I メニー・メニー・シープ

記念すべき第一巻。上巻と下巻の二冊に分かれる。



あらすじ

西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしている。
臨時総督府のユレイン三世は植民地全体に配電制限を強め、民衆の生活を圧迫していた。ついに議員エランカを筆頭に民衆が決起、臨時総督府を転覆させる。
アクリラユレイン三世より発電元である地下のシェパード号の指揮権を引き継ぎ全域に電気を行き渡らせたが、その瞬間に《咀嚼者》の大群が押し寄せてきた。


ストーリー

上巻

第一章 マーブル(石模様)の怪物

まとめ

セナーセー市で謎の伝染病が発生したと聞いた医師カドムは、現地に赴き治療と疫病の分析にあたる。彼が突き止めた感染源。それは、時を同じくして捕まえた、ヒトに似た褐色の怪物の体液であった。
拡散時代からセアキ家に伝わっていた冥王斑ウィルスの治療薬を使い、伝染病を治療するカドム
全員が敵意を持つ中、カドムただ一人はイサリと名乗るその怪物と心を通わせる。
そして、ある出来事をきっかけに住民たちのイサリへの敵意が和らいだため、アクリラの父キャスランの許しを得てイサリはアウレーリア邸で保護されることになった。
一方、代官から事情を聞き出したメラーズら臨時総督府の高官たちは、イサリを《咀嚼者》と呼び、彼女の捕縛を命じるのだった。

登場人物

  ・30歳手前の男性。
  ・黒い髪、黒い瞳
  ・顔は面長で黄色く東洋系。
  ・猫背。肥っていないが引き締まってもいない。
  ・両親の名はタキオとサリエ。コレラ禍で幼い頃に父を亡くした。
  ・首都で学び診療所を継いだ。
  ・《海の一統》宗家の跡取り息子。
  ・腕も腰も細くて肉付きが薄いが、痩せているというよりは引き締まっている。足は白くて長く、爪は形がよく桜色。
  ・頭部は小さくきれいな逆さの卵型。紗のようにきらめく金髪で腰までの長さ。
  ・瞳は深緑、長いまつげ。眉はすっきりと細い。銀のピアスをつけている。
  ・《海の一統》の一人
  ・アクリラと都市の誓い、部下であり友人でもある少年。カドムとも知り合い(p.18)
  ・《海の一統》の医師
  ・石像のロボット
  ・笠型の石を5,6個重ねたような、人の背丈を越えた塔のような姿
  ・丸石がいくつも連なった数珠のような形状の腕を持つ
  ・アクリラの父
  ・第七代キャプテン。
  ・銀髪を長く伸ばし、穏やかで女性的な物腰
  ・臨時総督首席補佐官を務める老人。
  ・美髯をたくわえた威厳ある風体
  ・若年の臨時総督を補佐し、植民地の行政を一手に取り仕切る権力者。摂政といったところか。
  ・軍事警察総監の女性。
  ・どうやら色気がものすごいらしい。
  ・第21代植民地臨時総督=領主(レクター)。
  ・先代からの指名により18歳にもならないうちに臨時総督に就任。
  ・線の細い顔立ち。神経質そうに見える。
  ・30代後半らしき士官。階級は大佐。
  ・引き締まった顔立ちをした胸板の厚い美男子
  ・目つきが険しく、動作はせかせかしている
  ・二足二腕の人間型。身の丈は2メートルを超えていて、カンガルーのような太くて長い尾がある。全身に金銀細工の装飾物をぶら下げており、体は白と褐色の混ざった渦巻き模様の甲冑を纏っているかのよう(p.50,54)
  ・硬い鱗と甲皮におおわれ、前腕には鈎がある。目は琥珀色(p.53)
  ・連珠状の鱗が髪のように腰まで伸びている。肩、腕、腹を金銀細工の装飾物が覆っている。(p.54)
  ・血中には冥王斑ウイルスが存在
  ・再生能力がある(p.64)

