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  • 朋也「軽音部? うんたん?」 5/6 木

自分用SSまとめ

朋也「軽音部? うんたん?」 5/6 木

最終更新:2011年06月11日 22:25

meteor089

- view
管理者のみ編集可

朋也「軽音部? うんたん?」

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519:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:36:22.90:+UZ/pLeq0


5/6 木

朋也(眩しい…)  

布団の中に頭を埋めなおし、まどろむ。
………。
突然、平沢の顔が思い出された。
俺の腕の中にいた。
その場の陰影や、夜風の肌触りまで、克明に思い出された。
抱いた平沢の肩の小ささ。
近くで嗅いだあいつの髪の匂いまでも。
そして、腕の中で平沢は小さく頷く。
よろしくお願いします、と。
がばりと、俺は飛び起きていた。

朋也(そうか…)

俺はあいつに告白したんだ…。
それで、あの時から俺たちは恋人同士で…。

朋也(………)

いまいち実感がない。
昨夜は、ずっと手をつないだまま家まで送っていったのに。

朋也(本当かよ…)

壁の時計を見る。

朋也「まずい…」


520:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:37:38.43:jpDSDOMkO


―――――――――――――――――――――

準備を進め、時間に余裕が出来てからも、俺は急ぐことをやめなかった。
足を止めたら、そのまま、立ち止まってしまいそうだった。
あいつが俺の彼女…
それは深く考えてしまうと、厄介なものである気がしたからだ。
けど、心のどこかでこそばゆいような、嬉しい気持ちもある。
ああ、考えるな。
急げ。
勢いでいくしかなかった。

―――――――――――――――――――――

今日も同じ場所で、変わらず平沢姉妹の姿があった。

朋也(いた…)

ようやくそこで肩の力を抜いて、息を整える。

朋也(ああ…なんかどきどきする)

これからの彼女の元へ…俺は歩いていく。

朋也「………」

朋也「よぅ…おはよ」

憂「あ、おはようございます、岡崎さん」

唯「お、おは…おはおは…よう…」


521:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:38:12.88:+UZ/pLeq0


つっかえながら言って、俺から目を逸らすように段々と視線を下げていった。
らしくない挙動。こいつも、俺と同じで、意識してくれているんだろうか。

憂「お姉ちゃん、本当にどうしたの? きのうからちょっとおかしいよ?」

唯「なな、なんでもないよっ…」

ぷるぷると顔を振る。

唯「あ、ほら、もう行こうよっ」

憂「手と足の動きがシンクロしちゃってるよぅ…」

―――――――――――――――――――――

朋也「………」

唯「………」

…気まずい。
こんなに沈黙が続いたことが、かつてあっただろうか…。
何か話さないと、息苦しいままになってしまう…。
しかし、俺から振れる気の利いた話題なんて、ぱっと思いつかない。

朋也(う~ん…)

憂「岡崎さん」

悶えていると、憂ちゃんから声をかけられた。


522:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:39:22.35:jpDSDOMkO


朋也「ん…なんだ」

憂「岡崎さんもきのう、律さんたちと一緒に遊んでたんですよね?」

朋也「ああ、まぁ…」

憂「あの、その時、お姉ちゃんになにかありませんでしたか?」

憂「帰ってきてから、ずっとぼーっとしてて…今朝もずっとこの調子なんです」

それは…やっぱり、俺の告白のせいなんだろう。

朋也「えっと…」

憂ちゃんには、言っておいたほうがいいんだろうか…。
ほとんど平沢の保護者のようなものだし…。

唯「岡崎くんっ」

急に声を上げる平沢。俺も憂ちゃんも、ほぼ同時に振り向く。
その表情からは、さっきまでのぎこちなさが立ち消え、今はなにか意を決したように目に力が入っていた。

唯「手、つないで行ってもいいって言ってたよね?」

朋也「あ、ああ…」

唯「じゃあ…つないでいこうよっ」

俺の側にあった手を差し出してくる。


523:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:39:51.30:+UZ/pLeq0


朋也「………」

どうするべきか…。
あの時は軽い気持ちで言ったのだが…いざその時を前にしてみると、人目もあって、かなり恥ずかしい。
大体、手をつないで登校するなんて、考えてみれば相当な暴挙だ。
自分たちはラブラブです、なんてことをアホのように宣伝して回っているようなものじゃないか。
そんなの、プライベートでならまだしも、学校という狭い世間の中でやるのは危険すぎる。

