転々としているよく分からない機械。そして今いる倉庫。
先ほどまで腰掛けていたダンボール箱もモグは見たことが無い。
世界最速の飛空挺ファルコン号でモグは世界の土地を巡ったが、こんな場所はどこにも無かった。
「何がなんだかわからないクポ……」
「私にもよくは分からん。与えられた知識はお前と大差ないだろうからな。
確かなのは、この地が冬木と呼ばれる場であるという事だけだ」
「ライダーにもわからないクポ?」
「心当たりは無くはないが……断言はできん。異世界と表現するのが妥当か」
「異世界クポ……」
「私にもよくは分からん。与えられた知識はお前と大差ないだろうからな。
確かなのは、この地が冬木と呼ばれる場であるという事だけだ」
「ライダーにもわからないクポ?」
「心当たりは無くはないが……断言はできん。異世界と表現するのが妥当か」
「異世界クポ……」
異世界、幻獣界やカイエンの夢の中のような場所なのかとモグは思った。
それならばこの世界と自分の住む世界はどこかで繋がっているのか、そこが気になった。
それならばこの世界と自分の住む世界はどこかで繋がっているのか、そこが気になった。
「私とお前の住む世界も違うのだろう。
……いや、その無駄に多い白毛を見るに……モグよ。
私と同じ姿をした者たちを見たことがあるか」
「あちこちに行ったけど……ライダーを見るのは初めてクポ」
「……そうか」
……いや、その無駄に多い白毛を見るに……モグよ。
私と同じ姿をした者たちを見たことがあるか」
「あちこちに行ったけど……ライダーを見るのは初めてクポ」
「……そうか」
ライダーはまたも嘆息した。
そこに込められた意味はさっきとは違うようであったが、モグがそれに気づく余裕は無かった。
既にモグの怒りは萎えていた。いまモグの心中にあるのは渦巻く不安だけだった。
こうやって話している間にもモグの中で情報の整理は進んでいく。
こういった非常時に際しては潜った修羅場の数が物を言う。
しかし冷静になった分だけ、恐怖を感じた。聖杯戦争。聖杯というアイテムの奪い合い。
かつてのガストラ帝国の姿がモグの頭に浮かんだ。
そこに込められた意味はさっきとは違うようであったが、モグがそれに気づく余裕は無かった。
既にモグの怒りは萎えていた。いまモグの心中にあるのは渦巻く不安だけだった。
こうやって話している間にもモグの中で情報の整理は進んでいく。
こういった非常時に際しては潜った修羅場の数が物を言う。
しかし冷静になった分だけ、恐怖を感じた。聖杯戦争。聖杯というアイテムの奪い合い。
かつてのガストラ帝国の姿がモグの頭に浮かんだ。
「最後に、何故ここにお前がいるのか。それはお前がそう願ったからだ」
「ぼくが、願ったクポ? 」
「聖杯戦争とはその者の願いを叶えるための戦いだという。
願いが無ければここに来る事はできないという事だ。心当たりはあるな?」
「……無い、とはいえないクポ」
「ぼくが、願ったクポ? 」
「聖杯戦争とはその者の願いを叶えるための戦いだという。
願いが無ければここに来る事はできないという事だ。心当たりはあるな?」
「……無い、とはいえないクポ」
モグにも願いはあった。とても切実な願いが。
「僕はみんなに会いたいって、いつも思ってたクポ。でも、なんで……」
「吐いて捨てるほどいるであろう愚か者の中で、何故お前が選ばれたのかは分からん。
しかしお前はここにいる。それは間違いない」
「クポー……」
「吐いて捨てるほどいるであろう愚か者の中で、何故お前が選ばれたのかは分からん。
しかしお前はここにいる。それは間違いない」
「クポー……」
モグにも事情はある程度飲み込めた。戦争。モグにとって縁遠いものではない。
聖杯というアイテムの存在をモグは自分の中で噛み砕く。怖気が走った。
聖杯というアイテムの存在をモグは自分の中で噛み砕く。怖気が走った。
「僕はこれからどうなるクポ?」
「どうであれ戦うしか無いだろう。生き残りたければ、勝ち残るしかない。それが……いや」
「クポ?」
「なに、こんな悪趣味なものに大地は関係ないという事だ。
理を歪める無様な妄執よ、誇りなどある筈も無い」
「どうであれ戦うしか無いだろう。生き残りたければ、勝ち残るしかない。それが……いや」
「クポ?」
「なに、こんな悪趣味なものに大地は関係ないという事だ。
理を歪める無様な妄執よ、誇りなどある筈も無い」
淡々と語っていたライダーが初めて感情を覗かせた。
それは自嘲のようだった。薄っすらとしたもので、はっきりとは分らなかったが。
モグには自分を食べようとする恐竜から逃げ回った経験はあれど、トカゲの表情を読んだ経験はなかった。
それは自嘲のようだった。薄っすらとしたもので、はっきりとは分らなかったが。
モグには自分を食べようとする恐竜から逃げ回った経験はあれど、トカゲの表情を読んだ経験はなかった。
「ライダーは戦いたくないクポ?」
「喚びかけに応えた以上、務めは果たす。だが奴隷扱いはしてくれるな」
「僕はそんな事しないクポ」
「喚びかけに応えた以上、務めは果たす。だが奴隷扱いはしてくれるな」
「僕はそんな事しないクポ」
その言葉を最後に会話は途絶えた。モグは考える事に集中したかった。
願い、聖杯、世界、故郷、仲間。そして目の前のライダー。
これからどうすべきか自分の中にある全てを引っくり返して考える。
いや、答えそのものは決まっていた。大切なものは何か、簡単な話だ。
それが弱くなった自分だけで果たせる事なのか、それが問題だった。