用語・情報

  ・常人より長命。
  ・陽気で勇敢で刹那的な船乗りたち。
  ・セナーセー市を築き、間断なくやってくる移民たちを治めている一族。
  ・戦士にして漁師である2000人。
  ・町の人々は軍警よりも《海の一統》を頼ることが多い。
  ・遥か昔に自らの肉体を改造した人たちの末裔。
  ・体内に多量の電気を溜め、その電気で二酸化炭素を分解するので酸素呼吸を必要としない。
  ・小型の電磁誘導砲、コイルガンを操る。
  ・メニー・メニー・シープの東端に位置(p.13)
  ・町と港を守るように長い半島があり、(p.18) 北の顎と呼ばれている。
  ・陸繋島であり、西側の砂州で本土と繋がっている。(p.18)
  ・セナーセー市を開いたのは270年前のオラニエ・アウレーリア艦長。(p.18)西暦2533年。
  ・人口は首都オリゲネスに次ぐ8万人。(p.18)
  ・漁業が盛んで、陸岸では林業もおこなわれている(p.18)
  ・中央には蒸散塔があり、ぽつぽつと風車もある(p.18)
  ・北の顎は南北にのびる細長い砂州(p.20)
  ・マルクト地区…カドムの生まれた地区(p.25) 町の中心に位置する(p.26)
  ・エシェカ地区…港に面しており、立て込んでいる。冥王斑が発生した地区(p.27)
  ・p.107
  ・町の一部を東から西へ順番に示すと、(p.13) セナーセーヨールホリンズヘッドオリゲネスニュークァールナガサキナガサキは植民地の西端。
  ・今年は開闢300周年(p.13)
  ・植民地の総人口は200万人(p.14)
  ・現領主は第21代のユレイン・クリューゲル三世(p.14)
  ・植民地が開かれたのは西暦2503年(p.15)
  ・ヨール市はセナーセー市の北にある(p.35)
  ・首都の地下に埋もれているかつての恒星間大型植民宇宙船。人類を惑星ハーブCへ運んできた。(p.15)
  ・シェパード号には巨大発電炉がある。(p.15)
  ・メニー・メニー・シープが位置する惑星。
  ・化石燃料が存在せず、金属資源も少ない(p.15)
  ・《海の一統》宗主の跡取りに対する公式な敬称
  ・チョッサーは略称で、正式にはチーフ・オフィサー
  ・内耳の蝸牛が激しい炎症を起こす病気
  ・平衡感覚を失い、わずかな振動でも痛みと感じる
  ・羊飼い、あるいは羊のそばで半年以上暮らした人間がかかる…羊の「電波」を受けるから
  ・領主の所有する多目的ロボット。
  ・背丈は一軒の軒を越えるほど。
  ・角ばっていて色は白い。
  ・両肩に工作アタッチメントをずらりと背負っている。
  ・セナーセーから北西に40キロ離れている。
  ・北の海と南の広大な畑地に挟まれており、温暖で繁華。
  ・町の中央を流れるストリング川沿いに発展している。
  ・人口は40万人。
  ・地理的に諸都市のほぼ中央に位置している
  ・海を背にして岩山があり、周りには何重もの囲郭がある。
  ・一番内側の囲郭には岩山と同じ高さの塔があり最上階は展望台のようなものがある。
  ・囲郭内部がフォートピークであり、植民地臨時総督府。
  ・正式名称は植民地臨時総督
  ・世襲に近い形で継代指名されてきた
  ・シェパード号の維持管理を名目とした地位
  ・シェパード号の発電炉を掌握している。ユレイン三世は近頃、各都市への配電を制限し始めた。
  ・気象制御も行っている
  ・行政府である臨時総督府、治安維持機関である軍事警察を設立
  ・
  ・領主の地方代理人
  ・現在セナーセーの代官を務めるのはナウム・ブロトー
  ・人類が恒星間宇宙船を建造していた時代。すなわち、かつて人類が高度な技術を有していた時代という意味合いの言葉である。
  ・人類の恒星間航行は継続しているが、メニー・メニー・シープはそこから脱落している。
  ・植民地では高度な技術の多くは失われており、レントゲン装置程度の機械までしか自作できない。
  ・イサリの血と体液が感染源
  ・患者は体をピンと伸ばし、何かを抱えるように腕を上へ伸ばした奇妙な姿勢をとる。また、顔の上半分には手形のような斑紋が発生する。完治すると斑紋は消える。

謎・伏線・リンク

  • カドムの言う「羊の電波」とは?(p.24)
  • 冥王斑根治療薬の入っていた筒の材質がフェオドールと同じ(p.42)
  • 「ダダーめ!」
  ・驚きの間投詞(p.238)。作中、事あるごとに様々な人々が口にする。
  • 「この植民地ではなぜか時々、こういう古い病気がポンと戻ってくるのよねえ」(p.36)
  ・免疫機構の機能低下を防ぐため、意図的に病原体を撒いている?
  • 当初イサリが怪我をしていた理由。
     ・Ⅷ『ジャイアント・アーク』PART1で明かされた。イサリは、≪[[救世群]]≫の本拠地から植民地に辿り着くまでに[[咀嚼者]]との激闘を経ていたのだった。
  • メラーズイサリ咀嚼者(フェロシアン)と呼ぶ。周りの人間(ライサ・ユレイン)も聞き返さない。この呼称は一体…?(p.68)
  ・
  ・なぜドロテアは「憎まれ」ているのか。(「憎まれし」は「ドロテア」もしくは「ドロテアの乗組員」ではなく、「末裔たち」に係っている、つまり単なる《海の一統(アンチョークス)》への罵倒という可能性もなくはないが、「憎まれ『し』」は過去の助動詞を含むので、やはり過去の存在としてのドロテアを指すと考えるのが妥当だろう)


