怪異 - マジカルトランセンド

概要

人間の負の感情が具現化した化け物。
暗闇から現れ人を襲う。その目的は人から負の感情を引き出す事。彼らは人の負の感情をエネルギーとし、自分の存在を維持したり、力を溜めたりする。
地域に根付いた伝承や現代の都市伝説をベースにした個体は、恐怖をエネルギーに変換し根源的な力を持つとされる。
学園都市は、近年急に数を増やした怪異に対抗するため、生徒達の養成を行なっている。
体内に魔石を持っていることがあり、怪異から獲れる魔石は最低でもB4ランク(補給なしで800キロバイク程度が動く)が保証されている。

分類

小怪異

気道家、魔道士なら倒せる程度。一般人でも倒せる可能性がある。

中怪異

気道家、魔道士一人で戦う場合の限界値。基本複数人で戦う。

大怪異

気道家、魔道士では軍隊ほどの数でようやく、単体討伐を成せば名が残ると言われるほど。ダンジョンの主にあたる怪異は基本これに分類される。

特怪異

魔法少女や超越者でも安定して討伐するなら複数人要求される。滅多に現れない。

二つ名

十数年に一度現れるかどうかの存在。討伐するなら魔法少女が複数人必要だが、それでも敗北することがあるほど。正真正銘の生ける厄災。

一覧

小怪異

...

・マロッグ

カエル型の怪異。
怪異としては一般的な脅威で、そこまで強くない。しかし、一般人からすれば十分脅威になり得る存在。
舌を伸ばして獲物を捕獲し、丸呑みにして捕食する。舌を鞭のように使って攻撃する他、飛びかかって敵を押し潰すといった行動もとる。

・ギョグン

小さな魚型の怪異が集まり出来た集団怪異。
発達した尾ビレで空を飛び人に襲いかかり、海に落ちたものはなんでも食べるので注意が必要。
なお、身は美味しく家庭の味方である。

・注入蟲

単体でも弱く、群れても万全の魔法少女には到底敵わない最低位の怪異。
弱った魔法少女や怪我人に張り付き、魔力を腐らせる液体や卵を注入し、怪異の血を取り込ませる。
シラミ型やノミ型が存在する。

・穢之仔(えのこ)

小さな子供の影のような怪異。
大切な家族などを亡くしたものや、それに等しい憂鬱や悲しみを持つものの元に現れ、その感情を喰らい成長する。
成長した穢之仔は、外見は人と大差の無いものとなる。
個体差にもよるが対象とともに消え去ってしまうケースが殆どで、神隠しや狐の嫁入りと捉える風習もあった。
便宜上小怪異とされてはいるものの、正体不明故に正確にはどの程度の危険性があるのかは不明。
彼らは対象を餌として見ているというのが一般的な論である。
だが、古い資料曰くこの怪異と消え去る瞬間、穢之仔は相手と手を取り目を見合わせたという。
その目は、不安や好奇心の入り混じった嫁入り前の小娘の如くと綴られている。

・ジュエルクラブ

全身が固いからで覆われている蟹型の怪異。
小怪異の中でも強い方であり、専門の漁師により確保される高級蟹。
その味は宝石とも言えるほど美味い綺麗。
身を食えば胃腸が整い、ミソを食えば筋肉が癒え、出汁を飲めば肌に潤いが出るといわれているほどの健康食品である。
その美味いのあまり会合には出すなと言われるほど美味い。

・コックローチ

人型で全身が茶色く、硬い甲羅で覆われていて空を飛べる怪異。
強さは小怪異の中でも弱い方だが、とにかく数が多く一体見つければ三百体はいる。不潔なので手で触らないほうがよい。

