超能力少女、はじめました ◆nhqbjDwFas
抜けるような青空の下、まるで墓石のように立ち並ぶ廃墟群。
その一棟、川沿いの廃ホテルに、膝を抱えうずくまる人影があった。
「うう・・・・・・」
埃っぽい床に荷物をばら撒き、涙を流しながら震えているのは一人の少女。
否。正確には彼女、鈴木みかは少女と言えるような年齢では無かった。
低身長で、童顔で、スレンダーというには起伏の無さ過ぎる体型ではあるが、
彼女は御年27歳のれっきとした高校教師だった。
「もうやだぁ・・・」
瞼を擦りながら小さく呟く。薄暗い室内には、みかの泣き声のみが響いていた。
朝、6時――いつもならば、まだ布団に潜り込んでいるような時間。
いつもどおりに寝坊して、いつもどおり父親に送ってもらって、
それから、いつもどおり生徒達にからかわれて・・・そんな普通の一日になるはずだったのに。
目覚めるとなぜか、殺人ゲームなどという馬鹿げた空間にいて。
人を殺す事を強要されて、目の前で人が殺されて。そして今、彼女は廃墟の中で動けずにいた。
『死にたくない。けど、誰かを殺すのも嫌だよ』
外に出たら傷つく、傷つける。だったら、ここに隠れていたほうが安全なんじゃないだろうか。
幸い、ここに知り合いはいない。だから、無理して出歩く必要は無い。
そんな事を考えながら、みかは鞄から出てきたものに視線を移した。
「これ着けて、ここに篭ってたら、安全かな?」
視線の先には巨大な物体。真っ赤なランドセルは勿論、みかと比べてもまだ余りある異形。
こんな大きな物が、どうやって小さな鞄に入っていたのか・・・
そんな疑問はさておき、もし説明書が本当なら、
この異物ともう一つの物品を身につけておけば、銃などで狙われないかぎり何とかなるかもしれない。
「そう、だよね。ここでじっとしておけば大丈夫だよね」
誰にともなく呟いて。ゆっくりと瞼を閉じようとして・・・みかは少女の悲鳴を耳にした。
その一棟、川沿いの廃ホテルに、膝を抱えうずくまる人影があった。
「うう・・・・・・」
埃っぽい床に荷物をばら撒き、涙を流しながら震えているのは一人の少女。
否。正確には彼女、鈴木みかは少女と言えるような年齢では無かった。
低身長で、童顔で、スレンダーというには起伏の無さ過ぎる体型ではあるが、
彼女は御年27歳のれっきとした高校教師だった。
「もうやだぁ・・・」
瞼を擦りながら小さく呟く。薄暗い室内には、みかの泣き声のみが響いていた。
朝、6時――いつもならば、まだ布団に潜り込んでいるような時間。
いつもどおりに寝坊して、いつもどおり父親に送ってもらって、
それから、いつもどおり生徒達にからかわれて・・・そんな普通の一日になるはずだったのに。
目覚めるとなぜか、殺人ゲームなどという馬鹿げた空間にいて。
人を殺す事を強要されて、目の前で人が殺されて。そして今、彼女は廃墟の中で動けずにいた。
『死にたくない。けど、誰かを殺すのも嫌だよ』
外に出たら傷つく、傷つける。だったら、ここに隠れていたほうが安全なんじゃないだろうか。
幸い、ここに知り合いはいない。だから、無理して出歩く必要は無い。
そんな事を考えながら、みかは鞄から出てきたものに視線を移した。
「これ着けて、ここに篭ってたら、安全かな?」
視線の先には巨大な物体。真っ赤なランドセルは勿論、みかと比べてもまだ余りある異形。
こんな大きな物が、どうやって小さな鞄に入っていたのか・・・
そんな疑問はさておき、もし説明書が本当なら、
この異物ともう一つの物品を身につけておけば、銃などで狙われないかぎり何とかなるかもしれない。
「そう、だよね。ここでじっとしておけば大丈夫だよね」
誰にともなく呟いて。ゆっくりと瞼を閉じようとして・・・みかは少女の悲鳴を耳にした。
永沢君男は冷静だった。
たしかに、目の前で女性が殺されたときには動揺したものの。
支給物を受け取り、川岸に降り立つまでには、すでに冷静さを取り戻していた。
『“毎日”なんてものは、ちょっとしたことですぐ壊れてしまうものなのさ』
そう、例えばあの時、全てを奪っていった火事のように。だからこそ、彼は振り返らない。
所要時間は3分。ランドセルを開け、入っている物を確認する。
食料等以外にいくつかの物品を発見、その中から小振りな拳銃を取り出す。
