マクロスFRONTIERでエロパロ まとめwiki

3-39

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
2-902の派生


38 :名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 21:42:59 ID:fyrA9ih7
  ここまでのミシェクラ祭りと昼から配信されたラジオに中てられてしまい、
  妄想が我慢できなくなってきたとです。
  そこで前スレ919の続き(920の派生)が浮かんだので投下してみます。

  しかしこれがまたもや長くなってしまって…
  「スレもまだ序盤なのに長いのは読むの疲れるぞ!」という方や、
  「頭パニクッちゃうミシェルとか、かっこ悪くてダメ」という方は、
  スルーしてやってください。

  題は思いつかなかったので、Appel tasteに『the NEXT』を付けるくらいで(笑)。
  もちろんカップリングは<ミシェルxクラン>なのですよ。
  ちょこちょこ視点が入れ替わるので、読み難かったらごめんなさい。



39 :Apple taste the NEXT-1 【クランパート】:2008/07/29(火) 21:46:24 ID:fyrA9ih7

ちゅ…

わたしは意を決してミシェルにキスをしている。
とりあえず唇を重ね合わせるだけだけど…どうしたらいいかなんて分からないし…
…あれ?
何かちょっと甘い味がする場所がある。
こっち……下唇……

ちゅ…ちゅちゅ…

場所を少し移動させて吸ってみた。
…凄く柔らかくて甘い…りんご味…美味し…
冷静に考えたら、そんなに味が濃いわけではないはずなのに、そう感じてしまうのは…
ミシェルのこの柔らかい唇の魔力かな…
そんな事を考えながら、唇を少し離したり当てたまま動かしたり、強めに押し付けたりしてみる。

ぷにゅ…ぷにゅぷにゅぷにゅ…

うわ…やわらかあい…

「クラン…唇…柔らかいな…」
「…!」

唇を離れさせた時にミシェルが小さく小さく漏らした一言…
意思を伝える事を目的としたのではない、ちょっとした呟き…
遺伝子レベルで強化されたゼントラーディ種の聴覚力でなければ聞き逃していただろう、
そんな小さな…言わばミシェルの心の声…

わたしと同じ事を思って…ううん…感じてくれたんだ…うれしい…

「…じゃあ…もっと…共に味わうとしよ…?」
「……あ…」

答えなんか聞かない。今のミシェルとわたしなら、きっと想いは同じ…だから…



40 :Apple taste the NEXT-2 【ミシェルパート】:2008/07/29(火) 21:49:25 ID:fyrA9ih7

はむはむ…ぺろ……ちゅっ…

えーと…この状況は一体何が起こってるんだろうか…
ちょっと頭を冷やして整理するために、簡単な状況分析をしてみよう。

1.誰が:…俺の幼馴染さんが…
2.いつ:…ひとしきり泣いた後の夕暮れ時…
3.どこで:…病院の屋上で…
4.何を:…俺の唇を…
5.どのように:…はむはむと食べるように…
6.どうした:…キスしている…
7.何故:………………そんなの、むしろ俺が聞きたい!!

いや待て落ち着け…何を熱くなってるんだお前らしくもない…COOLに行こうぜミハエル・ブラン。
今度はもう少し具体的に、状況を思い返してみよう。

傷心に小さい胸を震わせていた我が幼馴染殿を、病院の屋上でゆっくりと慰め、
そしていつも通り馬鹿言って笑い合ってたら、そのうちにまた感情が爆発しそうになって、
再度慰めた方がいいかなー?と思って抱き包んでやってたら…
…いつの間にやらキスされていた。キスというより、そのまんま食べられてる気分だが。
その上俺が思わず口走ってしまった一言で、大胆さまで増している。
俺の唇…上と下、それを片方ずつはむっと甘噛みしたり、吸い付いたり、ペロペロっと舐めたり、
唇中心に弄ぶだけ。それだけなんだ。それだけなんだけど…なんだろうかこう…
気持ちいい…?いやそうだけどちょっと違う。嬉しい…?それもちょっと…ああ表現できない。
もしかしてメチャメチャ慣れてるのか?クランは初めてだと思ってたんだが…俺が知らないだけ?
年齢的に経験あったっておかしくはない…今時未経験の奴の方が天然記念物ものだが…いやまさか…

