彼女たちの誰もが愚者を演じるフォーティスリー ◆John.ZZqWo



昇ってくる陽に影は私の足元からぐんぐんと伸びて、槍のように細長いその先でひとりの少女がうずくまっている。
あの時とはなにもかもが逆の場面。

あの時は暗く、冷たい雨が私たちの身体を濡らし続けていて、そこにあったのは自暴自棄で醜く淀んだ激情だった。
今は空も明るく雨は通り過ぎ、爽やかと言っていいくらいの朝なのだけれど、その光景は白けていて。
なにより私と彼女の立ち位置が逆だった。

あの時は私――小日向美穂が屋上の端にいて、ここでこうして立っているのは彼女――高森藍子だった。
その強さと、文字通りに身を投げ打って私を暗黒から救ってくれた藍子ちゃんが今、絶望に足を絡め取られている。
藍子ちゃんは親友である夕美ちゃんの声を聞き、彼女が溜め込んでいたものをすべてぶつけられて、それを受け止めきって、
その重さに今ああして膝を折ってうずくまっている。
両腕に抱えるそれは決して嫌なものなはずじゃないのに。二人はやっぱり親友だったと確信できるきらきらしたもののはずなのに。
それが、“すべて”だったから。
それが最後だとはっきりとわかる、そう……まるで遺言のような、絶望的な別れの言葉だったから。

絶望が、望みを絶たれるということならば、やっぱりあの交わした言葉は絶望なんだ。
それは諦めであり、決着で、清算で、後にやり残しがないようにという正真正銘に最後の、終わりの、お別れの言葉だったのだから。

藍子ちゃんは青空を見上げることもなくうつむき、じっと耐えるようにもうずっと動かない。
この間にも夕美ちゃんは死のうとしているかもしれないのに。もしかしなくても次の放送で彼女の名前が呼ばれるかもしれないのに。
私と藍子ちゃんの立場が逆だったら、きっと藍子ちゃんはなんとかしようと一生懸命になるはずなのに。あの時みたく。

なのにじっとしていることしかできないのはそれは彼女が、高森藍子という“アイドル”だから。

“アイドル”という強さをまとっているからこそ自分自身を救えないだなんて。
私には藍子ちゃんをどう救ってあげればいいのかわからない。そばにいるだけで励ましの言葉も見つけることができない。
あの時はあんなに慈しみに満ちていた藍子ちゃん。人のためなら身を焦がしてもいとわない藍子ちゃん。
彼女からその“強さ”を奪う方法が私にはわからない。

私がそれを奪っていいのか、それもわからない。


 @


『歌いだし、いつもワンテンポ遅れてる。意識して早くしてごらん。フライングしたほうがまだ歌いやすいからさ』


『最初から声乗せていくの難しい? じゃあ、意識して練習してみようか』


『胸張って。歌は姿勢。ひまわりのように身体をまっすぐするんだよ』


『もらった蜂蜜があるからさ、藍子ちゃんにもあげる。あっ、美羽ちゃんと友紀ちゃんには内緒でね』


『ねー、鍋したいからさ、今晩は私の部屋にこない? え、だって、ひとりでつつくのは鍋じゃないっぽくない?』


『そんなのスタッフさんに言って調整してもらえばいいんだよ。私が呼んできてあげる』


『ここ、小さな植物園あるよ。本番まで時間あるし見に行ってみよう』


『勉強? うーん……まぁ、一応、つきあうことぐらいはできるかな』


『まだ緊張する? 大丈夫だよ。ステージを見てくれてる人はみんな私たちの味方なんだから』


『ホテルの部屋割りは、私と藍子ちゃんでいいよね?』


『忘れたの? 大丈夫、私が余分に持ってきてるから』


『だめ、今は寝てて。プロデューサーさんには私から話つけとくから』


『それ気に入った? じゃあ小さな鉢植えにしてあげる。藍子ちゃんの部屋にも置いてあげて』


『今日のお弁当あんまりだねー。後でどこか寄ろうか?』


『いいってば、任せてくれて。これでも藍子ちゃんからはおねーさんなんだから』


『たまにはそういうところで怒らないと』


『これ、よかったらもらってくれない? 初めて花を咲かせることに成功したんだ』


『うん、いいよ』


『ありがとう』


『……だから、親友なんでしょ? 私たちは』






いつも、いつも、夕美ちゃんは私に優しかった。
なんでもできる、なんでも教えてくれる、いつでも助けてくれる、励ましてくれる、手を取ってくれる、姉のような存在で。
目を閉じれば、楽しかった思い出が、苦しくとも今はよかったと思える思い出が、次々と、鮮明に浮かんできた。

夕美ちゃんはいつもいつも、どんな時でも私に笑みを向けてくれた。
私が失敗した時、落ち込んだ時、何度でも助けてくれた。
私が成功した時、嬉しい時に、いつもいっしょに喜んでくれた。

右も左もわからない私の手を取って、ずっとその手を握っていてくれた……そう、今ならそれがずっとだったことがわかる。
私はいつの間にかに支えてもらっていることを忘れていたのかな。だから夕美ちゃんに嫌な思いをさせたのかな。
それも違うのかな。こんな風に、いつも追い詰められるたびにぐずぐず言うばかりの私に怒っていたのかな。

