----西暦2015年、地球。全ての発端を描くシリーズ第二巻
あらすじ
パラオで謎の疫病が発生した。医師の
児玉圭吾と
矢来華奈子は現地へ向かい、患者のひとりである
檜沢千茅を助ける。
冥王斑と名付けられた疫病は、世界中で大小さまざまな規模のアウトブレイクを繰り返しつつも、徐々に制圧されていった。
その後、
千茅・
ジョプら世界中の
冥王斑回復者はコスタリカのココ島に集めて隔離される。
彼らは自分達を
救世群(プラクティス)と名乗り、そのサポートとして
連絡医師団(リエゾン・ドクター)が設置され、
圭吾や
華奈子はそれに参加した。
ストーリー
序章
「----煙霧の霊がどう思っているのか、気になった。」
病により故郷ニハイ村の一族全てを失った青年
ジョプは、ひとり村人の遺体を片付けていた。
最後に村に伝わる秘密の獣
クトコトを始末した帰り、
ジョプは吊り橋を踏み外し川に流されてしまう。やがて彼は海に流れ着き、通りかかった貨物船に救助される。
これが、全ての始まりだった…
第一章 南海の邂逅
西暦2015年3月16日、パラオのプーロソッル島で発生した謎の伝染病の調査のため、
児玉圭吾と
矢来華奈子は現地へ向かう。
JICAの
弥彦進也、外務省の
狭雲と共に現地に到着した圭吾と華奈子は、第一通報者である
フェオドールという少年に出会う。彼らは、島のコテージをベースキャンプに調査活動を開始した。
プーロソッル島に
ブラザノ率いるWHOのチームやアメリカの混成チームが到着する。狭山の交渉により日本の調査隊にも権限は残された。だが、狭山はパラオ本島に戻ってしまう。代わって、フェオドール少年が連絡役を勤める。
二晩徹夜の甲斐あって、患者の一人
檜沢千茅の容態が好転する。じつは、調査隊の到着以前からひとりの黒人(序章に登場した
ジョプ)が千茅に付き添っていた。彼はこの疫病の回復者だった。
残された資料から疫病(仮称:ディジーズP)の潜伏期間が1週間と判明する。ディジーズPは制圧されたかに見えたが、ジョプを救助した貨物船は既にミンダナオ島に入港しており、病魔は世界へと広がり始めていた…
人は自分が「きれい」だと信じる行為しかせず、「何がきれいか」を確認しないし、他人から確認されることも嫌がる。偏執的な潔癖症である
星川未沙との逢瀬ののち、圭吾はベッドの中でそんなことを考えていた。
翌日、特定患者病棟に移った千茅を華奈子とともに見舞う圭吾。すっかり元気になった千茅だが、ウイルスは千茅の体に残ったままであり、彼女の隔離は続いていた。柊もまた隔離病棟を訪れており、児玉は柊と共にアメリカの感染症学会へ、華奈子はジョプとともにディジーズPのルーツを探るためニューギニアへ向かうこととなる。
学会の会場で出会ったフェオドールと共にセッションを受ける圭吾。ディジーズP の研究は多少の進展を見せていた。そして圭吾は、柊の言動と最終日に発表されたニューヘブン声明の内容に不穏なものを感じる。
一方、ジョプや弥彦と共にディジーズPの自然宿主を探してニハイ村にたどり着いた華奈子は、ジョプが殺したクトコトの死骸を発見する。ニハイ村を焼き払おうとしたインドネシア軍将校ダンカルロンガとジョプの争いに巻き込まれ、弥彦は不運にもウイルスを吸い込んでしまった。
病棟で過ごす
千茅のもとには、なぜか仲良くも無い
青葉がたびたび訪れていた。ある日のやりとりをきっかけに、腹を割った会話を重ねるようになっていく二人。千茅は青葉や圭伍を通じて、自分がこれまで何も知らなかったことに気づく。
断章二 ――オビス・ミュシモンからオビス・キュクロプス、そしてクラウドへ――
第四準位活動体として地球の羊に被展開した
ノルルスカインは、その後もしばらく羊とともにあった。
被展開したのはムフロン種(オビス・ミュシモン)の羊であった。
ノルルスカインの働きかけにより人間と共存しやすくなった群れは、その後オビス・キュクロプスと呼ばれるようになり、数を増やしていった。