…いかんいかん。何を勝手に想像してあたふたしてるんだ俺は。
どちらにしても、これは俺の知識範囲のキスのパターンとは、まるで違う。
おかげで一方的にされるがまま。ビックリして身動き取れないのもあるんだけど。
普段ならプライドを刺激されて反撃する気になるんけどな。何故かそんな気も起こらないんだ。
…………いや、でも考えてるうちに段々と反抗心が湧いてきたね。
うん、やはり男としては受けっぱなしじゃいけない。そうだよな。
重点的に舐めに入ってる今なら、あの可愛く動く小さな舌へ、こちらからもちょっとの動きで反撃を…
…などと考えつつ隙を伺ってみるか…

41 :Apple taste the NEXT-3 【ミシェルパート】:2008/07/29(火) 21:52:21 ID:fyrA9ih7

目を閉じて一心不乱に俺の唇を舐め、小刻みに吸い付いているクラン…
何か困った様な、それでいて嬉しそうな表情。
へえ…小さい時でも睫毛すっごい長いんだな…
眉は結構太め。だがこいつの場合は、それが格別なチャームポイントなんだよ…
剃ったりカッティングしたりしなくても、毛抜きでちょっと輪郭と流れを整えるだけでかなりイケるだろう…
浅黒い肌は耳までほんのり紅潮してて、子供状態にも関わらずそれがほのかな色香すら感じさせて…

………駄目だ。反抗する気力が失せる。その辺に新手の新兵器か何かあるんじゃないのか!?
噂に聞いた、スピリチアを吸収するプロトデビルンみたいな…
あれ、考えてるうちに動きが止まった…見るとクランは目を開けて離れるところ。さすがにもう終わりか。
呼吸をこっそり整えて、動揺を悟られないようにしないと…。

「…ミシェル…」
「ん…どうした?」
「ごめん、さっきからわたしばかり…」
「ああいや、別に気にする必要は無い。うん。」
「ミシェルも…その…味わってくれてよいのだが…」

至近距離でクランの可愛い顔を眺めてたら、反撃できなくなりました…なんて言えるかよ。
ていうか、はにかみながら目を反らしつつ、モジモジとそういう事言うなんて…そりゃ反則だろう。
俺はロリコンじゃない…ロリコンじゃないんだ…だから、手を、出せなくなっても、別におかしくは…
…うわあ…その、ちょっとしゅーんとした表情も止めて。頼むから。こっちのダメージでかいぞ。
かといって、そんな事を口に出せるわけもないし…

「えと…あー…うん、そうだな。ちょっとだけいただく…かな。」
「!」

あからさまに表情が明るく…嬉しそうに…
おいおい…そんな健気で素直な表情を男に対して見せたら、ちとマズいだろ…
その表情がクラン内で癖になったら、実力行使に及ぶロリ野郎だって出て来かねないじゃないか。
SMSにはその手の嗜好者はいないと思うが…でもなあ…巨人化状態の大人クランには、
憧れてる奴うちでも多いんだよな…もし大人のクランにあんな顔をされたら…
ああ、いかん、また思考が横に…。俺の混乱も根が深いね。いっそ何も考えない方がいい。
…………まあこの場では、本人が嬉しそうならいいか…

42 :Apple taste the NEXT-4 【ミシェルパート】:2008/07/29(火) 21:54:20 ID:fyrA9ih7

「傍においでクラン。」
「う…うん…」

さっきとは打って変わって、なんだかもじもじと動きが緩慢だ。
急に緊張してしまったかな。頬でも撫でてちょっと落ち着かせてみるか。

「ひゃうッ!!」

クランが急に大きな声を上げ、身体をビクッと跳ねさせる。
うっ…!……危なくこっちも釣られて声が出るとこだった。
平常心平常心。

「…どうしたクラン?嫌な所を触ったか?」
「…ち…違…う。指が耳に…そこが凄くこそばゆくて…」
「えーと……クランって耳、そこまでくすぐったがりだっけ?」
「そんな事なかったはずだ…ほら、自分でも触れるぞ。」