きっと、私はもっと我侭じゃなくちゃいけないんだよね。“アイドル”は、いつだって自分が1番だって、そう言えなくちゃいけない。
なぜなら、アイドルは夜空に浮かんで、みんなを見上げさせるために輝く星だから。
でも、私はフラワーズというブーケの中にあるひとつの花でいたかった。

いつしか、それはもう許されなくなっていたというのに、私は気づくことすらなくそのままで、それが夕美ちゃんを傷つけていたんだ。
夕美ちゃんはずっと星になりたかった。
きっと、はっきりと私にそう言ってたはずなのに、私はそれに気づけなくて、ずっと、夕美ちゃんの手を握り続けていたんだね。


どうしよう。


私がとうとう夕美ちゃんを諦めさせちゃった。


どうすればいいのかな、夕美ちゃん。


助けてって言ったら、また怒るかな。






 @


休んでいなければならないはずなのだけれど、どうしても眠ることはできなかった。
もし瞼を閉じれば、それがこの生の最後であるようなそんな不安があったから。

生きることを諦めないと、そう私――栗原ネネは決意したはずなのに、けれどそれはただの意思表明でしかなく、
実際のところは決意なんて言葉からは程遠いものなんだって、ひとりきりになれば嫌でも思い知らされる。
私自身が導き出したこの答えも、みんなにそう聞かせた言葉も、結局逃げ道でしかないのかなって。
さっきはあんなに美穂ちゃん相手に激昂して、不安を吐露して、それこそが本当の私で。

怖い。ひとりで、音もない世界にいるのが怖い。
みんなはどこに行ったんだろう。いつの間にかに私がひとりきりなのは、置き去りにされたからなんじゃないか。
ほっておいても遠からず死んでしまう足手まといを、ろくに動けないことをいいことに放置していったんじゃないだろうか。
今頃はみんな自分の荷物を背負って、そろってここを離れてどこかへと向かっているんじゃないだろうか。

そんな、馬鹿げた悪い想像ばかりを繰り返してる。
でも、それこそがふさわしいと思う。
それが私の抗いなんだ。

なにをするでもなく、ただ運よく助かる。万が一の奇跡に賭ける。そんな選択をした私に分相応の抗い。



扉が開く音に、私の戦いとも呼べないちっぽけなそれは中断される。戻ってきたのは川島さんだった。

「調子はどう? 顔色はそう悪くないようだけど」
「変わらずです。……けど、川島さんのほうこそよくないんじゃないですか?」

遠慮がちな言葉になったけど、明らかに顔色はよくなかった。川島さんの顔はひどく白く、色を失っていた。
川島さんは軽く笑みを浮かべると自分が寝ていたベッドの脇にしゃがみこむ。
どうやらそれはバッグの中身を確認しているようで。

「そろそろ徹夜が堪える年頃よねぇ。まだまだ若いつもりだけど、正直えらいわー」
「えらい? あ、いや……休みに戻ってきたんじゃないんですか?」
「そうしたいのは山々だけど、そうも言ってられないのが今でしょ。……そういえば智絵里ちゃんには会った?」
「はい、さっき挨拶にここへ……」

バッグを肩にかけ、川島さんはすっと立ち上がる。その姿はこんな時でもやっぱり綺麗な人だなって思うほどで。
けれど、私は川島さんがここに来た時の姿も見ている。
服を真っ赤に自分の血で染めて、みんなに支えられなければ歩くのもおぼつかない様子だった。
少し休めばよくなる……と思えるようなものではなかった。

「彼女が一度、いなくなった友紀ちゃんを見てるから、できれば早いうちに連れ帰してあげたいのよね」
「川島さんが行くんですか?」
「そうねぇ。休んでいたいってのが正直な気持ちだけど、今は一分一秒でも惜しいし……あ、そうそう」

川島さんはなにかを思いついたのか、にっこりとした笑みを私に向ける。

「今のことが終わったら、みんなで休暇を取りましょう。それこそ、本当に南の島でバカンスとか。
 あぁ、それとも閑静な避暑地のほうがいいかしら? ネネちゃんって軽井沢行ったことある? いいところよー」
「いや、その……」

何も答えが返せない。急な切り替えに私の頭は反応できないでいた。

「それじゃ、楽しいこといっぱい考えておいて。こんなことの後だもの、どれだけ浮かれたってバチは当たらないわ」

じゃあね。と、川島さんは掌をひらひらと振って、戸惑う私をそのままに部屋を出て行った。
あれが大人の強さというものなのだろうか?

またひとりきりになった部屋の中で、私は少しだけ楽しいことを考えてみようとそう思った。






 @


「貴方は知らなきゃ、やっぱりダメです」
「何を?」

智絵里ちゃんは楓さんに向かってこう言った。

南条光さんと、ナターリアさんの最期、聞いてください」



私――矢口美羽はその時、とてもそんなことを意識できる状態ではなかったはずだった。
夕美ちゃんから別れの……絶対にそんなのは嫌だけれど、さよならという言葉を聞いたばかりで、心は乱れていた。

今更に、当たり前のことを、私だけでなくみんなが、夕美ちゃんも友紀ちゃんもフラワーズを守ろうとしていたこと。
それも私なんかみたいな半端さでなく、本当に必死の、自分が死んでも誰かを殺してもいいってくらいに。
みんなは私と違ってフラワーズを、アイドルを信じていたからなにもしないでいたんじゃない。
ずっとフラワーズを守るためになにができるかを考えていて、ただそれに私が気づかなかっただけ。

