ラノロワ・オルタレイション @ ウィキ
A new teacher and a new pupil
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A new teacher and a new pupil ◆UcWYhusQhw
与えられた選択肢。
それが、先に繋がるなら
――――わたしはそれを喜んで選ぼう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「サイクリング、サイクリング、いやぉっほーい!」
「……煩いです。もっと静かに運転してくださいよ」
「……煩いです。もっと静かに運転してくださいよ」
静かに流れる景色。
心地よい振動が身体に伝わっていく。
わたし―――黒桐鮮花の横には金髪の喧しい男、クルツ・ウェーバーが自転車を運転している。
つまりわたしは彼の運転する自転車の荷台に居る訳だ。
有体に言うなら、二人乗りである。
わたしは荷台に腰をかけ、足をプラプラさせながら流れる景色をただ見ていた。
跨る形は何となく癪であったから。
心地よい振動が身体に伝わっていく。
わたし―――黒桐鮮花の横には金髪の喧しい男、クルツ・ウェーバーが自転車を運転している。
つまりわたしは彼の運転する自転車の荷台に居る訳だ。
有体に言うなら、二人乗りである。
わたしは荷台に腰をかけ、足をプラプラさせながら流れる景色をただ見ていた。
跨る形は何となく癪であったから。
わたし達はあの後そのまま逃げるようにして摩天楼に向かう事にした。
だけど、わたし達がいた城付近だと摩天楼は歩いていくには少し遠い。
どうしようかとわたしが思案しているとクルツさんがそこら辺の民家から拝借してきたもの。
銀色のフォルムで籠と荷台がついたいかにも頑丈そうな形。
それは、ママチャリといわれる類の種類の自転車だった。
だけど、わたし達がいた城付近だと摩天楼は歩いていくには少し遠い。
どうしようかとわたしが思案しているとクルツさんがそこら辺の民家から拝借してきたもの。
銀色のフォルムで籠と荷台がついたいかにも頑丈そうな形。
それは、ママチャリといわれる類の種類の自転車だった。
わたしは彼に従い荷台に乗ったのだけれども……よく考えれば
「自転車、もう一台無かったんですか?」
近くに民家は他にもあったはず。
自転車は普通に考えれば割と何処の民家にもあるものだ。
ならば、自転車をもう一台見つける事ぐらいは造作ないはず。
なのに、わざわざ二人乗りなんてしているのだろう。
自転車は普通に考えれば割と何処の民家にもあるものだ。
ならば、自転車をもう一台見つける事ぐらいは造作ないはず。
なのに、わざわざ二人乗りなんてしているのだろう。
「あぁ……単純さ」
「何ですか?」
「可愛い鮮花ちゃんと二人乗りしたかったか……ぐぎゃ!? あ、危ないって!」
「煩いです」
「何ですか?」
「可愛い鮮花ちゃんと二人乗りしたかったか……ぐぎゃ!? あ、危ないって!」
「煩いです」
言い終わる前に背を思い切り叩いてやった。
この、男は…………全く不潔なんだから。
……そんな理由でわざわざ……
……頭が痛くなってくる。というより頭が痛くなってきた。
どうしてこの男はこんなに飄々としているのだろう。
しかも軟派の軽い男だ。
この、男は…………全く不潔なんだから。
……そんな理由でわざわざ……
……頭が痛くなってくる。というより頭が痛くなってきた。
どうしてこの男はこんなに飄々としているのだろう。
しかも軟派の軽い男だ。
はぁ……
しかし不思議に思う所もある。
というより、明らかに可笑しいとも言えるものが。
というより、明らかに可笑しいとも言えるものが。
この男……クルツ・ウェーバーは何で『今まで通り』なのだろう?