朋也「…いや、さすがにやっぱ、無理かな。すまん」

唯「えぇ…そんなぁ…」

朋也「手つないで歩くのは、ふたりで遊びに行った時くらいにしてくれ」

唯「う~ん…でも、今だけはつないで欲しいなぁ。それで、実感したいんだ…」

唯「岡崎くんが…本当に私の彼氏になってくれたこと」

ああ…そうか。こいつも、まだ俺たちの関係にピンときていないところがあったのか。
………。

唯「あ…」

俺は黙って平沢の手を取り、しっかりと握っていた。

朋也「今日だけな」

唯「えへへ…ありがとう」

うれしそうに微笑む。俺も同じように返した。


524:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:41:01.64:jpDSDOMkO


こんなことで喜んでくれるなら…毎朝でも悪くないかもしれない。
一瞬で考えが覆るほどに、俺は平沢の笑顔が見ていたかった。

憂「なぁんだ…そういうことだったんですね」

憂ちゃんが俺たちを見て、何度も頷いていた。

憂「それでお姉ちゃん、ソファーでバタバタしたり、うーうー唸ってたりしたんだね」

唯「あはは…お恥ずかしい…」

憂「可愛いなぁ、もう」

唯「いやぁ…あはは~…」

憂「でも、よかったね、お姉ちゃん。おめでとう。ずっと、岡崎さんのこと好きだったもんね」

唯「ええ!? なぜ憂がそれを…」

憂「わかるよ、それくらい。ご飯食べてる時も、岡崎さんの話が多かったし…」

憂「その時のお姉ちゃんの顔、すっごく生き生きしてたんだよ?」

唯「そ、そんな…私のポーカーフェイスの裏側を読み取るなんて…さすが憂だよ…」

憂「顔中にごはんつぶつけて、ポーカーフェイスもなにもないけどね」

憂「でも、お姉ちゃん、えらいよね。勇気出して、告白できたんだもん」

朋也「いや…俺からなんだ、告白したのは」


525:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:41:21.94:+UZ/pLeq0


憂「え? じゃあ、岡崎さんも、お姉ちゃんのこと好きでいてくれたんですか?」

朋也「まぁ…そうなるな」

唯「…あぅ」

憂「うわぁ、じゃあ、両思いだったんだぁ…いいなぁ、素敵だなぁ」

きゃぴきゃぴとはしゃぐ憂ちゃん。
対照的に、俺たちは互いの感情を再確認させられ、恥ずかしさが蘇り、もどかしく相手の表情を窺い合っていた。

憂「岡崎さん、これ、言うの二回目ですけど…お姉ちゃんを末永くよろしくお願いしますね」

そういえば、前にも言われた覚えがある。その時は、冗談交じりだった気がする。
でも、今は違う。

朋也「こっちこそだよ。愛想つかされないようにしないと」

はぐらかすことなく、素直にそう答えていた。

憂「愛想つかされるなんて、そんなこと、絶対ないです」

はっきりと言い切る。
やっぱり、俺はこの子も大好きだった。

憂「ね? お姉ちゃん」

唯「うん、でも…私の方が、飽きられちゃうんじゃないかって、それだけが心配なんだけどね…」

唯「岡崎くん、かっこいいし、優しいし…可愛い女の子がたくさん寄ってくるだろうから…」


526:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:42:35.23:jpDSDOMkO


朋也「馬鹿…飽きるなんて、そんなことあるわけないだろ」

朋也「それに、俺は別にかっこよくもないし、性格がいいわけでもないからな」

朋也「こんな俺に、おまえみたいな可愛い彼女ができたんだ。大事にするに決まってる」

朋也「だから、変な心配するな」

唯「…うん。ありがとう」

憂「う~ん、ラブラブですねぇ。なんか、みせつけられちゃったなぁ」

唯「えへへ…」

朋也「う、憂ちゃん、茶化すのは勘弁してくれ…」

憂「えへ、ごめんなさぁい」

憂「あ、でも、私思ったんですけど、付き合ってるなら、下の名前で呼び合ったらどうです?」

唯「それ、いいかもっ。そうしようよ、岡崎くんっ」

朋也「まぁ、いいけど…」

唯「じゃあ、一回私のこと呼んでみて?」

朋也「ああ、じゃあ…えーと…唯」

唯「なぁに、朋也?」


527:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:42:56.59:+UZ/pLeq0


朋也「なんでもないよぉ、唯」

唯「そっかぁ、わかったよぉ、朋也」

朋也「あははは」
唯「あははは」

朋也「って、アホかっ」

憂「くすくす…」

―――――――――――――――――――――

学校に近づくにつれ、生徒の姿が増えていく。
だけど、俺たちはずっと手をつないだまま歩いた。
こちらに目をくれて、ひそひそと話す連中もいたが、それでも離すことはなかった。
そんなこと、いちいち気にならないくらいに、俺の足取りは軽かった。