そして、ついにフラワーズはもうめちゃくちゃにバラバラに……なのに、“あの人”は、それでも困り顔をするだけで。
フラワーズがなくなることを諦めるでもなく、かといってなにをするでもなく、認めているのかもあいまいで。
私にはわからないことがあの人と夕美ちゃんの間にはあったのかも知れないけれど。
やっぱり私にはまだなにも見えてないのかも知れないけれど。

でも、だったら……せめて、心の内をほんのちょっとでも、「しかたない」でも「嫌」でも、漏らしてくれたっていいじゃないかって。
私はなんなんだろうって、夕美ちゃんも私が最後のひとりみたいに言うし……もう、心はぐちゃぐちゃだった。
だから、私はもう溢れかえっていて、どんなことも耳には届かないはずだったのに。

「南条光さんと、ナターリアさんの最期、聞いてください」

その言葉はすんなりと私の耳に入り、乱れていた心をぴたりと止めた。
何故なら、それは私の最初の“気づき”だったから。



「…………聞かないわ」

楓さんはにべもなかった。
私は両手で涙をぬぐいながらゆっくりと楓さんから離れる。楓さんと智絵里ちゃんの両方を見るために。

「そ、それじゃ、ダメなんですっ!」

そんな楓さんに対して智絵里ちゃんは必死だった。
どうしてそんなことを言うのか私にはわからない。なんでそれが今じゃなきゃいけないのかもぜんぜんわからない。
我に返ってみれば、智絵里ちゃんの行動は唐突すぎて不自然だった。

「ごめんね。聞きたくないの」

けれど、それ以上に楓さんが不自然だった。
だって、“聞かない理由”なんて私にはひとつも思いつかないから。
今は聞いてる場合じゃないかもしれない。それは後にしてもいいかもしれない。けど、聞きたくないのはなんで?
あの時も、放送でナターリアちゃんと光ちゃんの名前が呼ばれた時にも浮かんだ疑問。
どうして楓さんはそんなにあの二人のことを無視しようとするの?

「聞かないと、伝わらないと、哀しみのままなんです。それは……私たちが変えなくちゃならない」
「んー……」

楓さんが困ったように首を傾げる。
私も同じようにしたい気持ちだった。智絵里ちゃんは必死なんだけど、なにが言いたいのかわからない。

「……だから、えっと、……その」

奇異な目で見られていると気づくと、智絵里ちゃんは急に勢いを失い目をきょろっきょろと走らせはじめる。
「……やっぱりいいです」と話が終わるのかなと、そんな風に思えたけど、
智絵里ちゃんは胸の前で両手をぎゅっとするともう一度、楓さんをさっきと同じ眼差しで見つめた。

「せ、説明します!」
「どうして私が二人の最期を知らないといけないかをかしら?」
「はい」
「それならいいわよ。興味があるから話してみて」

意外なほどにあっさり楓さんは智絵里ちゃんに彼女の言う“説明”をうながした。
てっきり……いや、そんなことはないか。
だって、楓さんは私がこんなしどろもどろになった時にも最初から順番どおり、ゆっくり話を聞いてくれる人だったから。

だから私は少しだけほっとした。智絵里ちゃんもほっとした様子が表情からわかった。



「こ、この島でいっぱい“アイドル”が亡くなりました。
 それはとても哀しいことで、……それはもう哀しい事実は変わらなくて、私たちも哀しいままで」

たどたどしくて、やっぱり要領を得ない説明だったけど、この時は楓さんは口を挟むことなく真剣にその言葉に耳を傾けていた。
じっと、智絵里ちゃんを見つめていた。

「でもっ、それは変えないといけないんですっ!
 亡くなった人も、残された人にも哀しさしかなかったら、それは、もうみんなが哀しいままの終わりで……、
 だから、残った想いを、きらきらしたものをつないで、後に残った人が輝かせないといけない」

多分、なんとなく智絵里ちゃんが言いたいことがわかってきた。
私はナターリアちゃんと光ちゃんの最期を知っておきたいと、そう思う。そう思っていた。そう楓さんにも思っていてほしかった。
それは、私の今の、フラワーズの哀しみと同じものな気がする。
私があの人に理不尽だと感じる気持ち。智絵里ちゃんが楓さんに知ってほしいと思う気持ち。多分、すごく近い。
心が寒気を感じ取ったように震える。なにか、私のしなくちゃいけないことが一瞬だけ見えた気がしたから。

「置き去りにしたら、その想いはどこにも届かなくて、その意志はなににもならなくて。
 でも、知っていたら、伝わっていたら……その気持ちを正しいところに届けれたら、その……、
 それは無駄じゃなかったって! 想いは無駄じゃなかったって、生きてたことは無駄じゃなかったって、
 輝くものにできたら哀しみのままで終わらないで、……哀しいだけじゃなかったって、そう言えるから……!」