恐らく金髪サングラス……土御門元春は死んだのだろう。
そしてクルツさんの知り合いも死んだというのに。
どうして、こんなふざけてられるのだろうか。
恐らく金髪サングラス……土御門元春は死んだのだろう。
そしてクルツさんの知り合いも死んだというのに。
どうして、こんなふざけてられるのだろうか。
やっぱり少し心が揺れ動いている。
今、戦闘が終わって落ち着き始めた所で。
今更ながらに人の死が重くのしかかり始めている。
簡単に割り切れるものではないのだから。
例え復讐に燃えようとも……帰ってこないのは確かなのだから。
今、戦闘が終わって落ち着き始めた所で。
今更ながらに人の死が重くのしかかり始めている。
簡単に割り切れるものではないのだから。
例え復讐に燃えようとも……帰ってこないのは確かなのだから。
なのに、この男はその心の動きすら微塵に感じさせない。
それが妙に怖く感じる。
何故かはわからないけど、そんな気がするのだ。
その軽薄そうな顔の下に何を隠しているのか全く解らない。
それが妙に怖く感じる。
何故かはわからないけど、そんな気がするのだ。
その軽薄そうな顔の下に何を隠しているのか全く解らない。
一体何を考えて……
「きゃっ!?」
「おっと……ごめんごめん段差乗り越えちゃってさ」
「全くもう……気をつけください」
「いやぁそう手を回されたらもう一度やりたく……」
「黙れ」
「……はい」
「おっと……ごめんごめん段差乗り越えちゃってさ」
「全くもう……気をつけください」
「いやぁそう手を回されたらもう一度やりたく……」
「黙れ」
「……はい」
くっ、不覚だ。
段差を乗り越える衝撃で不意にクルツさんの背に手を回してしまった。
こんな男に……不覚だ。
とりあえず、黙らしておこう。
そして忘れよう。
段差を乗り越える衝撃で不意にクルツさんの背に手を回してしまった。
こんな男に……不覚だ。
とりあえず、黙らしておこう。
そして忘れよう。
「ああ、鮮花ちゃん」
「何ですか?」
「俺のことはクルツさんじゃなくてクルツくんと呼んで……」
「嫌です」
「いや、そこをなんとか」
「嫌です」
「もう一声……」
「嫌です」
「はい……」
「何ですか?」
「俺のことはクルツさんじゃなくてクルツくんと呼んで……」
「嫌です」
「いや、そこをなんとか」
「嫌です」
「もう一声……」
「嫌です」
「はい……」
この男は……
明らかに落胆の声を出しているが気にしない。
全く……本当に軽い人だ。
なんか馬鹿らしくなって私は少し微笑む。
そして不意に顔を上げると……
明らかに落胆の声を出しているが気にしない。
全く……本当に軽い人だ。
なんか馬鹿らしくなって私は少し微笑む。
そして不意に顔を上げると……
「そろそろ着くぜ、鮮花ちゃん。摩天楼に」
天まで高く聳え立つビル。
わたしの始まりの地。
わたしの始まりの地。
そう、摩天楼が見えてきたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「此処も……はずれですか」
わたしは疲れたように大きくため息をつく。
何回目の溜息だろうか……これは。
少なくとも10回以上溜息をついた気がする。
砂漠の中で針を探す様……とまでは言わないけど流石にこれは骨が折れる作業だ。
何回目の溜息だろうか……これは。
少なくとも10回以上溜息をついた気がする。
砂漠の中で針を探す様……とまでは言わないけど流石にこれは骨が折れる作業だ。
わたしが居るのは地図でいう摩天楼の中。
具体的に言うと東棟のマンションの中層、大体30階~40階に位置する一室だ。
やっている事は……野探し。
人の家を荒らしているといえば聞こえは悪いがそもそも誰も住んでいないのだ。
だから、問題ないと思う。多分。
具体的に言うと東棟のマンションの中層、大体30階~40階に位置する一室だ。
やっている事は……野探し。
人の家を荒らしているといえば聞こえは悪いがそもそも誰も住んでいないのだ。
だから、問題ないと思う。多分。
野探しをして探しているものといえば……銃。
クルツさんの獲物である銃だ。