・ノコリキ

小怪異。
カマキリの用な怪異。デカさ的には200センチ程あり、ノコギリのような鎌が付いている。コックローチと似ている種であり、不潔なので素手触らないほうがよい。

・カゲボウシ

強さ自体は低級の怪異。この怪異の恐ろしさは影を通じてダンジョンに引き込む能力にある。
とはいえ所詮は低級の怪異なため強い光の下に居ればそのまま消滅し（懐中電灯程度なら耐える）魔力のこもった攻撃で影を殴ればそのまま消滅してしまう程に弱い。時折中級程度の強さの個体が出現する。
どのダンジョンにも決まって存在しているため収束現象の一つであるとされる。

中怪異

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・オルキヌス

単体では中怪異に分類される、ヒトや鯨類を主食とする怪異。
海難事故や海獣そのものへの恐怖が、マイルカ科のハクジラを中心にシャチやイルカなどに憑依したもの。ムカデクジラの亜種とされる場合もある。
個体差はあるものの、大抵は通常のハクジラ以上に大きく鋭利な牙を持ち、獣のような恐ろしい貌であるとされる。
単体なら珠斗士や気道家一人でも勝ち目はあるが、群れでの危険度は時に大怪異を上回ることも。
元になった種によって賢さや体格が大きく変化するため、どの個体も必ずしも厄災になり得る訳ではない。ただ、恐怖が依り憑きやすいのはやはりシャチなどの大型で強力な種である。
ムカデクジラなどと比較すると資源として利用できる部位が少なく、怪異漁師からはその厄介さも合間って何かと恨みを買っている。

・オルボル

ダンジョンに住み着く中怪異。
見た目はオークそのままで剛腕に耐久力のある大きな体をしている。また知能は低い。一般人のダンジョンに住み着く怪物のイメージから発生した。
基本的にどのダンジョンにも出現するためダンジョンの収束現象としての側面があると研究者の間で議論されている。

・試作傀儡式　ウェンデゴ

とある魔女が残した怪異。
普段はBB弾ほどの大きさの小さな粒であるが、人間の体温や湿度に近い状態になると動き始める。
この際に外壁を砕き、より小さな本体が生まれる。
血液に入り脳へ渡り、脳のデータを得ながら取り変わり次第に肥大化・液状化し、血液を経由して全身の内臓や筋肉を自身の細胞に置き換え始める。
最終的に文字通り化けの皮を被った怪物となる。
治療の際に、治療者に感染しようと肉が飛び交うという醜悪な生態が、この怪異の危険性を物語っている。
主に対象の所属する所の魔法少女や戦力のデータの引き出し、内部に侵入させて混乱を招くなどを目的としていたが、兵器とするには繁殖への意欲が異様に高く、他の人類に自分の肉体を性的、間接的手段で取り込ませ同一の存在を作る暴走が起き、結果破棄された。
魔力のある有機物を取り込むことで増加する為に、魔法少女や超越者でなければ繁殖能力が大きく低下する。
単体としては弱いものの、感染爆発などの危険性も含めてその戦闘能力より上のランクに分類されている。
実験体らは今も破棄された研究所内に生息していると思われ、立ち入り禁止区域として隔離されている。

・精神寄生型怪異　トウビョウ

ヒトの精神に寄生し増殖する高次生命型の怪異。
実体はなく、寄生されたヒトを媒介に感染する。
感染から伝染のキャリアーになるまでには幾つかの段階がある。

第一段階：感染、夢の中に何らかの形で怪異が出現。この時点で診断できれば水魔法による浄化で治療可能。
第二段階：頭痛、夢の悪化。怪異がより深部に入り込もうとするのが夢や幻覚などの形で表れる。怪異が精神を蝕むことで抑うつ症状なども見られる。
第三段階：夢遊症、解離症状。怪異が肉体の制御権まで侵食し始め、宿主の負の感情を増幅させるために周囲にまで問題を起こし始める。怪異が主導権を持っている時は重い頭痛に苛まれ、主導権を奪われる時と戻る時に疼痛性ショックのような症状が見られる場合もある。
ここまで来ると深く入り込まれ過ぎているため治療も困難で、もしできたとしても廃人状態になる。
第四段階：無気力、感情鈍麻。ここまで来ると心も食われ過ぎてほとんど残っていない。あるのは漠然とした喪失感と希死念慮であり、ほとんど動くこともできなくなる。
最終段階：完食、完全な成り変わり。宿主の精神は喰らい尽くされ、怪異だけが残り成り変わる。自身の仔を感染させるための人間を探し、深く接触しては新たに怪異を植え付ける。