思わず二人で顔を見合わせてしまう。

…ニヤリ

「え…ミシェル…ちょっと待てその笑みは何だ!」

ゼントラーディー特有の尖った耳先から始まり、耳たぶから耳の内側の軟骨辺りまで、ツツツツ…っと。

「何で他人が触るとダメなんだろうな?なあ?」
「ちょ…や…ダメ…知るかバカ!……ッ!…!」

うーむ、軟骨のコリコリしてるとこに触れた辺りで反応が極端に。ここ、弱いのかな。
ともあれ本泣きになる前に止めとくか。後が怖いし、実は俺個人的にもちょっとヤバい。
目の端に涙を溜めて懇願するように上目遣いをするクラン……かなりドキッとした。…自重しなきゃ…


43 :Apple taste the NEXT-5 【ミシェルパート】:2008/07/29(火) 21:57:03 ID:fyrA9ih7

「ハア…ハア…ハア……ミーシェールー…(怒)」
「ごめんごめん。クランの反応があまりにも可愛かったからさ。つい…な。」

耳を直接触れないように、手のひら全体で頬やまぶたに触れ、更に髪をかき上げおでこまで撫でつつ囁いてみる…

「かわ……ずるいぞミシェル、こんな時にそんな……殴れなくなる…」
「いや、殴らないで欲しいんだが。」

うん、攻撃回避成功。『子供扱いするなーッ!』って、攻撃力が増す時もあるんだけどね。

「でさ、クラン。…クランがしたみたいに…味見しちゃっていいのか?」

チュッ…
耳元で囁きながら、耳たぶに軽く触れる程のキスをしてみる。

「ぁッ!…………訊くな…バカ…」
「ん、了解した…」

おでこから頬…そのまま顎と継続的に右手で撫でつつ、できる限り自然に顔を上向きにさせる…。
顔の角度をある程度調節したら、右手はゆっくりと大きく上へ…緊張させ過ぎない様に撫で返し目を閉じさせる。
その間に左手で邪魔になりそうな眼鏡を外し、自分のパジャマのポケットへしまって…

「ミシェル…慣れてる…」
「それ程でもないと思うんだが、まあ人並みには。」

ん…やっぱクラン慣れてるわけじゃないのかな…
アクションのかかってるこの状況で、焦って考えても仕方ないけど。

まずはツンツンと唇を触れるように…そして吸いながら全体が重なるように…次に唇だけでこねるように…
クランの唇はいい感じに力抜けてるな…なら行けるかな。
ちょっとお邪魔しますよー…

「んう!」



44 :Apple taste the NEXT-6 【クランパート】:2008/07/29(火) 21:59:52 ID:fyrA9ih7

『舌!?舌なんか舐め合うのか!?』
『そうよぉ。あんたそんなの当たり前のキスよぉ?あ、ミーナ、ちょっと指一本前に出して。
い〜い?あの指とあたしのこの指が舌だとするでしょ?オーソドックスだとこういう具合にねぇ…』
『…ヤック…!』

我がピクシー小隊とブリッジ要員が、以前食堂で会した際の会話。
"女三人寄れば姦しい"という言葉が地球人類には古くからあるそうなのだが、
この6ないし7人が一同に会すると、恋愛話やそれに関連する技術の話に花が咲く事が多い。
ボビー大尉は肉体的・形質的には男だが、外見に囚われず本質を重視する我等メルトランとしては、
彼は女として扱っても問題ないと判断する。身体が男性体だから便宜上"彼"と呼称はするが。
そんな彼が丁寧に教えてくれた話…

…思い出した。大尉が言ってたのって、これだったんだ…
ヤック・デカルチャー。ミシェルの舌がわたしの唇を割って、内側へ入ってくるじゃないか。
話を聞いた時には『少々不潔ではないだろうか…』と想像したものだが…
…なぜだろう…嫌じゃない…
ううん…それどころかミシェルのだと思うだけで、不思議と心が温かくなる。気持ちいい。
それに唇だけよりこの方が嬉しいかも…じっとしてるだけでりんごの味が美味しいし…。

