運命はこの心次第で決まる ◆ou3klRWvAg
聳え立つ廃ビルの森、その北岸沿いに面するビルの陰で、二人の少女が朝陽に輝く湖を眺めていた。
遠くからは、殺し合いなんてしちゃいけないと、呼びかけの声が響き続けている。
遠くからは、殺し合いなんてしちゃいけないと、呼びかけの声が響き続けている。
(どうしてこんなことになっちゃったんだろう……)
怯えも戸惑いも一過して、みかはあらためて茫洋とせざるをえない。
ここが、ぜんぜん違う世界で。
もとの世界に帰れないかもしれないなんて。
そのうえ、殺し合いをしろなんて。
ベルフラウとの情報交換により知った現状は全く良いものではなくて、むしろ絶望的で、
しだいに気分が重く暗くなってくる。
ここが、ぜんぜん違う世界で。
もとの世界に帰れないかもしれないなんて。
そのうえ、殺し合いをしろなんて。
ベルフラウとの情報交換により知った現状は全く良いものではなくて、むしろ絶望的で、
しだいに気分が重く暗くなってくる。
「うう……だいたい、私、「幼子」じゃないのに……。なんでぇ……」
「いつまでめそめそしてますの! 子供じゃないっていうなら、もっとしっかりなさいな!」
「う……」
年下の子にまで叱咤されるのが情けない。
自分は大人で、先生なんだから、しっかりしなくちゃ。
みかだってそう思わないわけじゃない。
……でもやっぱり、怖いものは怖いし、不安なものは不安なのだ。
「いつまでめそめそしてますの! 子供じゃないっていうなら、もっとしっかりなさいな!」
「う……」
年下の子にまで叱咤されるのが情けない。
自分は大人で、先生なんだから、しっかりしなくちゃ。
みかだってそう思わないわけじゃない。
……でもやっぱり、怖いものは怖いし、不安なものは不安なのだ。
そしてそれはベルフラウも同じようで、気丈な言動は自信からくるものではなく、
むしろつついたら壊れてしまいそうな、子供の意地だけでもっているように思えた。
みかも先生として、子供のそういう心理がなんとなく見えてしまうのだが、
さりとて何をしてあげられるわけでもないのが歯がゆい。
ふと目を上げて、みかはベルフラウが何かいじっているのに気づいた。
むしろつついたら壊れてしまいそうな、子供の意地だけでもっているように思えた。
みかも先生として、子供のそういう心理がなんとなく見えてしまうのだが、
さりとて何をしてあげられるわけでもないのが歯がゆい。
ふと目を上げて、みかはベルフラウが何かいじっているのに気づいた。
「ベルフラウちゃん……なにしてるの?」
「さっきの男の子が落としていった銃よ。使えないかと思って拾ったんだけど……」
「もしかして、銃とか使ったことあるの?」
金髪碧眼。外国人じみた容貌から、もしかしたら銃とか使ったことあるのかな?
と安直な推測をして聞いてみたが、ベルフラウは整った眉をしかめて首を横に振った。
「いいえ。私、銃器の扱いのたしなみはありませんし……
でも、身近に銃の扱いに長けたひとはいましたし、見よう見まねでなんとかならないものかと思って」
「さっきの男の子が落としていった銃よ。使えないかと思って拾ったんだけど……」
「もしかして、銃とか使ったことあるの?」
金髪碧眼。外国人じみた容貌から、もしかしたら銃とか使ったことあるのかな?
と安直な推測をして聞いてみたが、ベルフラウは整った眉をしかめて首を横に振った。
「いいえ。私、銃器の扱いのたしなみはありませんし……
でも、身近に銃の扱いに長けたひとはいましたし、見よう見まねでなんとかならないものかと思って」
永沢の落とした銃をためつすがめつし、ベルフラウは首をひねる。
(こんな感じ……? ……ソノラはどうやって撃ってたかしら……)
形だけ構えてみるものの、やはり慣れた弓と違って勝手がよくわからず心許ない。
こんなことになるんだったら、ソノラに銃の使い方を教えてもらうんだったかしら――。
(こんな感じ……? ……ソノラはどうやって撃ってたかしら……)
形だけ構えてみるものの、やはり慣れた弓と違って勝手がよくわからず心許ない。
こんなことになるんだったら、ソノラに銃の使い方を教えてもらうんだったかしら――。
みかはそれを戦々恐々として凝視している。
生で見たことこそないものの、銃器の危険さは常識として知っている。
ベルフラウの銃をいじくる手は、みかの素人目に見てもどうも危なっかしさがぬぐえない。
大人の自分が持ったほうがいいのかもしれないと思うが、没収を言い出すタイミングがつかめなかった。
下手に取り上げようとしたら、よくないことになりそうで……正直に言うと、なにかのはずみに
ベルフラウが自分に銃を向けてくるかもしれないんじゃないか、という恐怖があって、みかはなかなか切り出せないでいた。
生で見たことこそないものの、銃器の危険さは常識として知っている。
ベルフラウの銃をいじくる手は、みかの素人目に見てもどうも危なっかしさがぬぐえない。
大人の自分が持ったほうがいいのかもしれないと思うが、没収を言い出すタイミングがつかめなかった。
下手に取り上げようとしたら、よくないことになりそうで……正直に言うと、なにかのはずみに
ベルフラウが自分に銃を向けてくるかもしれないんじゃないか、という恐怖があって、みかはなかなか切り出せないでいた。
やがて、ベルフラウは銃をいじくり回すのをやめた。
どうやら無理そうだと諦めたらしい。
銃を手のひらに乗せたまま、おもむろにみかに声をかける。
どうやら無理そうだと諦めたらしい。
銃を手のひらに乗せたまま、おもむろにみかに声をかける。
「……貴方、銃は扱える?」
「え? む、むり……じゃない!」
言いかけて、みかはあわてて言い直す。
ようやくタイミングが来たのだ。みかはお臍の下あたりに力をいれて、覚悟を決める。
「む、無理じゃないよ! こう見えても私、銃ならちょっと使えるんだから!