自分の右手を見る。そこには知らぬ間に見知らぬ紋様が刻まれている。
サーヴァントに対する絶対命令権。モグは自分の目的のためにこれを使うつもりは無かった。
ライダーはそんなモグの姿を黙って見ていた。少しの間じっとモグを観察し、口を開いた。
願い、聖杯、世界、故郷、仲間。そして目の前のライダー。
これからどうすべきか自分の中にある全てを引っくり返して考える。
いや、答えそのものは決まっていた。大切なものは何か、簡単な話だ。
それが弱くなった自分だけで果たせる事なのか、それが問題だった。
自分の右手を見る。そこには知らぬ間に見知らぬ紋様が刻まれている。
サーヴァントに対する絶対命令権。モグは自分の目的のためにこれを使うつもりは無かった。
ライダーはそんなモグの姿を黙って見ていた。少しの間じっとモグを観察し、口を開いた。
「……そろそろ消えるとするか」
「クポ? どうしたんだクポ?」
「霊体化をして魔力の消耗を抑える。その時がくるまで、力は温存しておきたい」
「ちょっと待ってクポ。魔力って――じゃなくて、話したいことがあるクポ」
「霊体になっても念話で話せる(このようにな)」
「おお、なんだか懐かしい感覚クポ……い、いや待ってクポ。
大事な話だからこんなじゃなくてちゃんと話したいクポ」
「クポ? どうしたんだクポ?」
「霊体化をして魔力の消耗を抑える。その時がくるまで、力は温存しておきたい」
「ちょっと待ってクポ。魔力って――じゃなくて、話したいことがあるクポ」
「霊体になっても念話で話せる(このようにな)」
「おお、なんだか懐かしい感覚クポ……い、いや待ってクポ。
大事な話だからこんなじゃなくてちゃんと話したいクポ」
背中を向けて消えようとするライダーを、モグは引き止めた。
聞きたい事と、伝えなければならない事があった。
聞きたい事と、伝えなければならない事があった。
「……なんだ」
「えーとクポ……僕は、戦わないといけないクポ?」
「戦わなければ、死ぬだけだ」
「えーとクポ……僕は、戦わないといけないクポ?」
「戦わなければ、死ぬだけだ」
モグはゆっくりとライダーに確認をとった。
今更な質問だが、しかしモグには必要な事だった。問いを重ねる。
今更な質問だが、しかしモグには必要な事だった。問いを重ねる。
「ぼくみたいな人が他にもいるクポ?」
「私たちがいる以上、そう考えるのが自然だ」
「その人たちに勝ったら願いがかなうクポ?」
「そういう事になっている」
「みんな願いを持ってるクポ?」
「わからん。さっきはああ言ったが証明はできん」
「……ライダーはぼくの子分クポ?」
「……その認識でも、間違いではない」
「わかったクポ……僕は決めたクポ」
「私たちがいる以上、そう考えるのが自然だ」
「その人たちに勝ったら願いがかなうクポ?」
「そういう事になっている」
「みんな願いを持ってるクポ?」
「わからん。さっきはああ言ったが証明はできん」
「……ライダーはぼくの子分クポ?」
「……その認識でも、間違いではない」
「わかったクポ……僕は決めたクポ」
モグはマフラーの下に手をやり、お守りを握り締めた。
モグの心は既に決まっている。口に出すのは少しだけ勇気が必要だったが。
モグの心は既に決まっている。口に出すのは少しだけ勇気が必要だったが。
「ぼくは、他の人たちに会ってみたいクポ」
「ふむ、それで」
「ふむ、それで」
ライダーは続きを促す。それだけでは何とも言い様が無い。
「色々考えてみたクポ。
でも、いくら考えても聖杯戦争っていうのが何なのか全然わかんないクポ。
だから色んな人に聖杯をどう思ってるか話を聞いてみたいクポ」
「なるほど……お前は聖杯を疑っているということか」
「んー……そうなるクポ?」
でも、いくら考えても聖杯戦争っていうのが何なのか全然わかんないクポ。
だから色んな人に聖杯をどう思ってるか話を聞いてみたいクポ」
「なるほど……お前は聖杯を疑っているということか」
「んー……そうなるクポ?」
モグのひとまず出した結論。それは何もわからないという事だった。
だから色々な意見を聞いてみたいし、情報も集めてみたい。
モグが旅をしていた時も一人が全体を引っ張るのではなく、皆で協力しながら世界を渡り歩いた。
あちこちで拾い集めた情報を元に世界を飛び回ったりもした。
その経験から出した答えだった。
だから色々な意見を聞いてみたいし、情報も集めてみたい。
モグが旅をしていた時も一人が全体を引っ張るのではなく、皆で協力しながら世界を渡り歩いた。
あちこちで拾い集めた情報を元に世界を飛び回ったりもした。
その経験から出した答えだった。
「だって本当になんにもわからないクポ。
戦争っていうぐらいだから、もしかしたら全部嘘かもしれないクポ。
リターナーも嘘で酷い目にあったクポ。それに……」
戦争っていうぐらいだから、もしかしたら全部嘘かもしれないクポ。
リターナーも嘘で酷い目にあったクポ。それに……」
戦争と聞いて思い浮かべたガストラ帝国。
帝国と和平を結んだ瞬間を思い出す。その後、帝国の首都に留まったリターナーは騙まし討ちに遭う事になる。
エドガーの活躍が無ければ、モグはあの時ベクタで命を落としていたかもしれなかった。
その苦い経験とその後に何が起こったかを考えれば、与えられた知識を鵜呑みにする事なんてできはしない。
そして邪魔者がいなくなった帝国はあの大陸を浮上させ……。
帝国と和平を結んだ瞬間を思い出す。その後、帝国の首都に留まったリターナーは騙まし討ちに遭う事になる。
