巡る因果は想いを踏み躙る 前襲

(投稿者:レナス)


グレートウォール戦線。それはルージア大陸グレートウォール山脈以南に展開する最大規模の対「G」戦線を示す。
この時代の大人たちは勿論のこと、子供でさえもこの戦線を知っている。突破されれば、人類は更なる衰退を余儀なくされる事も。

グレートウォール以北に住まう人々は安穏とした日々を過ごしている。今という平穏を、戦時下という統制下に甘んじながら。
最前線より戻って来た兵士達は街の様子を目にして思うであろう。此処は天国であると。「G」という脅威が微塵も存在しない世界、異境だと。

節々には戦時下である証を垣間見るだろうが、絶え間無い爆音や刺激して止まない硝煙の香り、そして傍らに居た筈の友の断末魔が存在しない心地良さに心が安らぐだろう。
一時の静穏。刹那の平和。仮初めの平穏。その全てが最前線における戦人達の屍の上に成り立つ世界だという現実を知る者はこの中に幾人居るだろうか。
政治家は人の生死、メードの戦果の優劣で物事を図る。将校は如何にして敵を、「G」をより効率的に屠るかを考える。犠牲の数は、全てが数値で語られる。

だが今日この日――この時間、この瞬間に幾つの骸が更に積み重ねているのだろう。それを正確に知る者は居ない。的の骸は新しい「G」の骸に隠れ、人の肉体跡形も無く「G」に腹の中に収まる。
地平線を埋め尽くす群れと空を縦横無尽に飛び交う大群は餌を求め、人類は無数の鉛玉を以てして抗う。これを月に幾度も繰り返す。抗う為の手段と人の数は幾つあっても足りない。
死にたくないという最前線で抗う兵士達の叫び。守るべき存在を犠牲にさせまいという義務感。生きたいという想い。それらが等しく散り行くのが戦場である。

そして犠牲になった者達の想いは極有り触れた声無き叫びとなって繰り返される。



右脚が喰われた。その程度、問題は無い。既に蛋白質で構成された肉体は当の昔に失い、今この身を作る肢体は仮初めの肉体、義足を一つ失っただけで命の危険には程遠い。
だが問題なのは諸に体当たりを受けてしまった事だ。カウンターの右回し蹴りによって敵は、空の「G」であるフライの顔面は砕けて凹み、絶命の結果として墜落している。
人間の数倍の質量を有する物体の衝撃を殺し切るだけのパワーも忍耐力も無い。姿勢制御を意識するが体は痺れ、頭の回転も衝撃で集中し切れない。

墜ちる。顔面を捉えた右脚をフライは死して尚、本能的行動により食らい付き、相手の質量に応じた落下速度による墜落の相方として強制的に付き合わされる。
義足を断ち切れば事足りる事態だが生憎、銃火器は既に手元には存在しない。ナイフでさえ、数匹前のフライとともに遥か眼下の大地に没している。
メードたる人間の皮を被った戦闘生命体の身体であり、その中でも空を舞う翼を有する空戦メードの身であろうとも自身の倍以上の質量と維持するして飛ぶ力は無い。

錐揉み状態の高速落下で地上へと迫る。右義足の付け根、太腿を両の手で掴む。歯を食い縛り、力を込める。数瞬の後、金属が破断する音が鳴る。
そして引き千切った。破断面から無数の神経が断線し、そして仮初めの体液が盛大に噴出した。自身の所業に、捻り殺された豚の悲鳴で答えた。

エターナルコアと言われる神秘の石を胸に秘め、奇蹟の力を身につけているのがメード。その基本能力の身体強化は義肢にも及ぶ。
例え仮初めと云えども本来あるべき肉体と同等の感覚を共有する身を失う事と同異議。失えば失ったと同等の痛みを伴う。だが痛覚を伝達するのみで、死とは無縁の幻覚に過ぎない。
単なる電気信号を脳が誤認し、怯んだ時間だけ自身に及ぶ数秒後の終焉の未来がより現実的となるだけであった。

