水掛け論
青々とした原っぱを、3つの足音が駆けて行く。
ポーカーフェイス、真壁瑞希。
花飾りのヘヤピンが特徴の、周防桃子。
そして、本来このメンバーに属していたお転婆娘に代わって2人の背中を追って走る島原エレナ。
彼女達は走り続けている。
見えなくなった恐怖に怯えながら、見えなくなった後悔に背を向けながら。
花飾りのヘヤピンが特徴の、周防桃子。
そして、本来このメンバーに属していたお転婆娘に代わって2人の背中を追って走る島原エレナ。
彼女達は走り続けている。
見えなくなった恐怖に怯えながら、見えなくなった後悔に背を向けながら。
しかし、疾走は長く続く筈もなく桃子を抱えた瑞希が徐々に走る速度が減速していく。
それに比例して後ろからついてきていたエレナも減速、瑞希と合流する形で隣に並ぶ。
それに比例して後ろからついてきていたエレナも減速、瑞希と合流する形で隣に並ぶ。
「…はぁはぁ………すみません…………周防さん……降ろします」
肩で息をする瑞希は桃子に了承を確認する。桃子が小さく頷いたのを確認した瑞希を桃子を地面に降ろすと膝をつき咽る様に咳をする。
隣に並ぶエレナも膝こそつかなかったがその場で2,3回と大きく深呼吸し、肺からなくなった酸素を身体いっぱいに取り入れる。
双方額から溢れ出る汗を拭う事もはらう事もせず、放置した汗はただ重力に従いながら地面に落ちる。
汗は落ち続け誰も口を開かず、否、口を開けど出てくるのは必死に酸素を取り込む呼吸音のみとなる事数分間。
隣に並ぶエレナも膝こそつかなかったがその場で2,3回と大きく深呼吸し、肺からなくなった酸素を身体いっぱいに取り入れる。
双方額から溢れ出る汗を拭う事もはらう事もせず、放置した汗はただ重力に従いながら地面に落ちる。
汗は落ち続け誰も口を開かず、否、口を開けど出てくるのは必死に酸素を取り込む呼吸音のみとなる事数分間。
「……はぁ………はぁ…ふぅ…皆さん。ご無事ですか?」
漸く呼吸が整い始めた瑞希が覚束ない足で立ち上がりここにいる者達の安否を確認する。
「はぁはぁ…ワタシ達はダイジョブだよ。でも………マミが」
「っ………」
エレナの言葉に苦い顔をする。
突如襲いかかってきた北上麗花の狂気により脇腹を撃たれ崩れ落ちた真美の姿を思い出し、先程まで走っていた道というにはお粗末な道を振り返る。
もう真美も麗花も見当たらない。当然だ。自分から逃げたのだから。
こちらに助けを求める真美を置いて………
恐らく、もう助けに行ったところで生きてはいないだろう。
逃げ惑う途中で空を切り裂く様に鳴り響いた銃声。
あの銃声の意味は考えなくとも分かる。仮にそうじゃなかったとしても、戻ったところで大量出血で事切れている可能性は高い。
そうでなくても行くべきなのかもしてないが………
突如襲いかかってきた北上麗花の狂気により脇腹を撃たれ崩れ落ちた真美の姿を思い出し、先程まで走っていた道というにはお粗末な道を振り返る。
もう真美も麗花も見当たらない。当然だ。自分から逃げたのだから。
こちらに助けを求める真美を置いて………
恐らく、もう助けに行ったところで生きてはいないだろう。
逃げ惑う途中で空を切り裂く様に鳴り響いた銃声。
あの銃声の意味は考えなくとも分かる。仮にそうじゃなかったとしても、戻ったところで大量出血で事切れている可能性は高い。
そうでなくても行くべきなのかもしてないが………
「っ………」
足に走る痛みを認識し屈み込んで見ると血が流れていた。
麗花の発砲した弾丸が掠めて出た出血。少し痛むが我慢出来ない程じゃない。
痛々しく流れる血を拭い、同行者の桃子とエレナの状況を確かめる。
地面に降ろした桃子は青い顔をして地面にペタンと座り込み身体を小刻みに震えさせている。息を吐くペースも疎らだ。
それもその筈。彼女はしっかりと最後まで見ていた。
真美の絶望した顔を、麗花が真美を撃つ瞬間を、人が人でなくなる瞬間を、しっかり見ていたんだ。
そして、真美を置き去りにする様に言ったのは桃子だった。
今はまだ大丈夫だが、後に自生の念に駆られてしまうだろう。後悔に押し潰されない様しっかりフォローしなければ。
エレナは、比較的桃子より落ち着いているがそれでも顔色が良いとは言えず、どこか困惑している。呼吸もまだ落ち着いていない。
麗花の発砲した弾丸が掠めて出た出血。少し痛むが我慢出来ない程じゃない。
痛々しく流れる血を拭い、同行者の桃子とエレナの状況を確かめる。
地面に降ろした桃子は青い顔をして地面にペタンと座り込み身体を小刻みに震えさせている。息を吐くペースも疎らだ。
それもその筈。彼女はしっかりと最後まで見ていた。
真美の絶望した顔を、麗花が真美を撃つ瞬間を、人が人でなくなる瞬間を、しっかり見ていたんだ。
