ミストクロニクル(ミスクロ)攻略wiki@Lobi総合

第十八章

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第十八章

18-1山の入口「火の壁」

アリンは狂ったように地に拳を叩き続けた
ジェブロが黒い霧になったことも気付かず、
強烈な痛みに気絶することさえ許されず、
炎の苦しみを痛みで打ち消すようにーー
アリン う…うぅ…
痛い…痛いよ…
アリンの顔は涙と鼻水にまみれ、
深淵の冥火は腕を伝って燃え広がり、
苦しみに思考力さえ奪われていたーー
アリン もし…
この痛みが…
終わるなら…!
やがてアリンは限界を迎え
頭の真横まで右手を上げると、
燃え盛る指を自分の頭に向けて
そのまま差し込もうとするーー
クレブ アリンッ!!
やめろぉーッ!!
クレブの声はアリンの耳に届いたが、
もはや考える力は残っていなかった
アリンの意識が暗闇に沈んでいくーー

クレブ ……アリン!
クレブは叫びながら目覚めると、
自分の傷など気にせず周囲を見渡した
横で眠っているアリンを見つけると、
その傍らに見覚えのある人物がいたーー
クレブ お前は確か…
ナナロ!
ナナロ 正解でつよ
ナナロのことを覚えているから
シコウリョクは大丈夫でつね
クレブに振り向いたナナロは、
幼い見た目に似合わない
深刻な表情をしているーー

クレブ アリンに何かしたのか!?
ナナロ 落ちついてくだたい…
アリンは心配ありまてん
深淵の冥火は消えてないけど、
広がらないようにはできまつ
クレブはアリンの手を見た
確かに火は残っているが、
勢いは弱く広がる様子もない
そして自分も手当されたことに気付くーー
クレブ 俺達は…
どうやってここに来た?
ナナロ ナナロの味方になってくだたい
約束ちてくれないと
教えられまてん
クレブ 味方になれと?
なんの話をしてやがる?
ナナロ 良く考えてみてくだたい
龍血女帝と悪魔王を相手にできるのは
深淵でも数人ちかいまてん
中でも特に禁制呪文が得意なのは…
クレブ …ありえん!
あの女が俺を助けるわけがない
深淵の中でもあいつは一番
俺を憎んでいるはずだ
ナナロ 昔は昔、今は今でつ
彼女はアナタとかつての関係を
取り戻ちたいと考えていまつ
クレブ ……たとえそうだとしても、
そう簡単に信じることはできん
ナナロ 問題ありまてん
彼女もアナタは拒むと考えていまつ
クレブ ………………
ナナロ 考えたことはありまてんか?
アナタ以外に唯一、次元通路を開ける彼女が
なぜナヴィア世界に侵攻ちないのか?
クレブ あのずる賢い女の考えはわからん
あいつにとって自分以外のやつらは
すべて手駒に過ぎん…
もう二度と騙されんぞ
ナナロ 何を言うのも勝手でつが、
アナタは彼女に二つの借りがありまつ
その時が来れば返してもらいまつ
クレブ フン…借りた分は返すが、
それ以外は無いぞ
ナナロ どうでつかね?
戦争はかなり激しい段階でつが、
アナタのためとなれば…
目の前の戦いをやめる者もいると思いまつ
クレブ ……ケッ
ご苦労なこった
ナナロ アナタがどう考えようと勝手でつが、
周りはアナタタチを放ってはおきまてん
この者の力はもう一つの次元において、
多くの勢力が欲しがると思いまつ
ナナロはまだ目覚めていない
アリンをちらっと見ると、
振り返って出て行ったーー
ナナロ …彼女が救った命を
簡単に失わないでくだたいね
では、お大事に…
クレブ 余計なお世話だ
ナナロが去った後、
クレブはしばらく考えを巡らせていた
確信はないがある計画を思いつくと、
アリンを救うためにやるしかなかったーー