第二章 警邏艦の襲撃

まとめ

イサリの気分転換のために向かった草原でカドムは羊飼い達に出会う。羊飼いのポントイサリのことをプラクティスと呼ぶ。
古い記録によるとイサリ咀嚼者(フェロシアン)と呼ばれる生き物であった。《咀嚼者》を捕縛するために臨時総督府は警邏艦隊をセナーセーに向かわせる。
警邏艦隊には原生生物である石工(メイスン)を載せており、石工ダダーとの契約の元、臨時政府に奉仕していた。
常日頃からユレイン三世を快く思わない市民が抵抗する中、イサリは自ら艦隊のもとへ赴く。イサリを捕縛した警邏艦隊は、首都オリゲネスに引き返していった。

キャスランは臨時政府の苛政に対抗するため、禁足境界を破って前人未到の新天地を調査する計画を10年間前から暖めていた。
息子アクリラ率いる調査隊にカドムを誘うキャスランだが、他にやることがあると断るカドム。それはユレイン三世の野望を暴くカンブレン医師に協力することであった。ユレインはシェパード号を復活させ、植民地を放棄して宇宙へ逃れようとしているというのである。
日増しに厳しさを増すユレイン三世の配電制限。民衆の生活は限界に達しつつある。

登場人物

  ・南アジアの列島地帯に栄えていた古い民族の血を引く女
  ・なめらかで潤んだような波打つ黒髪とココア色のきめ細かい肌
  ・まだ若い
  ・首都の大学で地球史を修め、臨時総督府編纂曲で一時働いたのち、政治家の道を選んだ
  ・植民地議会サンドラ派に属する議員であり、初当選から2年を経ている
  ・正義感が強く、議員同士の馴れ合いに嫌気がさしている
  ・植民地議会議長。エランカの伯父。
  ・柔和な目をした大きな体の男。
  ・面倒見の良い善良な人物で、人望もある。
  ・フロックコートを万年一張羅にしている
  ・冒頭でカドムに牧羊炎を治療してもらって以降、カドムのシンパになった。
  ・年代物のロボットメイド
  ・カチューシャとお仕着せの黒いエプロンドレス姿で、一応は女性的
  ・言葉や仕草はぎこちなく、顔面は卵のようなのっぺらぼう
  ・腕は5本出せる