だから、ね? ……もしよかったら、それ、私に持たせてくれないかな?」
ぐっと小さな握りこぶしをつくり、精一杯頼もしさを装ってみせながら喋る。
「え? む、むり……じゃない!」
言いかけて、みかはあわてて言い直す。
ようやくタイミングが来たのだ。みかはお臍の下あたりに力をいれて、覚悟を決める。
「む、無理じゃないよ! こう見えても私、銃ならちょっと使えるんだから!
だから、ね? ……もしよかったら、それ、私に持たせてくれないかな?」
ぐっと小さな握りこぶしをつくり、精一杯頼もしさを装ってみせながら喋る。
大嘘である。
みかは本物の銃など、撃ったことどころか触ったことさえない。
経験と呼べるものはせいぜい縁日の射的のオモチャの銃ぐらいで、それすらも上手なほうではなかった。
それでも、みかは大人として、教師として、子供の手から危険な銃を取り上げようと必死だった。
みかは本物の銃など、撃ったことどころか触ったことさえない。
経験と呼べるものはせいぜい縁日の射的のオモチャの銃ぐらいで、それすらも上手なほうではなかった。
それでも、みかは大人として、教師として、子供の手から危険な銃を取り上げようと必死だった。
「……本当ですわね?」
ベルフラウは半信半疑といった表情でみかを見つめていたが、それでも
信頼してみようという気になってくれたのか、気乗りしない様子ながらも銃をみかに手渡した。
みかはそれを慎重に受け取り、思わず声をあげる。
「あ……」
オモチャのような外見に反し、ずっしりと重い。
本物なんだ。
いまさらのように実感し、みかは背筋が寒くなる。
子供にこんなもの、持たせちゃよくないよ……。
銃を見つめながら、みかは怒りとも悲しみともつかない、もやっとした不快感を覚えた。
ベルフラウは半信半疑といった表情でみかを見つめていたが、それでも
信頼してみようという気になってくれたのか、気乗りしない様子ながらも銃をみかに手渡した。
みかはそれを慎重に受け取り、思わず声をあげる。
「あ……」
オモチャのような外見に反し、ずっしりと重い。
本物なんだ。
いまさらのように実感し、みかは背筋が寒くなる。
子供にこんなもの、持たせちゃよくないよ……。
銃を見つめながら、みかは怒りとも悲しみともつかない、もやっとした不快感を覚えた。
「どうしましたの?」
ベルフラウが不安げにこちらを凝視しているのを感じて、みかはさっきと立場が逆になったことに気づく。
ベルフラウの視線に含まれているのは、みかが何かのはずみで自分に銃を向けるんじゃないか――
――そういう、微かな緊張と恐怖。
「あ、う、ううん、なんでもないよ」
みかは慌てて首を振ってみせたものの、ベルフラウの表情はまだどこか不信を残している。
それに真っ向向き合うことができなくて、みかは顔を伏せて手のひらの銃に意識を向ける。
ベルフラウが不安げにこちらを凝視しているのを感じて、みかはさっきと立場が逆になったことに気づく。
ベルフラウの視線に含まれているのは、みかが何かのはずみで自分に銃を向けるんじゃないか――
――そういう、微かな緊張と恐怖。
「あ、う、ううん、なんでもないよ」
みかは慌てて首を振ってみせたものの、ベルフラウの表情はまだどこか不信を残している。
それに真っ向向き合うことができなくて、みかは顔を伏せて手のひらの銃に意識を向ける。
(どうしようかなあ……これ。手に持ったままじゃ危ないよね)
銃をうまく没収したはいいものの、今度は取り扱いに困る。
映画でよく女優さんがやってるみたいに、太ももに巻いたベルトにはさんで携帯する、
なんて方法をさっきまでは考えていたが、この重さだと歩いているうちにうっかり落としそうで危なくてできない。
結局ランドセルに銃をしまいながら、みかは呟く。
「やっぱり、現実と映画って違うよね」
「エイガ?」
「お話と違って、殺し合いって簡単なものじゃないってことだよ」
「…………」
銃をうまく没収したはいいものの、今度は取り扱いに困る。
映画でよく女優さんがやってるみたいに、太ももに巻いたベルトにはさんで携帯する、
なんて方法をさっきまでは考えていたが、この重さだと歩いているうちにうっかり落としそうで危なくてできない。
結局ランドセルに銃をしまいながら、みかは呟く。
「やっぱり、現実と映画って違うよね」
「エイガ?」
「お話と違って、殺し合いって簡単なものじゃないってことだよ」
「…………」
重苦しい沈黙がおりる。
今はいない仲良しの召喚獣のかわりに赤いランドセルを抱きしめてうつむいていたベルフラウが頭をもたげ、
おもむろに湖の東側に目を留めて呟いた。
「……あの霧が動いてますわね。さっきは向こう岸の建物のあたりにあったのに」
気まずい沈黙に耐えかねていたみかも、ベルフラウのほうから振られた話の種に飛びついた。