18-3休息地「獣の門」

意識のないアリンを抱えて、
クレブは先を急いだ
襲われるのは時間の問題だと
よく分かっていたーー
クレブ 深淵の冥火は
深淵にしか存在しない…
それならナヴィア世界に戻れば
アリンは助かるはずだ…
クレブ 足りない魔力は奪い取って、
また扉を開けばいいと思っていたが…
アリンの生死は一刻を争うぜ
戦いはなるべく避けるしかねえな
眼前に広がる荒涼とした風景は
クレブを懐かしい気持ちにさせた
慣れ親しんだこの土地で、最期を
迎えるのも悪くないとクレブは思うーー
クレブ アリンがいなかったら…
このまま戦場で暴れまわって、
死ぬまで戦い続けるのも悪かねえな

クレブ フン…もう来やがった
以前の襲撃の時と同じく
空が黒い雲で覆われると、
邪悪なオーラが立ち込める
クレブは不安げにアリンに話しかけたーー
クレブ この前と同じレベルの相手だったら、
たぶん生きては帰れねえ
アリン、お前の両親との約束…
悪いが果たせないかもな
幾つもの影が地上に降りると、
その中に圧倒的な邪気を感じ、
クレブは絶望的な笑みを浮かべたーー
クレブ クハハ!
ここが俺の死に場所か…
だが、ただではやられねえ!
クレブはアリンを降ろすと、
地上に降りたばかりの影に、
勢い良く殴りかかったーー

しかし、クレブの拳は見えない壁に
打ち付けたように止められてしまう
衝撃がかき消えると
艶っぽい女の声が聞こえて来るーー
トリーニャ おやおやアグレフ殿
あなたの拳ってこんなに弱かったかしら?
それともお歳のせい…?
クレブ やはりてめえかクソ女
人をなめきった性格は
昔と変わらねーな
クレブは拳を止めたバリアを
蹴りながら高く飛ぶと、
空中で体を翻し体勢を整えるーー
クレブ 敵討ちのつもりか!?
だがお前にはもっと大きな
代償を払って貰うぜ!
かかって来やがれ!
クレブはもはや刺し違えるつもりで
威風堂々と戦場に入っていったーー

18-5星の祭壇「魔人の会合」

クレブは懸命に戦い続けた
しかし体の傷が増える一方で、
敵の数は次から次に増えていく
その時アリンが目を覚ますーー
アリン …こ、ここは…!?
痛ッ…!
手が…!痛い…!
…ぐ…ぐああああーっ!!
深淵の冥火を呪印で抑えたとはいえ、
炭のように焼け焦げたアリンの手は
想像を絶する痛みを伴っていた
その痛みにアリンは半狂乱になるーー
アリン こんな…!
これなら…!
死んだ方が…マシだ…!
次の瞬間、手の痛みが急に和らいだ
アリンが驚いて顔を上げると、
数人の人物に手を掴まれていた
そしてそれは意外な者たちだったーー
アリン お前たちは…!?

バシモス ふん…
我々が何故貴様を助けることになるのか
全く理解できんな
バシモスが憎々し気に言うと
周囲に宥められるーー
レオニア あの方の言い付けだ…
俺達に選択の余地は無い
フレイ とっとと終わらせよう
もたもたしてると
前線が持たないかもよ
アシンドラ このアホ吸血鬼!
こんな所であんな馬鹿と一緒にいたら
こうなるのも当然だろうが
アリンは信じられない様子で
自分の元に駆け付けた
魔人たちを見ているーー
アリン アシンドラ…お前たち…
なんで…?
どうしてここに…?
ガラフ 此処は我らの故郷だぞ
余所者めが…
そもそも我らに貴様を助ける義理はない
あのお方のご命令でなければーー
レオニア ガラフ、余計なことは言うな
やるべき事だけをやれ
ガラフ は、はい…!
アリン お前たちいったい…
うわなにをするやめr…
魔人たちは黒い霧状のオーラを
アリンの体内に注ぎ込んだ
手の苦痛が消えていくのと同時に、
意識が遠のき、暗闇に沈んでいくーー


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