わたし達は当初の目的通りここに辿り着き、そして一軒一軒確認している。
だけど、そんな簡単に見つかるわけでもない。
見た所、ここは日本の住宅と一緒だ。
だから、猟を趣味をする人、もしく危険な職業についてる人の家ではない限り銃は見つかる訳がない。
そのせいで私たちは今の所銃なんて存在は見つかりはしない。
見つけたとするなら刃物類だ。
包丁とかナイフとか、料理などに使えるもの。
持っていて損はないので回収をしてた。
だけど、肝心のものは一向に見つからない。
クルツさんの獲物である銃だ。
わたし達は当初の目的通りここに辿り着き、そして一軒一軒確認している。
だけど、そんな簡単に見つかるわけでもない。
見た所、ここは日本の住宅と一緒だ。
だから、猟を趣味をする人、もしく危険な職業についてる人の家ではない限り銃は見つかる訳がない。
そのせいで私たちは今の所銃なんて存在は見つかりはしない。
見つけたとするなら刃物類だ。
包丁とかナイフとか、料理などに使えるもの。
持っていて損はないので回収をしてた。
だけど、肝心のものは一向に見つからない。
その事にわたしはもう一度大きくため息をついた。
今はクルツさんと別行動でこの階を手分けして探している。
もう10階以上見た気がする。
一時間以上……いやもっとかかったか。
時間の感覚すら忘れてしまいそうなぐらい没頭していた。
だけど、成果はゼロ。
全くため息をいくらついても鬱憤は晴れない。
今はクルツさんと別行動でこの階を手分けして探している。
もう10階以上見た気がする。
一時間以上……いやもっとかかったか。
時間の感覚すら忘れてしまいそうなぐらい没頭していた。
だけど、成果はゼロ。
全くため息をいくらついても鬱憤は晴れない。
ゆっくりしている暇など無いのに。
少しでも早く復讐の相手を探さなければならないのに。
でも、武器はとても大切で。
今の無力のわたし達にとってはそれほどまでに欲する道具だった。
だからこそ、そんな感情と現実に板挟みなって鬱憤がたまっていく。
そんな悪循環だった。
少しでも早く復讐の相手を探さなければならないのに。
でも、武器はとても大切で。
今の無力のわたし達にとってはそれほどまでに欲する道具だった。
だからこそ、そんな感情と現実に板挟みなって鬱憤がたまっていく。
そんな悪循環だった。
「……にしても、気味が悪いですね」
わたしはこのマンションに対してそんな感想を持った。
そう、何か気味が悪いのだ。
本当に……『今ここに居住者が居る』錯覚に陥ってしまいそうなぐらい。
なぜかというと……
そう、何か気味が悪いのだ。
本当に……『今ここに居住者が居る』錯覚に陥ってしまいそうなぐらい。
なぜかというと……
例えば先程入った所。
見た所、夫婦と子供2人の家族が住んでそうな一般的な家庭の部屋に見えた。
子供部屋と両親の部屋、それにリビングでそんな印象を持ったのだ。
だけど異質とするのなら……食卓に『今、出来た料理や食べかけな料理が並べられていた』
見た所、夫婦と子供2人の家族が住んでそうな一般的な家庭の部屋に見えた。
子供部屋と両親の部屋、それにリビングでそんな印象を持ったのだ。
だけど異質とするのなら……食卓に『今、出来た料理や食べかけな料理が並べられていた』
はたまた違う場所だと。
画家が住んでいたのだろうか。
沢山の絵と沢山のキャンバスが所狭しと置かれていた。
だけど異質というのなら……その作業場に『今、チューブから出されたばかりの絵の具があった』
画家が住んでいたのだろうか。
沢山の絵と沢山のキャンバスが所狭しと置かれていた。
だけど異質というのなら……その作業場に『今、チューブから出されたばかりの絵の具があった』
更に違う場所だと。
一人暮らしの独身の男性だろうか。
野球が好きなのか、野球の本やビデオ、グローブがあちらこちらに置かれていた。
だけど異質というのなら……テレビに『今、ビデオを一時停止にした瞬間の野球の映像が映し出された』
一人暮らしの独身の男性だろうか。
野球が好きなのか、野球の本やビデオ、グローブがあちらこちらに置かれていた。