そして、真美を置き去りにする様に言ったのは桃子だった。
今はまだ大丈夫だが、後に自生の念に駆られてしまうだろう。後悔に押し潰されない様しっかりフォローしなければ。
エレナは、比較的桃子より落ち着いているがそれでも顔色が良いとは言えず、どこか困惑している。呼吸もまだ落ち着いていない。
「………あの、島原さん」
現段階で話を聞くならエレナだろうと瑞希は遠慮しがちに声をかける。
「聞かせてもらえませんか?北上さん、彼女に一体何があったのかを。それに研究施設の事や水瀬さんの事」
瑞希の質問にエレナは呼吸を整わせ再度ゆっくりと深呼吸し、瞳を閉じて現状の整理をする。
「………島原さん?」
「あっ、ダイジョブ……ちょっとセイリしてただけだから…」
「あっ、ダイジョブ……ちょっとセイリしてただけだから…」
瑞希の心配そうな声を受け止めながら、冷静さを取り戻したエレナは原っぱに座り瑞希もそれに倣ってその場に正座する。
「ちゃんと話すヨ。まずはコノゲームが始まった時からカナ………」
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
時間は流れ、エレナの話を聞き終えた瑞希は顎に手を当てる。
エレナの話によって数多くの情報が齎された。
エレナの話によって数多くの情報が齎された。
しどろもどろになりながらも懸命に語ってくれたエレナの話しは、ざっと整理してみるとこう区切られる。
引き込まれ突っ込んで聞きたい細部は多々あれど、一番大きいのは目指していた研究施設内の構造を知れた事か。
エレナ達が探索してくれた事で瑞希にも大方、研究施設の内部構造が想像出来る。
聞くところによれば研究施設は嘗て765プロで行ったイベント、「アイドルヒーローズ」の研究施設をそのまま持ってきた様な構造らしく、撮影に使われた機材や管理室もそのままの物。であるなら自分が求めている工具も、そこに置いてあるだろう。
引き込まれ突っ込んで聞きたい細部は多々あれど、一番大きいのは目指していた研究施設内の構造を知れた事か。
エレナ達が探索してくれた事で瑞希にも大方、研究施設の内部構造が想像出来る。
聞くところによれば研究施設は嘗て765プロで行ったイベント、「アイドルヒーローズ」の研究施設をそのまま持ってきた様な構造らしく、撮影に使われた機材や管理室もそのままの物。であるなら自分が求めている工具も、そこに置いてあるだろう。
「ネェ……ホントに出来るノ?首輪の「しーっ、です」」
人差し指を口元に当てエレナの言葉を制止する。
エレナにはこれまでのこちらの道のりも、ここからの道のりも大体話した。当然、首輪の解体の件も含めて。
盗聴の恐れがある以上あまりその話題を大っぴらに口には出せない。
指を離す時耳元で、「工具さえ揃っていれば……おそらく」っと小声で語る。
瑞希の言葉に少なからず希望を持った様に遠慮しがちに安心するエレナ。
遠慮しがちになるのは真美が殺された手前、手放しで喜ぶというのは些か不謹慎だからだろう。
それに首輪の解体だって上手くいくか分からない。正直に言ってしまえば、現段階では失敗の確率の方が圧倒的に高い。
研究施設内の工具ではそこまで精密な物も求められないだろうし。
そうじゃなくても首輪の解体は今から行おうとしている事で、まだ実行に移せる段階にさえ入っていないのだ。
エレナにはこれまでのこちらの道のりも、ここからの道のりも大体話した。当然、首輪の解体の件も含めて。
盗聴の恐れがある以上あまりその話題を大っぴらに口には出せない。
指を離す時耳元で、「工具さえ揃っていれば……おそらく」っと小声で語る。
瑞希の言葉に少なからず希望を持った様に遠慮しがちに安心するエレナ。
遠慮しがちになるのは真美が殺された手前、手放しで喜ぶというのは些か不謹慎だからだろう。
それに首輪の解体だって上手くいくか分からない。正直に言ってしまえば、現段階では失敗の確率の方が圧倒的に高い。
研究施設内の工具ではそこまで精密な物も求められないだろうし。
そうじゃなくても首輪の解体は今から行おうとしている事で、まだ実行に移せる段階にさえ入っていないのだ。
そして今、瑞希がやろうとしている事は妨げられようとしている。
その妨げになって立ちはだかるのは、先に対面した麗花。
彼女は瑞希達が研究施設に行く事を、厳密には『伊織が居る研究施設』に行く事を申告した途端襲いかかってきた。
彼女はどうやら(麗花の認識において)危険人物を伊織に接触させないよう守っている様だ。
だが、それにしてもやはり麗花はおかしい。
あずさに関して言えば殺されそうになったから殺したの過剰防衛で説明がつくが、瑞希達を死体を抱えていただけで危険人物と認定するのは、幾ら一触即発の殺し合いの場でも常軌を逸している。