用語・情報

  ・背丈は2メートル半ある
  • ハーブC入植
  ・シェパード号が到着したのは26世紀になって数年以内で、投薬冬眠技術と365段の核融合ブースターを用いて50年以上かけてハーブにやってきた(p.80)
  ・ハーブは恒星Har-βから。ハーブ星系の第三惑星なのでハーブC(p.81)
  ・当初の計画では、植民地は地球と同等の文明水準に達し、銀河系に存在する数多くの植民星からなる惑星連合に加盟するはずだった。
  ・シェパード号は分解して地表に下ろす予定だったが、事故のため分解されないまま大気圏に突入し、首都の丘にめり込んだ(p.81)
  ・事故の詳細は不明。コンピューターの暴走、知能化動物の反乱、宇宙生物の攻撃、内紛、等の説がある(p.81)
  ・事故により多くの人間が死に、貴重なハードウェアとソフトウェアが失われた(p.81)
  ・事故の後に残った人間は二万人(p.82)
  ・シェパード号が墜落したため、フォートピークには巨大なV字谷がある(p.81)
  • 移民初期
  ・無名の女性サンドラ・クロッソが政治家として頭角を現し、和解を促進、初期政府を樹立する。
  ・初期政府の主要メンバーは、政治家のサンドラ・クロッソ、政治家のハン、宇宙士官のアウレーリア、建築家のラゴス、医師のセアキダダー。(p.82)
  ・墜落時に統制機構が損傷したため、ロボットは甲板長(ボースン)だけに忠誠をしめした(p.82)
  ・甲板長(ボースン)のユレインにロボットを指揮させた(p.83)
  ・ハーブCには4種の致死的微生物が見つかったため、全員が肉体改造をした(p.83)
  ・シェパード号の最大出力は5200万キロワット(p.83) (ちなみに国内最大は、新潟県中越沖地震前の柏崎刈羽発電所の821万キロワット。)
  ・地球より紫外線が強いため、水蒸気を放つ蒸散塔を立てた(p.83)
  ・初代甲板長(ボースン)は十数年後に死亡した(p.83) サンドラ・クロッソも死んだ
  ・石工(メイスン)として知られる原住知的生物が見つかり、友好の契約が結ばれた(p.83)
  ・惑星連合との通信が回復するころ、甲板長が独自の動きを開始
  • 臨時総督府までの説明
  ・4代目甲板長ダーナと議員オラニエ・アウレーリアが争い、ダーナが勝利。(p.84)
  ・オラニエシェパード号に乗る前は宇宙戦艦の艦長を務めていた。(p.84)
  ・裏切り者が出たためオラニエ]]は破れ、首都を去り[[セナーセーを築く(p.84)
  ・このころに有力地方都市がいくつか築かれた(p.84)
  ・ダーナは恒星間通信を再開し惑星連合から臨時総督就任の許可をもらった(p.84)
  ・再編集事業を開始し、歴史を再編し地理や博物の知識を独占した(p.85)
  ・ダーナメニー・メニー・シープの周囲の海と陸に長い禁足領界を設け先導工兵を配備して封鎖した(p.85)
  ・これはシェパード号到着30年後のこと。現在は11の都市と多くの村がある(p.85)
  ・高さ数千メートル、基部の太さが10メートル。一定間隔で植民地中にある(p.91)
  ・古代ギリシャの柱のような意匠。
  • 羊飼い
  ・羊に関する産業を一手に握っているが、これは植民地議会から与えられた正式な権利(p.94
  ・定住しないため一般市民との交流は希薄
  ・サンディバラポントイサリを、古い《プラクティス》、と呼ぶ(p.96)
  ・《プラクティス》とは、「大きな体、琥珀の瞳、鋭い腕、絡む血をもつ」者で、羊飼いの間で危険な存在として言い伝えられてきた(p.97)
  • 航空警邏艦
  ・紡錘形の船体
  ・前方に複眼のような防弾窓
  ・背面には球形の真空嚢がびっしりと並ぶ。これで浮力を発生させている
  ・電力供給量の削減。(配電制限)
  ・各種資源、原料、製品の生産と売買を禁止。輸送路を封鎖して取引制限を行なっている。
  ・窒素の強制買い上げと窒素製造機の徴発。(窒素統制)
  ・植民地の外縁に禁則協会を設け、脱走を禁じている。
  • 石工(メイスン)(p.108)
  ・真珠色の甲皮におおわれた小柄な生き物
  ・二足歩行をしているが猫背気味の体は人間の胸くらいまでの高さ
  ・背中には退化した羽を思わせる小さな鞘翅をたらしている
  ・足は猫足で、浮いたかかとから長いつま先が伸びている。
  ・足と剛毛に覆われた細く短い尾の三点で体を支えて直立している
  ・昔からハーブCに住んでいる
  ・録音を早回ししたような甲高い声。もともと発声器官がない
  ・流線型に突き出した鼻づらに青い燐光をたたえる硬質の双眼がある。目は複眼
  ・なめらかな鼻梁から頭の後ろに向かって三本の角が伸びている。右顳角、左顳角、後頂角。
  ・匂いや肌擦れの音で形成される共意識をもつ
  ・高圧のモルヒネ水溶液を発射する銃。石工の主兵装。被弾した人間はモルヒネの過剰摂取で人事不省に陥る。
  ・東西およそ70キロメートル、南北およそ40キロメートル。
  ・沖に出れるのは沖合い20キロメートルまで。その場合のトータル面積は5千平方キロメートル。
  ・ハーブCの表面積は5億平方キロメートル。ハーブCは地球とほぼ同じ直径
  ・《海の一統》の今はなき持ち船。拡散時代の宇宙戦艦
  ・いにしえのサー・アダムスドロテアを捕まえた(p.144)
  ・ドロテアとは宇宙戦艦で拡散時代の初代アウレーリア家が所持していた(p.14)
  ・アウレーリア邸のタペストリーにドロテアが巨大な涙滴型の船として描かれている。(p.130、145)
  ・並外れたパワーを備え、犯罪者や不法勢力を追い詰めて砕いたため、クランチドロテア(破砕のドロテア)と呼ばれていた(p.145)
  ・全てドロテアの乗組員の子孫(p.145)
  ・酸素いらずの体質と、未知と冒険を求める気性を、遺伝として受け継いでいる。
  ・混血が進んだためセナーセー市民は誰でも《海の一統》の血をもつ(p.145)
  ・全長20メートルもない。
  ・マストが二本、甲板中央と前方にある。

謎・伏線・リンク

  ・羊を殺した時は咀嚼者化しており我を忘れていた(8巻PART1 p.105)
  • 「イサリは殺した羊の足から電線を取り除いて」(p.91)とあるが、羊に電線が入っているとはどういうことか?
  • ゴフリが登場、イサリに助けられる(p.95~)
  • どこからきたかと聞かれたイサリは上と下を示した(p.103)
  ・「上」は太陽系宇宙、「下」は南極ハニカムを表す。両方指差したのは途中で思い直したから。(8巻PART1 p.112)


第三章 恋人たち

まとめ
臨時総督府高官たちの立ち会いのもと、イサリの検分式が執り行われる。ヒステリックに処刑を命じるユレイン。彼はとてつもなく大きな秘密を抱えているようだが…

軍警に酷使されるクレヴたち石工は、イサリの検分式での失態から懲罰を受けていた。そんな中、フレシェットガンを暴発させたコービーが、監督役からの虐待により命を落としてしまう。耐え忍ぶ石工たちの中に、自分でも理解できない衝動が渦巻き始めていた。

一方、叔父の勧めで植民地議会の議員となったエランカは、腐敗した政治を目の当たりにして義憤を募らせていた。そんなエランカのもとに、羊飼いからの嘆願が届く。議員の本分を果たそうと奔走する彼女だったが、とある事件に見舞われ、《恋人たち》(ラバーズ)という謎めいた一派の存在を知る。