だけど異質というのなら……テレビに『今、ビデオを一時停止にした瞬間の野球の映像が映し出された』
そんな―――『異質』
このマンション以外にも人が住んでいた形跡があった民家などはあった。
だけど、このマンションは違う。
『今、この瞬間』にこの殺し合いの舞台に持ってこられたというのがありありと存在している。
だけど、このマンションは違う。
『今、この瞬間』にこの殺し合いの舞台に持ってこられたというのがありありと存在している。
何がしたいのだろう、この殺し合いを作った人間は。
正直、気味が悪くて鳥肌が出てきてしまう。
その人間は……
その人間は……
『人の存在』だけを消してこのマンションを持ってきたでも言うのだろうか。
……正直、身震いがした。
何かこれ以上考えてはいけない。
そんな感じがして思考を打ち切ってしまう。
でも、心にとげがささったまま。
いずれ、このマンションの異質を調べなければならない。
何かこれ以上考えてはいけない。
そんな感じがして思考を打ち切ってしまう。
でも、心にとげがささったまま。
いずれ、このマンションの異質を調べなければならない。
そんな感じがして。
わたしはもう一度大きく身を震わせたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「鮮花ちゃん、どうだった?」
「全然。そちらはどうです?」
「こっちもだ」
「全然。そちらはどうです?」
「こっちもだ」
わたしは自分の持ち回りの部屋を全て確認してクルツさんの所に行く。
見た所、クルツさんも外ればかりだったみたいだ。
クルツはやれやれという感じに手を上げる。
そして、ちょっと疲れた様に言う。
見た所、クルツさんも外ればかりだったみたいだ。
クルツはやれやれという感じに手を上げる。
そして、ちょっと疲れた様に言う。
「後、一つなんだけど手伝って貰ってもいいかい?」
「ええ、別にいいですよ」
「うし、じゃあこの部屋を終えたら休憩しようぜ……流石に疲れた」
「ええ、そうしましょう。私もちょっと……」
「ええ、別にいいですよ」
「うし、じゃあこの部屋を終えたら休憩しようぜ……流石に疲れた」
「ええ、そうしましょう。私もちょっと……」
クルツさんの懇願にわたしは二つ返事で聞く。
わたし自身もそうだったから
そしてそのまま、この階でまだ入ってない最後の一室の扉を開ける。
やはり、鍵は掛かっていなかった。
その扉を空けた瞬間……
わたし自身もそうだったから
そしてそのまま、この階でまだ入ってない最後の一室の扉を開ける。
やはり、鍵は掛かっていなかった。
その扉を空けた瞬間……
「熊の頭…………?」
わたしが見たのは大きな熊の頭。
それがまず真っ先に目が入ったのだ。
そして、辺りを見回すと鳥の剥製や、鹿の頭らしき剥製がある。
何だろうと考えているとクルツさんが途端に喜びの声を上げた。
それがまず真っ先に目が入ったのだ。
そして、辺りを見回すと鳥の剥製や、鹿の頭らしき剥製がある。
何だろうと考えているとクルツさんが途端に喜びの声を上げた。
「……やっとあたり臭いぞ。これはっ!
「そうなんですか?」
「そうなんですか?」
疑問を呈したわたしにクルツさんは笑顔でその疑問に答える。
「ああ、これだけの剥製。まさか集めるだけって訳じゃないだろう」
「ああっ!……つまり……」
「そう、自分で狩ったんだと思う。という事は……?」
「銃がある!」
「そういうことだ!」
「ああっ!……つまり……」
「そう、自分で狩ったんだと思う。という事は……?」
「銃がある!」
「そういうことだ!」
わたしもその推理に喜びながら、そのまますぐ近くの部屋の扉を開ける。
そこには玄関に飾られた以上の剥製があって。
そこには玄関に飾られた以上の剥製があって。
そして
「あったっ!」
存在を誇示するように壁に飾られた一丁の銃。
クルツさんは喜びながらその銃を取る。
形状をみるとライフルの類だろうか……?
クルツさんはそのライフルを調べ言う。
クルツさんは喜びながらその銃を取る。
形状をみるとライフルの類だろうか……?