―――――――――――――――――――――

坂の下。ここまでくれば、もう周りはうちの生徒だらけになっていた。
皆、どんどん上を目指して上っていく。
これももう、見慣れた光景だった。
ちょっと前までは、誰もいない坂をひとりで上っていたのに。
何も変わらない日々にうんざりしながら、重い体をひたすら動かしていたのに。
今は、すぐ隣に俺を想ってくれる奴がいる。慕ってくれる子がいる。
それだけで、俺は前向きでいられた。
まさか、こんな気持ちでこの坂を上る日がくるなんて、思いもしなかった。

朋也(はぁ…なんていうか)


528:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:44:05.72:jpDSDOMkO


唯と出会ってからいろんなことが変わった。
それは俺だけじゃない。
今の春原もだ。
唯と出会った人間はみんな変わっていく。
どんな方向かはわからなかったが…少なくとも最低から違う場所に向けてだ。

―――――――――――――――――――――

玄関をくぐり、昇降口に入る。
憂ちゃんは二年の下駄箱に向かい、俺たちは三年の下駄箱に足を向けた。
そろそろ手を離そうと、そう思っていた矢先…

バシィッ

唯「うわっ」
朋也「うおっ」

後ろから繋ぎ目にチョップを落とされ、無理やり切られてしまった。

朋也(まさか…)

振り返る。

梓「ななななな…」

やはり中野だった。

梓「なに手なんかつないぎゃーっ!」

日本語になっていなかった。


529:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:44:44.68:+UZ/pLeq0


梓「じゃなくて…岡崎先輩っ! どういうことなんですかっ! 唯先輩の手だけを襲うなんてっ!」

梓「唯先輩そのものじゃなくても、襲ったってだけで犯罪なんですよっ!」

唯「違うよ、あずにゃん。これは、私たちが付き…」

咄嗟に唯の口を塞ぐ。

唯「むん…」

朋也「襲ったってわけじゃねぇよ。ただ、手がなんとなく寂しくてな…」

朋也「俺、いつもはリラックスボール握りながら登校してるんだけど、今日は忘れちゃってさ…」

朋也「その代わりに、平沢の手を借りてたんだよ」

梓「それなら、自分の手を握ってればいいじゃないですかっ」

朋也「それだと、異様に不安になってな…リラックスどころか、ストレスが溜まりだしたんだ」

朋也「でも、経験上、他人の手を握れば解決できることを知ってたからな。それでだよ」

梓「…なんか、すごく嘘臭いです…」

朋也「納得してくれよ、あずにゃん」

梓「あ、あずにゃんって呼ばないでくださいっ! 馬鹿っ」

ぷい、と顔を背けて立ち去っていった。


530:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:45:58.08:jpDSDOMkO


朋也(ふぅ…)

なんとか事なきを得たようだ。
俺は唯の口を塞いでいた手を離す。

唯「っぷはぁ…なにするのぉ、朋也…」

朋也「いや、俺たちが付き合ってるって言おうとしてただろ、おまえ」

唯「そうだけど…だめなの?」

朋也「だめっていうか…一応、黙っておいて欲しいな、俺は。部長とかがうるさそうだし」

部長も春原もそうだが、一番知られたくないのは中野だ。
何をされるかわかったもんじゃない。

唯「ええー…いいじゃん。私はみんなに言いたいよぉ」

朋也「頼むから、大人しくしておいてくれ」

唯「ぶぅ…わかったよ…」

不満そうに頬を膨らませていたが、しぶしぶ了承してくれた。

朋也(憂ちゃんにも言っておかなきゃな…)