「う、うん……ヘンだよね、あれ。カタマリになって動いてるし」
「なにかしらね? 自然のものにしては動きがおかしいけど、サプレスの霊なら、ちゃんと形があるはずなのに
……キュウマの使ってた、シルターンの忍術みたいなものなのかしら?」
「忍術……煙幕とか、毒の霧とか、そういうのってこと?」
「そうかもしれませんわね」
おもむろに湖の東側に目を留めて呟いた。
「……あの霧が動いてますわね。さっきは向こう岸の建物のあたりにあったのに」
気まずい沈黙に耐えかねていたみかも、ベルフラウのほうから振られた話の種に飛びついた。
「う、うん……ヘンだよね、あれ。カタマリになって動いてるし」
「なにかしらね? 自然のものにしては動きがおかしいけど、サプレスの霊なら、ちゃんと形があるはずなのに
……キュウマの使ってた、シルターンの忍術みたいなものなのかしら?」
「忍術……煙幕とか、毒の霧とか、そういうのってこと?」
「そうかもしれませんわね」
真紅の発生させる『アリス・イン・ワンダーランド』の霧を見つめ、その中で始まらんとしている戦闘も知らず
二人は指差してはあれやこれやと推測を言い合っている。
二人は指差してはあれやこれやと推測を言い合っている。
「ともかく、こっちに移動してきて正解でしたわね」
「うん……」
「…………」
「…………」
「うん……」
「…………」
「…………」
せっかく生まれた会話が、また止まってしまう。
「……これから、どうしましょうか」
「……これから、どうしたらいいのかな」
ほぼ同時に同じことを口に出し、二人は思わず顔を見合わせた。
「……これから、どうしたらいいのかな」
ほぼ同時に同じことを口に出し、二人は思わず顔を見合わせた。
辺りは、静かである。
みかは、ぽつりと呟く。
「……呼びかけしてた男の子の声、聞こえなくなっちゃったね」
「……そうですわね」
「……何か、あったのかなあ」
何もできない悔しさからくる苛々を奥歯ですりつぶし、ベルフラウはどこか投げやりな風で応える。
「……何か、あったんでしょ。おおかた、はぐれ召喚獣にでも襲われたんでしょう」
「……呼びかけしてた男の子の声、聞こえなくなっちゃったね」
「……そうですわね」
「……何か、あったのかなあ」
何もできない悔しさからくる苛々を奥歯ですりつぶし、ベルフラウはどこか投げやりな風で応える。
「……何か、あったんでしょ。おおかた、はぐれ召喚獣にでも襲われたんでしょう」
ベルフラウの言葉に、みかは思わず目をつむる。
最初に集められた場所にいたのが、背丈こそみかと同程度とはいえ、小さい子供ばかりだったのを思い出す。
拡声器で呼びかけしていた男の子の言葉を思い出す。
――――すると、何か、「ここでじっとしてちゃいけないんじゃないの?」という気持ちが沸いて来るのだ。
怖いけれど、殺し合いなんてできないけど、こんなところでただ隠れて震えてるのは卑怯なんじゃない――?
そんな想いが胸を去来し、いてもたってもいられない。
拡声器で呼びかけしていた男の子の言葉を思い出す。
――――すると、何か、「ここでじっとしてちゃいけないんじゃないの?」という気持ちが沸いて来るのだ。
怖いけれど、殺し合いなんてできないけど、こんなところでただ隠れて震えてるのは卑怯なんじゃない――?
そんな想いが胸を去来し、いてもたってもいられない。
みかは胸をうずまく思いに突き動かされ、おずおずと切り出す。
「や……やっぱり、行ったほうがよかったんじゃない……?」
すぐに、苛立った調子の返事が跳ね返ってきた。
「行ったって、なんにもできないに決まってますでしょう!?
あなたはろくに戦えないって言うし、私だって弓もないしオニビもいなくて……。
……先生だっていないのに……」
「せ……先生なら、ここにいるよ! 私、先生だもん!」
「私の「先生」はひとりだけですわ!」
「あうっ」
ベルフラウの言葉がなにげに胸に刺さったが、気を取り直してみかは続ける。
「そ、それより! やっぱり、様子を見に行ったほうがいいんじゃないかな。
もし何かに襲われてるんだったら、助けにいかないと……その、ダメなんじゃ、ないかと……」
「私たちが行って、何ができますの?
助ける前に、自分たちの身の安全だって守りきれるかどうか分からないのに!」
ベルフラウの辛辣な言葉に怯えながらも、みかはもごもごと喋る。
「で、でもね……。これでも……こんなんでも、わたし、先生だからさ……。
……子供が殺し合いやらされるのをただ見過ごしてちゃ、先生失格だって思うんだ……」
「や……やっぱり、行ったほうがよかったんじゃない……?」
すぐに、苛立った調子の返事が跳ね返ってきた。
「行ったって、なんにもできないに決まってますでしょう!?