漸く離れた体は本来あるべき人間一人分の空気抵抗となって減速し始め、空戦メードとての能力以て体勢を立て直す。
一瞬先にフライの骸が大地と接吻。体皮は弾け、内臓が明確に露呈する。飛散する体液が超高度からの落下の結末をありありと物語ってくれる。
そして一瞬の後に空戦メードの意識もブラックアウト。脱出し、減速に転じて速度を殺し切る時間が圧倒的なまでに足りなかった。

戦いの地に無数が戦場に散乱する事実。それが人類同士でも「G」との戦いであろうとも変わらない。
新たに空から降り注いだ一匹の蟲が増えた所で風景に違いは生まれない。無数の染みの上に新たな染みが生じるだけ。
今回の特異点は従来と異なり、暫らくの後に骸が出産を果たすという一点。始めに肉を突き破る拳、突き出る頭、攀じ登る上半身、這い出る下半身。

ルーリエという名の空戦メードである男は、フライの肉の塊から生還を果たした。

口内に入り込んだフライの大きな肉片を吐き、胃袋に入り込んだフライの体液を胃液ごと嘔吐。死んで間もない生暖かい潰れた内臓を踏み抜き、数メートル下の土の大地へと飛び降りる。
着地と同時に体中に付着する粘り気の強い体液がどちゃりとバケツを引っ繰り返した様に剥がれ落ちる。顔面の張り付く体液も拭い取り、男は未だに口内に残る蟲の体液を唾と共に吐き捨てた。

殺し切れなかった際の落下速度は致死域だった事実をフライの躯をクッションにして殺した。ほんの咄嗟の判断を彼の翼は答えたのだ。
只の人間では実現出来ない、あらゆる点において強化されるメードだからこその芸当。それでも落着の衝撃は意識を刈り取るには十分。
翼は消えているが、それでも浮力の恩恵を受けて片足立ちを可能としている彼の体はふら付き、分厚い体皮の残骸に背凭れる。そして茫然と自身の右足を注視。
接続断面と神経配線が剥き出しなのは当然とし、蟲の体液にペイントされて判り辛いが彼自身の赤い血も混じっている。そしてそれを問題無しと断じる。

たかが軽く血を流した程度で気を動転させる程に彼は生き残り続けてはいない。直接的な死を目の前にする事態は幾星霜。
武器を失い、肢体も失い、残るは口の顎だけ。出血多量で朦朧とする中で「G」の大群に囲まれる事も少なくは無い。尤も、その先の事は覚えてはいないが。
それでも今こうして生きている事実だけが存在する。そしてそれだけで十分だと納得している。

虚空を見上げ、灰色に染まる空を見詰める。既に今回の戦端が開いてから一体どれだけの時間が経っているだろうか。
答えを求めていない思考の中で取り留めのない事だけが去来する。疲労する心身が安らぎを求めている。それを自身が否定する。
銃声や爆音は遥かに遠く、周囲には人っ子一人はおろか虫の一匹の気配も無い。自身の手の稼働状態を触診しつつもそう確かめた。

「相も変わらず、だな――」

これで幾度目だろうか、とそう自嘲する。戦いの場に身を投じ、戦いを続け、そして幾度もこうした無様な醜態を晒す結果を生み出す。
どんなに敵を屠ろうともどんなに敵を相見え様ともどんなに生き残ろうとも、このメードは変わる事なく弱くて脆く在り続けた。
効率的な戦闘手段を講じても体は動かない。特徴ある戦闘スタイルも見出せず、メードとしての特別な力は空を飛ぶ事のみ。辛うじてメードの基本的能力が付加している程度。

男は何処までも弱く在り続けた。男はそれがどうしたと鼻で笑う。そんな事は既に解り切っていた事だ。今更だ、と。
弱ければ「G」に食われて死ぬだけの話。ならばその解り切った結末を迎えるまでの間、より多くの「G」を道連れにするだけだ。
冷え始めた骸から背を離し、一本足立ちとなる。ふら付く姿勢を回復した思考と体力、そしてエターナルコアの力で容易く維持する。