クルツさんはそのライフルを調べ言う。
「うし……これは使えるぞ……だけど」
「だけど?」
「だけど?」
少し残念そうに銃を私に見せながら彼は言葉を続ける。
「これは遠距離狙撃は無理だな……」
「どんな銃なんです?」
「ウィンチェスター M94……レバーアクション式の一昔の銃さ」
「成程……でも使用できるですんよね?」
「ああ、勿論。遠距離狙撃は無理だが猟をするぐらいなら充分さ」
「なら、充分じゃないですか」
「まぁな……でもまぁ狙撃銃もあったらよかったなと……」
「どんな銃なんです?」
「ウィンチェスター M94……レバーアクション式の一昔の銃さ」
「成程……でも使用できるですんよね?」
「ああ、勿論。遠距離狙撃は無理だが猟をするぐらいなら充分さ」
「なら、充分じゃないですか」
「まぁな……でもまぁ狙撃銃もあったらよかったなと……」
未だ悔しそうに呟くクルツさん。
やっぱり狙撃手なのだから狙撃銃のほうがいいのだろうか。
でも、銃には違いない。
だからわたし達はその銃の発見に喜んだ。
そのまま、クルツさんは近く棚を野探しし始める。
やっぱり狙撃手なのだから狙撃銃のほうがいいのだろうか。
でも、銃には違いない。
だからわたし達はその銃の発見に喜んだ。
そのまま、クルツさんは近く棚を野探しし始める。
「サイドアームと銃弾もあるはず……」
「サイドアーム?」
「ああ、予備銃だ。普通ライフル一つで猟には行かない。戦いもな。何か不慮があった時の予備の銃なんだけど……あった!」
「サイドアーム?」
「ああ、予備銃だ。普通ライフル一つで猟には行かない。戦いもな。何か不慮があった時の予備の銃なんだけど……あった!」
そういって取り出したのは一つのリボルバー。
片手にはその銃弾だろうか。
片手にはその銃弾だろうか。
「コルトパイソン……よっし、これで武装は揃ったぜ!」
「よかったですね。探した甲斐がありました」
「よかったですね。探した甲斐がありました」
そう喜ぶクルツさん。
だけどわたしはそんな彼を尻目にそのリボルバーを見つめていた。
何故か……何処か妙に気になる。
その銃が。
だけどわたしはそんな彼を尻目にそのリボルバーを見つめていた。
何故か……何処か妙に気になる。
その銃が。
「どうしたんだい?」
「いえ、別に……ちょっとそれが気になって」
「これが?」
「ええ」
「いえ、別に……ちょっとそれが気になって」
「これが?」
「ええ」
リボルバー。
その銃弾を喰らえば人は死ぬだろう。
私の発火の魔術と違って。
当たれば大方殺せる武器だ。
その銃弾を喰らえば人は死ぬだろう。
私の発火の魔術と違って。
当たれば大方殺せる武器だ。
そのリボルバーが何処か気になって。
わたしはそれを見続けている。
わたしはそれを見続けている。
そんな時だった。
「鮮花ちゃん」
クルツさんが真剣になって私に話しかける。
その眼差しは軽薄さはなく……兵士の顔だった。
その眼差しは軽薄さはなく……兵士の顔だった。
「銃だ。それは。それを使えば人を殺せる」
「ええ……」
「そのトリガーを引くだけでだ……なあ鮮花ちゃん」
「はい?」
「ええ……」
「そのトリガーを引くだけでだ……なあ鮮花ちゃん」
「はい?」
その視線はわたしを射抜いて。
ただ、わたしの心を試すように。
ただ、わたしの心を試すように。
「復讐する気……あるんだよな」
そう聞いた
わたしはその問いを吟味するまでも無く即答する。
「ええ、勿論」
クルツさんは何かを悟ったように。
そして、わたしの顔を真っ直ぐ見て。
そして、わたしの顔を真っ直ぐ見て。
「なら――――銃の扱い教えてやろうか?」
わたしにそんな選択肢を投げつけた。
「鮮花ちゃんの魔術だっけ……? それじゃああいつは殺せない」
わたしはその言葉を重く受け止める。
反論はしない、できない。
その通りだったから。
反論はしない、できない。
その通りだったから。
「銃は当たれば人を簡単に殺す事ができる」
もし、と彼は続ける。
自問自答するように。
自問自答するように。
「もし、鮮花ちゃんが望むなら……復讐の手助けとしても…………教えてやる」
銃の扱い方を教えると。
そしてわたしに
「だから――――君はどうする?」
その選択肢を与える。
わたしは。
わたしはどうする?
いや、決まっている。
もう、復讐する事は決めているのだ。
どんなに後悔しても、どんなに苦しんでも。
どんなに後悔しても、どんなに苦しんでも。
黒桐幹也の仇は絶対とってみせると。
ならば。
答えはもうでている。
与えられた選択肢。
それが、先に繋がるなら
「はい……よろしくお願いします――――先生」
――――わたしはそれを喜んで選ぼう。
そのわたしの答えに。
クルツさん―――わたしの新たな先生は。
何処か
とてもとても。
哀しそうに
――――笑ったのだった。
【E-5/摩天楼 東棟 マンション中層30~40階/一日目・午前】
【黒桐鮮花@空の境界】
[状態]:腹部に若干のダメージ、疲労(大) 、強い復讐心
[装備]:火蜥蜴の革手袋@空の境界 コルトパイソン(6/6)@現実
[道具]:デイパック、支給品一式、包丁×3、ナイフ×3、予備銃弾×24
[思考・状況]
基本:黒桐幹也の仇をなんとしても取る。
1:クルツと行動。クルツから銃の技術を教わる。
2:この後は休憩する。
3:このマンションの調査?