エドガーの活躍が無ければ、モグはあの時ベクタで命を落としていたかもしれなかった。
その苦い経験とその後に何が起こったかを考えれば、与えられた知識を鵜呑みにする事なんてできはしない。
そして邪魔者がいなくなった帝国はあの大陸を浮上させ……。
「願いをかなえようとして、でもそれがもしかしたら……」
モグは言葉を切った。俯いて地面に視線を向ける。体は小刻みに震えていた。
かつて見た光景がフラッシュバックした。忘れることの出来ない記憶だった。
迸る閃光、砕ける船体、吹き飛ばされる仲間たち、モグも空へ投げ出された。
飛空挺の残骸と共に宙を舞い、浮遊感に包まれながら見た、眼下に広がる燃える大地。
野望を叶えるために帝国が手を伸ばした絶対の力。
それが壊れた魔導士の手に渡った時――世界は、引き裂かれた。
かつて見た光景がフラッシュバックした。忘れることの出来ない記憶だった。
迸る閃光、砕ける船体、吹き飛ばされる仲間たち、モグも空へ投げ出された。
飛空挺の残骸と共に宙を舞い、浮遊感に包まれながら見た、眼下に広がる燃える大地。
野望を叶えるために帝国が手を伸ばした絶対の力。
それが壊れた魔導士の手に渡った時――世界は、引き裂かれた。
「……とにかく、わからないことだらけクポ。
でもぼくは知らないといけないクポ。
もう二度と……あんな思いはしたくないクポ」
でもぼくは知らないといけないクポ。
もう二度と……あんな思いはしたくないクポ」
モグはこの戦争を降りるつもりは無い。
恐怖がある。しかしそれは戦いに対してではない。モグは乱暴な雪男も従える勇猛果敢な戦士である。
それは、またあの大破壊が繰り返されるかもしれない可能性への恐怖だった。
永遠に再会することが叶わなくなった、ナルシェの同胞たちの姿を幻視する。
もし聖杯が三闘神に匹敵する力を持つアイテムだとすれば。
それが邪悪な心を持つ者の手に渡ったなら。
恐怖がある。しかしそれは戦いに対してではない。モグは乱暴な雪男も従える勇猛果敢な戦士である。
それは、またあの大破壊が繰り返されるかもしれない可能性への恐怖だった。
永遠に再会することが叶わなくなった、ナルシェの同胞たちの姿を幻視する。
もし聖杯が三闘神に匹敵する力を持つアイテムだとすれば。
それが邪悪な心を持つ者の手に渡ったなら。
「絶対に、あんな事は繰り返しちゃいけないクポ」
わからない事だらけではあるが、それでも理解できる事がある。
この戦いから逃げてはならない。
あの大惨事を経験した者として、聖杯とは何か、見極めねばならない。
もう二度と失わないために、失わせないために。
この戦いから逃げてはならない。
あの大惨事を経験した者として、聖杯とは何か、見極めねばならない。
もう二度と失わないために、失わせないために。
「お前の言いたい事はおおよそわかった。つまり、願いを叶える気は無いのだな」
「それはわからないクポ……。やりなおしたいこと、いっぱいあるクポ。
でも僕は……聖杯が怖いクポ。なにか、とても恐ろしいものな気がするクポ」
「それはわからないクポ……。やりなおしたいこと、いっぱいあるクポ。
でも僕は……聖杯が怖いクポ。なにか、とても恐ろしいものな気がするクポ」
この戦いを乗り切って故郷に帰っても、モグの孤独が埋められる訳では無い。
それでも、モグは聖杯に手を伸ばす気になれなかった。
怖いのだ。取り返しのつかない、何かを失ってしまいそうで。
それでも、モグは聖杯に手を伸ばす気になれなかった。
怖いのだ。取り返しのつかない、何かを失ってしまいそうで。
「分かった……では一つだけ訊いておこう。
もし他の参加者と戦わねばならなくなった時、お前はどうする?」
「逃げるクポ。逃げて逃げて逃げるクポ。
でももし、逃げられなくなったら……覚悟はできてるクポ」
もし他の参加者と戦わねばならなくなった時、お前はどうする?」
「逃げるクポ。逃げて逃げて逃げるクポ。
でももし、逃げられなくなったら……覚悟はできてるクポ」
ライダーの質問の意図はモグには分かっていた。
自分のこれからの行動がどれだけ危険なものであるかも。
だから言った。自分には戦う覚悟があると。モグは戦士だった。
それを聞いて、ライダーは頷いた。
自分のこれからの行動がどれだけ危険なものであるかも。
だから言った。自分には戦う覚悟があると。モグは戦士だった。
それを聞いて、ライダーは頷いた。
「よかろう……ならば、私も命尽きるまで力を貸そう」
「クポ、でもライダーも願いが……」
「構わん。聖杯を恐ろしいと思うお前の心は理解できる。
聖杯とは大地のおきてを歪めかねない代物だ。看過はできん」
「クポ、でもライダーも願いが……」
「構わん。聖杯を恐ろしいと思うお前の心は理解できる。
聖杯とは大地のおきてを歪めかねない代物だ。看過はできん」
モグにとっては予想外の言葉であった。モグはライダーの協力は半ば諦めていたからだ。
一応、子分かどうかと聞いてみたがそれに何かの強制力があるわけではない。
頭を捻っても、説得する方法が浮かばない。令呪も使いたくない。
願いがあるからここにいる、それがライダーの言葉。
モグにとってライダーは最初の関門だった。
一応、子分かどうかと聞いてみたがそれに何かの強制力があるわけではない。
頭を捻っても、説得する方法が浮かばない。令呪も使いたくない。
願いがあるからここにいる、それがライダーの言葉。
モグにとってライダーは最初の関門だった。
「本当に、大丈夫クポ?」
「フフ、安心するがいい。私が裏切る事は無い、サルとは違うのだ。
