マクロスFRONTIERでエロパロ まとめwiki

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
176 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/15(日) 12:35:55 ID:c9Fmtj49
オズマ×キャシーで投下。
士官学校の頃、というお話です。
設定はわりと適当なので、信用しないようにw


177 恋バナ sage 2008/06/15(日) 12:37:22 ID:c9Fmtj49
今夜はモニカ主催で、キャサリン・グラス中尉の歓迎会。
オペレーター三人娘と、キャシーは、私服に着替え、アイランドワンでも飲食店が集中している天堂路のお洒落なダイニングバーで乾杯した。
「では、キャシーの着任を歓迎して、カンパーイ」
色とりどり、さまざまな形のカクテルグラスが縁を触れあわせ、澄んだ音を立てる。
「ありがとう、皆さん」
キャシーは正直、ホッとしていた。どうも、SMSの乗組員とはノリが違うし、航宙長のボビーから敵視されている気がする。
でも、モニカ、ミーナ、ラムの三人は打ち解けてくれようとしていた。
三人の中でも、しっかり者、という感じのモニカが話しかけてくる。
「キャシー、SMSの勤務って大変でしょ? 新統合軍が一番のお得意様なんですけど、業務上対立することも多いし。でも、別にキャシー個人が嫌いって人はいませんから」
「判っているわ」
にっこりとグラスを傾けるキャシー。
「もう一つのお得意様の政府も、もうちょっと意思決定を素早くしてくれたら、スムーズに行くんだけどなぁ」
ミーナが愚痴めいた事を言うと、ラムが肘で突いた。そこでミーナは気づいた。
「あ……ごめんなさい」
「いいのよ。でも、大統領閣下も、議会やスポンサー企業とか、いろんな人たちと利害調整しなければいけないのよ。不満に思うのは当然だけど、お手柔らかに、ね」
キャシーの父、ハワード・グラスはフロンティア行政府のトップだ。
「あの、お父様は、お家では、どんな感じなんですか?」
ラムが身を乗り出して尋ねた。
「そうね……けっこう無頓着なのよ。お髭の手入れはマメにするんだけど、ネクタイとか靴下なんて、ほっといたらいつまでも同じのつけてるの。
だから、母と広報担当秘書さんが、ローテーションを組んでいて、強制的に取り換えるのよ」
「強制的?」
「朝、起きると母がチェックして、前の日と同じだったら、その場で取っちゃうの」
「じゃあ、実はお母様が大統領閣下より偉いんですね。影の大統領?」
モニカのジョークで皆が笑顔になる。



食事もおいしく、カクテルもおかわりを頼む頃になると、いい感じにくだけてきた。
「モニカ、艦長とはどうなの。教えなさいよ」
ミーナがモニカに絡む。
「どうって……そんなお付き合いじゃないわよ」
「嘘つくなー。セクハラされて喜んでたくせに」
「あ、あれは……その」
アルコールの為ばかりではなく、頬を染めるモニカ。
「何がきっかけだったの?」
キャシーも話題に乗る。
モニカは、少し考えてから話し始めた。
「最初は苦手だったんです、艦長。あの外見でしょう?」
全員頷いて、賛成の意を示した。
ジェフリー・ワイルダー艦長は歴戦の勇士という評判だった。いかつい、男性的な顔には古傷がある。一部ではスカーフェイスというあだ名が尊称のように奉られていた。
「軍との協働作戦で、私がすっごいミスをしたことがあるんです」
ラムが頷いた。
「ああ、航路のパラメーターを間違えた、アレね」
「うん。あの時は、もー落ち込んで自己嫌悪で……そのせいで他に細かいミスまで連発しちゃって……ごめんね、ミーナ、ラム。フォローしてもらったよね」
「まあ、それはチームだからいいんだけど。で、艦長はどこで出てくるの?」
ミーナが先を促した。
「半舷上陸が出て、気分転換しようかなって買い物しに街に出たのね。その時、路面電車でたまたま艦長と一緒になったの。それで、食事に誘われたんです。すっごい緊張したな」
ラムが頷く。
「艦長と差向いでご飯食べても味が判らなくなりそう。緊張して。……どこに連れて行ってもらったの?」
「ええとね、ナポリ通りのリストランテ。ウェイティングバーがあるような、雰囲気のあるところ。艦長、すごい自然にエスコートしてくれて……美味しかったなぁ」
「むむ、あの顔で結構やるなぁ」
ラムの評価に、思わず噴き出すキャシー。
「その後、いろいろ連れて行ってもらったんです。大人向けの遊び場……あ、そんな意味じゃなくて、ショーパブとか、オカマさんがスタンダップコメディーやっているような所ですよ」
モニカの目が輝いていた。
「艦長って、どこに行ってもお店の人と知り合いで、すごい仲がいいんです。“行きつけの店”の作り方を教えてもらったなぁ」
ミーナが興味を持った。
「どうやるの?」
「最初は気に入った店を見つけたら、毎週のようにお店に通うんですって。そして、最後に一言、店の人に感想を伝える。こうすると、顔を覚えてもらえるんだそうよ。まだ実践してないけど。
最後は、宿舎まで送っていただいたんですけど、その頃にはすっかり落ち込みから回復してて。
……キャシーは、そういうのありません? 最初は苦手だなーって思ってた人が、気になる人になったり」
「あるわよ。私の場合は、士官学校の時の上級生ね」
キャシーは回想した。