あなたはろくに戦えないって言うし、私だって弓もないしオニビもいなくて……。
……先生だっていないのに……」
「せ……先生なら、ここにいるよ! 私、先生だもん!」
「私の「先生」はひとりだけですわ!」
「あうっ」
ベルフラウの言葉がなにげに胸に刺さったが、気を取り直してみかは続ける。
「そ、それより! やっぱり、様子を見に行ったほうがいいんじゃないかな。
もし何かに襲われてるんだったら、助けにいかないと……その、ダメなんじゃ、ないかと……」
「私たちが行って、何ができますの?
助ける前に、自分たちの身の安全だって守りきれるかどうか分からないのに!」
ベルフラウの辛辣な言葉に怯えながらも、みかはもごもごと喋る。
「で、でもね……。これでも……こんなんでも、わたし、先生だからさ……。
……子供が殺し合いやらされるのをただ見過ごしてちゃ、先生失格だって思うんだ……」
「…………」
ベルフラウは沈黙した。
その沈黙の意味がつかめず、みかはおろおろする。
「……も、もしダメだったら、わたしひとりで行ってくるからさ……。
ベルフラウちゃんはここで待っててくれる?」
「…………」
ベルフラウは沈黙した。
その沈黙の意味がつかめず、みかはおろおろする。
「……も、もしダメだったら、わたしひとりで行ってくるからさ……。
ベルフラウちゃんはここで待っててくれる?」
「…………」
「…………」
ベルフラウは、みかの震え気味な足元を見つめ思う。
……ああ、もう。
どうして「先生」っていうひとたちは、何でもひとりで抱え込もうとするのかしら。
ほんとうに、周りのひとの気持ちなんか、ぜんぜんわかってくれないんだから。
……ああ、もう。
どうして「先生」っていうひとたちは、何でもひとりで抱え込もうとするのかしら。
ほんとうに、周りのひとの気持ちなんか、ぜんぜんわかってくれないんだから。
「ダメよ」
「う……ダメって言われたって、困るよ……」
悩む様子のみかに、ベルフラウは背を向けた。
「――あなたが、ここで待っていてくださいませ。私が行ってまいりますわ」
「…………え?」
「う……ダメって言われたって、困るよ……」
悩む様子のみかに、ベルフラウは背を向けた。
「――あなたが、ここで待っていてくださいませ。私が行ってまいりますわ」
「…………え?」
ベルフラウの意外な言葉にきょとんとするみかを尻目に、ベルフラウは彼方に見える橋のほうを見やる。
「呼びかけが止んでから、まだそんなに時間も経っていないわね。
――今行けば、まだ間に合うかしら」
「……!」
ようやくベルフラウの意図を汲み、みかは目を見開く。
「あなたを一人で行かせるくらいなら、私一人で行ったほうがよほどいいですわ」
「だ、だめだってば! 一人で行くなんてダメだよ!」
さっきの自分のことを棚にあげて、みかが反駁する。
「あなたはさっきの着ぐるみに入って隠れていれば、いくらかは安全でしょうし」
「だめだってばっ! そんなのだめっ!」
「もう、しつこいですわねっ!」
みかの小さな肩を側のコンクリートの壁に押し付け、ベルフラウは顔を近づけて言い聞かせる。
「ろくに戦えもしない召喚獣のくせに、あまり偉そうにしないでくださいませ!」
「でも、……でも、だったら二人で行こうよ! 一人で行くことないじゃない……」
自分を棚に置いたみかの言葉をよそに、ベルフラウは自分のランドセルをごそごそと探る。
「足手まといのあなたを連れて行かなきゃならない道理はないわ」
みかは次々と投げつけられる冷たい言葉に「そんなぁ」と表情を歪ませかける。
ベルフラウはそんな様子のみかを見て、友達の泣き虫の獣人の子どもを思い出した。
思わず、表情がゆるんでしまう。
「……勘違いしないでよ?
先生とか、大人と子供とか、そんなの関係ありませんわ。私は安全な方法を取りたいだけですの」
ランドセルから取り出した一枚のカードを手に、ベルフラウは笑む。
「私の鞄に入ってたこれを使えば、安全に近寄って見てくることもできそうですし……。
……それに、これ、多分あなたは使えませんもの」
「呼びかけが止んでから、まだそんなに時間も経っていないわね。
――今行けば、まだ間に合うかしら」
「……!」
ようやくベルフラウの意図を汲み、みかは目を見開く。
「あなたを一人で行かせるくらいなら、私一人で行ったほうがよほどいいですわ」
「だ、だめだってば! 一人で行くなんてダメだよ!」
さっきの自分のことを棚にあげて、みかが反駁する。
「あなたはさっきの着ぐるみに入って隠れていれば、いくらかは安全でしょうし」
「だめだってばっ! そんなのだめっ!」
「もう、しつこいですわねっ!」
みかの小さな肩を側のコンクリートの壁に押し付け、ベルフラウは顔を近づけて言い聞かせる。
「ろくに戦えもしない召喚獣のくせに、あまり偉そうにしないでくださいませ!」
「でも、……でも、だったら二人で行こうよ! 一人で行くことないじゃない……」
自分を棚に置いたみかの言葉をよそに、ベルフラウは自分のランドセルをごそごそと探る。
「足手まといのあなたを連れて行かなきゃならない道理はないわ」
みかは次々と投げつけられる冷たい言葉に「そんなぁ」と表情を歪ませかける。
ベルフラウはそんな様子のみかを見て、友達の泣き虫の獣人の子どもを思い出した。
思わず、表情がゆるんでしまう。
「……勘違いしないでよ?