信用できんと言うなら私の願いを教えてやろう。
私は……未来が見たかった。ただ、それだけだ」
「フフ、安心するがいい。私が裏切る事は無い、サルとは違うのだ。
信用できんと言うなら私の願いを教えてやろう。
私は……未来が見たかった。ただ、それだけだ」
願いを口にしたライダーの表情を、やはりモグは大まかにしか読めなかった。
どこか晴れ晴れとしているような、しかし何かもっと……はっきりとは分らない。
どこか晴れ晴れとしているような、しかし何かもっと……はっきりとは分らない。
「未来クポ?」
「他愛の無い、ただの未練よ……お前の言葉を聞いて私の目も覚めた。
恥を晒すこの身だが仮初の命ある限り、お前を護ると大地に誓おう」
「……あ、ありがとうクポー! すっごく心強いクポー! 」
「他愛の無い、ただの未練よ……お前の言葉を聞いて私の目も覚めた。
恥を晒すこの身だが仮初の命ある限り、お前を護ると大地に誓おう」
「……あ、ありがとうクポー! すっごく心強いクポー! 」
モグは跳んで跳ねて全身を使って喜んだ。モグにとって、仲間ができた事は何よりも嬉しい事だった。
モグの様々な仲間たち……格闘家、将軍、暗殺者、青魔導士、ものまね士、どろぼ……冒険家。
その中にライダーが加わった瞬間だった。一人じゃないという事は、本当に素晴らしい事だった。
それにしても。
モグの様々な仲間たち……格闘家、将軍、暗殺者、青魔導士、ものまね士、どろぼ……冒険家。
その中にライダーが加わった瞬間だった。一人じゃないという事は、本当に素晴らしい事だった。
それにしても。
「でも、何だか大げさクポ……」
「大げさなものか。
お前はこれから愚物共と幾度も相対しなければならん。命がどれだけあっても足りんわ」
「大げさなものか。
お前はこれから愚物共と幾度も相対しなければならん。命がどれだけあっても足りんわ」
モグにとってそこが一番、頭の痛い問題だった。
ライダーの協力を諦めていた理由もここにある。危険が大きすぎるからだ。
聖杯戦争のルールに基づくなら、参加者同士が出会えば戦闘が始まるのが道理。
参加者の目に触れる機会が多くなればそれだけ危険も増し、こちらの消耗も激しくなる。
モグの目的を果たすには避けては通れない難問である。話をするだけでも自衛の戦力は必要だった。
しかし……その戦力が足りない。全く足りない。
ライダーの協力を諦めていた理由もここにある。危険が大きすぎるからだ。
聖杯戦争のルールに基づくなら、参加者同士が出会えば戦闘が始まるのが道理。
参加者の目に触れる機会が多くなればそれだけ危険も増し、こちらの消耗も激しくなる。
モグの目的を果たすには避けては通れない難問である。話をするだけでも自衛の戦力は必要だった。
しかし……その戦力が足りない。全く足りない。
サーヴァントの実力がどの程度のものかは、モグにはまだ分らないので置いておくとしても。
モグの現在の戦闘能力は最後の戦いから比べると著しく低下している。
魔法の力は失われており、モグの特技である踊りは扱いが難しい。
武器が無いのも苦しい。スノーマフラーとお守りしかこちらに持ってこれていなかった。
魔石の力で上昇させた能力も軒並み低下している。アイテムもポーション一つ持っていない。
お守りの力でずっと戦いを避けていたせいで身体と実戦の勘もかなり鈍っている。
正直に言って、この状態で戦闘になるのは不安極まりなかった。
三闘神とまでは言わずとも、もしも八竜に匹敵する力を持つ存在と遭遇すれば、現状逃げる事すら困難だろう。
モグの現在の戦闘能力は最後の戦いから比べると著しく低下している。
魔法の力は失われており、モグの特技である踊りは扱いが難しい。
武器が無いのも苦しい。スノーマフラーとお守りしかこちらに持ってこれていなかった。
魔石の力で上昇させた能力も軒並み低下している。アイテムもポーション一つ持っていない。
お守りの力でずっと戦いを避けていたせいで身体と実戦の勘もかなり鈍っている。
正直に言って、この状態で戦闘になるのは不安極まりなかった。
三闘神とまでは言わずとも、もしも八竜に匹敵する力を持つ存在と遭遇すれば、現状逃げる事すら困難だろう。
「クポー……せめて魔法が使えれば――あ、そういえばライダー、魔力がどうとか言ってたクポ?」
「魔力の消耗を抑えるとは言ったが……お前も魔法が使えるのか」
「今は使えないクポ。ってライダーどうかしたクポ?」
「魔力の消耗を抑えるとは言ったが……お前も魔法が使えるのか」
「今は使えないクポ。ってライダーどうかしたクポ?」
今度はモグにも良く分かる程に、ライダーは露骨に顔をしかめた。
身体のあちこちをさすりながらライダーは返事をした。
身体のあちこちをさすりながらライダーは返事をした。
「少し、嫌な事を思い出してな。……今は使えないとは?」
「クポ、ちょっと複雑だからちゃんと説明するクポ。モグの武勇伝もたっぷり教えてあげるクポ!」
「なるべく簡潔に話せ」
「クポ、ちょっと複雑だからちゃんと説明するクポ。モグの武勇伝もたっぷり教えてあげるクポ!」
「なるべく簡潔に話せ」
モグは今度は自分が教える番だと張り切って、自分の世界に存在した魔法の説明を始めた。
話はあっちこっちに脱線したが、モグの踊りの力も含めてライダーは大体の事情を把握した。
話はあっちこっちに脱線したが、モグの踊りの力も含めてライダーは大体の事情を把握した。
「成る程、しかしお前から魔力は供給されているぞ」
「だったら魔法も使えるかもクポ! 久しぶりに使ってみるクポ!