こちらを殺そうとし、現に真美は殺害されたのだ。早とちりでは許されない。
その妨げになって立ちはだかるのは、先に対面した麗花。
彼女は瑞希達が研究施設に行く事を、厳密には『伊織が居る研究施設』に行く事を申告した途端襲いかかってきた。
彼女はどうやら(麗花の認識において)危険人物を伊織に接触させないよう守っている様だ。
だが、それにしてもやはり麗花はおかしい。
あずさに関して言えば殺されそうになったから殺したの過剰防衛で説明がつくが、瑞希達を死体を抱えていただけで危険人物と認定するのは、幾ら一触即発の殺し合いの場でも常軌を逸している。
こちらを殺そうとし、現に真美は殺害されたのだ。早とちりでは許されない。
エレナの話によれば麗花の様子がおかしくなったのはあずさ殺害の辺りかららしいが、ともにいたエレナもはっきりとは分かっていない。
本当に気づかない内に麗花が壊れていったのか、それともゲームが始まった時点で何かしら壊れてしまったのか。
よもや研究施設に当てられてデストル化した訳ではなかろう。
分かっている事は、麗花の中で何かが故障してしまったという事だけだ。
そんな麗花が、自分達に牙を剥いている。
麗花が追って来なかったのは自分達が研究施設を目指すと知って、戻っていったのだと推測している。
麗花の中での優先事項は飽くまで敵の殲滅より伊織を守る事だ。
敵が向かってくる場所に居れば自分が守りたい人は守れ、仇なす敵は狩れる。
正に一石二鳥。
本当に気づかない内に麗花が壊れていったのか、それともゲームが始まった時点で何かしら壊れてしまったのか。
よもや研究施設に当てられてデストル化した訳ではなかろう。
分かっている事は、麗花の中で何かが故障してしまったという事だけだ。
そんな麗花が、自分達に牙を剥いている。
麗花が追って来なかったのは自分達が研究施設を目指すと知って、戻っていったのだと推測している。
麗花の中での優先事項は飽くまで敵の殲滅より伊織を守る事だ。
敵が向かってくる場所に居れば自分が守りたい人は守れ、仇なす敵は狩れる。
正に一石二鳥。
「……あの島原さん」
「ん……ナニ」
「島原さんはどうしたいですか?北上さんの事」
「私は……止めたいヨ」
瑞希の質問に僅かな思考で答える。
「確かに、おかしくなっちゃったケド!でもレイカ!ただイオリのコト守りたいだけナンダヨ!!」
「それは…私も分かっていますが……」
こちらに牙を剥く麗花ではあったが、しかしそれが悪意からなる物ではないとなれば話は難しくなる。
悪意がある者ならばっさり切り捨てればいいのかもしれない。が、麗花はただ伊織を守りたいだけだ。
そこに悪意はない。
だが害悪ではないかと言われればそうとしか言えない。
今の麗花を形容するなら悪意あるマーダー≪殺人者≫ではなく罪悪感や後悔と言った感情の欠如したバーサーカー≪狂人≫。
どう対処したら良いのか……
悪意がある者ならばっさり切り捨てればいいのかもしれない。が、麗花はただ伊織を守りたいだけだ。
そこに悪意はない。
だが害悪ではないかと言われればそうとしか言えない。
今の麗花を形容するなら悪意あるマーダー≪殺人者≫ではなく罪悪感や後悔と言った感情の欠如したバーサーカー≪狂人≫。
どう対処したら良いのか……
「……ミズキ?」
答えなど、とっくに出ていた。それが正解かはともかく、これ以上の答えは瑞希には見つけられない。
立ち上がった瑞希は近くで話しを聞きながらずっと震えていた桃子の元に歩み寄り、屈んで桃子の頭を撫でる。
立ち上がった瑞希は近くで話しを聞きながらずっと震えていた桃子の元に歩み寄り、屈んで桃子の頭を撫でる。
「周防さん、貴方が双海さんのコトで気に病む事なんて何一つありません。だから気にしないでくださいね」
本当は、すぐにフォローしたかったが、順序を考えるとどうしても後になってしまった。
心に中でその事を謝罪しながら瑞希は桃子の頭を撫で続ける。
心に中でその事を謝罪しながら瑞希は桃子の頭を撫で続ける。
「中谷さんの事、すみません。散々連れ回しておいて結局地面に置き去りにしてしまって……ごめんなさい」
盗聴されているかもしれない事を考慮して、小声で桃子に育の事を謝罪する。
桃子は俯きながらも小さく首を横に振り、気にしてないと伝える。
それに安堵した瑞希は言葉を続ける。
桃子は俯きながらも小さく首を横に振り、気にしてないと伝える。
それに安堵した瑞希は言葉を続ける。
「ありがとうございます……では、落ち着いて聞いてください」
瑞希の言葉と手の温もりを感じ、桃子も心は落ち着きを取り戻す。
そして落ち着いたところで、
そして落ち着いたところで、