智絵里ちゃんは必死の表情でそう言い切った。
たどたどしいけど、心のこもった言葉で、それは私には正しいことに聞こえて、楓さんも優しい顔でうんと頷いた。

「つまり、亡くなった子に報いてあげたい……ということよね?」

ぱっと智絵里ちゃんの顔が明るくなる。私は、そういう風に一言で言い表せる楓さんに感心していた。

「そ、そうなんですっ。それで、そうできたら、私たちも先に進めるんだって」
「だから、智絵里ちゃんは親切に、その途切れるかもしれない遺志を伝えるべき人に届けている……と」

頬を紅潮させた智絵里ちゃんがこくこくと頷く。

「“あの二人”の死に際を誰かに伝達しなくてはいけないと思い、そんな中、私と美羽ちゃんにこうして行き会った」
「はい、だから……」

楓さんはにっこりと笑うと、きっぱり言い切った。

「聞かないわよ」

一瞬で智絵里ちゃんの顔が青ざめる。口は小さくどうして?と聞いていて、私も同じことを声に出していた。
楓さんは少し困ったなという風に眉根を寄せて。

「……えーと、逆に聞くけど、じゃあどうして私なのかしら? 智絵里ちゃんが継いでいるならそれでいいんじゃない?」
「それは……」

智絵里ちゃんは口ごもる。
智絵里ちゃんはその答えを用意してなかったようで、私もどう口を出せばいいのかすぐには思いつかなかった。
それどころか、楓さんは次々と質問を智絵里ちゃんにぶつけてゆく。

「ナターリア、そして南条光。彼女たちの遺志を知った。
 それなら、他の子たちはどうかしら? あなたの関わりのないところで死んだ子のことを、あなたはどう思う?」
「……そ、それはっ。みんなで知っていることを伝え合ったら」

楓さんの長い睫毛が微かに下がる。
どうしてかはわからないけれど、私はこの時、部屋の温度がぐっと下がったような気がした。

「ナターリアと南条光に殺された子らの意思をあなたは拾えてこれたかしら?」
「……え」

智絵里ちゃんが半歩後ずさる。
私はあの空港で歌鈴ちゃんといっしょに見た死体のことを思い出していた。そして、その後のことも。

「ひとり、ふたり……さて、もっといたわよね?」
「…………それは、私は」

想いを伝える。想いだけでも伝えて、それを輝かせる。
そんな希望の話が、いつの間にかに暗く絶望的な話に摩り替わっていた。

「別に、いいの。そんなことであなたを責めはしないわ。
 ただ、あの二人も“踏みにじった”以上、私はあの二人に対しては遺志を汲むといった義理は感じられないの」

それに、と楓さんは続ける。

「私はもうあの二人が殺した“彼女”の遺言を預かっている。これ以上は抱えて行けはしないわ」

楓さんの顔には慈しみと哀しみが現れていて、なのに決してこちらからは手を伸ばせないような拒絶も感じて。

「彼女って、遺言って……?」
「言えるわけがない。これは私の命を支えてくれた私だけのものなの。
 例え私が死ぬことがあったとしても、その時は誰にも言わず抱え込んだまま死ぬつもりよ」

じっと床を見つめる楓さんはまるで泣いているようで、それはいままで楓さんが私に見せたことのない姿だった。



そして部屋の中は沈痛に満ち、智絵里ちゃんももう口を閉じてしまい、
私はといえばナターリアちゃんと光ちゃんの最期を知りたいと思うことは不謹慎なんじゃないかって今は思い始めていて、
気まずいままもうこの話は終わる――と、思ったのだけれど、しかし楓さんは終わらせなかった。



「つまりね、言われるまでもないのよ。
 その、あなたがまるですごいことを発見したかのように言う、伝えるだとか、報われるのだとか、そういうことは。
 誰もがみんな、自然とそうしている普通のことなの」

顔を上げた智絵里ちゃんを見つめる楓さんは薄く笑っていた。それも私の見たことのないいじわるな表情だった。

「こんな時になにを言い出すかと思えば……哀しいだとか、そのままじゃだとか……」
「でもっ、それは、本当に思ったことでっ!」
「じゃあなにかしら、あなたには私はそんな感情とは無縁だと思われていたのかしら。
 それとも、他のアイドルのみんなもあなたからすれば薄情な人間だった?
 自分だけが心を持つ人間だった? 遺志を汲むというのは自分だけの発明だった?」
「それは、そんなことっ、でも、その……想いが伝わらないのが、哀しいって、そんな…………そしたら」

楓さんの言葉は針のように鋭く、智絵里ちゃんは水の中に落とされた子犬のようにしどろもどろで、そして

「人を馬鹿にするなって言ってるのよっ!!」

楓さんが激昂した。

「ひゃあぅ!」

智絵里ちゃんが小さな悲鳴をあげて床にしりもちをつく。私も後ろが壁じゃなかったらきっと同じだった。
そして、ただ口を戦慄かせるだけの智絵里ちゃんを見下ろす楓さんの表情はやっぱり今までに見たことのないもので、
私は場違いながらにも内心、楓さんもこんな風に怒ったりするんだとそんなことを考えてしまってた。

「……ねぇ、どうしてかしらね。不思議よね。あなたがそんなことを言い出すのは」
「え?」

なんだろう。智絵里ちゃんも私も楓さんが言っていることがわからない。

「あなたは今、そうしなくちゃいけないとそれを触れ回っている。みんな、誰に言われずともそうしていることを。
 つまり……あなたは気づいたのよ、それを。遅ればせながらに」