――――ファイア!」
「だったら魔法も使えるかもクポ! 久しぶりに使ってみるクポ!
――――ファイア!」
昔の要領を思い出しながら精神を集中してモグは魔法を唱えた。
……しん、としている。
……しん、としている。
「……何も起こらないクポ」
「私に流れる魔力は神とやらのものでは無い事がはっきりしたな」
「クポー……じゃあちょっと試しに一曲おどってみたいクポ」
「うむ、これからのためにもお互いの戦力は把握しておくべきだろう。
私も大地の力を借りるという、その技に興味がある」
「それじゃあ人が全然いないところまで行くクポ。
一度おどると凄く目立つから場所を選ぶクポ」
「私に流れる魔力は神とやらのものでは無い事がはっきりしたな」
「クポー……じゃあちょっと試しに一曲おどってみたいクポ」
「うむ、これからのためにもお互いの戦力は把握しておくべきだろう。
私も大地の力を借りるという、その技に興味がある」
「それじゃあ人が全然いないところまで行くクポ。
一度おどると凄く目立つから場所を選ぶクポ」
モグはライダーの力を含めて、自分達の戦力の把握と増強に努めることを最初の目的とした。
準備が重要であることは、弱肉強食の自然界を生きる両者共にしっかりと理解しているためだ。
参加者を探すのは出来る限りの仕込をした、その後になる。
準備が重要であることは、弱肉強食の自然界を生きる両者共にしっかりと理解しているためだ。
参加者を探すのは出来る限りの仕込をした、その後になる。
「わかった。お互いの連携のための訓練も必要だ。
猶予がある間にやれる事はやっておくぞ。……連携か」
「クポ? また嫌な思い出クポ?」
「フフ、あやつらに学ぶのが癪なだけだ。
しかし、出歩くにはお前の姿は目立つがどうする。夜を待つか?」
猶予がある間にやれる事はやっておくぞ。……連携か」
「クポ? また嫌な思い出クポ?」
「フフ、あやつらに学ぶのが癪なだけだ。
しかし、出歩くにはお前の姿は目立つがどうする。夜を待つか?」
ライダーは姿を隠せるがモグはそうはいかない。
人間しかいない街にモーグリの姿は目立つ。
お守りの加護もただの街の住人には効き目が薄い。バニッシュも使えない。
しかし、モグには秘策があった。
人間しかいない街にモーグリの姿は目立つ。
お守りの加護もただの街の住人には効き目が薄い。バニッシュも使えない。
しかし、モグには秘策があった。
「クポ! それはちゃんと考えてあるクポ! これを見るクポ!」
そう言ってモグは手近にある大きなダンボール箱に手を伸ばす。
箱を開けて中身を取り出す。そして、空いた箱を自分に被せた。
それだけでは少しだけ大きさが足りないが身体を寝かせると……。
箱を開けて中身を取り出す。そして、空いた箱を自分に被せた。
それだけでは少しだけ大きさが足りないが身体を寝かせると……。
「これで見えなくなった筈クポ! 移動も楽々クポ!」
「むぅぅ……やはり頭のデキは……いや、何も言うまい」
「むぅぅ……やはり頭のデキは……いや、何も言うまい」
ダンボールの中で恐らく自慢げに胸を地面に向かって張っているだろうモグを見ながら、ライダーは唸った。
少なくとも人間と組まされる事に比べれば、この程度の事など問題にもならない。
人間に対する遺恨は無かったが、それでもライダーが人間嫌いな事に変わりはない。
この世界に来てからは、特に。
少なくとも人間と組まされる事に比べれば、この程度の事など問題にもならない。
人間に対する遺恨は無かったが、それでもライダーが人間嫌いな事に変わりはない。
この世界に来てからは、特に。
「……そういえば、まだ私は名乗ってなかったな」
「クポ? ライダーじゃないクポ?」
「それはただのクラスの名だ。私の名は別にある」
「クポ? ライダーじゃないクポ?」
「それはただのクラスの名だ。私の名は別にある」
ライダーは目前のダンボールに意識を集中させた。
するとモグが被っていたダンボールの形が揺らぎ、消失した。
驚くモグの前に立ってライダーは名を明かした。少しの苦悩を秘めて。
するとモグが被っていたダンボールの形が揺らぎ、消失した。
驚くモグの前に立ってライダーは名を明かした。少しの苦悩を秘めて。
「……我が名はアザーラ。恐竜人の……アザーラだ。
それが、お前が抗う運命に供する者の名だ、モーグリのモグよ」
それが、お前が抗う運命に供する者の名だ、モーグリのモグよ」
○ ○ ○
それは、夢想だった。
アザーラの前に立つ異邦人たち。
その姿を見て、全てを悟り、考えてしまった。
恐竜人の未来を。幸福と繁栄を享受する自分達の子孫の姿を。
この目で見たいと、死の際に願ってしまった。
それこそが歪み。
本来あるべき定めに逆らいアザーラは今、戦場にいる。
天は人を選び、恐竜人は消え去る。それこそが大地の掟。
その遵守されるべき掟をアザーラは破った。自分の未練が為に。
許してはならなかった。恐竜人の名誉を汚した己を。
許してはならなかった。大地の掟を壊しかねない聖杯を。
定められた運命を覆してはならない。それはいずれ、破滅を呼ぶ。
なればこそ、アザーラは無様を晒しても戦わねばならない。
歪みは、正されなければならないのだ。
アザーラの前に立つ異邦人たち。
その姿を見て、全てを悟り、考えてしまった。
恐竜人の未来を。幸福と繁栄を享受する自分達の子孫の姿を。
この目で見たいと、死の際に願ってしまった。
それこそが歪み。
本来あるべき定めに逆らいアザーラは今、戦場にいる。
天は人を選び、恐竜人は消え去る。それこそが大地の掟。
その遵守されるべき掟をアザーラは破った。自分の未練が為に。