やがて人類が一連の生物のゲノム解析を行うようになり、オビス・キュクロプスのDNAデータも解析され、ネットワーク上のサーバに保管される。
その後
フェオドールがAIである
フェオドールダッシュでこのDNAデータをロードした際に
ノルルスカインもロードされる。
これにより
第三準位活動体となった
ノルルスカインは
フェオドール・ダッシュを乗っ取り、さらに地球のネットワーク全体へと広がっていく。
第三章 ネクター
ディジーズPは
冥王斑と名付けられ、世界的に対策が進みはじめた。日本でも回復者の増加に対応するため、全国に6箇所の隔離施設が用意された。
千茅や
ジョプは秩父の施設に入る。
冥王斑ウイルスを押さえ込むワクチンの精製には
冥王斑回復者の血液が必要であった。不本意ながら
千茅たちに向けて献血を依頼する
圭吾。
圭吾の気持ちを考え、千茅は積極的に参加することを伝える。
京都大学霊長類研究所では
クトコトの解剖調査が進んでいた。大学の研究員から、宇宙から来た生物である可能性があると聞く
フェオドール。
大学生になっても変わらず通ってくる青葉。
圭吾に惹かれていく
千茅。世界
冥王斑患者群連絡会議(Pluto spot Practice Liaison=PPL)が設立される。患者の取り扱いの向上を目指した活動であり、日本のJPPLは第1号回復者である
千茅が支部長となった。
第四章 エンクロージャー
世界中で冥王斑が猛威を振るう中、ついに東京でもアウトブレイクが発生してしまう。治療に忙殺される圭吾。
青葉から結婚することを聞いた
千茅は、青葉のためを思って彼女との決別を決意する。今やたった一人の親友となった青葉を、心にもない暴言で突き放す千茅。だが、青葉はそんな千茅の胸中を見抜いていた。優しい言葉を残して千茅のもとを去る青葉。残された千茅は、ジョプに見守られながら嗚咽した。
突如、合宿所で火災が発生する。看護士の掛井に助けられ脱出した
千茅だが、ずっと
千茅に歪んだ恋慕を募らせていた掛井に暴行を受けてしまう。絶望に堕ちた
千茅は
ジョプと共に掛井を脅迫し、合宿所を脱走する。
世界中で続くアウトブレイクと増え続ける回復者のため、ニューへブン声明のとおり、ついに世界中の
冥王斑回復者はコスタリカが提供した
ココ島に集められることになった。
千茅と
ジョプは逃走を続け、和歌山県の山中に潜伏していた。
圭吾は密かに二人のもとを訪れるが、柊はそれを追跡していた。
圭吾の思いとは裏腹に、二人は取り押さえられてしまう。
ココ島に移送された
千茅と
ジョプ。
千茅たちは、そこで出会った
クルメーロら冥王斑回復者と共に、いつの日か自分たちを排斥した世間を見返すための暮らしを始める。
終章
情報
序章
・
ジョプはニハイ村出身(p.7)
・あたりには277の谷があり、グネ、ウレス、ゴコといった村がある。(p.7)
・はるか南東には大きな村ワメナがある。(p.7)
・
ジョプはニハイ村唯一の
冥王斑回復者(p.11)
・ニハイ村の住民はは200人以上(p.12)
- ミスチフ(紺霊)は天空の霊。三人称は「彼女」(p.8)
- ニハイ村の正式な葬儀では、参列者が故人の肉を切り取り、蒸して食べるという風習がある。(p.12)
- 冥王斑でで死んだニハイ村の村人の遺体は、死後4日たっても腐敗していない(p.12)
- ニハイ村の族長はクトコトの強力なマナを受けることで、かぐわしい芳香をまとい一族を強固に統率してきたが、今回は発病した(p.14)
- ミスチフ
・意地悪で人間をもてあそぶ霊(p.19)
・英語でいたずらっ子という意味。mischief。
第一章 南海の邂逅
登場人物
・国立感染症研究所付属病院の臨床医師(p.28)
・31歳(p.29)
・身長は171センチメートル(p.29)
・元青年海外協力隊員
・以前
華奈子と付き合っていた(p.29)
・身長は170センチメートル(p.29)