付属の説明書を流し読みながら、安全装置を外す。そして周囲を確認。
建物の影で少女が鞄を開けているのを発見すると、永沢は当たり前のように引き金を引いた。
たしかに、目の前で女性が殺されたときには動揺したものの。
支給物を受け取り、川岸に降り立つまでには、すでに冷静さを取り戻していた。
『“毎日”なんてものは、ちょっとしたことですぐ壊れてしまうものなのさ』
そう、例えばあの時、全てを奪っていった火事のように。だからこそ、彼は振り返らない。
所要時間は3分。ランドセルを開け、入っている物を確認する。
食料等以外にいくつかの物品を発見、その中から小振りな拳銃を取り出す。
付属の説明書を流し読みながら、安全装置を外す。そして周囲を確認。
建物の影で少女が鞄を開けているのを発見すると、永沢は当たり前のように引き金を引いた。
結果から言えば、銃弾は外れた。
突然の轟音に驚愕の表情をみせ、赤い服の少女がこちらとは反対方向へと逃げ出す。
それを駆け足で追いながら、彼は冷静に考える。
『あまり弾を使いたくないな。けど、僕が人を殺すつもりだと知られたままなのもまずいからね』
次弾は外れないように、なるべく近距離で撃つ事にする。そう決めると同時に加速。
歩幅の差と男女の脚力差により、少女と永沢の距離はぐんぐんと縮まる。
不意に、何かに蹴躓いたように少女の体が転倒する。
「だ、誰か助けて!先生、せんせい!」
少女の悲痛な叫びを意に介さず、永沢はゆっくりと近づきながら銃を構え直す。直後。
「ぶぺっ!」
その場に銃声が響くよりもはやく、永沢の体に衝撃がはしった。
激しい一撃が体の左側方を襲い、思わず銃を手放す。
横に流れる視線に、驚愕の表情を浮かべた少女が映る。
何が起こったのか理解も出来ぬまま、永沢は川辺に向かって弾き飛ばされた。
突然の轟音に驚愕の表情をみせ、赤い服の少女がこちらとは反対方向へと逃げ出す。
それを駆け足で追いながら、彼は冷静に考える。
『あまり弾を使いたくないな。けど、僕が人を殺すつもりだと知られたままなのもまずいからね』
次弾は外れないように、なるべく近距離で撃つ事にする。そう決めると同時に加速。
歩幅の差と男女の脚力差により、少女と永沢の距離はぐんぐんと縮まる。
不意に、何かに蹴躓いたように少女の体が転倒する。
「だ、誰か助けて!先生、せんせい!」
少女の悲痛な叫びを意に介さず、永沢はゆっくりと近づきながら銃を構え直す。直後。
「ぶぺっ!」
その場に銃声が響くよりもはやく、永沢の体に衝撃がはしった。
激しい一撃が体の左側方を襲い、思わず銃を手放す。
横に流れる視線に、驚愕の表情を浮かべた少女が映る。
何が起こったのか理解も出来ぬまま、永沢は川辺に向かって弾き飛ばされた。
盛大な水音に、ベルフラウ=マルティーニは首をすくめた。
どうやら、あの少年は川に叩き落されたらしい。
目の前には、先程飛来した大きな怪物。
姿こそは異様だが、助けてくれたのだからおそらくは敵じゃないのだろう。
『もしかして、召喚獣なのかしら?』
などとベルフラウが考えていると、不意にその怪物が大きく口を開いた。
「だ、大丈夫・・・だった?」
その声と共に口の中から何かが生える。
それは、奇妙な形の兜を身につけた、冴えない表情をした少女の顔だった。
どうやら、あの少年は川に叩き落されたらしい。
目の前には、先程飛来した大きな怪物。
姿こそは異様だが、助けてくれたのだからおそらくは敵じゃないのだろう。
『もしかして、召喚獣なのかしら?』
などとベルフラウが考えていると、不意にその怪物が大きく口を開いた。
「だ、大丈夫・・・だった?」
その声と共に口の中から何かが生える。
それは、奇妙な形の兜を身につけた、冴えない表情をした少女の顔だった。
【H-6廃墟側川岸 1日目 朝】
【鈴木みか@せんせいのお時間】
[状態]: エスパーぼうし使用による、中程度の精神疲労
[装備]: 参號夷腕坊@るろうに剣心、エスパーぼうし@ドラえもん
[道具]: 支給品一式
[思考・状況]
1:目の前の少女(ベルフラウ)と情報交換
2:すごく疲れたのでしばらく休憩したい
基本:殺し合いはしたくないが、どうしたらいいのか具体的には考えてない
[状態]: エスパーぼうし使用による、中程度の精神疲労
[装備]: 参號夷腕坊@るろうに剣心、エスパーぼうし@ドラえもん
[道具]: 支給品一式
