作業用 MG キット評価表 2006年発売分
93 ZGMF-X20A ストライクフリーダムガンダム
2006.12.23発売 5040円 (本体4800円)総合◎ 関節◎ ギミック◎ 武器◎
総評
かなりの良作。HG1/144や1/100等過去のキットでの問題点をよく研究しており、決定版と言えるキット。目新しい新技術は使われていないものの、プロポーション、ギミックともに非常によくまとまっている。
合わせ目消しが必要な箇所は少し多め。
通常版とフルバースト版(7350円税込、以下FB版)の2バージョンの商品があり、FB版には一部メッキ化された関節、ドラグーン発射エフェクトパーツ、クリアブルー成形のアクションベース、クリアポスターなどが追加されている。
だがFB版には通常関節カラーのKパーツ(翼部)が付いておらず、説明書やマーキング類も専用の物になっている等、FB版を買っても非メッキ関節の通常版仕様で組むことはできないので注意。
またFB版は限定品ではないので注意。
2008年9月27日にはメッキ+塗装済のストライクフリーダムガンダム エクストラフィニッシュVer.(10500円税込)という商品も発売された。
塗装する際の注意
通常版の関節に使われているABSランナーのパーツには、かつてない程の破損報告が挙がっているので厳重注意。金色を成形色で再現するために金属紛?を配合した特殊なABS樹脂が使われており、何らかの塗装をした際に塗料中の溶剤分によって樹脂が著しく劣化し破損する、といった状況の模様。特にガンダムマーカーのゴールドの使用には厳重注意(アルコール系マーカーに特に弱い?)。
FB版は塗装する人もいないためか、特にトラブル等の報告は挙がっていない。
ラッカー系によるエアブラシ塗装で、砂吹きをする・パーツとの距離を離す等で溶剤を飛ばし気味にしっかりと下地層を作った場合には良好な結果が得られている模様で、塗装する際の対策としては従来のABS対策と同様と思われる(各種の溶剤の浸透に注意、塗装前にパーツを決してキシませない、クリアランス調整、等)。
だがこれも従来のABSと同様、破損報告の一方で「マーカー直塗りだが特に問題ない」との報告も挙がっている。成形ムラ、キットごとの個体差の可能性もあるため、事前にランナー等での十分なテストを強く推奨する。
バンダイ、クレオスに問合せたとの報告もあったが、特に有用な情報は得られていない模様。バンダイとしては水性塗料の使用や、特に関節部は無塗装を推奨するとして、説明書の塗装を促すような表現は変更したいとのこと。
プロポーション
劇中イメージの素直な立体化という印象。顔付き、体型ともにMG/フリーダムのような極端なアレンジもない。
首の位置が若干前寄り、全体的に胴が短足が細長く見える等、人によっては若干イメージと異なるかも知れないが、基本的にプロポーションは良好。
翼も大きめになっており迫力がある(重量もかなりのもの)。
関節
ABSフレーム+ポリキャップ併用。ポリキャップは関節と同じく金色成形。腹部可動(仰け反り防止用ストッパー付)、首の二重関節、脚部の連動スライドなど、近年の可動重視MGの例に漏れず可動範囲とポーズ付けの幅は広い。
肩関節基部はABSの引き出し式3軸可動。
指の保持力は相変わらず頼りない。武器類は手の平にピン接続だが、ライフルはグリップ側の穴の調整が甘くポロポロと落ちやすい。これは手の平側のピンを太らせるのではなく、穴の縁をごく薄く慎重に削って調整のこと。
ギミック
腰部レールガンはスライド機構を腰ブロック側に組み込むことで(リアスカートを下方にスライドさせることでスペースを空ける)、従来問題となって来た腰の回転可動との両立を実現。砲身を伸ばすスライド展開も可能。ビームライフルは腰へのマウント、連結ギミックも再現。
翼には小羽が連動して展開するギミックと、展開時に翼をより大きく見せる伸縮ギミックが付いており、ハイマットモードはなかなかの迫力。
脚部は可動によって太腿やヒザアーマーなどの装甲が連動スライドする。
他にふくらはぎブースターの展開、MGではお馴染みのコックピット開閉も可能。
翼を模した形状のスタンドはMG/F91の物と同様に展示角度を3軸で調整できるが、1軸目のパーツ(O-3)が頼りなく破損報告がいくつか挙がっているので注意。
武器・付属品
- ビームライフル×2(両腰にマウント可、連結可能)
- ビームシールド(クリアブルーのPET素材、発生器を1度外して挟み込む方式)
- ビームサーベル×2(曲線の付いたクリアピンク成形、MG/フリーダム同様に連結可能)
- 展示用スタンド(翼型、角度変更可能)
