アーンギル

(投稿者:ushi)
登録タグ:ushi メード ヴォストルージア 空戦メード 逆V字翼

概要

「オーニソプターもどきが。進化の現実ってやつを教えてやる」


 Ангел。アーンギル計画によって創出された、ヴォストルージア連邦最高戦力。
 従来の形成翼などに依らない、永核を動力源とした純粋な人的技術によって飛翔する空戦メード
 実働からさほど間もないが、名実ともに疑いないヴォストルージアの最精鋭であり、国策的プロパガンダにより世俗の認知度も高い。最強という自賛を潔く嘯く自信家で、己に科せられた役割に強い自負を持ち、プライドが高く非常に好戦的な性格。物事にセンチメンタリズムを持つことを嫌う一方、秘めたる気質はまだ幼く、担当官であるセルゲイが謳う宇宙開発の夢物語を口先で冷笑しながら、胸中では浅からぬ興味を抱いている。

 戦場では辣腕を振るう彼女だが、文化的教養には乏しく、実は文盲である。最近ではセルゲイから与えられた絵本や児童書で読み書きを学んでおり、愛読書は「星の王子様」「銀河鉄道の夜」など。

 以前は「クドリャフカ(巻き毛)」の愛称で呼ばれていたが、犬のような名前というのが「雌犬(スーカ)」の蔑称を想起させるのか、本人がこれを強く拒否したため、同計画における空戦メードの総称である「アーンギル」が便宜上の呼び名としてあてがわれている。



プロイェクト・アーンギル(アーンギル計画)

 第13設計局による空戦メードの存在を軸とした兵器開発計画。
 アーンギルはヴォストルージア語で「天使」の意。ベーエルデー連邦並びにエントリヒ帝国に対する歪な対抗意識から発足され、ヴォストルージア連邦が象徴たるメードの創出と運用とをその目的とする。永核カスケードエンジン、及びベルクト・ユニットの開発と、それらを用いたICBMの実用化が本計画の概略である。
 計画は当初、スリーマンセルを構築するため、リーダーのアルビナを筆頭に、クドリャフカ、ムーシカ、3体のメードを被験体として擁したが、試作型ベルクト・ユニット「Y-7」の飛行実験中にムーシカが、ICBMの高々度飛行実験中にアルビナが、相次いで計画から落伍した。
 国勢の変遷に伴う政治的理由により骨子が大きく変更されたが、元々は宇宙開発計画であった。

[ 永核カスケードエンジン ]

 形成翼の飛行能力を擬似的に再現した推進機関。
 コアから出力される高エネルギーを、仮に「永子」と呼称する。形成翼は永子の集合体であり、これを任意の方向へ作用させることで運動エネルギーを生ずるのに対し、機関内において蓄積、増幅した永子を噴流させることで形成翼の代替として利用するのが、永核カスケードエンジンである。
 永子の特性上、機関から噴射された推力は一箇所に偏らず、装着した構造物全体に作用する。このため、空力学的にはナンセンスであるが、カスケードエンジンは体重の集中する腰部から上腿にかけての部位に設置することが望ましいとされている。

[ ベルクト・ユニット ]

 永核カスケードエンジンを内蔵する飛行装置。アーンギルの象徴的装備。
 機関は義足の形態を取り、両腿部併せて二基のカスケードエンジンと、その側面に備えられた逆V字型の可動翼からなる。カスケードエンジンから噴射された永子は多くがそのまま推力となるが、一部は逆V字翼に保持され、不可視の形成翼を生じて航空機で云う安定翼の役割を果たす。この構造配置により、アーンギルは従来の空戦メードに匹敵する空戦能力を、より運動性に秀でた形で再現している。しかし機関が脚部に集中したその構造上、被験体には両脚の欠損、ないしは人為的な両脚の切除が求められる。
 なお、ベルクトはヴォストルージア語で「狗鷲」の意。アーンギルにあてがわれる犬の愛称のような固有名称は、計画に携わる楼蘭系人種の技術者、セルゲイ・ツィオルコフスキーがこのことに因んで案じたものと思われる。

[ ICBM ]

 Intercontinental ballistic maid。大型のカスケードエンジンを搭載したメード。
 書面上は大型の外部ブースターを搭載したメードと表現されているが、機関の巨大さゆえ、外見的にはカスケードエンジンを用いた飛行装置の動力源としてメードが搭載されている、と表現した方がよほど適切である。大陸間を航行し、あらゆる戦域へ数十分以内にメードを投入することがその開発目的とされているが、将来的には弾頭に永爆を搭載しての空域支配が利用の範疇に含まれていることは疑いない。


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最終更新:2009年06月30日 21:40
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