先生とか、大人と子供とか、そんなの関係ありませんわ。私は安全な方法を取りたいだけですの」
ランドセルから取り出した一枚のカードを手に、ベルフラウは笑む。
「私の鞄に入ってたこれを使えば、安全に近寄って見てくることもできそうですし……。
……それに、これ、多分あなたは使えませんもの」
・
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廃ビルの立ち並ぶ湖畔で、いかついゲテモノと紅衣の少女が向き合っている。
ゲテモノの中から、多少くぐもった可愛らしい声が響く。
「本当に大丈夫?」
紅い少女が金髪をゆらして頷く。
「大丈夫ですわよ。これでも修羅場はあの島で幾つか潜ってきてますもの。
それより、みかさんの方こそ気をつけて。
万が一の時は私のことなど気にせず、自分の身の安全をはかってくださいませ」
「うん……ベルフラウちゃんも、気をつけて。危ないことがあったら、すぐ戻ってくるんだよ?」
「お気遣い、いたみいりますわ」
心配を寄せられることへの反発と照れで、わざとそっけなく応える。
「あなたのほうこそ、しっかり気をつけるのよ?
ここではあなたの言う魔法みたいな召喚術を使ってくる人間や、危険なはぐれ召喚獣が普通にいたりするの。
だから、あなたみたいな戦う力の無いはぐれ召喚獣は特に気をつけなきゃダメ!
わかった?」
「は、はあ……」
みかの戸惑ったような返答に、ベルフラウはため息をついた。
「本当に大丈夫?」
紅い少女が金髪をゆらして頷く。
「大丈夫ですわよ。これでも修羅場はあの島で幾つか潜ってきてますもの。
それより、みかさんの方こそ気をつけて。
万が一の時は私のことなど気にせず、自分の身の安全をはかってくださいませ」
「うん……ベルフラウちゃんも、気をつけて。危ないことがあったら、すぐ戻ってくるんだよ?」
「お気遣い、いたみいりますわ」
心配を寄せられることへの反発と照れで、わざとそっけなく応える。
「あなたのほうこそ、しっかり気をつけるのよ?
ここではあなたの言う魔法みたいな召喚術を使ってくる人間や、危険なはぐれ召喚獣が普通にいたりするの。
だから、あなたみたいな戦う力の無いはぐれ召喚獣は特に気をつけなきゃダメ!
わかった?」
「は、はあ……」
みかの戸惑ったような返答に、ベルフラウはため息をついた。
「……それじゃ、時間も惜しいし、行ってまいりますわ」
「あ、あの!」
「なんですの?」
夷腕坊の口から身を乗り出し、みかは真面目な顔で人差し指を立ててみせた。
「その……、危ないことはしちゃだめだよ! ――先生との約束!」
「あ、あの!」
「なんですの?」
夷腕坊の口から身を乗り出し、みかは真面目な顔で人差し指を立ててみせた。
「その……、危ないことはしちゃだめだよ! ――先生との約束!」
”先生”という言葉に、ベルフラウの表情が複雑に揺れる。
目の前の少女は、ベルフラウの想う「先生」――赤毛の青年と、あまりにも違いすぎる。
軍学校出の元エリート、という立派な肩書きもない。武術も召喚術もからっきしに見える。
頭もそんなに良さそうにみえない。目の前の少女は、先生として、大人としてみるには、あまりにも頼りなかった。
軍学校出の元エリート、という立派な肩書きもない。武術も召喚術もからっきしに見える。
頭もそんなに良さそうにみえない。目の前の少女は、先生として、大人としてみるには、あまりにも頼りなかった。
けど、いきなり召喚されてきて右も左もわからない状況で、殺し合いなんかしなくちゃいけなくて、
自分も不安でしかたないくせに、人のことばっかり心配する。
そんな所だけは……ベルフラウの先生とそっくりで。
(人の心配ばっかりして、本当に、あなたって人は……自分の身のほうを心配しなさいよ)
ベルフラウは、意地を張りすぎた自分の対応を、少しだけ恥ずかしく思った。
自分も不安でしかたないくせに、人のことばっかり心配する。
そんな所だけは……ベルフラウの先生とそっくりで。
(人の心配ばっかりして、本当に、あなたって人は……自分の身のほうを心配しなさいよ)
ベルフラウは、意地を張りすぎた自分の対応を、少しだけ恥ずかしく思った。
「あ、あのー、もしもし? ベルフラウちゃん、聞いてる?」
ベルフラウがむっとした顔で考えこんでいるのを見て、みかが声をかけてくる。
心を読まれたわけでもないのに、ベルフラウはなんだか気恥ずかしくなって頭を振った。
「き、聞いてますわよ!
……あなたの言うことはわかりましたわ。なるべく危ないことは避けるようにします」
いったん言葉を切り、ベルフラウは腰に手を当ててみかの顔を下からのぞきこむ。
「――そのかわり、あなたも危ないことはしないで。
いい? 私が戻るまで、無事でいるのよ!