[備考]
※「忘却録音」終了後からの参戦。
※白純里緒(名前は知らない)を黒桐幹也の仇だと認識しました
[状態]:腹部に若干のダメージ、疲労(大) 、強い復讐心
[装備]:火蜥蜴の革手袋@空の境界 コルトパイソン(6/6)@現実
[道具]:デイパック、支給品一式、包丁×3、ナイフ×3、予備銃弾×24
[思考・状況]
基本:黒桐幹也の仇をなんとしても取る。
1:クルツと行動。クルツから銃の技術を教わる。
2:この後は休憩する。
3:このマンションの調査?
[備考]
※「忘却録音」終了後からの参戦。
※白純里緒(名前は知らない)を黒桐幹也の仇だと認識しました
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
俺はその選択肢を与えながら何処か哀しかった。
俺は復讐からこの道に進んでしまった。
鮮花ちゃんはまだ戻れるというのに。
俺自ら鮮花ちゃんの道を戻れない方向に連れて行ってしまう。
そんな自分が何処か嫌で。
でもそれでも、鮮花ちゃんに教えようとする。
冷静な部分で戦力が欲しいと思ってしまったからだ。
でも、心の中では鮮花ちゃんをこの修羅の道に連れて行くのがとてつもなく苦しい。
復讐にたぎる鮮花ちゃんを止められないのもだ。
戻れる道があるかもしれないのに。
ただ、その道に堕ちていくのが。
何処か哀しかった。
なぜなら、復讐の先に、復讐を望んだものが待ち受ける先なんて。
――――更なる地獄しかないのだから。
【E-5/摩天楼 東棟 マンション中層30~40階/一日目・午前】
【クルツ・ウェーバー@フルメタル・パニック!】
[状態]:左腕に若干のダメージ 、疲労(中)、復讐心
[装備]:エアガン(12/12)、ウィンチェスター M94(7/7)@現実
[道具]デイパック、支給品一式、缶ジュース×17(学園都市製)@とある魔術の禁書目録、BB弾3袋、予備弾28弾、ママチャリ@現地調達
[思考・状況]
基本:生き残りを優先する。宗介、かなめ、テッサとの合流を目指す。
1:鮮花に銃を教える。
2:可愛いい女の子か使える人間は仲間に引き入れ、その他の人間は殺して装備を奪う。
3:知り合いが全滅すれば優勝を目指すという選択肢もあり。
4:ステイルとその同行者に復讐する。
5:メリッサ・マオの仇も取る。
6:ガウルンに対して警戒。
7:この後は休憩。
8:鮮花に罪悪感、どこか哀しい
【備考】
※土御門から“とある魔術の禁書目録”の世界観、上条当麻、禁書目録、ステイル=マグヌスとその能力に関する情報を得ました。
[状態]:左腕に若干のダメージ 、疲労(中)、復讐心
[装備]:エアガン(12/12)、ウィンチェスター M94(7/7)@現実
[道具]デイパック、支給品一式、缶ジュース×17(学園都市製)@とある魔術の禁書目録、BB弾3袋、予備弾28弾、ママチャリ@現地調達
[思考・状況]
基本:生き残りを優先する。宗介、かなめ、テッサとの合流を目指す。
1:鮮花に銃を教える。
2:可愛いい女の子か使える人間は仲間に引き入れ、その他の人間は殺して装備を奪う。
3:知り合いが全滅すれば優勝を目指すという選択肢もあり。
4:ステイルとその同行者に復讐する。
5:メリッサ・マオの仇も取る。
6:ガウルンに対して警戒。
7:この後は休憩。
8:鮮花に罪悪感、どこか哀しい
【備考】
※土御門から“とある魔術の禁書目録”の世界観、上条当麻、禁書目録、ステイル=マグヌスとその能力に関する情報を得ました。
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