- 1/100 キラ・ヤマトフィギュア(座/立)
- 1/100 ラクス・クラインフィギュア(立)
- ガンダムデカール、マーキングシール
FB版のみ
- メッキコーティング仕様ランナー(翼部、ヒジ関節、手首、ヒザ関節、足首、腹部ビーム砲)
- スペシャルベーススタンド(市販されているアクションベースのクリアブルー成形版)
- ドラグーン発射エフェクトパーツ+軟質クリア棒(クリアブルー成形、付属のベースに展示可能)
- FB版ガンダムデカール(デザインが一部追加、文字等がシルバー)
- FB版マーキングシール(文字等が金色)
- クリアポスター
通常版とFB版は付属品の追加以外にも一部の仕様が異なり、FB版を買っても、非メッキ関節の通常版仕様で組むことはできないので注意。
初回出荷分には、ストライクフリーダムとSEED関係のキットを紹介した冊子が付属。
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最終更新 2011/09/20 06:1892 RGM-79(G) ジム・スナイパー(第08MS小隊版)
2006.11.29発売 3675円 (本体3500円)総合◎ 関節○ ギミック○ 武器◎
総評
MG/陸戦型ジムのカラーバリエーション。本体の成形色がダークグリーンとなり、スナイパーライフル用の外付けジェネレーター及び強制冷却用バックパックと、それを繋ぐケーブルが追加。また機体を覆い隠すサイズのカモフラージュネットが付属する。元々陸戦型ジムにスナイパーライフルが付いていたため、新商品としての売りは弱いが、キット自体の出来は良いので、新規パーツに500円分の価値を感じられるなら買い。
プロポーション
成形色以外は変更なし。関節
MG/陸戦型ジムから変更なし。手首は可動指、握り拳、平手のそれぞれ左右と、ロングレンジビームライフル用の右手首が付属している。
ギミック
MG/陸戦型ジムから変更なし。武器・付属品
- 外付けジェネレーター
- 強制冷却用バックパック
- 接続ケーブル(PVC製)+接続パーツ
- カモフラージュネット(PE製)
- ロングレンジビームライフル+持ち手(右)
- ミサイルランチャー(分解可)+ミサイル(格納状態と飛行状態)
- ビームライフル
- 100mmマシンガン+マガジン×3(マガジンは脱着してサイドスカートにマウント可)
- シールド
- ビームサーベル×2(脚部に収納可)
- 肩アーマーのフックのバリエーションパーツ
- 1/100 パイロットフィギュア(座/立)
- ディテールアップ用パーツ
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最終更新 2011/09/20 06:1891 F91 ガンダムF91(ハリソン・マディン専用機)
2006.11.18発売 3150円 (本体3000円)総合△ 関節◎ ギミック○ 武器◎
総評
MG/F91のカラーバリエーション。成形色がダークブルーと白となり、配色は基本的にGFF版に準拠。肩、胸、腰、ヒザ、スネの黄色いラインはシールでの再現。
元デザインのせいもあるが細かな色分けは再現できておらず、肩アーマーやフロントスカートのスラスターの白等は要塗装。
その他に前腕がコミックスに準じた形状に変更されているが、それ以外でもせめて肩アーマーくらいは新規パーツにして欲しかったところ。
F91の問題点であったヒザ関節カバー(E22、E23)のクリアランスが調整されているものの、コクピットのH14やヴェスバー内部のH28などは全く改修されていない。これらの部分は事前にツメやレール部分を削るなどして対処しよう。
長谷川裕一デザインによるオリジナルパーソナルマークが付属。展示用スタンドは付属しない。
プロポーション
前腕部と成形色以外は変更無し。関節
MG/F91から変更なし。ギミック
MG/F91から変更なし。武器・付属品
- ヴェスバー×2(射撃位置にレールスライド、展開可)
- ビームライフル
- ビームランチャー(腰リアスカートにマウント可)
- ビームサーベル×2(腰サイドスカートに収納可)
- ビームシールド(クリアグリーン成形、予備の基部は腰サイドスカートに収納可)
- 1/100 パイロットフィギュア(座/立)
- パーソナルマークの水転写デカール
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最終更新 2011/09/20 06:1890 GAT-X105 ストライクガンダム+I.W.S.P.