それと同時の翼が勝手に展開する。未だに翼を形成し、空を飛ぶ空戦メードに分類される存在の発生原因は分かっていない。だがこの男にとっては詮無い事だ。
義手の関節がごきりと、意図して鳴らす。鳴り響くその音をこれから戦闘に復帰する合図とする。元より視線の先に居る存在が彼の感情を昂らせていた。
人間より大きく、黒く、硬いモノ。人類を脅かし、ルーリエというメードを戦いへと誘う原因。それを知覚して彼は腹の内より沸き起こる感情を抑えようともしない。

数体のワモンがルーリエへと迫る。人間の死骸を漁って逸れた一団だろうか。目聡く新鮮な肉を見付けて大喜びなご様子。彼にはそう見えた。
そして自然と笑みが零れる。無防備な上にまともな格闘技術を持ち合わせている訳でもなく、圧倒的不利な状況に気違いを起こしているのでもない。
この嫌が応にも鼻を刺激する「G」の臭いが、どうしようもなく「G」の存在を意識して仕方がなかいのだ。この一時こそ、彼が正気で居られる唯一の時間なのだから。

「さぁ、一時の安らぎの時間だ・・・」

「G」という妄執に囚われれ、フィクションで己を苛み続けた思考がクリアになる。霞んだ視界が明瞭に、物理的な感触を伴って実感できる。
忘れてはならないがルーリエは弱い。現状で彼の集団と接敵をしたとなれば間違いなく殺される。自殺でしかない行為に彼は躊躇う思想そのものは存在しない。
奴等と戦える。それだけで十分な理由だ。自傷行為だと言うのであれば、それで構わない。勝手にほざいていれば良い。誰の言葉も、想いも彼は顧みる事は決してないのだ。

軽い飛翔の後、彼は「G」を屠る為に突き進む。それだけが彼に出来る唯一の生き方だから。




「コンニチワ」

彼にそう声を掛けたのは果たしてワモンの首をもぎり取った時である。小さな脳味噌で駆動していた体が死して尚も抵抗を続けるので、首の神経を引っこ抜いた最中の事。
筋肉繊維や余計な神経が芋の根の如く一緒に飛び出るが、完全に殺せるのであれば僥倖である。ルーリエは噴出する体液を浴び、声の主にも掛かるが両者は無言。
自分を狙うワモンは今ので最後だ。此方の損害は右手首から先を持っていかれただけ。垂れ下がる余計な配線は引き千切って捨てる。相手はこれにもノータッチ。

「――――」

風が吹く。無関心に放置している彼の長い髪が靡き、噎せ返る異臭を一時だけ洗い流してくれる。風下に存在する人物はそれでも無言。
先の一言が何を意味するのか。眼前の敵に集中していた彼には計り知れない。況してや現状を見て、二言目を発さないのも可笑しなものだ。
そこでふと感じる違和感。自身が香りを自覚しない時間など今までにはあっただろうか、と。答えは否。

"「G」を認識しない時など無い。"

戦場には売って有り余る瘴気の空気。人類との戦いによる血の肥え溜め。記憶が醸し出す虚構な虚像。
刹那の時間すら「G」に塗り固められたこの身が忘れる筈が無い。一つの例外を除いて。
居る。虚像ではなく現実に。妄想で自身を蝕むまでもなく、明確な存在として、現実の脅威として人類に牙を剥く奴等がこの場に。

風は既に止んでいる。それにも関らず、臭いの断片すら感じない。首を巡らして周囲を見回す、そんな行為は不要だった。

「コンニチワ」

それの二言目。気のせいとも感じるであろう一言目を現実だと認識する。相手は人の形をしているのだから話せて当然だ。ルーリエとて人語を解し、発する存在なのだから。
にこやか笑みを浮かべ、彼の元へと歩み寄る。その歩みは何処かぎこちない。そんな『少女』を観察する。成熟し切らず、それでも女としての膨らみを確かに有する年頃。
そんな存在がこの戦場に居るのであれば、少女はメードだと誰もが理解する。それが現在の戦場であり常識。それが人間にとって都合の良いエゴの体現という現実の証明。