「周防さん、貴方はエレナさんとこの近くの温泉宿に向かってください」
瑞希は言葉を切り出した。
今迄俯いていた桃子は不安な顔つきで瑞希の顔を見上げる。
顔を上げた桃子は確認したかったんじゃない、否定してほしかったんだ。
その言葉の意味を、桃子の解釈は違うんだと。
でも、瑞希は否定してはくれない。
代わりに柔らかく微笑み、最後に桃子の頭を一撫ですると立ち上がった。
今迄俯いていた桃子は不安な顔つきで瑞希の顔を見上げる。
顔を上げた桃子は確認したかったんじゃない、否定してほしかったんだ。
その言葉の意味を、桃子の解釈は違うんだと。
でも、瑞希は否定してはくれない。
代わりに柔らかく微笑み、最後に桃子の頭を一撫ですると立ち上がった。
「えっ……ミズキは?」
その言葉を後方で聞いていたエレナに向き直って瑞希は強く、
「私はもう一度だけ、北上さんと対面します」
自分の決意を口にした。
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
麗花は現時点でどうあっても害悪になりえる存在だ。
伊織を守りたいと言うのが本心だとしても、瑞希には伊織を免罪符に殺しを良しとしてしまった様にしか聞こえない。
エレナには悪いが、自分は彼女に救いようがあると思える程楽観的には考えられない。
このまま麗花を放っておけば必ず被害は拡大していくだろう。
幸い、瑞希達を待ち伏せて研究施設に留まってくれているであろう現状は良し。少なくとも外に出て誰かを傷つける心配はない。
だが、瑞希達が研究施設に来ないと分かればまた彼女曰くの「悪い子狩り」が行われてしまう。
それはなんとしても避けたい。
ならば、彼女曰はくの「悪い子」が、そこに赴けばいいのだ。
自分達はどうあっても研究施設に行く事を諦めない。それを麗花に分からせる。
そうすれば麗花は研究施設から動けなくなる。
伊織を守りたいと言うのが本心だとしても、瑞希には伊織を免罪符に殺しを良しとしてしまった様にしか聞こえない。
エレナには悪いが、自分は彼女に救いようがあると思える程楽観的には考えられない。
このまま麗花を放っておけば必ず被害は拡大していくだろう。
幸い、瑞希達を待ち伏せて研究施設に留まってくれているであろう現状は良し。少なくとも外に出て誰かを傷つける心配はない。
だが、瑞希達が研究施設に来ないと分かればまた彼女曰くの「悪い子狩り」が行われてしまう。
それはなんとしても避けたい。
ならば、彼女曰はくの「悪い子」が、そこに赴けばいいのだ。
自分達はどうあっても研究施設に行く事を諦めない。それを麗花に分からせる。
そうすれば麗花は研究施設から動けなくなる。
っと言うのが瑞希の出した結論だ。
当然穴はある。
伊織が既に研究施設内におらず別の場所に移ってしまっている場合、守るべき伊織を探す為麗花が動く可能性。
しかし、恐らくそれはない。
伊織が研究施設にいなくとも麗花は伊織が戻ってくるものと捉え待つだろう。
確証はないが確信はある。
麗花はもう正常な判断など出来ないから、物事を都合の良い様にしか捉えられないから。
そういう意味では伊織には出来れば研究施設にいてほしくはない。彼女と麗花が対面して、もし伊織が拒絶でもすればそれこそ麗花が研究施設から移動する事になってしまいかねない。
事は迅速に済ませる必要がある。
伊織が既に研究施設内におらず別の場所に移ってしまっている場合、守るべき伊織を探す為麗花が動く可能性。
しかし、恐らくそれはない。
伊織が研究施設にいなくとも麗花は伊織が戻ってくるものと捉え待つだろう。
確証はないが確信はある。
麗花はもう正常な判断など出来ないから、物事を都合の良い様にしか捉えられないから。
そういう意味では伊織には出来れば研究施設にいてほしくはない。彼女と麗花が対面して、もし伊織が拒絶でもすればそれこそ麗花が研究施設から移動する事になってしまいかねない。
事は迅速に済ませる必要がある。
「これが一番良いと、私は思います」
「それならワタシも行くヨ!もともとレイカとはずっと一緒にいたんダカラ!」
「それは駄目です」
「ナンデ!?」
「人数が多ければ良いと言う訳ではないからです」
必要なのは麗花にこの研究施設を目指す輩が他にもまだいるんだと思い知らせる事。
ここにいるのは3人。
桃子を単体と見做さなくとも2人。
麗花に思い知らせるには、まず必ず瑞希が単体で麗花の元に行く事が重要なのだ。
まだ何か言いたげなエレナが口を開く前に素早く桃子とともに降ろしたバッグの中から支給品の金槌を取り出し、それを右手に持ちながら2人から逃げる様に研究施設に向かおうとする。
っが、それは叶わなかった。
ここにいるのは3人。