また、この怪異は宿主に影響を受け性質を変化させるため、ウイルスや細菌のように進化し以前なら有効だった対策も使えなくなったり、症状が変化することもある。

大怪異

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・巣食うもの

誰も正体を知らない大怪異。
都市伝説が形になったものか、それとは似て非なる存在なのか定かではない。
依代である人間の体内に居座り、外敵から依代を守っている。善意による守護ではなく、むしろ悪いモノである。
圧倒的な力を誇り、時間が経過するごとに成長している。依代の体を自分の家のように扱い、成長が完了すれば、依代を内側から食い破る可能性がある。
情念がなく、何か意思があって能動的に動いているのだが、その源になる想いが一貫して全くない。

・ムカデクジラ

主に海に棲まう大怪異。
クジラとはついているものの、甲殻があり、背鰭は五つ、尻尾は付け根から二つに裂けていて、六対十二本の足を持つ14〜18mもの異形。クジラ要素は尾が横向きであることと特徴的な巨体くらい。
正体は海難事故など海への恐怖がクジラに依り憑いたもの。
憑依型の怪異であるため、死んでも塵にはならず死骸が残るものの、肉には毒性があり、毒抜きしても人を選ぶ味であるため、食用にはあまり向かない。
頑丈な表皮と強い膂力を持つが、狩られてきた歴史は古く、紀元前から人類と相対してきたとされ、それ故に数多くの対策やそのための魔道具が作られている。
現代では、知識のある魔法少女チームや専用の魔道船団で安定して討伐されていて、優れた魔法少女が単身で討伐した事例も少ないながら存在している。
生きた年数に応じた数だけ体内に魔石があり、また採取できる甲殻や骨、蝋などは魔力と馴染みやすく現代に至るまで魔道具の素材の一つとして重宝されている。

特怪異

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ガーデナー

特怪異に分類される寄生怪異。
傷に巣食う庭、心傷の剪定者とも。
心が弱っている人間に寄生し、心を食い破っては巣を作り、トラウマに卵を産みつけ仔怪異とする。
心に作られた彼らの巣、庭園はダンジョンとなり一定以上拡大すると、新たなガーデナーの宿主を探す媒介怪異を吐き出すようになる。
庭園は宿主の好きなものの残骸と、嫌いなものが立ち並ぶ宿主にとっての地獄絵図。トラウマを憑る辺とする仔怪異は、宿主が活動している間は宿主を蝕み、意識がない時に外に出て、宿主の大切なものを生物無生物関係なくダンジョンに持ち帰って弄んでは破壊する。
侵蝕初期は宿主は怪異に侵されることによる疼痛に苦しめられたり、怪異に盗まれるせいで遺失物が続出したり、眠っている間に操られて夢遊病のようになったりするだけだが、侵蝕が進行すると夢遊病のように彷徨う時間が増え、最終的には昏睡状態になる。
昏睡状態になった後は、夢遊状態のような形で人気のないところに移動して、完全にダンジョンとして覚醒する。以降は、宿主が飢えないよう仔怪異が食事を運び、時に宿主のところに人間(主に宿主の身近な人物)を連れてきては宿主自身に殺させる。
宿主は魔法少女など怪異の敵になるものに対して嫌悪感を抱き、昏睡以降も魔法少女が近づくと夢遊状態で逃げようとする。
ガーデナー本体は、宿主の精神世界の深部に食い込んでおり、ダンジョンの拡張とともにより深くに潜り込む。
ダンジョン最深部は宿主の精神世界の深部に繋がっていて、ガーデナー本体と戦うにはダンジョンを踏破しなければならない。
ガーデナー本体自身も、特怪異に相応しい凶悪な力を持っており、固有能力は宿主のトラウマに応じて変化する。