「コンニチワ。アナタハ何処カラ来タノ?」

少女は問いを投げ掛ける。足取りと同じでその笑みも声色もぎこちない。
彼は答えない。答える気も無い。少女を見据え、距離に応じた認識がより色を濃くする。

「ワタシハサッキマデゴ飯ヲ食ベテイタノ。好キ嫌イワシナカッタヨ、エライ?」

ぎちりっ。果たしてその音はどちらからだろうか。それとも両方か。
振り上げられた拳が齎す結果からすれば、少女の問い掛けすら意味は無い。

「オ姉チャンガネ、残サズニ食ベルトホメテクレルノ。アナタハホメテクレル?」

射程距離範囲内に到達。それは起きる。

「コンニチワ。アナタハ食ベテモ良イゴ飯?」

"三対"の腕を持つ少女をルーリエは殴り飛ばした。少女は受け身を取る事も悲鳴も上げる事も無く、無様な様相を呈して転がる。
彼に殴られる寸前まで少女は無反応。それを見ても異常と思わず、現実を見ない人間は彼を非難する。そして異様な容姿の少女を、自身の保身を以て擁護する。
それが何であるかを理解しない。理解せず、自身の都合の良い事実だけを抽出し、勝手なエゴを世界に押し付ける。彼が単身である事が功を奏した瞬間だった。

勢いが完全に止まった先でぴくりとも動かない人形。ただの人間であれば如何に弱いメードであれ、先の拳を受けては絶命しても不思議では無い。
だがその少女は数瞬の後に起き上がる。上体は動かさずに二対の腕が上半身を支え、残りの一対が姿勢を整えて身を起こす。そうして立つ少女は歩みを進める。

「痛イヨ? ドウシテ? ワタシ、何カ悪イコトデモシチャッタノ?」

ケタケタケタ。あどけない表情で出来損ないの人形然として笑う。拳は顔面を捉えたにも関らず、少女の顔には凹みの一つ見当たらない。
元より判り切っていた事実。服の一巾すら纏わずに少女が戦場に居る筈が無い。恥部を隠さず、恥じる様子すら見受けられない。自身の有様に対して無関心。
そして何よりも彼自身が目の前の存在を明確に認識している事実。それだけで十分な見解だ。何故ならば、

「悪イコトシチャ――メッ、ダヨ?」

少女の顔が眼前に。後一歩踏み込めば口付けをしてしまう、そんな距離。ルーリエの姿が残像としてその場に残る。
明後日の方角に転がる死骸の群れが薙ぎ払われる。その結果の生み出す黒い弾丸たるルーリエ。数百メートル先の終着地点である骸に突き刺さる事で意識が現実を認めた。
だが自身の身に何が起きたのかを認識できない。彼自身が与り知らぬ現象により、彼は弾き飛ばされた。

彼を此処まで殴り飛ばしたのは少女の腕。それを成し遂げた本数は壱。顔を叩く動作により生じた事態を現実だけが真実として呈する。
死骸に埋もれ、脱出と同時に軋む体に不快感を覚えながらも彼方に居る筈であろう少女を睨むべく顔を上げ、

「アナタハ悪イ人?」

視界を埋め尽くす少女の両の眼。今度は顔を満遍なく舐め回される。
四肢は未だに肉の壁の中に埋もれ、抵抗は出来ない。彼の眼が少女を見据えるだけ。

「オイシクナイ味・・・」

少女は顔を顰める。当然だ。ワモンやフライの体液を満遍なく浴び続け、乾燥してこびり付いた味を美味だと感じる生き物はそうは居ない。
当たり前となったこの味を知る彼はそう断じる。不快に感じた味に少し引いた少女の顔。自由に動かせる上体を動かし、喉を引き裂こうと顎を開く。
数え切れない程の「G」を屠った顎にかかれば見た目には軟い首を引き裂くのは容易であろう。だが先の拳を受けた少女は、その行動にむっとする。