ところでミシェルのこの動き…攻め込んでいる舌がアタッカーなら、唇は言わば支援役…?スナイパー?
こちらも同時にわたしを刺激してくるのだ…ミシェルの唇…熱くてやさしい唇が…
支援は包囲するように動き、ソフトに柔らかく…アタッカーは前線で激しく動き回りながらアクションをしかけ、
敵をあらためながら攻撃していく…
言わばこちらは完全に包囲され、内部まで奇襲をかけられた状態だ。
…このまま迎え撃っても問題は無いはず…というより大尉の示していた例示では迎え撃つべきなのだが、
そのままの動きで返していいか分からない。
それにいざとなるとその…恥ずかしい…。身体が子供のせいなのかな…
どっちにしろミシェルの動きを見てるの嫌じゃないし、このままでもいいかなあ…

あ…ミシェルが…わたしの中から退いていく…撤退してしまうのか?
うそ…やだ…もっと…
もっとミシェルの戦い方を教えて…



45 :Apple taste the NEXT-7 【ミシェルパート】:2008/07/29(火) 22:02:27 ID:fyrA9ih7

…さっきから全くクランの反応が無い。
うっすら目も開けているみたいだが、何かを見ているわけではないようだ。ぼーっとしたまま動かない。
何か変な事でもしてしまって、脳がオ−バーフローでも起しているのかもしれない。
このままでは余りにも一方的だ。何の反応も無いのでは味気ないというか、
以降どう対応していいものやら分からないというか。不評の可能性だってあるんだし。

スッ…

額と鼻の頭を重ねるように顔を合わせ、唇だけをゆっくり離し様子をみようとする。

「…そ…やだ…もっと…」

小さな手で俺の肩にしがみつき、何ごとか呟くクラン。…今の…もしかして哀願なのか…?
俺が言葉を反芻して考えているうちに、顔の位置はそのままで、今度はクランが手を俺の耳元…
更にそこから首の後ろへ…ゆっくり撫でるように移動させ始めた。

「もっと…みしぇ…の…いかた…おしえて…」

え…今度は何て…う…
サクランボのように色づいたクランの小さな唇が、俺の唇に被さり柔らかな刺激をかけ始める…
数度リズムを刻んだ後、そのままお互いの鼻を相手の耳の後ろに押し付けるような、絞るような動き…深い重なり…
おずおずと差し出された舌が、中からゆっくり俺を求め始める。
ちょっと待て…これって最初の辺りともさっきまでともまるで違う。このためらいの無い流麗な自然な流れ…
や…やはりこれは経験の豊富さか?そうなのか?まさかクランが本当に?
いかんまた混乱する…

「クラン……上手…なんだ…な…」
「そんなこと…ん…ない…ぞ…」
「でも…凄い…一杯経験してる…みたいに…誰と…」

「…!!」



46 :Apple taste the NEXT-8 【ミシェルパート】:2008/07/29(火) 22:05:52 ID:fyrA9ih7
急にクランがびっくりした顔をして離れた。目の端に小さく光る涙…

「ちが…わたしは……」

呟きながら下を向きうつむいてしまう。
シクった…今日の俺は混乱し過ぎとはいえ、思考を素直に口に出しすぎだ…
普段ならこんな、一言多い失態なんて演じないのに…

「ヤット・デ・タルケ…エセケス?…ミシェル…」

何か自問自答するかのように呟いた…ゼントラーディ語だ…早過ぎて単語を掴み取りきれない…
その前の言葉と繋げて判断して「違う」と…言ってる事は分かるのだが。
それにしてはテクがあるというか…むしろショックはこっちというか…
…畜生…突然の事すぎで俺も頭の中がぐちゃぐちゃで、上手く謝れもしない。

「…男なんて…」

クランは顔を上げ、俺を真正面から見据えながら困った様に笑って言う。

「『男なんて心底勝手な生き物なのよ。』フフ…ボビー大尉が言っていたが…本当なのだな。
自分が慣れているのに、相手は慣れてない方が良いか?」
「いや…そ…違う…そういうつもりでなんか…」

それについては本当に誤解を解きたい。俺はそんな瑣末な事を気にした事は今まで一切ないんだ。
…なぜか…何故だか今だけ変に気になってるだけで……何故なんだ…

伝えたい事と自分の疑問で自身ゴチャゴチャになりながらクランを見つめ…思わずハッとした。
いつもの見開き気味の真ん丸い目ではなくなっている…
…困ったような顔のまま、大人びた落ち着いた微笑み…
…あれ…?なんだ…?


