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Noblesse oblige

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Noblesse oblige








高貴かつ華麗なわたくしの努めは、既に決まっているのです。






 ◇  ◇  ◇






二階堂千鶴は落ち着いていた。
それはもう、目の前で人間が死ぬスプラッターな光景を見たにも関わらずだ。
顔色も普段と変わらず平常、手や足先の震えなど最初から存在しない。

「殺し合い? ちゃんちゃらおかしいですわ」

とあるホテルの一室で、千鶴は優雅に椅子に座っていた。
高貴とは立ち振舞いから。
そう言わんとばかりに彼女は全身全霊を持って体現している。
姿勢、表情、手の置所。全てがノーブレス・オブリージュ。
常に優雅たれ。
高貴な生き様には品格が求められているのだ。

「例え、何があろうとも、わたくしはわたくし。二階堂千鶴の栄光に陰りはありません」

それが殺し合いの中であっても、その在り様は変わらなかった。
曇りなど当然在りはしない。
今までも、そしてこれからも。
二階堂千鶴が歩む高貴なる道はいつだって真っ直ぐだ。

「プロデューサー。今はとりあえず貴方のことは保留ですわ。
 直接、わたくしが出向いて色々と問い質して差し上げますので覚悟しておくように」

何を思って、プロデューサーがこのような狼藉を千鶴達に強いるのか。
それを予想するには、自分はあまりにも情報が足りな過ぎる。
ならば、どうにかして彼の元へと辿り着き、問い質すしか方法はない。

「その為には、やらなくてはならないことが多量にございますわね。
 まあ、わたくしならこれぐらい余裕ですけど」

紅茶の入ったティーカップを傾けながら、千鶴はこれからの行動方針を構築していく。
敵対勢力への対応、無理矢理嵌められた首輪、ルールの穴、プロデューサーの豹変。
考えるべきことを山積みになって千鶴の前に置かれている。
だが、それら全てを優雅に切り抜けてこそ二階堂千鶴なのだ。

「とりあえず、今は行動をしなくてはなりませんね。こうやって座して待っているのは性に合いませんわ」

口に含んだクッキーが紅茶によって砕かれ、小さな欠片となっていく。
ひとまずは、普段通りの自分の再確認も込めてモーニングティータイムを取っていたが、問題など無かった。
自分は揺らいでいない。いつもの二階堂千鶴を見失っていない。
ならば、それだけで十全でありエクセレント。

「勝ちに行かせてもらいます、わたくしをこのような催しに巻き込んだこと、後悔させて差し上げます」

才覚溢れる千鶴にとって、殺し合いとは些細な障害物に過ぎない。
そう言い切れる程の努力は欠かさなかったし、他者からどう見られても恥ずかしくない能力は備えている。
障害物とは乗り越える為に在るのだ。ならば、この程度を踏み越えられなくて何が高貴だ。

「では、行きましょう。ゴー・アヘッド――品格在る反抗を始めましょうか」



【一日目/朝/F-1 ホテル】

【二階堂千鶴】
[状態]健康
[装備]
[所持品]支給品一式、ティーセット、ランダム支給品(0~1)
[思考・行動]
1:常に優雅たれ。品格ある反抗を。

【ティーセット】
二階堂千鶴の支給品。
様々な銘柄のティーバッグ、砂糖、ティーカップといった紅茶を飲むのに必要なものが含まれる。
当然、高貴かつ優雅な二階堂千鶴に相応しい最高級の代物。


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