・31歳(p.29)
・切れ長の明るい瞳(p.29)
・唇はふっくらとして蟲惑的(p.29)
・結構顎が大きい(p.29)
・ストレートの長い黒髪(p.27,29)
・元青年海外協力隊員
・専門は感染制御と疫学調査(p.39)
・JICA(国際協力機構)の職員(p.40)
・外務省の官僚(p.41)
・初老の痩せた男(p.46)
・髪は金髪で短い。水色の瞳(p.48)
・モントリオールのハイスクールの学生(p.49)
・狭山に代わり児玉達との連絡役を務める(p.72)
・対話型AIについて学んでいる(p.95)
・フェオドールの祖父(p.53)
・背の高い壮健そうな銀髪の老人(p.53)
・相当な富豪であるらしい(p.54)…カナダの大手製薬会社、フィルファーマの共同経営者の一人(p.72)
・栗色の髪をボブカットにしている(p.61)
・17歳の高校生(p.86)
・華奈子の上司。(p.75)
・伝染病の脅威を防ぐためにはなんでもやると評判の男。政治家としての力で名高い(p.75)
・千茅の父。40歳(p.86)
・プーロソッル島でディジーズPに感染し現地で死亡(p.117)
・千茅の母。39歳(p.86)
・プーロソッル島でディジーズPに感染し現地で死亡(p.117)
・背は低いががっしりとした黒人(p.89)
・腕にもふくらはぎにも鉄のような筋肉が盛り上がっている(p.89)
・顔立ちは原始的で荒々しい(p.89)
・額がせり出し、花は低くつぶれ、唇が太い(p.89)
・髪はくしゃくしゃの縮れ毛(p.89)
・ニューギニア島の出身(西イリアン高地人)。(p.110)
事象
・致死率は95%を超える(p.100)
・到着したアメリカ海兵隊員がディジーズP(疫病P)と名づけた(p.111)
・発生したプーロソッル島のPと、患者を診ていると勃起してしまうペニスのPを掛けた名前(p.111)
・ウイルス性疾患である(p.112)
・潜伏期間は一週間(p.122)
・回復者は感染能を失わず、保菌者であり続ける(p.127)
フラグ
- フェオドール・ダッシュのアバターが「タイヤを何段も積み重ねたような奇妙な形の、岩石のゴーレム」である(p.94)
→1章と3章以降に登場するロボット「フェオドール」のデザインの由来。
- 華奈子があげた水のペットボトルを、水がなくなった後もジョプは大事にしている(p.109)
→のちに、《救世群》の始祖言行録で語られる「水の給い手カナコ」の由来か。
登場人物
・プーロソッル島での一件以来、感染症にも興味を持つようになった。
・ニューヘブン宣言の発表にあたって、根回しに尽力したと思われる。
・インドネシア陸軍の士官。(p.176)
・ブラザノと対立してしまう。
・半ダース程の兵士を引き連れている。
・部下とともにニハイ村を焼き払う(p.200)
・第1章にも登場した、WHO西太平洋事務局のメディカル・オフィサーを務める医師。フィリピン人。(p.70,176)
・ダンガルロンガと対立してしまう。
・快適からは程遠い防護服を着ているわりに普段はおとなしい
・半年の軟禁生活を経てなお肉体はたくましさを保っている (p.190)
・ニハイ村が近づいたことを悟ると防護服を脱ぎ捨てる
・英語を聞き覚え、使い始める(p.191)
・一行の前で雄弁な一人芝居を披露。
・村を焼かれたことに激昂し、槍でダンガルロンガを襲う。(p.203)
・
華奈子に結婚を前提とした付き合いを申し込むが、保留にされてしまう(p.182~183)
・ダンガルロンガに襲い掛かったジョプを制止しようとするが、取っ組み合いになりマスクが外れてしまい、ディジーズPに感染。(p.203~204)
・
華奈子へのプロポーズを撤回する。(p.205)
・ダンガルロンガを襲うジョプを制止。
・感染を覚悟しプロポーズを撤回した弥彦に接吻する(p.206)