47 :Apple taste the NEXT-9 【ミシェルパート】:2008/07/29(火) 22:08:06 ID:fyrA9ih7

「まあいい…。ミシェル…いや、ミハエル・ブラン…」

…これは…

「貴様もいっぱしのエーススナイパーを名乗るのならば…」

…一体…これは…

「目の前のターゲットが、どういう戦い方をしているものか…」

…確かにそこにいるのは、マイクローン化した子供のクランのはずだ…
そのはずなのに…俺に話しかけながらゆっくりと迫ってくる彼女は…

「しっかり見極めて判断してから撃つがいい。」

…大人のクランが…魅力的な表情を浮かべた姿で…ブレて重なる…

クランが妖艶と言ってもいい笑みを浮かべながら、俺の顔…顎から頬を撫で、唇を重ねてきた。
先程と同じ、感触を確かめるかのような触れ合い…数度の唇の逢瀬の後、絞るような動き…深い重なり…

戦い方を見極める…?一体何を…

ゆっくりと…それでいて一心不乱に唇と舌を合わせながら、クランの右手が俺の耳に触れる…
耳の外側を撫で、耳たぶから内側の軟骨までツツツと動く…俺の背筋がゾクリと騒ぐ…
くすぐったさが嵩じて苦しい程の快感…その途端、ある風景が俺の脳内でフラッシュバックを起した…

…耳で極端に感じていた官能的なクランの姿…

…!!
……まさか…そうだ!…クランのこれって…!



48 :Apple taste the NEXT-10 【ミシェルパート】:2008/07/29(火) 22:13:26 ID:fyrA9ih7
唇の当て方、引き方、タイミングにリズム、指の場所、触れ方、etcetc…この彼女の動きは…
これ全部俺だ!俺じゃないか!
最初の唇だけの戯れが俺の経験外だったから、その後までずっと混乱して認識できなかったんだ…
一番最初の段階ではクランもわけが分からずに、唇の感触を反芻していたんだろう。
それと、俺が攻めていた時に彼女が動かなかったのも、今冷静に考えると理に適ってる。
仮にこれが戦闘行動だったなら、相手の動きを読むことができても、全く相手と同じパターンとタイミングで
反撃なんてしやしない。それじゃ戦術も何もあったもんじゃない。
むしろ奇襲を受けたら即その場を放棄し、相手の動きを分析してから転進、隙を突き一気に反撃するだろう。
クランは俺の与えたパターンしか行動の指標が無いから、その時は動かなかった…いや、動けなかった…
…ああ…さっきの言葉…『ヤット・デ・タルケ…エセケス?(それは…違う…分かってくれないの?)』か…
クランはクランなりに、知ってる動き…俺の動きだけで精一杯アピールしてくれてたのに…
勇気を出してくれた可愛い女の子に、一言二言とはいえ酷い仕打ちちまったかな…どうにも。
修行が足りないという事か…情けないな俺。マジに…

ギュッ…

「…………み…しぇる?」
「さっきは変な事言った。ごめん。すまん。赦してくれ。何回でも謝る。」
「別にいいぞ。最初からわたしの好きで、こんな事してるんだ。
…それにわたしは昔からミシェルのもう一人のお姉ちゃんだからな。
ミシェルのやきもちくらいは、大きな心でゆるしてあげなきゃな…」
「や…やき…いや俺はそんな…」
「ん?違うのか?…そうとしか思えなかったぞ…?」

まるで確信を持ったような嬉しそうな笑顔。
…そうとは思いたくないんだが…冷静に思い返すと俺の行為は…この状況は確かにそうとしか…
ていうかその小さな手で「いいこいいこ」とばかりに撫でないでくれ…顔から火が出そうだ…
ああああ、もう、今日のところは深く考えるのは止めてスルーしとく!