2006.10.28発売 4410円 (本体4200円)総合◎ 関節◎ ギミック◎ 武器◎
総評
MG/エールストライクのバリエーションキット。ストライク本体の成形色がダークトーンに変更され、I.W.S.P.、コンバインドシールド、グランドスラムが追加されている。エールストライカーとビームサーベルは付属せず、展示用スタンドはシンプルなものになっている。
価格が400円高くなっているが、追加された武器類を考えるとお買い得。
プロポーション
本体は成形色以外は変更なし。武器がゴテゴテ付いたシルエットは迫力満点。
関節
関節の強度、可動範囲共に問題ない。手の平にピンは付いていないが、指関節が固いためグランドスラムを片手で保持できる。ただ柄が細いため手の中で回ってしまうことがある。
I.W.S.Pを付けると首や肩の可動が制限されるのは仕方のないところか。
ギミック
ストライク本体には太もも装甲のスライド、アーマーシュナイダーのサイドスカートへの収納ギミック。I.W.S.P.の翼やレールガン、ソードラックなどが可動。
グランドスラムは折りたたむことができる。
コンバインドシールドのガトリング砲は回転する。
武器・付属品
- I.W.S.P.
- 9.1m対艦刀×2(I.W.S.P.にマウント可)
- コンバインドシールド
- ビームブーメラン(コンバインドシールドにマウント可)
- グランドスラム
- アーマーシュナイダー×2(サイドスカートに収納可)
- ビームライフル
- シールド
- 展示用スタンド(MG/エールストライク付属とは異なるシンプルなもの)
- 1/100 パイロットフィギュア(座/立)
- ガンダムデカール、マーキングシール
シールドのジョイントは1つしか付属しないため、ノーマルのシールドとコンバインドシールドを両方同時には装備できない。
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最終更新 2011/09/20 06:1889 XM-X1 クロスボーンガンダムX1 Ver.Ka
2006.09.29発売 3675円 (本体3500円)総合◎ 関節○ ギミック◎ 武器◎
総評
Ver.Kaシリーズ第4弾にして、小型MSのMG化第2弾。全身に仕込まれた多彩な接近戦用の武器と、それを展開するギミックが満載されている。
パーツ分けもよく考えられていて、合わせ目は肩アーマーとバスターガンの2カ所のみ。
MG/F91と同じくポリキャップレス構造が採用され、フレームの一部が共用されている。
X-1をベースに、装備やレリーフパーツの組み換えでX-1改、X-1改・改が再現可能。
再販分(2006年10月)以降?ビームザンバーのグリップが改修され、ザンバーがしっかり保持できるようになった。だが設定にはない箱状の突起が追加されているため外観的には微妙。
プロポーション
ディテールは漫画版と違うが、あくまでMG Ver.Kaキットとして見た場合は開発画稿に忠実であり、ガレージキットやGFFと比べるとスマートな体型。MG/F91のフレームが流用されているが、全体的なプロポーションは調整されている。
ABCマントは特殊なナイロン製で、その薄さにもかかわらず表と裏で色つやが違う。しわが付きにくい素材のため、説明書に書いてある様に糊などを使うと良いかも。
メインスラスターは特に根元部分の肉抜き穴が目立つ。
肩アーマーの黄色が色分けされていない点が惜しい。塗りにくい部分で成形色も紺色のため別パーツ化してあれば良かった。
関節
ポリキャップレス構造。MG/F91より関節が緩めになっているが、問題になるほどではない。可動範囲も広く、F91で問題になっていたヒザ関節カバーのクリアランスなど色々改修されているが、股関節のオフセットはそのまま。
初期生産分は可動指の保持力が弱く、実質的に手の平のピンだけで武器を持つことになる。またビームザンバーは最も重い武器であるにも関わらず保持用の穴が浅く、グリップの形状のせいもあってまともに持てない。
再販分以降の改修版はグリップの穴周辺に箱状の突起が追加され、また可動指の保持力も改善されている模様。結果ザンバーもしっかり保持できるようになった。
ギミック
顔のマスク部が上へスライドし、フェイスオープンを再現。コアファイターは本体との合体・分離が可能。抜け辛くなる場合もあるが、H26のツメを削れば対処できる。
背面の高出力スラスターは4基とも可動し、マント装着時には全て下に向ける事ができる。
ボールジョイントではなく2軸可動だが、きちんとX字に決まるのでかえって良好。