・以前は、どこか自己中心的で世間を諦観しており、マイノリティを切り捨てるような価値観の持ち主だった。
・隔離病棟を訪れる医師にセクハラを受けている(p.212)
・病気によって自分の立場が変化したために、以前の価値観と現状の板挟みになり、自殺を考えるほどに苦悩する。
・青葉の訪問によってもたらされた何気ない会話に嬉しさがこみ上げ、号泣。
・
千茅の中学生時代からの知り合い。同じ中学校、高校に通う(p.207-208)
・中学2年生の時に千茅と大喧嘩して以来、疎遠な関係であった(p.208)
・髪はぼさぼさで無造作にパレッタで留めている(p.220)
・可愛くも、りりしくも無い顔だち(p.220)
・友人の見舞いが途絶え始めた夏の始まり以来、二週間に一度千茅の元を訪れている(p.222)
・今の千茅に一人の人間として興味を持ち、好いている。
事象
- 特定患者病棟は、新宿区戸山にある国立感染研究所に併設されている(p.140-141)
- ディジーズP
・正式名称は眼縁黒斑性全身性炎症熱となった(p.147)
・回復した患者の呼び名も無症状病原体保持者となった(p.147)
・感染経路は空気感染。(p.147)
・感染後に大量に分泌される涙が乾燥し飛沫となったものを吸い込み感染する(p.147)
・一類感染症にカテゴライズされた(p.148)
・回復後もウィルスが体内に残る(p.148)
・嗅覚の減退が感染のサイン(p.167)
・患者に斑紋ができるのは、ウイルスが涙の流下量を増やすために眼縁に集まって鬱血を起こすから(p.168)
- 千茅の病室には千羽鶴がある(p.149)
- ジョプの近況
・WHOのブラザノ隊にフィリピンに移らされた(p.158)
・日本の華奈子や千茅のことを気にしており、フィリピンのスタッフには非協力的(p.158)
- 華奈子と弥彦は付き合い始めた
- ニューへブン声明(p.170~171)
・世界感染症学会で発表されたディジーズPに関する声明
・開催地であるアメリカ東北部の都市ニューへブンから名づけられる
・宣言内容は以下
・ディジーズPが人類社会に極めて重大な打撃を与えうること
・ディジーズPの防疫が通常の手順では困難なこと
・専従の人員と予算、および必要な施設を持つ、常設の国家横断的な対策組織の設置が急務であること
- ジョプの兄グタンとその妻ゴチマは、ある者にそそのかされ何かを食べた。そこから感染が広がっていった(p.195-196)
- クトコト
・皮革と髭がある(p.199)
・子猫ほどの大きさ(p.199)
・六本足(p.199)
・ディジーズPの新たな呼び名(p.229)
・英語ではプルート・スポット(Pluto Spot)(p.230)
・名称変更の理由は以下(p.230)
・ディジーズPのPがプルトニウムを連想させ好ましくないため
・アクランド医師の残した言葉から(p.113)
・患者は未知の成分を含むフェロモンを出す。(p.230)
・このフェロモンは他の人間を誘引し、生殖行動を誘発する(p.230)
断章二 ――オビス・ミュシモンからオビス・キュクロプス、そしてクラウドへ――
事象
・植民地時代のオーストラリアにいた偽薬売り(
ダダー)が、羊(オビス・キュクロプス)を獣姦していたことが、自分自身の繁殖方法に似ていたため。(p.237)
・外部のことを知ることもできなければ、それを見聞して記録することもできない(p.234)
・不自由な
第四順位活動体でも宿主を操作する程度のことはできる(p.234-235)
第三章 ネクター
・果実飲料
・ギリシャ神話にでてくる神々の飲み物で、飲むと不老不死になれる。
- 冥王斑回復者むけの隔離施設は合宿所と呼ばれる(p.246)
- IgP
・
冥王斑回復者の血液から見つかった新しいタイプの免疫グロブリン(p.249)
・感染者の体内で生産され、これが患者を回復に持っていく(p.249)
・
プルートスポットから
IgPと名づけられる(p.249)