立ち上がることも忘れている智絵里ちゃんを楓さんは柔らかな、けど優しくは見えない表情で見下ろす。

「いいことよ。前に進めたんだから。あなたもこの先、きっと立派なアイドルになれる」

けれど――、

「じゃあ、その気づきの前はどうだったのかしら?」

その言葉に智絵里ちゃんは楓さんから顔を背け、座り込んだまま後ずさった。
私からはその姿はここから逃げ出そうとしているように見えた。ここに来た時の智絵里ちゃんとはもう別人だった。

「あなたはこの島で目を覚まして、他の……事務所の仲間を殺してもいいと思った。どうして?」

猫なで声でそう問いかける楓さんはあんまりにも怖くて、そばで聞いてるだけの私ですら変な汗をかいてしまう。
なぜなら、そう。私も最初はそうしなくちゃと、どれだけ本気だったかも自分じゃもうわからないけど、
一度は仲間であるみんなを殺さなくちゃって思ってしまったのだから。

「もちろん、あなたはあなたのプロデューサーさんの為にそうしようって思ったのよね。さっきそう聞かせてくれたものね。
 これも責めるつもりはないのよ。私だってほら、あなたと同じ立場だったら同じようにしたかもしれないし」

楓さんのプロデューサーさんは殺し合いが始まる前に死んでしまった。
もし私が同じ立場だったら? ……それは想像できないと思う。きっと、私の想像は現実に追いつかない。

「……そして、あなたは響子ちゃんと逢い、彼女と同行することを選んだ。ううん、少し違うかしら」

ちらりと智絵里ちゃんが楓さんをうかがう。それに合わせるように楓さんは次の言葉を吐いた。

「そう選ばざるをえなかった」
「それはっ……」
「正解か。じゃあ、これも私の想像だけど……、
 あなた、その時か、その後くらいに“なにか”してるでしょう? 私たちに言えない“なにか”を」

智絵里ちゃんが悲鳴のような呻き声のような音を喉から鳴らした。
なにかってなんだろう? 私には想像がつかない。けど、楓さんには確信があって、それは間違ってないらしい。

「それはっ、その時は……しかたなくて……私はっ」
「知らないわよそんなこと。私はあなたがなにをしたのか、させられたのか、思いつきもしない。
 けど……あなたはそれを“しかたなく”したのよね。ええ、それだけはわかるわ」
「本当は、したくなくて……でも、その時は響子ちゃんが……」
「だから――」


――響子ちゃんが死んだからまた心変わりしたのよね?






「それっ、それ……それは、……ちがくて」

楓さんのその言葉に智絵里ちゃんはがくがくと滑稽なくらいに震えだした。
思わず抱きしめにいってあげたくなるくらいその姿はか弱く、けど、私は楓さんが怖くて前に出ることができない。
ううん。正確には、楓さんに責められるというあの場所に私は立ちたくなかった。

「違わない。違うなら、あなたは今も誰かを殺そうと島の中を歩き回っていたはずよ」
「そうじゃないんですっ! 哀しかったからっ、こんなことはもう終わらせないとって……だからっ、悪役から下りて」
「ううん、それも嘘よ。あなたは――悪役なんかじゃなかった」
「…………えっ?」

智絵里ちゃんが戸惑いの声をあげる。智絵里ちゃんがこのままだとバラバラにされてしまう。

「悪役なんか務まらない。自分でもそう思うでしょう? 爆弾を持たされたから悪役? ううん、そうじゃない」
「………………」
「あなたは何者でもなかった。悪役のふりをしたのはそのほうが楽だからよ」
「……そ、それは」
「プロデューサーのためだから、響子ちゃんがそうしろって言うから……あなたはそうしてこの島で自分を守ってたのよね」
「それは、……それは、そう、かも……ですけど、でも……」
「だから、響子ちゃんが死んだ時にあなたはすごく困ったはずよ。どうすればいいかわからなくなったんだから」
「……違うんです。私は、……その時」
「じゃあ、あなたのプロデューサーを守りたいって気持ちはどこに行ったの? その時、それをどこにやったの?」
「……………………あ」

智絵里ちゃんが真っ白になった。顔色も、その存在そのものも。

「ね。心変わりしてるでしょ? あなたはそうやって、なにかあるたびに“理由”を生み出し、自分自身を守ってる」

楓さんが、まるで子供を相手にするように智絵里ちゃんの前へとしゃがみこむ。

「なんでわかるか不思議? それはね、あなたが“おしゃべり”だからなの」
「おしゃ、べり……?」
「そう。ここに来て私たちの前でなにがあったか語った時、そしてこの部屋に駆けつけて私に放った言葉……」
「…………私は、本当のことを」

楓さんは小さくため息を吐いた。

「この警察署にね、いっぱいの人が集まった。その時みんなで今までなにがあったか報告しあったわ。
 でもね、その時にはあなたみたいに“私はこんな風に思いました”なんて風に語る人はひとりもいなかったのよ」
「ふぇ……?」
「自分はこうしなくちゃいけない、みんなはこうすべき、だとか、そんなよけいなアピールはなかった。
 つまり、一言で言い表すと、あなた――あざといのよ」
「……」