士官学校の新入生は班を組まされる。上級生が班長として規則や心構えを教え込む。
キャシーの班を担当したのがオズマだった。
一目見て、苦手意識を持った。
男臭い風貌。大雑把。それでいて、多くの男子からは兄貴分として慕われていた。
何事もきちっと手順どおりに進めないと気が済まないキャシーからすれば、水と油だ。

名前をボカしながら、キャシーは話を続けた。
「もうね、顔を合わせるとイライラして、よく噛みついていたわ」
三人娘は話に聞き入った。
ラムが質問する。
「それが変わったのって、何がきっかけなんですか?」
「士官学校の教科で、シミュレーションがあるの。指揮官として、いろいろな状況で部隊を率いる訓練ね。一人で指揮したり、何人かとチームを組んだりするの」

その時は、二人でチームを組み、別のペアと対戦するタイプのものだった。
状況は陸戦。拠点の丘を守る部隊を率いる設定だった。
オズマとペアを組まされた。
「オズマ・リー上級生、全部隊配置につきました」
「よし」
オズマはキャシーに指揮を任せ、オブザーバーとして意見を述べる。
「そろそろ、経空攻撃が始まるぞ……そら、来た」
相手チームの戦法は、オーソドックスで手堅いもののようだ。
航空機による攻撃。長距離砲による制圧砲撃。続いて、装甲車両による突破。
「全部隊、掩体壕に入っています」
航空攻撃による被害は極限されていた。損害は出ていたが軽微だ。
「ん、よし」
すぐに、制圧砲撃が続いた。
この段階でできることは少ない。遮蔽物の影で耐えるだけだ。
やがて、敵の装甲車両が攻撃してくる。
味方は対戦車火器を動員して、これを阻止しようとした。
「マズいな、右が押されている」
オズマの指摘通り、右側の部隊が優勢な敵の攻撃でかなりのダメージを受けていた。
「第二防衛線で阻止します。その体制が整う間、右の部隊には耐えてもらって…」
「バカ野郎」
オズマが腹の底に響くような低い声で言った。キャシーはびっくりするあまり、座っているシートから飛び上がりそうになった。
「減っている数字は部下の命だ。予備兵力を右に投入。一撃加えたら第二ラインまで撤退させろ」
「しかし、逆襲兵力は温存……」
教科書通りの答えをしようとしたが、オズマは頷かなかった。
「いいから、言う通りにしろ!」
キャシーは指示に従った。内心、面白くない思いを抱えながら。





「ええっ、頭ごなしに命令されたんでしょう? それが、どうして見る目が変わることになるんですか?」
ミーナの言葉にキャシーは微笑んだ。
「その後で上級生の戦績を調べたの。いつも最小限の損害で切り抜けていた。有利な状況になるまで辛抱強く耐えて。勝つ時も、負ける時もあったけど、兵員の損傷はできるだけ抑えていたわ」
「それって、どういうこと?」
「部下の限界を的確に掌握してたのね、彼は。だから、乱暴に見えて男の子たちに慕われるのは、そういう面倒見の良さがあったから。
新しい一面が判ってから、その人が気になって、色々調べちゃった……まるでストーカーみたいね」

それから、オズマに対してイラつくことは少なくなった。
ルーズなところは指摘したが、以前のように噛みつくようなことはしない。
オズマの方も、キャシーの正確な仕事の処理能力に目をつけて、頼みごとを持ちかけることもあった。
男と女の関係になったのは、ミス・マクロス・コンテストがきっかけだった。
士官学校の友人が黙って応募したコンテストの出場通知が来た。
驚いたものの、好奇心もあってコンテストに出場。結果は惜しくも準ミス。
(いつも、一等賞にはなれないのね)
キャシーは、ちょっとだけ落ち込んだ。
そのため息を耳にしたオズマが声をかけてきた。
「どうしたんだ?」
「ええ、ミス・マクロス・コンテストで…」
「ああ、聞いたぞ。ああいうイベントは好きじゃないが、準ミスだって? すごいじゃないか」
「あはは」
キャシーの笑いは固かった。
「どうした? ミスになりたかったのか?」
「出場するからには……でも、昔から一位には縁がないんです。二番目ばっかりで」
「大したもんじゃないか」
「そんな……」
「褒めるのは一位じゃないといけないのか?」
「え?」
キャシーは一瞬、言葉に詰まった。
「いいじゃないか、二位だって。すごい倍率の競争の中での二位なんだろ。胸張ってろ」
「え、ええ…」
「それにな、俺にしてみればミス・マクロスと戦場に出ようとは思わないぞ。お前だったら、背中を任せられる」
キャシーは自分の胸の中で、何かがストンと収まるべき場所に収まったのを感じた。

<終>

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