その頃、エランカの仲介によりカドムは領主への謁見を果たしていた。シェパード号復活計画について聞き出そうとするカドムだったが、領主がイサリの処刑を命じたことを知って呆然とし、貴重な機会を棒にふってしまう。

カーリンドン地区を訪れ《恋人たち》のもとへ辿りついたエランカ。雄閣に招かれ採石作業についてラゴスと意見を交わすが、春をひさぐという《恋人たち》の生業を知り、嫌悪感もあらわにその場を立ち去った。

一方、首都オリゲネスに来ていたカドムは、街角のカフェでノルルスカインという怪しい人物に出会う。

登場人物

  ・眉間が狭く、痩せている
  ・髪は蜂蜜色
  ・ユレインが美貌に目をつけて城下から召し出した娘達
  ・カランドラは年上、メーヌは小柄

  ・伯父のノヴォストロイゲに利用されて当選した経緯から、政治の腐敗に問題意識を持つ
  ・ヨール市の外科医。名のある医師。
  ・
  ・《恋人たち》の一人。外見的には、十五、六くらいの見た目の可憐な少女。
  ・美しい紺色の髪
  ・《恋人たち》の少年。年齢は150歳くらい。
  ・荒削りの彫像のような精悍な顔立ちの男
  ・背が高く肩幅が広い
  ・かすかに動物性の香料の匂いがする
  ・低音の心地よい声
  ・濃い青の瞳
  ・無造作に縛った荒縄のような後ろ髪
  ・雄閤はラゴスの作品 。フォートピークや議会議事堂も同様。
  ・何度かボディを替えている(p.240)
  ・義務感以外で性行為を行ったことは過去数度しかない。機械のラゴスには、絶頂の快感も子を為す喜びもない(p.240)
  ・茶色の巻き毛でちょっと洒落者めいた若い男という見た目(p.235)
  ・ウールの長袖セーターを着ている
  ・ダダーシェパード号を墜落させた張本人だとも、シェパード号の人々を守ったとも言われる、人物あるいは機械だと言った(p.238)
  ・イサリがまだ殺されていないことを知っていたし、それをカドムが知りたがっていることも把握していた(p.239)
  ・皮膚は硬い金属の感触(p.239)
  ・コーヒーを飲んだことがなく、記録でしか知らない(p.234)
  ・ユレイン三世のことを領主と呼ぶ(p.235)
  ・ハーブCのことを惑星連合管理下の民主自治惑星と呼ぶ(p.235)
  ・顔と体が大きな男と、陰気そうな小男(p.236)

用語・情報

  ・植民地の銃器の中で最も強力。長さ120cmの鋼杭を射出する
  ・空気圧縮式
  • フォートピークにはシェパード号に続く縦坑がある。差し渡しは100m を超え、超大容量の送電線が通っている
  • シェパード号を実際に目にした人間は絶えて久しい
  • 咀嚼者》はシェパード号の到着以来、十数回出現したという記録がある(p.162)
  • ボースンは領内監視に航空機を使っている(p.174)
  • 石工
  ・体液のにおいは共意識を強烈に喚起する
  ・顳角には神経が集中している。人間で言えば眼球や性器のようなものであり、要は急所。(p.177)
  • 植民地議会について
  ・議員数は106人(p.180)
  ・議員選挙は、選挙区制と支持層制でおこなわれる。(p.180)
  ・エランカサンディバラ地区の選挙区制で立候補し当選した(p.180)
  ・現在の議長はノヴォストロイゲ、エランカの伯父(p.181)
  • 首都郊外
  ・サンディバラの隣にミッドゥンバラという山地の地域があり、ここでは領主のロボットが石を切り出している(p.190)
  ・サンディバラにもミッドゥンバラにも村長がいる(p.190)
  ・サンディバラは豊かな牧草地(p.191)
  ・ミッドゥンバラの採石を管理しているのは臨時総督府の資源庁(p.192)
  ・現在カーリンドン地区に住むアンドロイドの一派
  ・芸術家の一面を持っている
  ・回路的制限により人間に危害を加えることはできない
  ・正式な植民メンバーの一員としてシェパード号に乗ってきた(p.199)
  ・ボディーが老朽化したら新しいボディーを作って記憶を移す(p.199)
  ・数を増やしたいときにはコピーを作る(p.199)
  ・本来の呼称は《娼婦たち》(プロスティテュート)
  ・《恋人たち》は300人以上いる(p.222)
  ・ストリング川の西側にある(p.206)
  ・オリゲネスはストリング川の東にある。
  ・オリゲネスから架線式の路面電車が通っている(p.206)
  ・雄閤は中世の城のような建物。斜長岩と橄欖岩で造られている(p.208)
  ・雄閤はストリング川の中洲にある(p.209)
  ・雄閤はストリング川がクランク曲がりになったところにあり、川上からも川下からも見えない(p.219)
  ・雄閤に囲まれた中に雌宮がある
  ・雌宮は大きな丸いドーム。バラ輝石の薄桃色。
  • ハーブCと、地球や他の植民星との間は10光年以上離れている(p.236)