―――――――――――――――――――――

………。


531:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:46:28.17:+UZ/pLeq0


―――――――――――――――――――――

昼。

律「ムギ、これ、なんだ? 弓と矢みたいだけど…」

紬「それはね、その矢で射抜かれると新しい能力が発現するっていう触れ込みで売られていたの」

紬「なんだかおもしろかったから、買ってきたんだけど…だめだったかな…」

律「いや、そんなことないぞ。イタリー製だし、オシャレな感じするしな」

澪「うん、すぐにでも鞄につけておきたいな。ありがとう、ムギ」

唯「ありがとう~、ムギちゃん」

春原「ムギちゃん、僕、これ家宝にするよっ」

紬「ふふ、よろこんでもらえて、よかった」

俺の手元にもそれはあった。
琴吹が買ってきたイタリア土産のキーホルダー。
今しがた全員に配られたのだ。

和「でも、よかったのかしら? これ、高かったんじゃないの?」

作りはあくまで精巧で、職人のそれを思わせた。
確かに、値が張りそうだ。

紬「お金のことは言いっこなしよ。気持ちを受け取って欲しいな」


532:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:47:45.36:jpDSDOMkO


ということは、やはり、それなりにしたんだろう。
真鍋もそれを察したはずだ。

和「…そう。じゃあ、ありがたく使わせてもらうわね」

その上での、この答えだった。俺もそれで正解だと思う。

紬「うん」

律「でもさぁ、やっぱ、ブランドものだったりするのか? ヴィトンとかの」

紬「う~ん、露店で買ったから、手作りじゃないのかなぁ」

紬「ジョルノ・ジョバァーナさんっていう人が個人で売ってたから」

律「そか。ブランドものを身につけるあたしっていうのも、共鳴現象でより可愛さに滑車がかかったんだけどなぁ」

春原「トップバリュみたいな顔してなに言ってんだろうね、こいつは」

律「誰が安さ重視な顔だ、こらっ!」

春原「おまえはカップラーメンとかと共鳴しとけばいいんじゃない? ははっ」

律「てめぇ…負け原のクセに」

春原「僕は別にプロボウラーでもないしね。ボーリングで負けても悔しくないんだよ」

朋也「ああ、おまえの本業は……だもんな」

春原「なんで悲しそうな顔して僕を見てくるんだよっ!?」


533:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:48:12.73:+UZ/pLeq0


律「わははは!」

紬「ふふ、でも、私もみんなと行きたかったなぁ、ボウリング」

律「あん? いや、絶対イタリーのがいいって。楽しかっただろ、旅行」

紬「うん、そうだけど…やっぱり、みんなといたほうが楽しいから」

春原「それ、つまりは僕と一緒に居たいことだよね」

律「凄まじく自分に都合のいい解釈の仕方するな、アホっ」

唯「うれしいこといってくれるねぇ、ムギちゃんは」

澪「ちょっとご両親がかわいそうだけどな」

紬「いいのよ、お父さんとは、イタリアに行く前に喧嘩しちゃってたくらいだし」

澪「え、そうなのか?」

紬「うん。一応、仲直りは出来て、旅行自体は楽しめたんだけどね」

澪「そっか。なら、なんにせよ、いい連休が過ごせたってわけだな」

紬「そうね。初日に、岡崎くんとデートもできたし」

その一言で、しんと静まり返るテーブル。


534:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:49:16.68:LXRyRTn+0


修羅場ルートになるのかなハラハラ


537:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:51:15.20:+UZ/pLeq0


春原「え…」
律「え…」
澪「え…」
唯「え…」
和「………」

春原「え゛ぇ゛ーっ!?」
律「え゛ぇ゛ーっ!?」
澪「えぇ!?」

悲鳴に近い驚きの声が上がる。

和「どういうこと? 琴吹さん」

そんな中、冷静に真鍋が琴吹に問いかけていた。

和「ふたりは、付き合ってるの?」

紬「ううん、そういうわけじゃないの。えっとね…」

琴吹は、あの日あった事の経緯を至極穏やかに話していた。
対して、話が進むたび、俺の心中は焦りと動揺で満たされていった。
唯と付き合うことになったばかりなのに…俺のうかつな行動が招いた結果だった。

紬「…というわけなの」

律「はぁ…偽の恋人役ねぇ…なんか、漫画みたいだな」

春原「てめぇ、あの日遅かった理由はこれだったのかよっ!」


538:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:52:27.19:+UZ/pLeq0


朋也「帰りを待つ妻みたく言うな」

春原「なんでそん時僕も誘ってくれなかったんだよっ! つーか、恋人役なら僕にやらせろよっ!」

朋也「俺の?」

春原「ムギちゃんのだよっ! 決まってるだろっ」

朋也「いや、今みたいに騒がれたら面倒だと思ったから、おまえは避けたんだけどな」

春原「くそぉおおおおジェラシイィイイイッ!」

律「しっかし岡崎、おまえはほんとすげぇなぁ…ムギまで攻略中かよ。でも、ちょっと同時にいきすぎてないか?」

朋也「いや、別にそんなやましい考えはなかったけどな。ただ遊んでただけだって」

紬「岡崎くんったら、ただ遊んでただけだなんて…キス未遂までいったじゃない、私たち」

朋也(ぐあ…)