[思考・状況]
1:目の前の少女(ベルフラウ)と情報交換
2:すごく疲れたのでしばらく休憩したい
基本:殺し合いはしたくないが、どうしたらいいのか具体的には考えてない
【ベルフラウ=マルティーニ@サモンナイト3】
[状態]:軽い疲労、膝に擦り傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、未確認支給武器1~3個
[思考・状況]
1:目の前の少女(みか)と情報交換
2:武器を確認したい
基本:帰りたい
[状態]:軽い疲労、膝に擦り傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、未確認支給武器1~3個
[思考・状況]
1:目の前の少女(みか)と情報交換
2:武器を確認したい
基本:帰りたい
※周辺に永沢の支給武器、FNブローニングM1910が落ちています
【G-6川 1日目 朝】
【永沢君男@ちびまる子ちゃん】
[状態]:不明
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1~2
[思考・状況]
基本:運命を受け入れ、殺し合う
[状態]:不明
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1~2
[思考・状況]
基本:運命を受け入れ、殺し合う
【参號夷腕坊@るろうに剣心】
機巧芸術家・外印の機能美の集大成。
ゴム製の皮膚による打撃防御、編みこんだ鋼繊維の内装による刺突防御をもち、
ただ篭っているだけでも生存確率が高まる優れもの。
使いこなせれば、関節の自由脱着機能による斬撃防御、
さらには関節の自由回転機能と皮膚の伸縮を利用した必殺技も使用可能。
説明書が付いているので、人形遣いの技能を持っているか、相当に器用な人間は扱えるものと思われる。
機巧芸術家・外印の機能美の集大成。
ゴム製の皮膚による打撃防御、編みこんだ鋼繊維の内装による刺突防御をもち、
ただ篭っているだけでも生存確率が高まる優れもの。
使いこなせれば、関節の自由脱着機能による斬撃防御、
さらには関節の自由回転機能と皮膚の伸縮を利用した必殺技も使用可能。
説明書が付いているので、人形遣いの技能を持っているか、相当に器用な人間は扱えるものと思われる。
【エスパーぼうし@ドラえもん】
ドラえもんの秘密道具の一つ。
丸いお椀状のヘルメットに、指を指した手の形をした飾り付きの棒が生えた形状をしている。
かぶるとテレキネシス(念力)、テレポーテーション(空間転移)、クレヤボヤンス(透視)といった、
三種類の超能力が使えるが、使用の際には集中する必要があり、さらに使いこなすには訓練が必要。
(元から魔法や超能力等が使えるキャラなら、訓練は必要ないかも)
なお、ロワ内制限として、使用すると精神的な疲労が発生する。
疲労の度合いについては、テレキネシス(念力)は動かす物体の重さ、
テレポーテーション(空間転移)は移動距離、クレヤボヤンス(透視)は透視する範囲にそれぞれ比例。
ドラえもんの秘密道具の一つ。
丸いお椀状のヘルメットに、指を指した手の形をした飾り付きの棒が生えた形状をしている。
かぶるとテレキネシス(念力)、テレポーテーション(空間転移)、クレヤボヤンス(透視)といった、
三種類の超能力が使えるが、使用の際には集中する必要があり、さらに使いこなすには訓練が必要。
(元から魔法や超能力等が使えるキャラなら、訓練は必要ないかも)
なお、ロワ内制限として、使用すると精神的な疲労が発生する。
疲労の度合いについては、テレキネシス(念力)は動かす物体の重さ、
テレポーテーション(空間転移)は移動距離、クレヤボヤンス(透視)は透視する範囲にそれぞれ比例。
≪010:ドンマイ!来来少女(ライライガール) | 時系列順に読む | 012:日ハ異文化交流録≫ |
≪010:ドンマイ!来来少女(ライライガール) | 投下順に読む | 012:日ハ異文化交流録≫ |
GAME START | みかの登場SSを読む | 099:運命はこの心次第で決まる≫ |
ベルフラウの登場SSを読む | 099:運命はこの心次第で決まる≫ | |
永沢の登場SSを読む | 056:「永沢、再び女の子を襲う」の巻≫ |