謎・伏線・リンク



第四章 衝突

まとめ
ベンクトとの交流を通して、《恋人たち》への理解を改めていくエランカ
領主による配電制限はいっそう厳しくなっていき、ついに特権的配電先であった《恋人たち》の住むカーリンドンでも制限する法案が議会で可決される。唯一の反対票はエランカのものであった。
恋人たち》を掃討すべくザリーチェ将軍率いる軍事警察がカーリンドン地区を襲う。反発する《恋人たち》との間で遂に戦闘が始まった。
戦いの過程で石工の一部隊を捕虜にしたベンクトは、部隊長のクレヴと出会う。リリーという新しい名前をくれたベンクトら《恋人たち》のことをもっと理解したくなるクレヴ
臨時総督府は警邏艦隊をカーリンドン地区に差し向ける。《恋人たち》の誰一人行えなかった殺人という行為をやってのけるベンクトだが、相打ちになってしまう。クレヴは残った政府軍を助け出すが、ベンクトの決死の行為は胸に残る。
戦いの中、エランカは《恋人たち》の長ラゴスと心を通わせる。


登場人物




謎・伏線・リンク


  ・首都と11の自治区がある(p.244)
  ・人口は約200万
  ・喫煙者(p.248)
  ・電気と少量のレアメタルで生きている
  ・仕事をせずにはいられないよう設計されている
  ・ベレー帽にダッフルコート姿
  ・ヴァイオリン奏者で、作曲もする
  ・天文画家
  ・機械医師(p.258)
  ・前腕鈎がある(p.267)
  ・体脂肪をほとんど蓄えない体質。身軽に行動できる代償として一日5回食事が必要(p.275)
  ・フォートピークの地下にある湧き出でる座から十数体ずつ生まれ、高齢のメイスンに育てられる(p.277)
  ・成長するとダダーに忠誠を誓い、小隊を組む(p.277)
  ・獰猛なものから守ってもらう代わりにこの世界を守るという契約をダダーと結んでいる(p.277)
  • 植民地の技術では個人携帯用の無線機を作れない(p.268)
  • 雄閤には工房と充電室がある(p.291)
  • ベンクトラゴスの部分コピー(p.292)


第五章 昏き過去より

まとめ
アクリラ率いる調査隊はセナーセー沖30キロメートルのところに未知の土地を発見する。接岸して調査を始めるアクリラ
内陸部には巨大な地溝帯がありレジョネイアが作業をしていた。地下に続く横穴を発見し調査を進める。
横穴には見たことも無いロボットが徘徊しており、さらに進むと広大な空間に出た。そこでも見たことの無いロボットが作業をしている。
ロボットから逃げる一行は落とし穴に落ちてしまう。400キロメートル滑落した先でアクリラが見たものは、古のドロテアの姿であった。

登場人物





謎・伏線・リンク


  • 未知の土地につくまで
  ・セナーセーの南東沖合い30キロのところに陸地がある(p.314)
  ・セナーセーと陸地の間は常に濃い霧が発生する(p.310)
  ・セナーセーと陸地の間はには常に風が吹いている。風向きは毎日時計回りに45度ずつ変わる(p.310)
  • 未知の土地に上陸
  ・陸地の海岸から3キロほど内陸に大規模な地溝がある(p.317)
  ・地溝は南北に伸び、幅は1キロメートル以上(p.317)
  ・東側の岸の上には、地溝に沿って壁が連なっている。(p.317)
  ・壁の高さは、地溝の底から200メートルほど(p.317)
  ・地溝の底の東側にレジョネイヤが数百体いて作業をしている。(p.317)
  ・レジョネイアは人間の二十倍近い大きさ(p.317)
  ・地溝の底には低く広大な平屋があり、レジョネイアが出入りしている(p.317)
  ・地溝の東側の立ち上がり部分に横穴があり、地溝に沿っていくつも並んでいる(p.321)
  • 横穴から地下
  ・横穴の10メートル程奥は、大きなファンで塞がれている。ファンは奥から手前に風を送っている(p.323)
  ・横穴には見たことのないロボットがいる(p.326)
  ・ロボットは7脚装輪の小型なロボット。(p.326)
  ・ロボットはセラミック製の長柄の槍を武器にもつ(p.326)
  ・《海の一統》が知らないタイプのロボット。ネジの規格や武器の威力から、人間が対人用に設計したと思われる(p.326)  ・地下には広い空間があり、柱が幾何学的に立ち並んでいる。(p.327)
  ・空間にはオレンジ色の微光が満ちている(p.327)
  ・柱の高さは二階建ての家ほどで、上端は天井を支えている。太さは大人三人がかりで抱えられるほど(p.327)
  ・柱は薄い石版を積み重ねた構造をしている(p.329)
  ・頑丈そうな骨格を持つ甲虫のようなロボットが柱の根元に無数に取り付いている(p.330)
  ・ロボットは柱の石版を一枚ずつ引き抜いている。一枚引き抜くのに何十時間もかかりそうなスピード(p.331)
  ・空間の東の壁に横穴があいている(p.333)
  ・横穴は卵型断面で、高さは二メートル(p.333)
  • 落とし穴から最下層
  ・横穴の先には落とし穴があり砂で隠されている(p.334)
  ・落とし穴の斜度は70度で下に400キロメートルほど続いている(p.336、340)
  ・落とし穴の底には広大な空間が広がっている(p.339)
  ・落ちてきた砂が円錐形の山を作っている(p.339)
  ・光源があり赤い光が灯っている(p.339)
  ・泥の沼地がある(p.340)
  ・沼地は蒸気を上げて沸き立つ地獄の釜のようである(p.340)
  ・沼の中央には紡錘形の巨大なものが居座っている(p.340)
  ・巨大なものにはパイプ類ががっしりと絡み付いている(p.340)
  ・アクリラとカヨは巨大なものを見てドロテアと言った(p.340)