きっと、それが不自然だったんだ。私ですら感じていた智絵里ちゃんへの違和感。

「あなた、自分を守る殻を作ることだけに一生懸命すぎるわ。その殻は他人をも遠ざける。いつもひとりだけ浮いてるって思わない?」
「…………あ、……ぁ」
「じゃあ、あなたの本当の姿は、本音はどこにあるのかしらね? 取り繕うばかりの殻の中には誰がいるのかしら?」
「そ、それは……」

まるで、楓さんが大きなハンマーを持ち上げているように見えた。あまりにも言葉は容赦なく、智絵里ちゃんを壊してゆく。

「あなた、どうしてアイドルになったのか。教えてくれる?」

だめだ。なんだかわからないけど、だめだと思った。けれど、私にはなにもできなくて。

「プロデューサーさん、が……なれる、って…………」
「ああ、そう――」



――あなた、××××なんだ。






 @


「あら、みんなこんなところに集まってたのね」

あれから智絵里ちゃんはぼろぼろと泣きだして、楓さんは知らん振り。私は二人にどう声をかけていいかわからない。
そんなところに新しく現れたのは川島さんだった。

「……智絵里ちゃん、泣いてるみたいだけどどうかした?」
「な、なんでもない、です。私が、悪いだけだから……」

可愛いハンカチで涙をぬぐうと智絵里ちゃんは川島さんに向かって、平気ですよと笑ってみせる。
弱々しく、目の下の腫れも隠せてはいなかったけど、けなげさにか、川島さんはうんと頷いた。

「ちょっとね、この島で彼女が味わっていた“心細さ”について話を聞かせてもらってただけよ。
 それよりもどうしたのかしら? 鞄を持って婦警さんはパトロールにでも出るの?」

楓さんの言葉に私も気づく。川島さんは肩に鞄をかけていた。

「そうね。動くなら私かなって。それに何人か連れて行きたいし、まずはさっきの話の続きもいけないし」
「さっきのって、この後どう動くのかとかそういうことかしら?」
「ええ。智絵里ちゃんが来て中断して、それでまた思いついたこともあるし」
「泉ちゃんはいなくていいの?」
「今は寝かせておいてあげましょう。
 多分、放送前には呼ばなくても起きてくるでしょうし……なにより、本来はこういうことは私たち大人の役割よ?」
「それはねぇ。ふふふ」

川島さんの前だと楓さんは少しふわふわした感じになる。やっぱり年上の人を前にしているだろうからか?
頼りになる楓さん。慰めてくれる楓さん。冷たい楓さん。怒る楓さん。この半日の間だけで私はいろんな楓さんを見ている。
そのどれもが楓さんなんだって、飲み込めた時にこそ私も大人になれるのかな。

「ともかく、私は学校にもう一度行ってみようと思うの」
「学校に?」
「智絵里ちゃんがあの役場で友紀ちゃんに会ったって言ったでしょ?
 その前に見失ったのがその南で、だったら次に向かうとしたら学校か、その先更に向こうにある病院かなって思うのよ」
「この南の街を出ていたとしたら?」
「だとしたらお手上げ。けど、逃がした智絵里ちゃんをまだ探してるならそんなに遠くまで行ってない可能性はあるわ。
 それに学校はそうでないとしてももう一度捜索する予定だったしね」
「ふぅん……」

楓さんが顎に指を当てて思案する。
私は発言できるようなアイデアはなかったけど、川島さんの案に賛成だった。
友紀ちゃんは茜ちゃんを殺したかもしれない。けど、それは絶対じゃないし、だとしても戻ってこれるなら私は戻ってきてほしい。
バラバラになりかけてるフラワーズだけど、友紀ちゃんが戻ってきて、夕美ちゃんも探し出せれば、
4人でまた顔をあわせれば、ひとりずつとか声だけとかじゃなければ、フラワーズは絶対に、絶対絶対に戻るんだから。

「それでパトロールってさっき言ったけど、車で行きたいから鍵貸してくれるかしら?」
「ああ、それだったら挿しっぱなしだからそのまま乗っていけるわよ」
「そう。だったら後は次の放送を聞いてからになるかしら。一応、全員の意思を確認してから出発しないとだし」

壁にかかった時計を見ると、もう5時40分だった。後20分で次の放送が流れ、その時に死者の名前が呼ばれる。
もしかしたら茜ちゃんと夕美ちゃんの名前が呼ばれる。それを聞いてしまえば、フラワーズは本当に破滅だ。
だったら今すぐ動きたい。でも、どうすればいいかわからない。20分という短くも長くもない待ち時間はひどくもどかしかった。

「じゃあ、私がうんと濃いコーヒーを淹れてきてあげる。瑞樹は座って待っていて」
「ありがと。後はなにか口に入れられるものがあれば言うことなしね」
「うーん……、痛んだバナナならあるけど」
「それはちょっと……」

なんで楓さんは傷んだバナナなんか持ち歩いてるんだろう? そう思って思い出す。それは歌鈴ちゃんの持ってたものだった。
形見になるようなものじゃないけど、楓さんがそれを持っているということが私はちょっと嬉しかった。

「あのっ、警察署の前にコンビニみたいなお店があって……そこにいろいろあるって、思うんです、けど」
「じゃあ、私が智絵里ちゃんと行って来ます!」

細く遠慮がちな智絵里ちゃんの発言に私は被せ気味に手を上げる。できそうなことはしたい。

「そうね。みんなの朝食をお願いしようかしら。
 注文はつけないからいろいろ持ってきて。多すぎても困らないから遠慮なくでいいわよ、ああ、ブリッツェンの餌もね」
「……道を渡る時は気をつけて。役場を襲った“悪役”がまだこの近くをうろついているかもしれないから」

