「所詮、夢は夢であって、現実とはかけ離れているってね」
空の上か。はたまた、海の底か。
彼女が望む世界は一体何処にあるのか。
戯言である。考えた所で抱えているものが軽くなる訳でもなし。
彼女が望む世界は一体何処にあるのか。
戯言である。考えた所で抱えているものが軽くなる訳でもなし。
「いい加減、ぬるま湯に浸るのも飽きたし……そろそろ動こうかと思うのよ」
死語の世界に堕ちても決して消すことのなかった【憤怒】を忘れ、ゆりはこの偽りの世界で茫洋と日常を演じ続けた。
もっとも、記憶を取り戻してからは、日常などお構いなしであったが。
もっとも、記憶を取り戻してからは、日常などお構いなしであったが。
「僅かながらでも、可能性があるなら賭けてみようなんて。聖杯に縋れば、幸せな日常が戻ってくるかも~って思っちゃうとはねぇ。
しかも、クソッタレな神様に一瞬でも頭を垂れたことは本当に末代までの恥ね」
しかも、クソッタレな神様に一瞬でも頭を垂れたことは本当に末代までの恥ね」
霞んでいた過去の悔恨を何度も反復することで、怒りを固定する。
縁は自分の記憶だけ。思い出せたのは幸か不幸か。
喉を鳴らし、顎に指を当てて、くつくつと笑う。
縁は自分の記憶だけ。思い出せたのは幸か不幸か。
喉を鳴らし、顎に指を当てて、くつくつと笑う。
「あたしらしくもない。成仏したからって精神的に日和りすぎよ。ま、結果的にはまだ成仏できてないけどさ」
ゆりの中にいる【悲嘆】は望む。
聖杯の奇跡を以ってして家族を蘇らせ、幸せだった日々を取り戻せ、と。
聖杯の奇跡を以ってして家族を蘇らせ、幸せだった日々を取り戻せ、と。
「それにしても調子に乗りすぎよね、神様って奴は。ああ、本当に殺してやりたいし、ムカつくムカつくムカつくっ!」
そんな切なる【悲嘆】の願いを、ゆりは踏み潰した。
自らの意志で七難八苦の戦場へと飛び込み、足を進める。
聖杯も、神様も全部ぶっ潰す。誰かに敷かれたレールの上を直走るなどまっぴら御免である。
ゆりは震える身体を無理矢理に抑えつけ、手を伸ばす。
自らの意志で七難八苦の戦場へと飛び込み、足を進める。
聖杯も、神様も全部ぶっ潰す。誰かに敷かれたレールの上を直走るなどまっぴら御免である。
ゆりは震える身体を無理矢理に抑えつけ、手を伸ばす。
「――あんたは、どうな訳? 聖杯最高ですぅ~とか抜かす感じ?」
伸ばした手は強引に掴まれて。
握り返された力は強く、強く。
握り返された力は強く、強く。
「答えなさいよ」
「……答えて欲しいのか? わかりきった答えを返す程、愚者でもあるまい」
「いいえ、別に。どんな返答が返ってこようとも、あたしの答えは決まってますから。どんな手を使ってでも、神様を引きずり出してフルボッコ!
そのついでに聖杯を投げ捨てて、高らかに笑ってやるわ」
「……答えて欲しいのか? わかりきった答えを返す程、愚者でもあるまい」
「いいえ、別に。どんな返答が返ってこようとも、あたしの答えは決まってますから。どんな手を使ってでも、神様を引きずり出してフルボッコ!
そのついでに聖杯を投げ捨てて、高らかに笑ってやるわ」
「俺に願いはない。生前に未練がある、そんな女々しさは持ち合わせていないからな。
今回呼ばれたのも座の気紛れだろう。無論、呼ばれたからにはこの刀に誓って、最後まで戦うがな」
今回呼ばれたのも座の気紛れだろう。無論、呼ばれたからにはこの刀に誓って、最後まで戦うがな」
斎藤は腰にぶら下げた刀に軽く手を当てて、目を細める。
それはまるで、主を見極める狂犬のようで。
それはまるで、主を見極める狂犬のようで。
「やることは生前と何一つ変わらん。偽りの街だからといって、戯れが過ぎる阿呆共はいつだって存在する。
市井に仇なす腐った悪は、主従問わず始末をつけるのが俺の役割だ」
市井に仇なす腐った悪は、主従問わず始末をつけるのが俺の役割だ」
「悪・即・斬。聖杯に目が眩んで悪業に手を染める奴等は斬る」
その対象は主であっても例外ではない。
斎藤は言外にそう釘を刺していた。
斎藤は言外にそう釘を刺していた。
「後一つ。言っておくことがある」
「随分と注文が多いのね」
「貴様の刃となるんだ、これぐらいの要望は黙って聞き入れろ」
「随分と注文が多いのね」
「貴様の刃となるんだ、これぐらいの要望は黙って聞き入れろ」
そして、新たにタバコを口に咥え、火をつけた。
たったそれだけの動作がゆりの身体から吹き出る汗を更に多くさせる。
これが、サーヴァント。人と英霊の間にある隔たりだとゆりは理解した。
たったそれだけの動作がゆりの身体から吹き出る汗を更に多くさせる。
これが、サーヴァント。人と英霊の間にある隔たりだとゆりは理解した。
「魂喰いは絶対にしない。俺の生命が尽き果てようとも、それだけは断じて認めない」
「あら、生き汚いのは嫌いなの?」
「貴様は俺に弱者を食い散らかす程度の低いことをさせるのか? いいだろう、やってみろ。
ただし、それを強制した瞬間――貴様を斬り捨てるがな」
「あら、生き汚いのは嫌いなの?」
「貴様は俺に弱者を食い散らかす程度の低いことをさせるのか? いいだろう、やってみろ。
ただし、それを強制した瞬間――貴様を斬り捨てるがな」