下巻

第六章 欠けゆく夏

まとめ
セナーセー湾の南の顎に打ち上げられているアクリラが発見され救助される。調査の結果を報告するアクリラ
キャスランハーブCの秘密の調査をアクリラに指示する。そしてキャスランは臨時総督府に対してユレインの辞任と民選元首の選任を求める公式声明を発表した。
一方、カドム]ら仲間と共に臨時総督府に対して公会質問状を提出するカンブレン。しかしカドムを含め仲間はほぼ全員、臨時総督府に逮捕されてしまう。
ラバーズとともに事態を見守るエランカは、自ら議員として行動することを決意する。そんなエランカに、羊飼いを見方にするようにアドバイスするオーロラ

登場人物





謎・伏線・リンク


  ・それぞれに5万から8万の人口。人口の多い順に、
   セナーセー
   ニュークァール
   サッサン
   ポルト・ヌォボ
   ヨール
   ニジニーマルゲリスク
   ヨンニンチャン
   ナガサキ
   ホリンズヘッド
   トゥイトンガ
   ※また、ファウンドランドという街もあったが、領主の取引制限により消滅した(p.139)
  • 人類の植民の説明(p.13)
  ・人類は三百年前までに17の系外星系へと手を伸ばした。(p.13)
  ・シェパード号は18回目の移民。(p.13)
  ・西暦2503年、シェパード号ハーブCに到着した(p.13)
  ・他の星は相互に交流しているがハーブCだけは孤立している(p.14)
  ・移民から数百年を経て人類圏は加速度的に広がり星星の交流の網が銀河系を覆うようになった(p.15)
  ・復元書によればシェパード号の航行は50年(p.16)
  ・亜光速船で船内時間は1/10(p.17)
  • レクターシェパード号を復元させると、同時に指揮権の譲渡が可能にもなってしまう(p.36)
  • カンブレン医師はノルルスカインを知っている(p.39)
  • 「俺たちは罠だ。人間を惑わせ、たらしこみ、多くの大事なことを忘れさせるために作られた罠だ。甘い蜜をたたえる沼だ」下巻P.54
  ・『IV 機械じかけの子息たち』で語られた《恋人たち》の製造理由と異なっているが、おそらくはラゴスの自虐。


第七章 混迷と彷徨

例年通り年次訓令受命式を執り行うユレイン。そしてキャスランら《海の一統》の逮捕とセナーセー市の武力制圧を指示する。
四席の警邏艦隊がセナーセーに向かう。手を尽くして対抗するキャスランだが劣勢を強いられる。市民を逃がしつつ降服を決意した。
逮捕されたカドムイサリ<イサリ・ヤヒロに助けられ、非難したサンディバラエランカに出会う。
降服したキャスランを臨時政府が処刑したとアクリラに伝えるラゴスキャスランに代わって第8代アウレーリア家キャプテンとなったアクリラに協力を誓うラゴス

登場人物







謎・伏線・リンク


  • 年次訓令受命式(p.91)
  ・今年は西暦2803年
  ・惑星連合という組織がある
  ・大統領制でこの時の大統領はW・D・ファインボウ
  ・安全保障会議という会議体、植民地統治評価委員会という会議体がある
  • 超光速恒星間通信設備について(p.92)
  ・首都オリゲネスフォートピークにある一号蒸散塔には超光速恒星間通信設備がある
  ・第四代甲板長ダーナが故障した超高速恒星間通信設備を修理し、一号蒸散塔の内部に長大なアンテナを設置した
  • 石工の顔は黄色い(p.98)
  • 沸き出でる座
  ・くぼ地になっていて黒っぽい砂が敷き詰めてある(p.99)
  ・石工の子供が湧くときはサイレンのような音がする(p.99)
  ・フォートピークの地下にある(p.101)
  ・石工は《咀嚼者》の元下僕(p.103)
  ・自分のことを《咀嚼者》(フェロシアン)と呼ぶ(p.103)
  ・イサリの体は人間のように柔らかくも細くも無い(p.104)
  ・体の輪郭はキチン質の甲皮と皮状の結締組織で織り成されており、宇宙服を着た人間やロボットに似ている(p.104)
  ・甲殻類の仲間とも見える(p.104)
  ・本名はそれぞれ、アッシュルデン・ブンガーホルコワルツェン・ヨーゼンハイム(p.157)
  ・二人はキャスランのことをキャプテンと呼ぶ(p.157)
  ・ニジニーマルゲリスクの使者と一緒にセナーセーにきた(p.157)
  ・二人の身元は首都のさる学者に保障されている(p.157)
  ・二人の所属は星連軍戦略艦隊第三先遣艦群の亜光速投射艦ゲイハ(鯨波)(p.157)
  ・二人は地球から来た(p.158)
  ・地球からはSRボートハーブCに追いついた(p.158)
  ・蒸散塔の中を下りて地表に辿りついた(p.158)
  ・その後はあちこち見て回った(p.158)
  ・植民地から地球へ救助要請をだして欲しいとキャスランに求めた(p.159)