桃子を単体と見做さなくとも2人。
麗花に思い知らせるには、まず必ず瑞希が単体で麗花の元に行く事が重要なのだ。
まだ何か言いたげなエレナが口を開く前に素早く桃子とともに降ろしたバッグの中から支給品の金槌を取り出し、それを右手に持ちながら2人から逃げる様に研究施設に向かおうとする。
っが、それは叶わなかった。
足が前に進まない。
それは精神的は足の竦みではなく物理的な足の重み。
それは精神的は足の竦みではなく物理的な足の重み。
「……周防さん。離してください」
桃子が研究施設に向かおうとしている瑞希の足ががっしりと固定している。
子供の腕力ではその拘束も高が知れているが、瑞希は桃子を傷つけてその拘束を振りほどこうとはしない。
再度屈み込んだ瑞希は桃子を諭す様に拘束を解かせようとするが、桃子は首を横に振り一向に手を離そうとはしない。
子供の腕力ではその拘束も高が知れているが、瑞希は桃子を傷つけてその拘束を振りほどこうとはしない。
再度屈み込んだ瑞希は桃子を諭す様に拘束を解かせようとするが、桃子は首を横に振り一向に手を離そうとはしない。
「瑞希さん……自分が何言ってるのか分かってるの…」
「…………」
「……死んじゃうんだよ?」
瑞希の出した結論は麗花に研究施設を目指す者を警戒させ研究施設付近に留まらせると言うもの。それには必ず、麗花にこちらの存在を認識させる必要がある。
だがそうすれば、今の麗花は確実に標的として自分を殺しにかかるだろう。
相手は遠距離可能の拳銃。対してこちらのめぼしい武器は金槌のみ。
おまけに麗花の身体能力は765プロでも高く、今は狂って遠慮もない。
こちらに勝てる見込みなどないに等しい。
つまり瑞希の作戦では、認識された人間は殺させる。
そんな危険な作戦、認める事など出来ない。
だがそうすれば、今の麗花は確実に標的として自分を殺しにかかるだろう。
相手は遠距離可能の拳銃。対してこちらのめぼしい武器は金槌のみ。
おまけに麗花の身体能力は765プロでも高く、今は狂って遠慮もない。
こちらに勝てる見込みなどないに等しい。
つまり瑞希の作戦では、認識された人間は殺させる。
そんな危険な作戦、認める事など出来ない。
「行かせないから」
「……」
「行ってほしくない」
不安に押しつぶされそうな顔から一変、桃子は瑞希を睨む様に見つめる。
「死にに行くなんて認めない!大体無責任だよ!卑怯だよ!!何?エレナさんと温泉宿に向かってほしいって?おかしいでしょ!?散々人の事連れ回しておいて最後には他の人に全部投げつけるつもり!!」
「ですから……」
「大体首輪の解体はどうするの!瑞希さん以外にそんな事出来る可能性のある人なんているの!!」
「大体首輪の解体はどうするの!瑞希さん以外にそんな事出来る可能性のある人なんているの!!」
「それは……」
黙り込んでしまう瑞希。
実際、懸念している。自分以外にそんな事を出来る人間はいるのか?
自惚れではないが、機械いじりには自信がある。
そんな自分が難しい事を、他の人が出来るのだろうか。
痛い所を突かれた瑞希に桃子は追撃とばかりに感情の全てをぶつける。
これから死地に赴かんとする人間に対して、本来こんな事を言っていけないなど桃子自身、百も承知だ。しかし怒りにも似た胸のもやもやを口に出しでもしないと狂ってしまいそうな桃子の言葉は留まる事はない。
実際、懸念している。自分以外にそんな事を出来る人間はいるのか?
自惚れではないが、機械いじりには自信がある。
そんな自分が難しい事を、他の人が出来るのだろうか。
痛い所を突かれた瑞希に桃子は追撃とばかりに感情の全てをぶつける。
これから死地に赴かんとする人間に対して、本来こんな事を言っていけないなど桃子自身、百も承知だ。しかし怒りにも似た胸のもやもやを口に出しでもしないと狂ってしまいそうな桃子の言葉は留まる事はない。
「ずるい!ずるいずるいずるい!!無責任!卑怯者!!」
「……周防さん」
「最初に逢ってずっと一緒にいたんだから!そりゃ、私良い子じゃなかったし!我儘言って迷惑かけてたし!育の事で煙たがったりしたし!瑞希さんは私と一緒にいるメリットなんてないかもしてないけど……だけど……」
「最初に逢ってずっと一緒にいたんだから!そりゃ、私良い子じゃなかったし!我儘言って迷惑かけてたし!育の事で煙たがったりしたし!瑞希さんは私と一緒にいるメリットなんてないかもしてないけど……だけど……」
「行かないでよぉ…………」
「ずっと一緒にいてよ……」
「ずっと一緒にいてよ……」
お願いだから。
良い子にするから。
良い子にするから。
「……1人ぼっちに…………しないでぇ……」
すり寄る桃子に、瑞希は困った顔でどうしていいのか分からないと、桃子を見つめている。