許してはならなかった。恐竜人の名誉を汚した己を。
許してはならなかった。大地の掟を壊しかねない聖杯を。
定められた運命を覆してはならない。それはいずれ、破滅を呼ぶ。
なればこそ、アザーラは無様を晒しても戦わねばならない。
歪みは、正されなければならないのだ。
【クラス】
ライダー
ライダー
【真名】
アザーラ@クロノ・トリガー
アザーラ@クロノ・トリガー
【属性】
秩序・中庸
秩序・中庸
【パラメータ】
筋力C 耐久B+ 敏捷C 魔力D 幸運C 宝具A
筋力C 耐久B+ 敏捷C 魔力D 幸運C 宝具A
【クラス別スキル】
対魔力:B
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい
ライダーの魔力に対する抵抗力は本来あまり高くない。だが超古代の竜種と呼べる存在であるためこのランクとなっている。
対魔力:B
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい
ライダーの魔力に対する抵抗力は本来あまり高くない。だが超古代の竜種と呼べる存在であるためこのランクとなっている。
騎乗:A
騎乗の才能。幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。
ライダーは原始の時代に生息した数々の猛獣を飼い慣らし、戦力として活用した。
騎乗の才能。幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。
ライダーは原始の時代に生息した数々の猛獣を飼い慣らし、戦力として活用した。
【固有スキル】
超能力:B
魔力に依存しない特異能力。このスキルは魔力をあまり消費せず行使できる。
念動力で人間を振り回したり、巨岩を敵の頭上に瞬間移動させて落とす事などができる。テレパシーを使って敵を眠らせる事なども可能。
ただし魔力が篭っていないためサーヴァント相手には効果が薄い。
超能力:B
魔力に依存しない特異能力。このスキルは魔力をあまり消費せず行使できる。
念動力で人間を振り回したり、巨岩を敵の頭上に瞬間移動させて落とす事などができる。テレパシーを使って敵を眠らせる事なども可能。
ただし魔力が篭っていないためサーヴァント相手には効果が薄い。
カリスマ:C
軍団を指揮する天性の才能。
ライダーは弱肉強食の世界にあって長として兵を率い、種の存亡を賭けた戦いを指揮した。
軍団を指揮する天性の才能。
ライダーは弱肉強食の世界にあって長として兵を率い、種の存亡を賭けた戦いを指揮した。
竜の鱗:A
恐竜人が持つ非常に硬い鱗の肌。物理攻撃を受ける際、耐久に対して常にプラスの補正がかかる。
種族としての身体的特徴であるため、この効果は意識外の攻撃にも適用される。
雷属性の攻撃を受けると感電し防御力が弱まってしまうが、ライダーはこの弱点を克服している。
恐竜人が持つ非常に硬い鱗の肌。物理攻撃を受ける際、耐久に対して常にプラスの補正がかかる。
種族としての身体的特徴であるため、この効果は意識外の攻撃にも適用される。
雷属性の攻撃を受けると感電し防御力が弱まってしまうが、ライダーはこの弱点を克服している。
大地のおきて:A
勝った者が生き残り、負けた者は死ぬ。
それこそが大地の掟。神すら存在しない時代に在った絶対の法。
ライダーはいかなる相手にも怯むことは無い。そしてどんな事があっても戦いの結果をぼかすことはない。
勝った者が生き残り、負けた者は死ぬ。
それこそが大地の掟。神すら存在しない時代に在った絶対の法。
ライダーはいかなる相手にも怯むことは無い。そしてどんな事があっても戦いの結果をぼかすことはない。
【宝具】
『黒鋼の暴竜(ブラックティラノ)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大補足:7
ライダーの、恐竜人たちの最終兵器。
極めて強固な鋼の皮膚を持った巨大なティラノサウルスを召還する。
口から炎を吐き、非常に長く伸びる舌で敵を絡めとって噛み砕く事を得意とする。
ある程度の単独戦闘も可能であり、もしライダーが倒れても魔力が続く限り継戦が可能。
しかしこの恐竜の真価はライダーが騎乗した際に発揮される。
ライダーの指揮の下に防御態勢をとった場合、その鉄壁の守りを崩すことは困難を極める。
だが最大出力の炎を吐く際には防御態勢は解かれ、あらゆる攻撃が普通に通用するようになる。
それでも巨体に見合った高い生命力を持っているのでそう簡単に倒れることは無い。
状態異常や精神干渉は有効なので、そこだけは注意が必要。
『黒鋼の暴竜(ブラックティラノ)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大補足:7
ライダーの、恐竜人たちの最終兵器。
極めて強固な鋼の皮膚を持った巨大なティラノサウルスを召還する。
口から炎を吐き、非常に長く伸びる舌で敵を絡めとって噛み砕く事を得意とする。
ある程度の単独戦闘も可能であり、もしライダーが倒れても魔力が続く限り継戦が可能。
しかしこの恐竜の真価はライダーが騎乗した際に発揮される。
ライダーの指揮の下に防御態勢をとった場合、その鉄壁の守りを崩すことは困難を極める。
だが最大出力の炎を吐く際には防御態勢は解かれ、あらゆる攻撃が普通に通用するようになる。
それでも巨体に見合った高い生命力を持っているのでそう簡単に倒れることは無い。
状態異常や精神干渉は有効なので、そこだけは注意が必要。
【Weapon】
超能力
超能力