あなたが本当に先生だって言うんなら、その……子供との約束は、ぜったい破っちゃだめよ!」
「う、うん!」
みかは一瞬驚いたようすを見せたものの、すぐに頷き返した。
ベルフラウがむっとした顔で考えこんでいるのを見て、みかが声をかけてくる。
心を読まれたわけでもないのに、ベルフラウはなんだか気恥ずかしくなって頭を振った。
「き、聞いてますわよ!
……あなたの言うことはわかりましたわ。なるべく危ないことは避けるようにします」
いったん言葉を切り、ベルフラウは腰に手を当ててみかの顔を下からのぞきこむ。
「――そのかわり、あなたも危ないことはしないで。
いい? 私が戻るまで、無事でいるのよ!
あなたが本当に先生だって言うんなら、その……子供との約束は、ぜったい破っちゃだめよ!」
「う、うん!」
みかは一瞬驚いたようすを見せたものの、すぐに頷き返した。
「それじゃあ、あらためて……行ってまいりますわ」
「気をつけてね、ベルフラウちゃん!」
「あなたこそ!」
「気をつけてね、ベルフラウちゃん!」
「あなたこそ!」
ベルフラウは長い金髪をひるがえし、水辺に立つ。
召喚術を行使する時と同じでいいのか少々不安だったが、支給品のカードの一枚を手に、意識を集中しはじめる。
すると、はじめは小さく、やがて広く大きく――水面に波紋が広がりはじめた。
ベルフラウはカードを掲げる。
召喚術を行使する時と同じでいいのか少々不安だったが、支給品のカードの一枚を手に、意識を集中しはじめる。
すると、はじめは小さく、やがて広く大きく――水面に波紋が広がりはじめた。
ベルフラウはカードを掲げる。
「――――『水』(ウォーティ)!」
水面が大きく波立った。
平らかだった水面から飴細工のように水の束がいくつも持ち上がり、ベルフラウの周囲へと収束し囲繞する。
(……行ってきます)
中に空気をはらんだ潜水球の中で、ベルフラウは一度だけみかの方を振り返り――
――覚悟を決めると、地面を蹴って湖水へと飛び込んでいった。
平らかだった水面から飴細工のように水の束がいくつも持ち上がり、ベルフラウの周囲へと収束し囲繞する。
(……行ってきます)
中に空気をはらんだ潜水球の中で、ベルフラウは一度だけみかの方を振り返り――
――覚悟を決めると、地面を蹴って湖水へと飛び込んでいった。
暗くゆらめく青い水の底、ベルフラウを包んだ潜水球はゆるやかな速度で橋のほうへと接近する。
魔法の効果がよく把握しきれていないため、途中で効果が切れてしまったらどうしよう、という恐怖が
最初のうちはあったが、次第にコツがわかってくるにつれ、恐怖は薄れていった。
しかし――程無くして息苦しさを感じはじめ、顔を僅かにしかめる。
(あまり長く保つものじゃありませんわね、これは……)
水球のかたちは維持できても、中の空気は無限ではないらしい。
ならば探索は迅速に行わねばならない。
途中で岸辺の草陰や橋梁の影に身を寄せて息継ぎしては、また潜って進むのを繰り返し、
ベルフラウは広い湖を水面下を移動して横断する。
魔法の効果がよく把握しきれていないため、途中で効果が切れてしまったらどうしよう、という恐怖が
最初のうちはあったが、次第にコツがわかってくるにつれ、恐怖は薄れていった。
しかし――程無くして息苦しさを感じはじめ、顔を僅かにしかめる。
(あまり長く保つものじゃありませんわね、これは……)
水球のかたちは維持できても、中の空気は無限ではないらしい。
ならば探索は迅速に行わねばならない。
途中で岸辺の草陰や橋梁の影に身を寄せて息継ぎしては、また潜って進むのを繰り返し、
ベルフラウは広い湖を水面下を移動して横断する。
水面下を移動する間、ベルフラウはこの場についての推測を思い返していた。
・
・
・
・
・
タマネギ頭の少年から辛くも助けられたのち、みかとの情報交換の結果、
ベルフラウは以下のような考察を導き出し、みかにもその内容を説明していた。
ベルフラウは以下のような考察を導き出し、みかにもその内容を説明していた。
すなわち、ここはあの名もなき島と似たような場所なのではないかと。
地図を見る限りあの島とは全く違うようだし、ここがリィンバウムのどこかもわからないが、
みかのような異世界からの召喚獣をいちどきに大量に召喚するあたり、
召喚の門のような何らかの施設を使っているとみたほうがいい。
異世界の住人ではないベルフラウが喚ばれてしまったのはなんらかの事故かもしれないが、
あの島を覆う結界を無視して喚び出せたということがやや気にかかった。
みかのような異世界からの召喚獣をいちどきに大量に召喚するあたり、
召喚の門のような何らかの施設を使っているとみたほうがいい。
異世界の住人ではないベルフラウが喚ばれてしまったのはなんらかの事故かもしれないが、
あの島を覆う結界を無視して喚び出せたということがやや気にかかった。
なんにせよ、用意が周到すぎる。あの不気味な男ひとりで準備したものではあるまい。
島という閉鎖的な舞台。
召喚したものたちの生殺与奪を掌握することによって反抗を封じる謎の首輪。
革の背負い鞄に入れて手渡された、ベルフラウの知らない力の封じられた「魔法」のカードなどの武器。
召喚したものたちの生殺与奪を掌握することによって反抗を封じる謎の首輪。
革の背負い鞄に入れて手渡された、ベルフラウの知らない力の封じられた「魔法」のカードなどの武器。
これらのものが、たったひとりで準備できるとは思えない。
……無色の派閥絡みなのだろうか?