春原「え゛ぇ゛ーっ!?」
律「え゛ぇ゛ーっ!?」
澪「えぇ!?」

唯「………」

唯の視線が痛い…。
むすっとして頬を膨らませている。

春原「てめぇええええ!! うらやま死ねぇええええっ!」


539:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:53:42.43:jpDSDOMkO


朋也「落ち着け、未遂だ、未遂。ただの空砲だ」

澪「岡崎くん、ムギのこと…もしかして、その…」

朋也「待て、違うぞ、俺は別に…」

紬「岡崎くん、私のこと、嫌い?」

朋也「い、いや、そんなことないぞ…好きか嫌いかでいえば、好きだよ」

紬「うれしいっ」

春原「岡崎ぃいいいいいいいいいっ!!」

澪「やっぱり、岡崎くんは…」

朋也「だぁーっ、どうすりゃいいんだよっ」

紬「くすくす…」

琴吹は困惑する俺を見て、悪戯っぽく笑っていた。
最初からこうしてからかうつもりで話したんだろう。

律「これがフラグを立てすぎて処理しきれなくなった男の末路か…ふ、成仏しろよ岡崎」

和「まったく…はっきりしないからこういうことになるのよ。少しは反省なさい」

この場に俺の味方はいないようだった。
それよりも…


541:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:54:17.30:+UZ/pLeq0


唯「……ふん」

唯へのフォローはどうしようかと、それだけが心配だった。

―――――――――――――――――――――

唯「………」

朋也「なぁ…違うんだよ、あれは…」

唯「………」

朋也(はぁ…)

教室に戻ってきても、まったく口をきいてくれなかった。
そもそも、琴吹とふたりきりで遊んだのは、唯と付き合う前だから、セーフじゃないのか…?
そうは思いながらも、途方に暮れる俺。

朋也「どうすればいいんだ、俺は」

唯「…知らない」

一蹴されてしまう。

朋也「そ、そうだ、日曜に遊びに行こう。おまえの好きなところ、回ってさ」

朋也「どこでもいいぞ。寄生虫館とか、全力坂とか、チンさむロードでもオッケーだ」

唯「…どれも興味ないよ」


542:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:55:06.06:KV0U2cyp0


朋也は律以外全員とフラグ立ててんじゃんw


543:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:56:15.28:jpDSDOMkO


朋也「そ、そうか…」

冷たい…あの唯が…。思いのほかショックだった。
でも、俺も最初はこんな感じで唯に接していたんだよな…。
される側になって初めてわかる…なんて嫌な野郎なんだ、俺は。

朋也(仕方ない…)

俺はそっと唯の耳元に口を近づけ…

朋也「好きだ…」

そう囁いた。

唯「…あ、ありがと」

照れたように顔を伏せた。

朋也(よし、手ごたえありっ)