この言葉が本心である事は分かった。その気持ちを、出来る事なら組んであげたい。
でも現状どうあっても麗花は無視出来ない。
どうあっても彼女に会いに行かなければならない。でも、桃子は連れていけない。
死地に幼い少女を連れては行けない。でも、桃子は離してくれない。
故に、どうしていいか分からない。
どうするのが正解なのか?否、どうすれば桃子は納得してくれるのか。
この言葉が本心である事は分かった。その気持ちを、出来る事なら組んであげたい。
でも現状どうあっても麗花は無視出来ない。
どうあっても彼女に会いに行かなければならない。でも、桃子は連れていけない。
死地に幼い少女を連れては行けない。でも、桃子は離してくれない。
故に、どうしていいか分からない。
どうするのが正解なのか?否、どうすれば桃子は納得してくれるのか。
恐らく、何を言っても納得しない。
大人だと謳った少女は、ここまで支えてくれていた女性が離れて行ってしまう現実に、心が不安定になった。
何とか引き留めたい。
傍にいてほしい。
なにより……見捨てないでほしい。
身勝手な言い分だと分かっていても、構わない。
だって今、大人だった少女は子供になったから。
理論、理屈、効率、確率、そんな物は無視して感情に任せる子供だから。
大人だと謳った少女は、ここまで支えてくれていた女性が離れて行ってしまう現実に、心が不安定になった。
何とか引き留めたい。
傍にいてほしい。
なにより……見捨てないでほしい。
身勝手な言い分だと分かっていても、構わない。
だって今、大人だった少女は子供になったから。
理論、理屈、効率、確率、そんな物は無視して感情に任せる子供だから。
「麗花さんなんてもうほっとけばいいじゃない!瑞希さんが行く必要ない!」
「そういう訳にはいきません。彼女は放っておけば更に犠牲者が」
「他の人なんてどうでもいいでしょ!!」
「っ!よくありません!ずっと一緒にいた仲間達なんですよ!」
「そんなのここじゃ信用出来ないでしょ!もう皆殺し合いに乗ってるかもしれないじゃない!」
「そんな事ありません!諦めないで前に進もうとしている人も必ずいます!」
「そんなの!それこそ可能性的に少ないでしょ!」
「それでも少なからずいるならその人達の為にも北上さんを止めなければなりません!!」
「何よそれ!瑞希さんは!目の前にいる私より、どこにいるかも分からないメンバーの方が大事だっていうの!」
「そうは言ってません!!」
「そういう訳にはいきません。彼女は放っておけば更に犠牲者が」
「他の人なんてどうでもいいでしょ!!」
「っ!よくありません!ずっと一緒にいた仲間達なんですよ!」
「そんなのここじゃ信用出来ないでしょ!もう皆殺し合いに乗ってるかもしれないじゃない!」
「そんな事ありません!諦めないで前に進もうとしている人も必ずいます!」
「そんなの!それこそ可能性的に少ないでしょ!」
「それでも少なからずいるならその人達の為にも北上さんを止めなければなりません!!」
「何よそれ!瑞希さんは!目の前にいる私より、どこにいるかも分からないメンバーの方が大事だっていうの!」
「そうは言ってません!!」
「ふっ、2人ともケンカはやめてヨ!」
怒涛の口喧嘩。
珍しく普段は絶対に声を荒げたりしない瑞希も桃子の激昂に当てられて子供の様に怒鳴り散らしている。
2人の口喧嘩に軽く傍観者になっていたエレナが仲裁に入る。
しかしヒートアップした2人の口喧嘩は止まらず、寧ろ激しさは増すばかり。
仲裁に入った筈のエレナもおろおろするばかりで何も出来ない。
珍しく普段は絶対に声を荒げたりしない瑞希も桃子の激昂に当てられて子供の様に怒鳴り散らしている。
2人の口喧嘩に軽く傍観者になっていたエレナが仲裁に入る。
しかしヒートアップした2人の口喧嘩は止まらず、寧ろ激しさは増すばかり。
仲裁に入った筈のエレナもおろおろするばかりで何も出来ない。
「だったら!!!」
っと怒涛の勢いの矛先と指先を、
「エレナさんに行ってもらえばいいじゃない!!」
エレナに向けた。
「エレナさんは瑞希さんより運動神経良いんだから!そもそもこれから全員が生き残れる可能性考えるんだったら瑞希さんより「!!周防さんっ!!」っ」
感情に任せた、言葉は本人の意思や周りへの気遣いより先に口から発せられた。
己が発言を振り返り、桃子は自身の発言に視線がぶれる程に動揺する。
今、自分は何を思った?今、自分は何を言おうとした?
いや、思ったんじゃない。言おうとしたんじゃない。
言ったんだ。エレナに…………
己が発言を振り返り、桃子は自身の発言に視線がぶれる程に動揺する。
今、自分は何を思った?今、自分は何を言おうとした?
