意味
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文藝春秋から刊行されている、奥田英朗の短編小説集。第131回直木賞受賞作。
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実写ドラマ化・舞台化された後、09年10月からフジテレビ系列ノイタミナ枠でテレビアニメ化された。
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神経科医の主人公、伊良部一郎が毎回様々な問題を抱えた患者を診断し、奇想天外な療法で解決させるというのが基本スタンスである。
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作者の奥田英朗氏は中日ファンとの事。
ホットコーナー
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この短編小説集の4番目に収録されている「ホットコーナー」はイップスにかかったプロ野球選手・坂東真一を伊良部一郎が治療していくという物語。
この坂東が所属するチームが「神宮球場」をホームとする「東京カーディガンズ」という完全にヤクルトがモチーフのチームなのである。
原作小説内に登場する選手、監督は全て架空の人物であるが、イチロー・松井といった実在有名選手が存在する世界でもある。
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09年のアニメ版では放送局がヤクルトの株主であるフジテレビであったせいか、坂東が所属するチームが「東京ヤクルトスワローズ」で、
神宮球場グラウンド、ベンチ、内部、客席からホームユニフォーム、応援歌が完全再現されてしまうというまさにヤクルツファンしか得しない異例の事態となった。
アニメ版元ネタ
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前述の様にアニメ版では様々なヤクルツ描写が存在する。原作・アニメ未見の方は以下ネタバレ注意。
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主人公・坂東真一は東京ヤクルトスワローズ所属、背番号1の三塁手=岩村
顔は坂東真一の声を担当する声優の浪川大輔である。
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開始直後のフジテレビ三宅アナの実況の後ろで流れている応援歌=田中浩の球場応援歌
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相手チーム「大日本グレートパワーズ」攻撃時の応援歌=阪神タイガースの応援歌(原作では大阪ブレイカーズなのでどちらも阪神モチーフ)
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試合中に写るスコアボードのヤクルトスタメンが実在ヤクルト選手のもじり。
赤木(中)→青木
田岡(二)→田中浩
坂東(三)→物語の主人公=岩村?
畑中(一)→畠山
石原(右)→飯原
見迫(遊)→宮本?
福木(左)→福地
舞川(捕)→相川
金(投)→林昌勇
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坂東真一が表紙のスポーツ雑誌「Number」に載っている選手も実在選手のもじり
良嶋重雄→長嶋茂雄
菅本慎也→宮本慎也
田村修一→村田修一
仲村洋紀→中村紀洋
夜笠祥雄→衣笠祥雄
三家秀文→三宅秀史
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ここで菅本慎也という明らかに宮本モチーフの選手が登場してしまっている事から、ヤクルトの見迫という選手は宮本なのかもしくは別の選手なのかという考察が実況板でも行われたが、結論は出ていない。
素直に考えて両者とも宮本モチーフという事なのだろうか?
その他
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原作の短編はそれぞれ一話完結の独立した話であり、アニメ版も基本的には同じスタンスであるが、後の放送回で伊良部一郎に診断される患者や登場人物が先駆けて登場していたり、
すでに放送された回の患者や登場人物が再び登場したりとあくまで本筋と関係ない場面で様々なキャラクターが複数回登場という技法が使われている。
例を挙げると、第1話「空中ブランコ」に登場する子供(「ホットコーナーでも登場」)の物と思われる帽子がヤクルト帽であったり、
第5話「義父のアレ」に登場する主人公、池山達郎は子供の頃からのヤクルトファンという設定であり、携帯ワンセグや家のテレビで坂東真一がエラーする場面を見ているといった様なもの。
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ちなみに、原作で池山達郎は伊良部一郎からヤクルトを勧められるという場面があったりもする。
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最終更新:2010年09月11日 21:21