あのジェダという男は無色の幹部かなにかで、側にいた女の子は彼の召喚獣なのだろうか。
それがもっともありそうな気がする。
では、そのジェダの目的はなんなのだろう。
彼が言うことには「魂の選定」だか、とにかく殺しあいをさせたいらしい。
その真の意図はあいまいで「何のための魂の選定なのか」がいまいちよくわからないが、
魔剣の場合のそれのような、何かの適格者でも探しているのだろうか?
子供ばかり集めたのは、幼い人間の方がいろいろと刷り込みがしやすいからだろうか?
……無色の派閥絡みなのだろうか?
あのジェダという男は無色の幹部かなにかで、側にいた女の子は彼の召喚獣なのだろうか。
それがもっともありそうな気がする。
では、そのジェダの目的はなんなのだろう。
彼が言うことには「魂の選定」だか、とにかく殺しあいをさせたいらしい。
その真の意図はあいまいで「何のための魂の選定なのか」がいまいちよくわからないが、
魔剣の場合のそれのような、何かの適格者でも探しているのだろうか?
子供ばかり集めたのは、幼い人間の方がいろいろと刷り込みがしやすいからだろうか?
だとしたら、この殺し合いも……もし最後のひとりになって生き残ったとしても、
約束どおり願いを聞いてくれたり、もとの世界に戻してくれたりなんてしてもらえないに決まってる。
最後のひとりになった子をいいように利用するのが目的なのだから。
約束どおり願いを聞いてくれたり、もとの世界に戻してくれたりなんてしてもらえないに決まってる。
最後のひとりになった子をいいように利用するのが目的なのだから。
では、みかが、そしてベルフラウ自身が元の世界に帰れるには、どうしたらよいか。
最後の一人を利用するのがジェダの目的だったなら、言われたとおりに殺し合いをするのは不毛である。
最後の一人を利用するのがジェダの目的だったなら、言われたとおりに殺し合いをするのは不毛である。
召喚された存在がもとの場所に帰る方法は基本的に一つ。
”召喚者自身”による送還を経なければならない。
もし、この大掛かりな召喚を行ったのがジェダひとりであったなら、彼を締め上げて集めた子供たちを
元の世界に送還させればよい。
しかしそれは、人間ひとりのわざで為せる範疇を明らかに逸脱しているとベルフラウは思う。
ゆえに、それはありえないと考えるのが道理だ。
おそらくは、召喚の門のような施設を利用しているとみて間違いあるまい。
”召喚者自身”による送還を経なければならない。
もし、この大掛かりな召喚を行ったのがジェダひとりであったなら、彼を締め上げて集めた子供たちを
元の世界に送還させればよい。
しかしそれは、人間ひとりのわざで為せる範疇を明らかに逸脱しているとベルフラウは思う。
ゆえに、それはありえないと考えるのが道理だ。
おそらくは、召喚の門のような施設を利用しているとみて間違いあるまい。
その場合の脱出の方策については、ひとつ――実現は難しそうだが、目処はついている。
もし、この舞台があの名もなき島と同じで、島のどこかに召喚施設があるとしたら、
そこに赴いて召喚の門を開いて送還を行えばよいのだ。
ただし、こんなことが可能なのは条件が整った場合のみである。
必要なのは、まず、優秀な召喚士。
そして、召喚施設を動かすのに必要な知識、あるいは鍵となる「魔剣」にあたるアイテム。
最低でもこの二つが必要であろう。
もし、この舞台があの名もなき島と同じで、島のどこかに召喚施設があるとしたら、
そこに赴いて召喚の門を開いて送還を行えばよいのだ。
ただし、こんなことが可能なのは条件が整った場合のみである。
必要なのは、まず、優秀な召喚士。
そして、召喚施設を動かすのに必要な知識、あるいは鍵となる「魔剣」にあたるアイテム。
最低でもこの二つが必要であろう。
と、何やら複雑な推測を垂れてはいるものの、あくまでベルフラウの島での経験に鑑みて、
それをなぞるように導いたかりそめの結論にすぎない。
ベルフラウの推論が正しいという証拠はどこにもなく、それどころか実のところ正解と誤謬はほぼ半々なのだが、
ベルフラウ自身が思考の誤謬に気づくに足る事由はまだこの場において得られていなかった。
それをなぞるように導いたかりそめの結論にすぎない。
ベルフラウの推論が正しいという証拠はどこにもなく、それどころか実のところ正解と誤謬はほぼ半々なのだが、
ベルフラウ自身が思考の誤謬に気づくに足る事由はまだこの場において得られていなかった。
そもそも、推測らしきものができたところで、実行には大いに難がある。
ベルフラウも、優秀な教師たちの教えを受けて召喚術を多少扱えるものの、召喚術に飛びぬけてすぐれているとは言えない。
せいぜい並より上程度のレベルだ。送還術なんて失われた術を扱うすべも知らない。
ヤードやアルディラお姉さまのような、専門的な知識も十分とは言えない。
先生のように魔剣を使えたなら、ジルコーダ達を送還した時のように、みかのような無理やりこの場に喚ばれてしまった子を
元の世界に帰してやることもできるのかもしれないけど……。
今のところ、ベルフラウにもできそうなことは、仲間となってくれる召喚術士の確保。
そして、召喚施設の発見。
最後に、その施設についての調査。