・
ニハイ村で
華奈子が見つけた
クトコトの死体は、その後各国の研究機関へ送られた(p.268)
・日本の京都大学霊長類研究所にも標本が一体ある(p.268)
・前方双眼で5本指に扁爪がある(p.269)
・薄茶色の毛皮(p.269)
・前足と後ろ足の間、腹の左右に一対の四肢がある(p.269) 他の四本と異なりほぼ真横に伸びている。
・鼻の先にゴリゴリとした木の実のような塊がある(p.270) これはワニなどの水生生物にも見られる外鼻弁。
・被子を分泌するための腺が全くない(p.270)
・耳が小さいわりに耳骨が異様に発達している(p.270)
・尾が扁平して左右に動く仕組み(p.270)
・卵生で卵はピンポン玉くらいの黒い球体(p.270)
・卵の殻はカーボン繊維で、ハンマーで叩いても割れない(p.271)
・卵の中は直径の半分ほどの分厚い断熱材に詰まっている(p.271)
・幼生が殻から出るには、千度以上の高熱で殻を焼尽してもらわないと出られない(p.271)
・クトコトは人間の遺伝子を多く含んでおり、特に免疫に関する遺伝子が人間のと大変よく一致している(p.273)
・
ニハイ族と
クトコトの間で感染サイクルを形成し続け、最近になって強毒化した(p.274)
・血漿成分のみの供血(p.278)
・残りは体内に戻す(p.278)
・
曽根
・マンションやオフィスビルを経営していた。67歳(p.281)
・和歌山県に山を一つ持っている(p.302)
・
千茅
・高校を中退した。18歳(p.281)
・
ジョプ
・まだ言葉があまり通じない。
・真面目そうでいながら独特のユーモアのセンスを持つ(p.281、284)
・
瀬戸口
・刺繍が得意な中年夫人(p.280)。
・心配性でおしゃべり(p.281)
・元主婦(p.302)
・
三珠の子供を宿すが、ストレスが元で死産(p.303、305)
・
三珠
・鉄工所をやっていた(p.302)
・
瀬戸口と結婚する(p.303)
・
永淵
・幼い子供を病気で亡くした(p.304)
・
プルートスポット・プラクティス・リエゾン(冥王斑患者群連絡会議)の略。
・プルートスポット(冥王斑)
・プラクティス(患者群)
・リエゾン(連絡)
・?(会議)
・会議はconferenceやmeetingだが、英語名称からは除外する。
・
合宿所にきた千茅が始めた活動。
・インターネットのSNSを使い、日本全国の患者を結んだ。
・隔離患者の生活や病気の研究の進展など、情報共有を進めている。
・海外でも似たような組織ができており、それらとも連携し始めた。
・
IgPとアジュバントという免疫増強剤を組み合わせたワクチン(p.290)
・感染初期に摂取すると助かる場合がある(p.290)
・13カ国4600名の回復者からなる
世界冥王斑患者群連絡会議が設立された(p.299)
・国によって大きく異なる患者群の取り扱いの、向上を目指した活動(p.299)
・千茅が始めたPPLは同会議の日本支部(JPPL)となり、千茅が支部長となった(p.299)
・妊婦が冥王斑に感染した場合、これまで全例が死産であった(p.303)
・冥王斑回復者同士の子供からも名王斑ウィルスとIgP成分が見つかった(p.305)
- 圭吾は千茅を慈愛と抑制を込めて見る。掛井は冗談めかしつつ時に真剣に見る(p.306)
- ジョプは千茅のために苦しみたいと思い、千茅は圭吾のために苦痛を受けたいと望んだ(p.307-308)
第四章 エンクロージャー
- 章タイトルのエンクロージャーとは、16世紀、18世紀にイギリスで行われた囲い込み運動のこと。
- 冥王斑ウィルス
・アウトブレイクするたびに新たな亜種が発生する(p.385)
・どの亜種もIgPに対する抗原性をもつため、IgPワクチンはの有効性は保たれた(p.385)
・紅茶色の長い癖毛(p.419)
・やつれた感じがどこか圭吾に似ている(p.419)