いや、思ったんじゃない。言おうとしたんじゃない。
言ったんだ。エレナに…………
瑞希の代わりに――――
――――死ねと。
瑞希より―――――
――――エレナが死んだ方がマシだと。
押し寄せる後悔にぶれる視線を地面に落とす。
「あっ…………違…そうじゃなくて……ぐすっ……ごめんなさい…………エレナさん…ぐずっ…………ごめんなざい…………」
「……ううん、ダイジョブ。気にしてないヨ」
自らの失言に涙ながらに謝る桃子をエレナは屈んで慰める。
実際エレナは本当に気にしていなかった。
エレナは桃子から目を離し瑞希へ真っ直ぐ瞳を向ける。
実際エレナは本当に気にしていなかった。
エレナは桃子から目を離し瑞希へ真っ直ぐ瞳を向ける。
「ミズキ………レイカの所には、ワタシが行くヨ」
「…駄目です。私が行きます」
「ミズキはこれからやる事あるんだからダメだヨ。それに、モモコと一緒にいてあげなきゃ」
「先程の周防さんの言葉なかった事に「モモコが言わなくてもワタシが言ってたヨ」っ……」
桃子の言ってる事は正しい。
これからこのゲームの根本を担う首輪の解体を控えている、かつゲームの穴をつけるかもしれない瑞希と。運動神経やテンションだけで何も出来ない、何も出来ていない自分。
これからの事を考えればどちらが生き残った方が良いかなど一目瞭然。
これからこのゲームの根本を担う首輪の解体を控えている、かつゲームの穴をつけるかもしれない瑞希と。運動神経やテンションだけで何も出来ない、何も出来ていない自分。
これからの事を考えればどちらが生き残った方が良いかなど一目瞭然。
「それに、私ケッコー動けるからレイカの銃なんてヒョイヒョイ避けられるヨ!」
「………駄目です。行かせられません」
「……ナンデ、効率的にワタシに行くホウが」
「効率の問題ではありません。死にに行くなんて許しません」
「……それはミズキにも言えた事だヨ」
「…………っ」
「効率の問題ではありません。死にに行くなんて許しません」
「……それはミズキにも言えた事だヨ」
「…………っ」
瑞希の制止をエレナは多少厳しく突っ撥ね、黙らせる。
瑞希だって分かっている。
今自分が言ってる事は、さっき桃子が自分に言った事となんら変わらない。
自分が犠牲になるのは良いのにエレナが犠牲になるのは良いのにエレナが犠牲になるのは許せないなど、それこそ理に適っていない。
瑞希だって分かっている。
今自分が言ってる事は、さっき桃子が自分に言った事となんら変わらない。
自分が犠牲になるのは良いのにエレナが犠牲になるのは良いのにエレナが犠牲になるのは許せないなど、それこそ理に適っていない。
「…………ダイジョブ!戻ってくれば問題ないんダカラ!それにワタシには強いブキだって」
不安を取り除く様に勢いよく立ち上がり声を張るエレナは少し離れた場所に置きっ放しになった鞄からまだ確認していなかった支給品を確認し固まった。
固まったエレナを不審に思った瑞希は近づいてエレナの後ろから支給品を覗き込む。
固まったエレナを不審に思った瑞希は近づいてエレナの後ろから支給品を覗き込む。
本だった。
分厚い本。
否、分厚い魔法書と言う方が正しい。
魔法書のデザインには見覚えがあり、なんだったかと首を傾げた瑞希だったが数秒で思い出した。
嘗てあった「大変身!魔女っ子ファンタジー」にて七尾百合子が持っていた魔法本。
これを百合子が魔道図書館で足を組みながら手に持っていた姿は印象に残っている。
分厚い本。
否、分厚い魔法書と言う方が正しい。
魔法書のデザインには見覚えがあり、なんだったかと首を傾げた瑞希だったが数秒で思い出した。
嘗てあった「大変身!魔女っ子ファンタジー」にて七尾百合子が持っていた魔法本。
これを百合子が魔道図書館で足を組みながら手に持っていた姿は印象に残っている。
…………が、印象に残っていても、はっきり言ってハズレだ。
まさか魔法書を詠唱すれば魔法が使える訳でもあるまいし。写真で見た魔法書から飛び出していた魔法陣がCGであるなんて流石のエレナも分かっている。
まさか魔法書を詠唱すれば魔法が使える訳でもあるまいし。写真で見た魔法書から飛び出していた魔法陣がCGであるなんて流石のエレナも分かっている。
これでどうすれば良いのカナ?
頭をぶっ叩けば良いのカナ?
頭をぶっ叩けば良いのカナ?
これだけ分厚ければ結構なダメージとは思うが、それなら瑞希の金槌の方が良い。
強度は魔法書以上、おまけに持ち手があるから持ちやすい。
強度は魔法書以上、おまけに持ち手があるから持ちやすい。
「あの…………エレナさん。やっぱり私が…………」
「…………ミズキ。そのカナヅチ頂戴!」
「駄目ですよ………渡したら行くでしょ」
「渡さなくてもイってヤルヨ!!」
「………気持ちは分かりますが、自棄にならないでくださいよ………」
「ダッテ、ダッテ…………ウウウウウゥゥゥゥ!!」
「…………ミズキ。そのカナヅチ頂戴!」
「駄目ですよ………渡したら行くでしょ」
「渡さなくてもイってヤルヨ!!」
「………気持ちは分かりますが、自棄にならないでくださいよ………」
「ダッテ、ダッテ…………ウウウウウゥゥゥゥ!!」
―――――こうして、間抜けな支給品のお陰で興奮が冷め、冷静さを取り戻した御一行は漸く落ち着いて話し合いを始める事が出来たのです。
【1日目/午後/G-7】
【真壁瑞希】
[状態]健康
[装備]金鎚
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1)
[思考・行動]
基本:皆で帰るぞ……えいえいおう
1:周防さんと一緒に他の人を探す
2:とりあえず、北からは離れる。でも本当は止めたい
3:北上さん、一体……
4:誰も犠牲にはしない
[状態]健康
[装備]金鎚
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1)
[思考・行動]
基本:皆で帰るぞ……えいえいおう
1:周防さんと一緒に他の人を探す
2:とりあえず、北からは離れる。でも本当は止めたい
3:北上さん、一体……
4:誰も犠牲にはしない
【周防桃子】
[状態]健康?