第八章 臨界の一撃

まとめ
艦長アクリラの推薦を受け、革命政府初代首班に立候補するエランカ

登場人物




謎・伏線・リンク




第九章 史乗の底より

まとめ
エランカの宣言をラジオで聞いたオリゲネスの市民はこぞって反政府デモを実行するが、臨時総督府はメイスンの部隊で武力鎮圧を始めた。
石工の部隊を連れてカーリンドン地区を襲うザリーチェ。リリーの覚醒も手伝い、ついにザリーチェは倒れる。
フォートピークに潜入するカドムアクリラは、ついに領主を追い詰める。領主に指揮権を返上させ、配電制限を撤廃するアクリラ
すると空が真っ暗になり《咀嚼者》の大群が現れる。《咀嚼者》との戦いで竪穴に落下するアクリラ
カドムもまた、ミヒルと呼ばれる《咀嚼者》の手にかかってしまう。
騒ぎが収まり廃墟と化したフォートピークを訪れるエランカ。だが会いにきたラゴスはおらず、「俺たちは《咀嚼者》に勝てない」というメッセージだけが残っていた。

登場人物






謎・伏線・リンク


  ・ユレインは敵を食い止めるために配電制限をかけていた(p.316)
  ・ユレインは敵の斥候を倒してきた(p.317)
  ・人間が地下に手を出すと敵はかぎつける(p.317)
  ・敵は坑道を掘っており、ミッドゥンバラはその坑道に近い(p.317)
  ・東の陸地には敵はいない(p.318)
  ・敵は竪穴からあらわれ翼を持っている
  ・敵は地面に降りると飛び上がれない(p.342)
  ・蒸散塔や天蓋板の用途をダダーユレインに教えていなかった(p.318)
  ・蒸散塔蒸散塔でない。通信機と同じだ(p.318)
  ・実は超光速通信は存在しない(p.319)
  ・毎年執り行っていた年次訓練はダダーのでっち上げ(p.319)
  • 天蓋板が止まると、暗闇が訪れた(p.320)
  • ラバーズは古い記憶の細部を切り捨てる(p.343)
  • スキットルの記憶はラゴスの記憶の部分コピー(p.343)
  • ラゴスの回顧
  ・ダダーは、ラバーズとカルミアンの間に割り込んできた(p.343)
  ・そのときに何かの手違いがあり、危険で邪悪な存在である《咀嚼者》が生まれた(p.343)
  ・時が流れラバーズは人間とハーブCにたどり着いたが、《咀嚼者》は姿を消した(p.344)
  ・ダダー領主を使って《咀嚼者》の目をくらませていた(p.344)

一巻のためのあとがき

「小川さん、次の話、できること全部やっちゃってください」
「あ、はい」
「十巻くらいで」
「おお、すごいですね」
 ひとごとか俺。

読み終えたらひとまず、ひとまず「ちょ、おいィ!?」と叫ぼう。どうやら、これはそういう本らしいのだ。

オマージュ



あらさがし

  • 第1章の冥王斑がエシュカ地区に蔓延する場面で、冥王斑患者の発する性的誘引物質に関連する描写がない。また、空気感染しないともされており、乾燥した涙から空気感染するとされる2巻の設定と矛盾する。
 →ウイルスの弱毒化の影響と思われるが、誘引物質などの設定自体が2章時点で追加・変更された可能性も否定できない。
[追記]8巻2章でイサリがウイルスの弱毒化を示唆している描写がある。



登場人物

セナーセー


《海の一統》


臨時総督府

植民地議会

軍事警察

《石工》

  • クレヴ/リリー
  • コービー
  • メメー
  • レト
  • ナジカ
  • ヨギ
  • ラド

市民

《恋人たち》

  • ラゴス
  • ベンクト
  • オーロラ
  • スキットル
  • レノア
  • ゲルトールト
  • マユキ
  • ジョセ
  • ヤコブ
  • 《早耳アニー》

羊飼い

  • ポント
  • ヨログ
  • ナキアナ
  • ゴフリ
  • タグラ

その他


地名




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最終更新:2024年07月23日 13:00
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