川島さんと、楓さんとに言われて私と智絵里ちゃんは部屋を後にした。



パタパタと足音を立てて廊下を走る中、私は隣の智絵里ちゃんをうかがいながら考える。
智絵里ちゃんは悪くない。もちろん楓さんも悪くない。友紀ちゃんも、夕美ちゃんも、あの人だって悪くはない。
じゃあ、どうすれば全部が元通りになるだろう。
私が本当にフラワーズの最後のひとりなら、私にはそれができると信じたい。私にそれだけの力があるって、私自身を信じたい。






 @


しんとした雰囲気の中、私はただ黙々とキーボードを叩いていた。
ちらりと窓のほうを伺えばオレンジ色だったそれが今はもう濃いブルーに変わっている。
室内に並ぶデスクにもプロデューサーさん達の姿はなく、気づけば事務所に残っているのは私ひとりだった。

私――大石泉は、私のプロデューサーのデスクを借りて自前のノートパソコンで新しいスケジュール管理ソフトを組んでいた。
アイドルを始めてそれなりに業界のこともわかってきて、なのでその分効率化というものを求める。
……などというのは半分言い訳で、本当のところは私自身の趣味というところが大きい。
私自身の夢はアイドルではなかった。私はプログラマーやエンジニアになりたい女の子だった。

現状に後悔や諦めはないけれど、けどどこかしっくりきていないのは正直なところだ。
幸か不幸か、私と私と同じくアイドルとなったふたりの親友で組んだユニットはそれなりの成果を上げている。
客観的に分析して、私たちは堅実で優秀だと言えた。
つけくわえるなら、これは自分で言うのは憚れることだけども、私自身のルックスもよいと思う。

けど、なにかがカチリとはまらない。
アイドルであるという日常にどこか違和感――ズレ、というよりかは、不安? コードを一行飛ばしているような?
今築き上げているニューウェーブというアイドル。
これが完成する時、いざプログラムを走らせてみれば想定したのとは違った値が出そうな、そんな漠然とした感覚。

だから私はなにかをしてるのだろうか。なにかをせずにいられないのだろうか。
そのなにかがなにになるかもわからずに、わからないままに焦燥に駆られて不安を打鍵のノイズでかき消すように……?

こんなことに意味なんてない?



「おー、まだやっとるわー。そんなんやと誰がプロデューサーでどっちがアイドルかわからんなー」
「亜子?」

はははと笑って現れたのは土屋亜子だった。私の親友のひとりであり、私をアイドルの道へと引きずり込んだ張本人。

「相変わらず残業代も出えへんのに頑張るなぁ、ウチんとこの泉は」
「別に……、ところでさくらはいっしょじゃないの?」
「ああ、さくらやったら今頃チョコレートを作るのに七転八倒と違うかな?」
「それってほっておいても大丈夫なの……?」

そういえばそんな時期かと思う。
忘れてしまうのではなく、アイドルとしての活動や収録は大体において先撮りだから、感覚がズレてしまうのだ。

「逆にプロデューサーちゃんはどうしたん?」
「今日はどっかの野外フェスを見に行くって言ってたかな。連絡は、なし」
「それで泉がプロデューサーちゃんの机におるんかー」
「あの人、携帯の電源いつも切ってるしね……」

小さくため息。本当にあの人はプロデューサーというにはふさわしくない。
私からすればお守りをする相手がひとり増えたようなものだ。

「泉はまだ事務所おるん?」
「いくつか案件を伝えておかなくちゃだし、これもきりのいいとこまで組んでおきたいから。……ごめんね」
「なんであやまるんよ」
「それは……」

なんでだろう?
亜子は「んふっふっ」とおかしそうに笑っている。こういう風に亜子はよく笑う。ともすれば暗くなりがちな私のために。

「まぁ、ええわ。じゃあアタシは先に戻ってさくらがしでかさんか見張っとこ。で、これはコーヒーの差し入れな」
「ありがと……って冷たいじゃない?」
「あっはは。昼に間違えてブラック買ってしもてん」
「……はぁ。まぁいいわ。ありがたくもらっておく」

唇を尖らせる私に、笑ったままで亜子は帰っていった。こういうのが尾を引く嫌味にならないのが亜子のよい気質だ。
それは私にはないもので、私は亜子のそういうところがうらやましい。
何倍も、私以上に“あのこと”を重く考えてるのは彼女のはずなのに……。

缶コーヒーを開けて呷る。あまりの苦さに、目が覚めた。






「…………夢。眠り、浅かったかな?」

微かにぼやけた視界の中、私は時計を探す。
少しでも寝れたおかげか気持ちは幾分軽い。さっきまでの私がどれだけまいってたのかがわかる。
現在時刻は5時45分。もう少しすればまたあの放送が流れる。そう思うと緊張で胸がきゅっと痛くなった。

「亜子、さくら……」

これも一度眠ったせいか、変に現実感がない。そもそもとして殺しあいをさせられるなんてのが現実味のないことだけれど。
起きたばかりの私はニュートラルで、だからなのだけれども、それもすぐに補正は済んでしまう。
現実の強固さ、石のような冷たさに胸の痛みが強まった。