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二つ名

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『総大将』ング=ル・メトマキョ

二つ名を持つ大怪異、戦場跡、災害跡地等多くの人が死んだ場所に現れる荒ぶる脅威。
従来の怪異に比べ異常な強度を持ち、訓練された魔法少女が最低でも五人チームを組み対処に当たる。
それでも敗北の可能性があるとされ、注意が必要。

厄災の後に訪れる最悪。
すべての怪異の上に君臨するも統治せず……強さに恐れ慄き平伏せよ。
彼の者こそ大厄凶の七将の長にして万物を汚すモノ。
即ち【総大将】ング=ル・メトマキョである。
絶対強者たちよ、死を覚悟するのは初めてか？

『心操』ホープレスネス

二つ名を持つ怪異。
人の絶望や諦めといった負の感情から生まれた。二つ名の通り、人の心を操り絶望させ、抵抗力をなくしてめちゃくちゃに殺すことを楽しむ恐ろしい怪異だが、相手が無や絶望に感じる余地もないほど一つの思考に囚われている場合は意味がない。
肉弾戦も、中怪異とは比べ物にならないほど強い。

『迷霧』ハーヴ・クーヴァ

二つ名を持つ、幻ともされる希少な怪異。
東洋ではミズチとも呼ばれ、美しい歌声を以て霧を操り、幻影を見せると言われている。
吐瀉物や霧による幻影で人や多くの海洋生物を誘いだし、大きな口で丸呑みにする。捕食した人間も吐き出して撒き餌にし、海棲怪異を捕食することもある。
最大の生物とされるシロナガスクジラすら遥かに凌駕する巨大な身体で、ある船が航行中に上陸した島が、ハーヴクーヴァの背であったという伝説も残されている。
一説には、体長は一キロメートル以上になるとも。
それだけの巨躯を持ちながら目撃例が滅多になく、研究はほとんど進んでいない。
しかしその生態から、恐らくはムカデクジラのように、大型のヒゲクジラに怪異が取り憑いたものだろうと実しやかに囁かれている。

【黒死劫】メメント･モリ

「忘れるな。逢魔時は予告なく訪れる｣
学園長と初代四大校長によって、学園の地下に封印された二つ名怪異。
まるでドラゴンゾンビを思わせる、禍々しい見た目をしている。瘴気を身に纏う姿は、見るものを畏怖させ、同時に惹き付けるほどの荘厳さを放っている。
特殊な細菌を分泌し、その集合体を自在に操る能力を持つ。恐ろしいのは、細菌に感染した生物は怪異化するという点。人を超えた存在であれば防ぐ事ができるのだが、唯一の例外がある。
この怪異は死亡時、体内にある「特異菌｣を粉塵爆発のように超広範囲に解き放つ習性がある。この攻撃は魔法少女や超越者であっても防ぐ事ができず、国1つを覆うほどのパンデミックが起こる。

<出現事例>
14世紀の中央アジアに初めて出現した。
魔法少女達が力を合わせて倒したが、2500万〜3000万人の死者を出すほどのパンデミックを起こしたという。
そこから発生した恐怖で、新たなメメント･モリが誕生する。
17世紀に2代目が現れた時には、菌に対策をこうじた魔法少女チームを結成し、作戦を練って挑んだ。しかし、死亡時の粉塵爆発には為す術なく、累計1000万人以上の死者を出した。
3代目は、なんやかんやあって学園長達が相手をした。そして学園の地下にあるめっちゃ凄い施設に封印した。
現在はそこに研究家や専門家が集まって、抗体ワクチンの研究やら新兵器の開発をしてるっぽい。