[装備] プラスドライバー
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1)
[思考・行動]
基本:死にたくない
1:瑞希さん達と一緒に行く
2:『敵』と出会った……でも
[状態]健康?
[装備] プラスドライバー
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1)
[思考・行動]
基本:死にたくない
1:瑞希さん達と一緒に行く
2:『敵』と出会った……でも
【島原エレナ】
[状態]健康
[装備]無線機 、魔法書
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らない。
1:二人を仲直りさせるヨ!
2:レイカ……なんで。
[状態]健康
[装備]無線機 、魔法書
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
基本:殺し合いには乗らない。
1:二人を仲直りさせるヨ!
2:レイカ……なんで。
【魔法書】
ガチャイベント、「大変身!魔女っ子ファンタジー」で七尾百合子が持っていた魔法書。
当然詠唱しても魔法は使えない。
ガチャイベント、「大変身!魔女っ子ファンタジー」で七尾百合子が持っていた魔法書。
当然詠唱しても魔法は使えない。
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
所変わって。
もう夕方近くに差し掛かった頃、研究施設に1つの人影が姿を現した。
もう夕方近くに差し掛かった頃、研究施設に1つの人影が姿を現した。
「ふふふ~ん♪伊織ちゃんただいまぁ」
「あれぇ?伊織ちゃーん」
その声に答える者は誰もいない。
いるのは、あるのは、あずさの死体が1つだけ。
エレナは麗花曰くの「悪い子」認定されていた為気にも留めてないが、伊織に関して麗花は首を傾げる。どうして伊織は返事を返してくれないのかと。
いるのは、あるのは、あずさの死体が1つだけ。
エレナは麗花曰くの「悪い子」認定されていた為気にも留めてないが、伊織に関して麗花は首を傾げる。どうして伊織は返事を返してくれないのかと。
それもその筈、伊織はこの施設をとっくに去ってしまっていた。
つまるところ麗花の悪行の象徴、あずさの遺体があるこの施設に滞在する事に伊織は絶える事が出来なかったのだ。
そんなの正常な人間ならすぐに看破出来るだろう。
看破出来なくともそれに近い解答を出せるだろう。
つまるところ麗花の悪行の象徴、あずさの遺体があるこの施設に滞在する事に伊織は絶える事が出来なかったのだ。
そんなの正常な人間ならすぐに看破出来るだろう。
看破出来なくともそれに近い解答を出せるだろう。
「んん~?お散歩かなぁ?」
そう、正常な人間ならば。
麗花はもう、正常とは言えない。
麗花はもう、正常とは言えない。
そもそも麗花はもう、伊織にどこかへ行ってしまえと辛辣な言葉をぶつけられた事すら頭の中にないご様子だ。
「もう、仕方ないなぁ♪でも悪い子が来るんだから伊織ちゃんは安全な場所に行ってた方がいいのかな?」
この殺し合いの場のどこにそんな安全地帯などあるのか。外にいる危険人物と接触するとは思わないのか――――――そんな事、今の麗花にはきっと言うだけ無駄なのだろう。
こうして誰もいない研究施設に、バーサーカーが降り立った。
或いは、ここに伊織が残っていれば運命は変わっていたかもしれない。
そう思うのは―――――――
そう思うのは―――――――
――――――――――もう少しだけ先になる。
【一日目/午後/G-7】
【北上麗花】
[状態] ■■
[装備]レミントン デリンジャー(1/2)、無線機
[所持品]支給品一式、.41shortリムファイア弾(8)、ランダム支給品(0~1)
[思考・行動]
基本: ■■■■■■■■■■■■
1:■■■■■■■■■■■■
2:■ちゃんが死 ■■■■■■■■■■■■
3:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
4:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5:■■■■■■■■
[状態] ■■
[装備]レミントン デリンジャー(1/2)、無線機
[所持品]支給品一式、.41shortリムファイア弾(8)、ランダム支給品(0~1)
[思考・行動]
基本: ■■■■■■■■■■■■
1:■■■■■■■■■■■■
2:■ちゃんが死 ■■■■■■■■■■■■
3:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
4:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
5:■■■■■■■■
| 認識外の同行者 | 時系列順に読む | |
|---|---|---|
| サーチライト | 投下順に読む | |
| アノコノエガオノタメダケニ | 北上麗花 | |
| 島原エレナ | ||
| 真壁瑞希 | ||
| 周防桃子 |