【人物背景】
6500万年前の原始の世界で繁栄していた恐竜人たちの長。
種族を率いるに相応しい高い知能を有し、天の炎による雪と氷の時代の訪れも予見していた。
人類と熾烈な生存闘争を繰り広げるが未来人の介入により敗北。滅びの運命を覆すことはできなかった。
今際の際に宿敵から手を差し伸べられるも拒絶。大地の掟に従い天から落ちて来た炎の中に消えた。
この決戦は星の転換点でもあり、もし勝利していれば恐竜人は氷河期を生き延び自然と調和しながら繁栄する、そういう可能性もあった。
なお数千万年の後も少数ながら恐竜人は生き残っているが、アザーラがそれを知ることは無い。
6500万年前の原始の世界で繁栄していた恐竜人たちの長。
種族を率いるに相応しい高い知能を有し、天の炎による雪と氷の時代の訪れも予見していた。
人類と熾烈な生存闘争を繰り広げるが未来人の介入により敗北。滅びの運命を覆すことはできなかった。
今際の際に宿敵から手を差し伸べられるも拒絶。大地の掟に従い天から落ちて来た炎の中に消えた。
この決戦は星の転換点でもあり、もし勝利していれば恐竜人は氷河期を生き延び自然と調和しながら繁栄する、そういう可能性もあった。
なお数千万年の後も少数ながら恐竜人は生き残っているが、アザーラがそれを知ることは無い。
色々と謎めいた存在なせいか実は未来人説や平行世界からやってきた説などが存在する。
性別については不確定な要素が多い。とりあえずは性別不詳でいいのでは無いかと思われる。
性別については不確定な要素が多い。とりあえずは性別不詳でいいのでは無いかと思われる。
【サーヴァントとしての願い】
もしかすれば存在しえたかも知れない世界を垣間見る。叶える気は全く無い。
浅ましい願いを抱いて定められた死を歪めた自分を嫌悪している。
聖杯戦争も大地の掟を壊すものとして嫌っている。
もしかすれば存在しえたかも知れない世界を垣間見る。叶える気は全く無い。
浅ましい願いを抱いて定められた死を歪めた自分を嫌悪している。
聖杯戦争も大地の掟を壊すものとして嫌っている。
【マスター】
モグ@ファイナルファンタジーVI
モグ@ファイナルファンタジーVI
【マスターとしての願い】
群れのみんなに会いたい。
しかし聖杯が怖いのでこの願いを叶える気は無い。
群れのみんなに会いたい。
しかし聖杯が怖いのでこの願いを叶える気は無い。
【weapon】
- モルルのお守り
恋人の込めた祈りがモグに危害を加える者を遠ざける。
ぶっちゃければこれを装備していれば雑魚敵とエンカウントしなくなる。
しかし聖杯戦争での戦いは毎戦がボス戦のようなものなのであまり意味が無い。
ただ敵の使い魔ぐらいなら避けて行動する事ができるだろう。
ぶっちゃければこれを装備していれば雑魚敵とエンカウントしなくなる。
しかし聖杯戦争での戦いは毎戦がボス戦のようなものなのであまり意味が無い。
ただ敵の使い魔ぐらいなら避けて行動する事ができるだろう。
- スノーマフラー
モグの子分であるウーマロが身に着けているマフラー。
どういう訳かモグやウーマロ、あとガウのような自然に縁のある者にしか装備できない。
非常に高い防御力を有し、魔法にも強い。回避能力も大幅に上昇する。
更に炎属性の攻撃を半減し、冷気は吸収してしまう。何が素材かは不明。
どういう訳かモグやウーマロ、あとガウのような自然に縁のある者にしか装備できない。
非常に高い防御力を有し、魔法にも強い。回避能力も大幅に上昇する。
更に炎属性の攻撃を半減し、冷気は吸収してしまう。何が素材かは不明。
武器は持ってこれなかった。
【能力・技能】
- 魔法
モグは魔法の力の根源である三闘神が消滅した時間軸からやってきた。だから当然魔法は使えないし、魔力も失われている。
現在は生命力、つまり神に由来する外なる魔力では無く、モグが本来持っている筈である内なる魔力を使ってサーヴァントを維持している。
なので以前と比べるとその魔力量は雀の涙ほどでしかない。魔法も使えない。
現在は生命力、つまり神に由来する外なる魔力では無く、モグが本来持っている筈である内なる魔力を使ってサーヴァントを維持している。
なので以前と比べるとその魔力量は雀の涙ほどでしかない。魔法も使えない。
- おどる
モグが踊ることによって大自然の力を借り、様々な奇跡を起こす。
その力は周囲の地形にまで影響を及ぼし、モグの記憶した自然の姿を元に、辺り一帯が塗り替わる。
踊りの種類によって八種の地形が再現され、顕現する地形によってそれぞれ異なる四種の効果が発動する。
砂漠ならば砂嵐を巻き起こす。森林ならば木の葉が舞う。山なら崖が崩れ落ち、洞窟なら落盤が起こる。
治癒の効果を引き出すことが出来ればゾンビ化を治したり、死の呪いを解呪する事も可能である。
自然の力を利用したこの現象はサーヴァントにも通用し、なおかつ対魔力などの魔力耐性では防げない。
一度顕れた自然現象を回避することは困難であり、発動すれば必中するものが多い。ただし即死判定の発生するものはこの限りでは無い。
これらの現象の発現による魔力消費は殆ど無く、モグが踊り続ける限り何かしらの効果は発生し続ける。
街中に砂漠を出現させるなどの無茶な地形変更をする場合はたまに失敗し、成功した後も相応の負担がかかっているのか稀に転倒してしまう。
しかし一度顕現した地形は戦闘が終わるまで消耗無く維持され続ける。
その力は周囲の地形にまで影響を及ぼし、モグの記憶した自然の姿を元に、辺り一帯が塗り替わる。
踊りの種類によって八種の地形が再現され、顕現する地形によってそれぞれ異なる四種の効果が発動する。