「いやいや、しかしアレだ。色々な経験から判断して、今のクランじゃ姉貴分というよりは、
妹分になっちゃうんじゃないか?キスだってまだまだ素直過ぎだしね。
返し方も分かってないんじゃ『新兵はシミュレーターからやり直せ』という感じだろ。」
「なにおう。トップエースたるこのクラン・クラン。ちょっと実戦を積めば、その程度どうという事はないのだ。」

ぷっ…

「あー!笑ったなあ!ちょっとくらい自分が経験豊富だからと!そんなだから貴様は…
油断してやきもちごときで状況認識が甘く……ん…耳は卑怯だぞ…」
「では僭越ながら私めが、ここでじっくりと色々お教えしますよ。…ね?…我が大尉殿……」
「…誰がお前のだバカ者め…」

俺たちは微笑み合いながら再度唇を重ね始める。今度はもう、どっちかが一方的な主導というわけじゃない。
二人で一つ。どちらも対等だ。…まだこちら側の方が、相手のいなし方に一日の長があるけどね。
そういえばクランの表情もすっかり元に戻っていて、さっきみたいに大人なクランの表情ではなくなっていた。
こうしていてもブレて見える事も無い。
しかし今思い返すと、あのまま重なって見え続けてたらヤバかったんだよな、俺の理性。
だってさっきのアレの時…混乱しながらも、いつもと違うあまりの大人っぽさに…
…俺のいけない部分…猛っちゃってたんだわ…


49 :Apple taste the NEXT-11 【ミシェルパート】:2008/07/29(火) 22:16:42 ID:fyrA9ih7

「んんッ…ごほんッ!親切な妖精さんより、お呼び出しを申し上げます。
ミハエル・ブラン様。ミハエル・ブラン様。検温時間にも点滴が切れる時間にも部屋にいないと騒がれてます。
誤魔化してはおきましたが、夕食配膳時間にもいなければ、医師・看護士の方々により大捜索を開始されるかと…
お早目にお部屋までお戻り下さいー」

「「 !! 」」

どこからか聞こえてきた声に、思わず俺とクラン二人して飛びのくように離れる。
見回すと屋上の出入り口から女の手がひらひらと出てやがった。

「と、いうわけでぇ、お楽しみの所アレだけど、お早くねッ?」

銀河の妖精め。ひょこっとドアの後ろから満面の笑顔を覗かせて言い放つなよ。

「し…シェリル・ノーム!い…いつから…わたしたちを…!」
「…銀河全域に名の知られたアイドルが、覗き見なんて悪趣味じゃないか?」
「あぁら二人ともご丁寧な挨拶ですこと。このシェリルが友人のために、親切心で呼びに来てあげたのに。
こんなサービス、滅多に無いんだからね?」
「わ…わたしは…先に戻って…洗濯物をしなおさねば…」

クランは恥ずかしそうに、先に走っていってしまった。

「あらやだちっちゃい大尉さん真っ赤。かーわいい〜」
「なあシェリル。ちょっと聞いていいか?いつからそこにいたんだ。」
「聞かない方が精神衛生上よくてよ?あ、さっきの情報料ロハでいいから。ごちそうさま。」
「まさか冗談じゃなく本当に見てたのか!」
「聞こえちゃっただけよ。しかも一応全部じゃないし。
んー中々熱いとこに立ち会えたおかげで、次はかなりいい恋の詩ができそうだわ。」
「一応って何だ!?どこから!どの辺から聞いてた!」
「あ、でも私向きの詩じゃなくて、むしろ初々しいランカちゃん向きかしら…。
まあ詩にできなくても、アルトに教えたら喜んでくれそうよね。滅多に無いミシェル君の負け戦話…」
「ニヤニヤしながら人の話スルーすんなよ!ちょ…!ちょっとシェリルさん!?…………勘弁してくれよ全く…」


<終>


50 :名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 22:23:45 ID:fyrA9ih7
39-49
以上、本命には超不器用なミシェル君の受難の巻(笑)、これにて終了でございます。
読んでいただけた方々、またしても長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
強引なオチに使ってごめん、シェリル…

そういえば最初に述べねばならなかった事を忘れておりました。すみません。
後先になりますが、大尉に申告していただきましょう…

クラン「ここではえっちな事はしてないんだぞ!ちゅーばっかりだ!」
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