甘かった。令呪などで支配できるから安心だという自覚が僅かにでもあったことが恥ずかしい。
これは駄目だ。令呪を使って行動を縛れるなどと考えるべきではない。
これは駄目だ。令呪を使って行動を縛れるなどと考えるべきではない。
「別に構わないわ。あたしがしたいのは無意味な虐殺ではないから」
ならば、最大限に利用することでどうにか手綱を取るだけだ。
せっかく掴んだチャンスを、棒に振ってなるものか。
せっかく掴んだチャンスを、棒に振ってなるものか。
「その言葉を違えないことを願いたいものだが」
「そっちこそ、生半可に遊び半分で消えてしまわないことを祈っているわ」
「そっちこそ、生半可に遊び半分で消えてしまわないことを祈っているわ」
皮肉交じりに誓った言葉に、嘘偽りはなかった。
そう信じることで、身体の震えを抑えるしか無い自分の弱さが、嫌になった。
そう信じることで、身体の震えを抑えるしか無い自分の弱さが、嫌になった。
【クラス】
セイバー
セイバー
【真名】
斎藤一@るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
斎藤一@るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷C 魔力E 幸運B 宝具??
筋力B 耐久B 敏捷C 魔力E 幸運B 宝具??
【属性】
秩序・善
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:E-
魔力に対する守り。無効化はせず、ダメージ数値を僅かに軽減する。
対魔力:E-
魔力に対する守り。無効化はせず、ダメージ数値を僅かに軽減する。
騎乗:E-
乗り物を乗りこなす能力。
馬や単車程度なら勘で乗れるかどうかというレベル。
乗り物を乗りこなす能力。
馬や単車程度なら勘で乗れるかどうかというレベル。
【保有スキル】
心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
戦闘続行:A
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
生前の彼はどれほどの深手を負おうとも、自らの正義を貫く為、刀を握り続けた。
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
生前の彼はどれほどの深手を負おうとも、自らの正義を貫く為、刀を握り続けた。
宗和の心得:B
同じ相手に同じ技を何度使用しても命中精度が下がらない特殊な技能。
攻撃が見切られなくなる。
同じ相手に同じ技を何度使用しても命中精度が下がらない特殊な技能。
攻撃が見切られなくなる。
【宝具】
『牙突』
種別:対人魔剣 最大捕捉:1
斎藤が独自に編み出した必殺の刺突が魔剣として宝具レベルにまで昇華されたもの。
幾つもの型があり、まともに受けたら身体が真っ二つになる威力。
種別:対人魔剣 最大捕捉:1
斎藤が独自に編み出した必殺の刺突が魔剣として宝具レベルにまで昇華されたもの。
幾つもの型があり、まともに受けたら身体が真っ二つになる威力。
【weapon】
日本刀。
日本刀。
【サーヴァントとしての願い】
未練がましく、聖杯へと縋らなくちゃ叶わない願いなどないはずだ。
未練がましく、聖杯へと縋らなくちゃ叶わない願いなどないはずだ。
【人物背景】
元新選組の三番隊組長の男。主人公である緋村剣心とは幕末で斬り合ったこともある。
維新後は【藤田五郎】と名を変え、西南戦争では警視庁抜刀隊に所属した。
そして、その後は警部補に奉職するが、裏では警視庁の密偵として暗躍する。
元新選組の三番隊組長の男。主人公である緋村剣心とは幕末で斬り合ったこともある。
維新後は【藤田五郎】と名を変え、西南戦争では警視庁抜刀隊に所属した。
そして、その後は警部補に奉職するが、裏では警視庁の密偵として暗躍する。
【マスター】
仲村ゆり@Angel Beats!
仲村ゆり@Angel Beats!
【マスターとしての願い】
このふざけた聖杯戦争を企んだ神をぶっ殺す。ついでに、聖杯も。
このふざけた聖杯戦争を企んだ神をぶっ殺す。ついでに、聖杯も。
【能力・技能】
拳銃、ナイフなど、戦闘技能はある程度身に付けている。
拳銃、ナイフなど、戦闘技能はある程度身に付けている。
【人物背景】
死後の世界でSSS(死んだ世界戦線)を率いていた少女。
裕福な家庭の長女として育てられたが、自宅へ押し入った強盗により弟妹たちを全員殺され、弟妹達を助けてやれなかったことを今でも強く悔いている。
最後に、音無達よりも一足先に【卒業】して消滅するはずだった。
死後の世界でSSS(死んだ世界戦線)を率いていた少女。
裕福な家庭の長女として育てられたが、自宅へ押し入った強盗により弟妹たちを全員殺され、弟妹達を助けてやれなかったことを今でも強く悔いている。
最後に、音無達よりも一足先に【卒業】して消滅するはずだった。
【方針】
どんな手を使ってでも聖杯、神様はぶっ殺す。
どんな手を使ってでも聖杯、神様はぶっ殺す。
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