朋也「好きだ、好きだ、好きだ、好きだ…」

ここぞとばかりに連呼した。
すると、俯いていた唯がぷっと吹き出した。

唯「もう…わかったよ、それは」

朋也「そっか。そりゃ、よかった」

唯「変なの」


544:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:56:44.96:+UZ/pLeq0


朋也「そうか?」

唯「うん…えへへ」

笑顔を向けてくれる。
機嫌を直してくれたようなので、俺はひとまず安心した。

―――――――――――――――――――――

………。

―――――――――――――――――――――

放課後。軽音部部室。

春原「ねぇ、ムギちゃん、今度は僕とデート行こうよ。擬似じゃなくて、本物のさ」

春原「それで、最終的には、あんなことや、こんなことに発展して…い、いやら…」

律「アホかっ」

スパコーンッ

上履きで頭をはたかれる春原。

春原「ってぇなっ! あにすんだよっ」

律「おまえが生粋の変態だから、人の道を叩き込んでやったんだよっ」

春原「余計なお世話なんだよっ! つか、そんなくっせぇ武器で攻撃するんじゃねぇよっ」


545:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:58:44.41:jpDSDOMkO


律「な、臭いだとぉ!? 失敬なっ! めちゃフローラルな香りがするんだぞっ!」

春原「うそつけっ! 痛いっていうより、むしろ臭いって感覚の方が大きかったわいっ」

律「な、こぉの野郎っ」

バシバシバシッ

席を立ち、春原に上履きの連打を与える部長。

春原「うぁっ、おま、や、やめ…ぎゃあああああっ」

律「ふりゃふりゃふりゃっ! この、薄汚い豚めっ!」

床にうずくまる春原に向かって、女王様のように上履きをしならせていた。

がちゃり。

梓「こんにちはー」

扉を開け、中野が姿を現した。

梓「………」

律「お、おう、梓。やっと来たか…」

攻撃の手を止める部長。

梓「はぁ…いい汗かいてますね、律先輩…」


546:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 05:59:11.55:+UZ/pLeq0


律「まぁな、ははっ。ま、とりあえずおまえも座れよ」

言って、自分の席に戻る部長。

梓「そうさせてもらいます」

中野は鞄を置きにソファへと歩いていった。

春原「くそぅ…暴力デコめ…」

春原もなにか小さく呟きながら起き上がり、もとの席についた。

梓「って、唯先輩っ! またそんなとこに座ってっ!」

荷を降ろして身軽になると、真っ先に唯のもとへ歩み寄っていく。

唯「あ、あずにゃん、思い出して? 自由席なんだよ?」

梓「でもっ…」

律「梓、諦めろ。あの時決めて、おまえも頷いてただろ?」

梓「うぅ…」

律「そんなに岡崎の隣がいいなら、もっと早くに来るんだな、うひひ」

梓「な…別にそういうつもりで言ってるんじゃないですっ! 変に取らないでくださいっ」

律「あーはいはい、わるぅござんしたね~、ふへへ」


547:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:00:37.13:jpDSDOMkO


梓「もう…」

ため息混じりに、空席へ腰を下ろす中野。

紬「梓ちゃん、どうぞ」

そこへ、琴吹がティーカップとケーキを差し出した。

梓「ありがとうございます」

紬「それと、これ」

キーホルダーを手渡す。

梓「これは…?」

紬「お土産よ」

梓「あ、イタリアのですか?」

紬「うん」

梓「へぇ…なんだか神秘的ですね」

紬「お気に召してくれたかしら?」

梓「はい、すごく。ありがとうございます、ムギ先輩」

紬「いえいえ」


548:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:00:59.12:+UZ/pLeq0


中野はしばらくの間、キーホルダーのギミックに夢中になっていた。
一応、矢を発射できるようになっているのだ。さすがに刺さるほどの威力はなかったが。

律「なんだ? そんなに楽しいのかぁ、梓。けっこう子供だなぁ」

梓「う…ほ、ほっといてください」

言って、胸ポケットにしまう。

梓「…こほん。それはいいとして、今日はおやつを頂いたらすぐに練習しますよ」

梓「もう、創立者祭までの猶予もそんなにありませんからね」

澪「そうだな。気合入れていかないとな、うん」

唯「え~、キワキワまでゆっくりして、その白刃取り感を楽しもうよ~」

唯「キワキワたぁ~いむ♪ キワキワたぁ~いむ♪ ってね」

澪「そんなことしてたら、ばっさり切られちゃうくらいの段階まできてるんだぞ」

梓「そうですよ。唯先輩も、できるだけ早く食べ終わってくださいね」

唯「はぁ~い」

律「でも、なぁんか今日の梓は積極的だよなぁ。いつもは澪が練習のこと一番に言い出すのにさ」

梓「私だっていつも言ってるじゃないですか、練習しましょうって」

律「でも、最近はなぁなぁになってて、あんま言わなかったじゃん」


549:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:02:19.77:jpDSDOMkO


梓「う…それは…」

律「やっぱさ、目の前で岡崎の隣に他の女がいるのが嫌なのかぁ?」

梓「ち、違いますっ! 絶対にありえないですっ!」

律「おーおー、顔赤くしちゃって…うしし」

紬「うふふ、梓ちゃん、可愛いわぁ」

梓「か、からかわないでくださいっ」

梓「もうっ…」

拗ねたように嘆息すると、口直しとばかりにケーキを一切れ食べていた。

梓「むぐ…みなさんも、早く食べてください」

律「はは、わかってるから、食べながら喋るなって」

―――――――――――――――――――――

春原「う~ん、練習頑張ってるムギちゃんも可愛いなぁ」

春原は練習が始まって以来、視姦といっていいレベルで琴吹を見つめ続けていた。
その被害者である当の琴吹本人は、まるで意に介した様子はなく、自身の演奏に集中していた。
賞賛に値する精神力だ。