砂漠ならば砂嵐を巻き起こす。森林ならば木の葉が舞う。山なら崖が崩れ落ち、洞窟なら落盤が起こる。
治癒の効果を引き出すことが出来ればゾンビ化を治したり、死の呪いを解呪する事も可能である。
自然の力を利用したこの現象はサーヴァントにも通用し、なおかつ対魔力などの魔力耐性では防げない。
一度顕れた自然現象を回避することは困難であり、発動すれば必中するものが多い。ただし即死判定の発生するものはこの限りでは無い。
これらの現象の発現による魔力消費は殆ど無く、モグが踊り続ける限り何かしらの効果は発生し続ける。
街中に砂漠を出現させるなどの無茶な地形変更をする場合はたまに失敗し、成功した後も相応の負担がかかっているのか稀に転倒してしまう。
しかし一度顕現した地形は戦闘が終わるまで消耗無く維持され続ける。
これだけ見れば素晴らしい能力の様に思えるが当然デメリットも存在する。
まず、踊っている間のモグはそれ以外の行動をとることができず、途中で止まることもできない。
自由に踊りの内容を切り替えることもできないし、敵の攻撃を意識的に迎撃する事も難しい。
途中で転倒するか踊りの続行が不可能な状態にならない限りずっと踊りっぱなしである。足が地面に付かない浮遊状態でもモグは踊り続ける。
次に、踊りによってもたらされる現象をモグが操作する事ができない。
敵と味方を区別するぐらいは出来るが何が起きるかは完全にランダムであり、その効果の矛先がどこに向くのかは誰にもわからない。
最後に、踊りの威力はモグの魔力の強さに依存する。つまり現在の失われた魔力では全盛期の十分の一も力が出ない。
力の質そのものは自然のものであるためサーヴァントにも耐性を無視して攻撃は通るが、出力が貧弱なため殆ど効き目は無いだろう。
ただの一般人が相手なら話は別であるが。
まず、踊っている間のモグはそれ以外の行動をとることができず、途中で止まることもできない。
自由に踊りの内容を切り替えることもできないし、敵の攻撃を意識的に迎撃する事も難しい。
途中で転倒するか踊りの続行が不可能な状態にならない限りずっと踊りっぱなしである。足が地面に付かない浮遊状態でもモグは踊り続ける。
次に、踊りによってもたらされる現象をモグが操作する事ができない。
敵と味方を区別するぐらいは出来るが何が起きるかは完全にランダムであり、その効果の矛先がどこに向くのかは誰にもわからない。
最後に、踊りの威力はモグの魔力の強さに依存する。つまり現在の失われた魔力では全盛期の十分の一も力が出ない。
力の質そのものは自然のものであるためサーヴァントにも耐性を無視して攻撃は通るが、出力が貧弱なため殆ど効き目は無いだろう。
ただの一般人が相手なら話は別であるが。
使用中は無防備であり、不確定要素が多すぎ、単発では威力不足と、とても扱いが難しいアビリティである。
- モーグリらんぶ
モグが瀕死の重傷を負った場合にのみ使用できる必殺技。
相手の懐に飛び込み捨て身で拳の連打を叩き込む。
防御力を無視してダメージを与えるこの切り札はサーヴァントに対しても有効である。
しかしこの技も威力が魔力に依存しているので、正直あまり期待はできない。
相手の懐に飛び込み捨て身で拳の連打を叩き込む。
防御力を無視してダメージを与えるこの切り札はサーヴァントに対しても有効である。
しかしこの技も威力が魔力に依存しているので、正直あまり期待はできない。
【人物背景】
モーグリ族の勇士。年齢は十一歳、現在は十二か十三になっているだろう。
踊りと歌が趣味。賢く強いモグは群れの中ではリーダー的存在だった。
争い事は好まないが、一度覚悟を決めると敵に後ろを見せない勇敢な戦士となる。
仲間を率いて何の縁も無い少女をどろぼ……トレジャーハンターと一緒に守った事もある。
夢の中に現れた幻獣ラムウの導きが転機となり、反帝国組織リターナーの活動に参加した。
世界が崩壊した後もなんとか生き延び、故郷であるナルシェに一人帰還する。
その後しばらくして訪れたかつての仲間たちの呼びかけに応え、子分と一緒に世界を救う闘いに赴いた。
モーグリ族の勇士。年齢は十一歳、現在は十二か十三になっているだろう。
踊りと歌が趣味。賢く強いモグは群れの中ではリーダー的存在だった。
争い事は好まないが、一度覚悟を決めると敵に後ろを見せない勇敢な戦士となる。
仲間を率いて何の縁も無い少女をどろぼ……トレジャーハンターと一緒に守った事もある。
夢の中に現れた幻獣ラムウの導きが転機となり、反帝国組織リターナーの活動に参加した。
世界が崩壊した後もなんとか生き延び、故郷であるナルシェに一人帰還する。
その後しばらくして訪れたかつての仲間たちの呼びかけに応え、子分と一緒に世界を救う闘いに赴いた。
実際の所、群れの仲間たちがどうなったのかは不明である。
モグの言葉等からおおよその察しはつくが明言された訳では無い。
また、ナルシェに生息する以外のモーグリが世界に存在しているかどうかも不明である。
モグの言葉等からおおよその察しはつくが明言された訳では無い。
また、ナルシェに生息する以外のモーグリが世界に存在しているかどうかも不明である。
【方針】
聖杯の調査。少なくとも放置する気は無い。
ひとまずは参加者を探して意見を収集。人となりも観察する。
戦闘になった場合は逃げる事を優先。ただし戦う覚悟自体はできている。
猶予期間中は訓練を中心に活動。
聖杯の調査。少なくとも放置する気は無い。
ひとまずは参加者を探して意見を収集。人となりも観察する。
戦闘になった場合は逃げる事を優先。ただし戦う覚悟自体はできている。
猶予期間中は訓練を中心に活動。