他にも首輪をはずす方法とかジェダの居場所の捜索とか肝心の倒す方法とか、問題は山積みだったが、
そちら方面はベルフラウにはあまり手が出せそうにないので仕方ない。
ベルフラウも、優秀な教師たちの教えを受けて召喚術を多少扱えるものの、召喚術に飛びぬけてすぐれているとは言えない。
せいぜい並より上程度のレベルだ。送還術なんて失われた術を扱うすべも知らない。
ヤードやアルディラお姉さまのような、専門的な知識も十分とは言えない。
先生のように魔剣を使えたなら、ジルコーダ達を送還した時のように、みかのような無理やりこの場に喚ばれてしまった子を
元の世界に帰してやることもできるのかもしれないけど……。
今のところ、ベルフラウにもできそうなことは、仲間となってくれる召喚術士の確保。
そして、召喚施設の発見。
最後に、その施設についての調査。
他にも首輪をはずす方法とかジェダの居場所の捜索とか肝心の倒す方法とか、問題は山積みだったが、
そちら方面はベルフラウにはあまり手が出せそうにないので仕方ない。
ともかくもまずは、仲間を探すのだ。
一人じゃ絶対に無理なことも、仲間がいれば無理じゃなくなることだってある。
一人じゃ絶対に無理なことも、仲間がいれば無理じゃなくなることだってある。
ベルフラウは知っている。
仲間の力を。信じることの大切さを。あきらめないことの意味を。
すべて、先生が教えてくれた。
仲間の力を。信じることの大切さを。あきらめないことの意味を。
すべて、先生が教えてくれた。
信じる心が運命を決める。
――――それはきっと、奇跡だって起こす。
【G-7/湖に面した廃ビルの陰/朝】
【ベルフラウ=マルティーニ@サモンナイト3】
[状態]:膝に擦り傷
[装備]:クロウカード『水』
[道具]:支給品一式、クロウカード『火』『地』『風』、不明支給品0~2個(ベルフラウは確認済)
[思考・状況]
1:橋で呼びかけをしていた人や、その近くの様子を確認しにいく。
2:みか先生との約束を守り、危ないことはなるべく避ける(保身を優先)
3:仲間を探し、脱出・対主催の方策を練る。
4:殺し合いには乗らない。
基本:先生のもとに帰りたい。
※ベルフラウは、ロワの舞台がリィンバウムのどこかだと思っています。
※ロワの舞台について、「名もなき島」とほぼ同じ仕組みになっていると考えています。
(実際は違うのですが、まだベルフラウはそのことに気づいていません)
[状態]:膝に擦り傷
[装備]:クロウカード『水』
[道具]:支給品一式、クロウカード『火』『地』『風』、不明支給品0~2個(ベルフラウは確認済)
[思考・状況]
1:橋で呼びかけをしていた人や、その近くの様子を確認しにいく。
2:みか先生との約束を守り、危ないことはなるべく避ける(保身を優先)
3:仲間を探し、脱出・対主催の方策を練る。
4:殺し合いには乗らない。
基本:先生のもとに帰りたい。
※ベルフラウは、ロワの舞台がリィンバウムのどこかだと思っています。
※ロワの舞台について、「名もなき島」とほぼ同じ仕組みになっていると考えています。
(実際は違うのですが、まだベルフラウはそのことに気づいていません)
【鈴木みか@せんせいのお時間】
[状態]:エスパーぼうしの使用による小~中程度の精神疲労(小休憩でやや回復)
[装備]:参號夷腕坊@るろうに剣心、エスパーぼうし@ドラえもん、FNブローニングM1910
[外見]:夷腕坊の操縦席の中にすっぽり収まっている
(ので、外見からでは一見して中に人がいるとは分からない)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]ベルフラウちゃん、大丈夫かな……。
1:夷腕坊に身を隠したまま、ベルフラウの帰りを待つ
2:待っている間を利用して休み、疲労を回復したい
基本:殺し合いはしたくない。他の子にも、できれば殺し合いはしてほしくない。
※みかは、ベルフラウの説明によりここが「リィンバウム」だと思っています。
※リィンバウムについての簡単な知識を、ベルフラウから得ました。
同時に、ベルフラウの考察を教えてもらっています。
[状態]:エスパーぼうしの使用による小~中程度の精神疲労(小休憩でやや回復)
[装備]:参號夷腕坊@るろうに剣心、エスパーぼうし@ドラえもん、FNブローニングM1910
[外見]:夷腕坊の操縦席の中にすっぽり収まっている
(ので、外見からでは一見して中に人がいるとは分からない)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]ベルフラウちゃん、大丈夫かな……。
1:夷腕坊に身を隠したまま、ベルフラウの帰りを待つ
2:待っている間を利用して休み、疲労を回復したい
基本:殺し合いはしたくない。他の子にも、できれば殺し合いはしてほしくない。
※みかは、ベルフラウの説明によりここが「リィンバウム」だと思っています。
※リィンバウムについての簡単な知識を、ベルフラウから得ました。
同時に、ベルフラウの考察を教えてもらっています。
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