唯「ふわふわタ~ァイム…っと」


551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:02:56.62:+UZ/pLeq0


後奏が少し走って、音が止む。

澪「今の、結構よかったな」

梓「唯先輩のギターが正確な回でしたね。いつもこうだといいんですけど」

澪「ムラがあるからな、唯は」

唯「えへへ、ごめんね」

澪「いや、そういうところも、おまえらしくていいよ。この調子で頑張ろう」

唯「うんっ」

律「あ~、ちょっと待って。休憩入れよう、休憩」

部長がだらっと姿勢を崩して言う。

澪「って、なんだよ、今いい感じでまとまってたのに…」

律「だって疲れたんだもん」

梓「部長なんだから士気とかそういうことも考慮してくださいよ」

律「なんだよ、じゃあ、あたしが無理して再起不能になってもいいって言うのかよぉ」

梓「なるわけないじゃないですか…どんな叩き方してるつもりなんですか」

律「もぉーっ! いいから、休憩するのっ」


553:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:04:09.55:jpDSDOMkO


澪「小学生みたいな駄々をこねるな…」

紬「ふふ、いいじゃない。休憩、入れましょ?」

澪「まぁ…ムギがそう言うなら…」

律「なんだ、そのあたしとの温度差はっ」

澪「日ごろの行いの差だ」

律「意味わかんねぇーっ! 理不尽だーっ」

唯「あははっ」

春原「ムギちゃん、ミネラルウォーターだよ」

いつの間にか春原がペットボトルを手に練習スペースに入っていた。

紬「あら、ありがとう、春原くん」

春原「これくらい、なんでもないよ。パシリ…いや、飲み物運びは慣れてるからさっ」

言い直しても意味は同じだった。

律「ふぃ~…春原ぁ、ちっとタオル持ってきてぇ~」

春原「あん? んなの、自分で持って…」

春原が部長を見て固まる。


554:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:04:37.81:+UZ/pLeq0


律「? なんだよ…」

部長はカチューシャを外して前髪を下ろしていた。
それだけなのだが、かなり印象が変わっていた。
硬直の原因はそれだろう。

春原「い、いや…」

律「変な奴だな…とりあえず、タオル持ってきてよ」

春原「あ、ああ…」

言われ、とぼとぼ歩きながらソファにかけてあった部長のタオルを持ち帰る。

春原「ほ、ほらよ…」

律「お、サンキュ」

受け取って、顔を拭く。

律「あー、すっきり」

そして、またカチューシャで髪を上げた。

律「ん? なんだよ、春原。もう用はないぞ」

春原「あ、いや…」

春原は立ったままその場で動きを止めていた。


555:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:05:47.56:jpDSDOMkO


春原「おまえ、それしてない方が…」

律「あん?」

春原「いや…なんでもないよ、ははっ」

苦笑いを浮かべながらこちらに戻ってくる。

律「なんなんだよ…気持ちわりぃなぁ…」

紬「りっちゃん、気づかないの?」

律「なにが?」

紬「春原くん、髪下ろしたりっちゃんにトキメいてたのよ」

律「え? マジ?」

春原「ちょ、ムギちゃん、それはないってっ」

唯「春原くん、ラヴだね、恋だねっ」

春原「ちげぇってのっ!」

律「ふふん、そういうことか…道理であたしの言う事素直に聞いてたわけだ」

春原「勘違いすんなっ、デコっ!」

律「デコじゃないわよん?」


556:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:06:12.25:+UZ/pLeq0


ぱっとカチューシャを外す。

春原「う…て、てめぇ…」

律「ははは、動揺しているようだな、春原くん?」

春原「ぐ…くそぉ…」

紬「あらあら…甘酸っぱいわぁ」

唯「澪ちゃん、こいいう甘酸っぱい感じの歌詞書けば、新境地に立てるんじゃない?」

澪「そうだな…タイトルは、デコ☆LOVE…でいけそう…いや、LOVE☆デコかな?」

律「って、まてぇいっ! どっちもめちゃくちゃ悪意を感じるぞっ! つか位置変えたただけだしっ」

梓「…ぷっ」

律「中野ーっ!」

騒ぎ出す部員たち。
俺と春原はテーブル席からその喧騒を眺めていた。

朋也「で、おまえ、実際部長はどうなんだよ」

春原「うん? あんなのただのデコさ、ははっ」

朋也「ふぅん…」

春原「マジだって、はははっ」


557:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:07:43.55:jpDSDOMkO


軽く言って、紅茶を口にする。

春原「ふぅ…なんか肺がおかしいなぁ…ガンじゃないだろうな…」

完全にトキメいていた。分り易い奴だ。

―――――――――――――――――――――

律「春原ぁ、鞄持って~」

春原「ああ? やだよ。アホか」

律「む…」

カチューシャを外し、髪を下ろす。

律「お・ね・が・い、春原くん」

春原「う…」

春原「うわぁああああああんっ!!」

猛ダッシュで坂を下っていった。

律「わははは! こりゃ、おもしろい」

紬「りっちゃん、あんまり春原くんの純情を弄んじゃだめよ」

律「いや、あいつにそんなもんねぇって。常に劣情をたぎらせてるような男だし」


558:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:08:30.76:+UZ/pLeq0


律「まぁ、しばらくはこれで遊べそうだな、うひひ」

まるで新しいおもちゃが手に入った子供のようだった。

―――――――――――――――――――――

他の部員たちと別れ、唯とふたりきりになる。
俺はこのまま唯を家まで送っていくつもりだった。

唯「でもさぁ、意外だよねぇ。春原くんが、りっちゃんをあんな風に見ちゃうなんてさ」

唯「けんかも、いっぱいしてたのにね」

朋也「そうだな。でも、まぁ、あいつは見た目が好みなら、すぐに心が揺れるからな」

朋也「実際、ナンパもよくしてたみたいだし…俺もそれに付き合わされたことあるしな」

唯「…朋也、ナンパなんてしてたんだ? ふーん…」

しら~っとした、寒々しい目を向けられる。

朋也「いや、だから、付き合わされただけだって。それも、おまえと付き合う前に一度だけだ」

朋也「これからは誘われたって絶対しねぇよ。おまえがいてくれれば、俺は十分だからな」

唯「ほんと?」

朋也「ああ」

唯「えへへ…私もだよ。朋也がこれからも私の隣にいてくれると、うれしいな」


559:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:09:54.60:jpDSDOMkO


朋也「安心しろ。ずっとおまえの後ろから、そのうなじに執着しててやるから」

唯「なんで背後なのぉ? せめて横にいてよ…っていうか、そんな物理的な意味じゃないのにぃ」

朋也「そうか? 残念だな…あとちょっとだったのに」

唯「なにがあとちょっとなのかわかんないけど…どうせ、変なことなんでしょ」

朋也「まぁな。でも、男はみんなそんなもんだ」

唯「もう…特別変態だよ、朋也は」

ポン、と体に唯の拳を受けて、軽く制裁された。
俺はその腕を取ると、末端まで辿っていき、自分の手を絡ませた。
繋がれるふたりの手。
唯も笑顔で返してくれた。
そのまま歩く。

唯「とろでさ…朋也はあずにゃんのこと、どう思う?」

朋也「あん? 中野?」

こんないい雰囲気の中、その名が出てくることに少し戸惑う。
今もどこかに潜んでいて、俺たちの仲を引き裂こうと身構えているんじゃないかと、そんな気にさえなる。

朋也「つーか…どうって、なにが?」

唯「だから、可愛いとか、いい子だなぁ、とか、抱きしめたい~、とか…そんな感想だよ」

今挙げた例はすべてこいつの胸の内なんだろう、多分。


560:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:10:43.63:+UZ/pLeq0


朋也「感想たってなぁ…まぁ、確かに見た目は可愛いけど…でも、生意気だしな…」

朋也「それに、俺たちにとってちょっと厄介な存在でもあるし…面倒だよな、正直」

それでも、わざわざ野良猫の飼い主を探すような優しい一面も、あるにはあるのだが。

唯「そっか…でもね、あずにゃんは朋也のこと、きっと良く思ってるよ」

朋也「んなわけねぇよ。むしろ、嫌われてるだろ。いつも攻撃されてるんだぜ? 俺」

唯「それはあんまり関係ないんじゃないかなぁ。春原くんだってそうだったでしょ」

朋也「そうだけど…なんだ? 部長が言ってたこと気にしてんのかよ」

朋也「あんなの、おもしろがって言ってるだけだろ。攻略とかなんとかってさ」

唯「そうかもしれないけど…案外当たってるところもあると思うんだ」

唯「あずにゃんが朋也の隣に座りたがるのも、やっぱりそういうことなんじゃないのかなぁ」

朋也「そうかぁ?」

単に唯を取られまいと、俺から遠ざけているだけに見えるのだが。
それがあいつの行動原理のはずだ。

唯「うん…それでね、もしほんとにあずにゃんが朋也のこと好きで、朋也も同じ気持ちになった時は…」

唯「その時は、私じゃなくて、あずにゃんを選んでくれてもいいかなって、ちょっと思ったりしたんだけどね」

朋也「馬鹿…そういうこと、冗談でも言うなよ」


561:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:11:52.93:jpDSDOMkO


朋也「俺はおまえ以外考えられないって、さっきもそう言ったばっかりだろ?」

唯「うん…」

朋也「俺はおまえが好きだよ。おまえも、そう想ってくれてるってことで、合ってるよな?」

唯「うん」

朋也「だったら、もうそれだけでいいじゃないか。余計なことは考えるな」

唯「そうだね…うん」

朋也「けっこう恥ずかしいんだからな、好き好き言うのは」

唯「そう? でも、私はもっと言って欲しいなぁ」

朋也「もう言わねぇよ」


562:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/26(日) 06:12:16.17:+UZ/pLeq0


唯「じゃあ、私が言ってあげるね。朋也、好き好き~」

腕に絡み付いてくる。

朋也「…うん」

唯「あはは、…うん、だって。朋也、照れてるぅ~」

朋也「…ほっとけよ」

唯「かわいいなぁ~」

家に帰り着くまで、唯はずっと俺をからかい続けてきた。
スキンシップに耐性があまりないんだろうか、俺は…
終始どきどきしっぱなしだった。

―――――――――――――――――――――



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