できていない。どんどん終わりへと近づいていってるというのに。



私は、まだ、“なにも”、できてはいない。



カチッ、カチッと、刻まれる針の音がひどく大きく聞こえた。






【G-5・警察署 / 二日目 早朝】


【高森藍子】
【装備:少年軟式用木製バット、和服、ブリッツェン】
【所持品:基本支給品一式×2、CDプレイヤー(大量の電池付き)】
【状態:健康】
【思考・行動】
 基本方針:みんなが“アイドル”でいられるように。
 0:??????
 1:?????
 2:自分自身の為にも、愛梨ちゃんを止める。もし、“悪役”だとしても。


【小日向美穂】
【装備:クリスマス用衣装】
【所持品:基本支給品一式×1、草刈鎌】
【状態:健康】
【思考・行動】
 基本方針:恋する少女として、そして『アイドル』として、自分の弱さを、大切にしながら、それでもなお強く生きる。
 0:藍子ちゃんを理解して、傍にいよう。
 1:美羽ちゃんの友人になれるようがんばろう。
 2:歌鈴ちゃんの想いをプロデューサーさんまで届ける。
 3:ネネちゃんにした事を絶対忘れない。

 ※装備していた防護メット、防刃ベストは雨に濡れた都合で脱ぎ捨てました。(警察署内にあります)


【栗原ネネ】
【装備:なし】
【所持品:基本支給品一式×1、携帯電話】
【状態:憔悴】
【思考・行動】
 基本方針:輝くものはいつもここに 私のなかに見つけられたから。
 1:未来を見据え生き抜くことを目標とし、選び続ける。
 2:美穂を許したことにする。

 ※毒を飲みましたが、治療により当座の危機は脱しました。
 ※1日~数日の間を置いて、再び容体が悪化する可能性があります。


川島瑞樹
【装備:H&K P11水中ピストル(5/5)、婦警の制服】
【所持品:基本支給品一式×1】
【状態:疲労、わき腹を弾丸が貫通・大量出血(手当済み)】
【思考・行動】
 基本方針:プロデューサーを助けて島を脱出する。
 0:放送を待つ。
 1:みんなと相談して、複数人で学校に向かう。
 2:友紀に会えたら戻ってくるように説得する。
 3:漁港にも使える船があるか確認しに行きたい。
 4:お酒、ダメ。ゼッタイ。
 5:ちひろはなにを考えて……?


高垣楓
【装備:仕込みステッキ、ワルサーP38(6/8)、ミニパト】
【所持品:基本支給品一式×2、サーモスコープ、黒煙手榴弾x2、バナナ4房】
【状態:健康】
【思考・行動】
 基本方針:アイドルとして、生きる。生き抜く。
 0:コーヒーで目を覚ましましょう。
 1:まゆちゃんの想いを伝えるために生き残る。
 2:お酒は生きて帰ってから?


【矢口美羽】
【装備:鉄パイプ】
【所持品:基本支給品一式、ペットボトル入りしびれ薬、タウルス レイジングブル(1/6)、歌鈴の巫女装束】
【状態:健康】
【思考・行動】
 基本方針:自分にできることをしたい。
 1:フラワーズを元通りにするにはどうしたらいいのか。


緒方智絵里
【装備:アイスピック ニューナンブM60(4/5) ピンクの傘】
【所持品:基本支給品一式×1(水が欠けてる)、ストロベリー・ボム×16】
【状態:健康】
【思考・行動】
 基本方針:心に温かい太陽を、ヒーローのように、哀しい夢を断ち切り、皆に応援される幸せな夢に。
 0:それでも、私は……。
 1:他のアイドルと出会い、『夢』を形にしていく。
 2:大好きな人を、ハッピーエンドに連れて行く。
 3:姫川友紀を止める。


【大石泉】
【装備:なし】
【所持品:基本支給品一式x1、音楽CD『S(mile)ING!』、爆弾や医学に関する本x数冊ずつ、RPG-7、RPG-7の予備弾頭x1】
【状態:睡眠中、右足の膝より下に擦過傷(応急手当済み)】
【思考・行動】
 基本方針:プロデューサーを助け親友らの下へ帰る。脱出計画をなるべく前倒しにして進める。
 0:なにかしないと。
 1:放送を聞き、今後の方針を改めてみんなと相談。
 2:自分は首輪の解除を進めていく。
 3:持ち帰った医学書を読み、ネネさんになにかしてあげれないか検討。
 4:学校の再捜索。漁港で使える船の確認。
 5:緊急病院にいる面々が合流してくるのを待つ。また、凛に話を聞いたものが来れば受け入れる。
 6:“悪役”となっているアイドルの推定と対策。
 7:かな子先輩の行方が気になる。


前:負けない、心 投下順に読む 次:さだめ
前:彼女たちが導き出す答えはいつだってフォーティトゥー 時系列順に読む 次:空から降る一億の星
前:永遠フレンズ 大石泉 次: 
川島瑞樹 次: 
高垣楓 次: 
矢口美羽 次: 
高森藍子 次: 
栗原ネネ 次: 
小日向美穂 次: 
緒方智絵里 次: 

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年04月20日 00:22