「行儀ガ悪インダネ。メッ、テシチャウ」

首を動かすと同時に一対の腕が彼の首を締め上げ、大地へと叩き付けた。強引に引き抜かれて肉壁は衝撃で砕け、ルーリエの上半身は大地に突き刺さる。
抵抗も反応も、況してや自身の起きた事象を既に起きた後でしか認識出来ない事実。ルーリエとてメードの端くれである。反応が出来なくとも認識は出来た。
だがこれは知らない。既に二度も知覚外の攻撃を受けている現実を朦朧とする意識の中で感じ取る。その様子に少女は微笑む。

「駄目ダヨ? 人ノ話ワ最後マデチャント聞カナイトトイケナイッテ、オ姉チャンガ言ッテタヨ」

首を絞めたままに少女の眼前まで顔を持ち上げられる。大地には彼の型がはっきりと残っている。少女はその事実とともに引き攣った笑みのまま小首を傾げる。
呼吸はおろか血液の通り道までも塞き止められ、首の骨は悲鳴を上げている。人の皮を被った人外の力ならば何時でも縊り殺せるだろう。

「ネッ? アハッ♪」

少女は笑う。何が楽しいのか皆目見当も付かないが自身の生命の危機である事は確かだ。だから自然と体は動く。それが無駄であろうとも無意識に。
霞む視界と意識の中で手首より先を欠いた腕を、その微笑みを湛える口の中へ。面積からして不可能であろう、口の更に奥にまで。

「ッ? モガ・・・ッ?」

捻じ込む。喉が裂ければそれで良い。少女の首の一回りも大きい二の腕まで突き刺す。呼吸と食べ物を通す穴を完全に塞ぎ、限界まで膨れ上がった少女の首。
ほんの少しでも刺激を与えれば破裂するであろう様子に少女は目を瞬かせるという淡白な反応。それで良い。気がついた時には終わっている。
事実少しでも腕を捻れば首の骨は圧し折れ、脊髄から延びる神経群は軒並み破断する。それで終わるだろう、人間であれば。

ごきり、という音が鳴り響く。

「♪」

折れたのは腕。より正確には少女の顎が閉じ、腕が噛み千切られた。ひと齧りで腕を切断し、咀嚼するまでもなく消化器官の元へと送り届ける。
当然小柄な少女の腹は折れた腕の形状を浮き彫りにし、少女の二対の腕が変形したお腹を撫で、その事実に少女は可笑しそうに笑う。
直後にうねり狂う少女のお腹。無数の生き物が蠢くかの如く波打ち、数秒と掛からずして腕の形が消え失せる。何事も無かったかの様に、少女の腹は元通り。

食べたという事実。少女の小さなげっぷが肯定を意味する。口の中に腕を突き入れられて驚いてか、緩んだ手の内からルーリエは脱出。
結果は如何あれども首を折られる危機からは脱した。漸くの呼吸と血液循環に勤しむ彼を見て少女はニコリ。
それを見て、彼の見解の正しさを色濃く物語っていた。何故ならば少女は人間でもメードでも無く、

「アナタハオイシクナイケド、オイシインダネ♪」

二本の腕による殴打が彼を彼方へと吹き飛ばす。反応など出来よう筈が無い。彼の体は弾丸と化して進路上の障害物を薙ぎ払う。
先程の殴打よりも強烈な一撃は先程の比では無い威力を発揮する。大地すらも削り取り、それでも減じない推進力。

「デモ、オギョウギガ悪イカラ、オ・シ・オ・キ、ダヨ!」

ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ

少女は笑い続けた。人間でもメードでも無い少女。

ルーリエが断じた一つの存在、人の皮を被った「G」は狂った笑いを続けた。



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最終更新:2009年11月29日 18:20
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