・無遠慮だが不快ではない眼差し(p.424)
・おそろしく訛った、何とかわかる程度の英語を話す(p.424)
・メキシコ・シティーにいたころはひとかどの人物だった(p.426)
・26カ国1万4千人の回復者がいる(p.421)
・コスタリカの担当官庁が不正を働いているため、まともな監督機関も医療施設もない(p.421)
・食料は量こそ足りているものの、分配がずさんで国別の仕分けもろくに行われていない(p.421)
・住まいや洗濯場などの場所取りはほとんど弱肉強食(p.421)
・日本人キャンプのあたりではメキシコの患者群が数にものを言わせて圧迫している(p.421)
- メキシコにはPPLがない(p.424)
- 千茅がもっとも愛した男は、彼女に追いつけないまま、離れていってしまった(p.428)
終章
- 冥王斑は地球外の何者かが仕掛けた大掛りないたずらであると、フェオドール・ダッシュは華奈子とその他数人に伝えた(p.433)
- リエゾン・ドクター
・日本特定患者群連絡医師団のこと(p.437)
・最後の『連絡医師団』の部分を呼称に使っている。
・
冥王斑対策委員会の下部機関として日本政府が設立した(p.437)
・
リゾートCに住む日本人
冥王斑回復者の状況の把握や改善に努めることが役目(p.437)
・
華奈子と
圭吾も
リエゾン・ドクターとなる(p.437、446)
・
リゾートCの
冥王斑回復者が自分達のことを自称した(p.438)
・もともと『患者群』の意味がプラクティスだが、これに別の意味『救世群』をもたせた(p.438)
・IgPワクチンで世界を救う人の集まりであるため、救世群(p.438)
・評議会をつくり
千茅が元首となった(p.438)
タイムライン
日 付 |
で き ご と |
2015/03/16 |
華奈子が圭吾を呼び出す |
2015/03/17 |
プーロッソル島に到着 |
|
フェオドールと会う |
|
千茅を見つける |
|
WHO到着 |
|
米CDC到着 |
2015/03/18 |
千茅解熱 |
2015/03/19 |
フェオと会話 |
|
アクランド医師誤穿刺 |
2015/03/21 |
千茅覚醒 |
|
医師の日記発見 |
2015/夏 |
特定患者病棟に千茅を見舞う |
|
ニューへブンで臨時総会 |
|
ニューへブン声明発表 |
2015/秋 |
エクチコラ山でクトコトの死骸発見 |
|
ニハイ村焼却 |
|
弥彦感染、死亡 |
|
青葉来院 |
2016/春 |
秩父合宿所で花見 |
|
フェオドールデート |
|
京都大学霊長類研究所訪問 |
|
PPL開始 |
2016/夏 |
千茅嫉妬 |
2016/秋 |
世界冥王斑患者群連絡会議設立 |
|
千茅JPPL支部長 |
2017/01/ |
瀬戸口妊娠 |
2017/02/ |
瀬戸口流産 |
2017/春 |
東京アウトブレイク |
|
フェオドール合体 |
2017/05/ |
青葉暴露 |
2017/06/ |
千茅告別 |
|
告白 |
|
火事 |
|
脱走 |
2018/02/ |
JPPL、ココ島へ移動 |
2018/春 |
千茅保護 |
|
千茅、ココ島へ到着 |
|
クルメーロと出会う |
|
フェオドールオリジン死亡 |
オマージュ
あらさがし
コスタリカ共和国のココ島の位置
・コスタリカ本土から南東500キロのところにあると記載されている。(p.386)
・南東ではなく南西。
登場人物
日本
国立感染症研究所
国際協力機構
外務省
その他
- 星川未沙
- 檜沢英継
- 檜沢光穂
- 紀ノ川青葉
- 紀ノ川幹子
- 檜沢千茅
- ジョプ
- 三珠
- 瀬戸口
- 曽根
- 永渕
- クルメーロ
パラオ
カナダ
フィリピン
アメリカ疾病予防管理センター
インドネシア
地名
最終更新:2018年12月30日 07:38