コクピットハッチは開閉し、肩アーマーも外側に開く(コミック1巻巻末のメンテナンス図を参照)。
ザンバスターはバスターガンとビームザンバーに分離。
腕部のビームシールド発生部が展開してブランドマーカーになる(ビームシールドにはならない)。
腰フロントアーマーにはシザーアンカーが、リアアーマーにはスクリューウェッブがそれぞれ仕込まれている。
ふくらはぎにはヒートダガーが収納されていて、手で持つ他に足裏に装着する事も可能。
ABCマントは肩と胸の4カ所のフックで留める仕様になっている。
股間フレームがMG/F91と共通のためF91に付属のラフレシアスタンドを流用可。
武器・付属品
- ザンバスター(バスターガンとビームザンバーに分離可)
- ブランドマーカー×2(ビーム部はクリアピンク成形)
- ビームサーベル×2(ビーム部はクリアピンク成形)
- ヒートダガー×2 (柄はふくらはぎに収納可、刃部分は柄のほか足裏にも接続可能)
- シザーアンカー×2(チェーン部はABS樹脂)
- スクリューウィップ(漫画での名称はスクリューウェッブ)×2+リード線
- アンチビームコーティングマント(ナイロン素材)
- 1/100 パイロットフィギュア(座/立)
- ガンダムデカール、マーキングシール
バンダイホビーサイトにはビームシールドが付属するとの記述があるが、実際には付属しない。
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最終更新 2011/09/20 06:1888 ボール(シャークマウス仕様)
2006.08.09発売 2310円 (本体2200円)総合◎ 関節◎ ギミック◎ 武器◎
総評
MG/ボールVer.Kaのバリエーションキット。「MS IGLOO」に登場するボールのシャークマウス仕様を水転写デカールで再現。外装の成形色がライトブルーになっている他、コクピット周辺のパーツ(D32、D33、D34)とシャークマウスのデカールが追加されているが、元のボールのパーツもそのまま付属しているため、ボールVer.Kaとのコンパチも可能。
プロポーション
「MS IGLOO」に登場した機体とは一部形状が異なるが、これは説明書内での設定、解釈による。関節
アーム部分はダミーのシリンダー以外は全て可動。ポリキャップではなくゴムのキャップが一部に使用され、アーム等はほぼABSの接続のみで保持力を得ている。
これまで培った技術が生きており、不安を感じる部位は存在しない。問題はコクピットハッチを開けづらい程度のもの。
ギミック
各バーニアノズルは細かく可動し、アームはサブアームも展開可能。アームの基部のカバーは軟質樹脂、ダミーのシリンダーは金属シャフト、配線はリード線、と異素材が効果的に使われている。
何よりも本体部分の外装とフレームの三重構成こそが最大のギミック。
武器・付属品
- 180mm低反動キャノン砲
- 展示用スタンド
- 1/100 パイロットフィギュア(座)
- 1/100 整備員フィギュア×2
- ガンダムデカール、マーキングシール(MG/ボールVer.Kaのもの)
- シャークマウス水転写デカール
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最終更新 2011/09/20 06:1887 F91 ガンダムF91
2006.07.29発売 3360円 (本体3200円)総合△~○ 関節◎ ギミック○ 武器◎
総評
小型MSのMG化の実験作として、ポリキャップレスの全身ABSフレーム構造や、PET素材の導入、緻密なディテール彫刻など様々な新技術が盛り込まれた意欲的なキット。その他にもフェイスオープン、肩の放熱フィンの展開などギミックも豊富で、可動範囲も広く非常に凝った内容となっている。
ラフレシアとの対決シーンをイメージしたスタンドも付属。
だが新技術の導入が目的化してしまった感があり、特にフレーム部分はハメ合いの調整不足、強度不足によるパーツの破損などが多数報告されている。そのため全体的に組みづらく、初心者に手放しではオススメできない。
また設定画の見落としとも取れる部分や、機体イメージとはかけ離れたプロポーションやアレンジ、可動範囲を重視した結果不自然さが目立つ関節、再現度が高いとは言えないギミックなど、F91というキャラクターの商品としては大きく疑問を感じる点が多いのも事実。
プラモデル単体としてのクオリティを見れば近年のMGの中でもかなり高い水準にあり、HG級のサイズにMGのコンセプトを凝縮した高密度感は素晴らしいだけに、その点さえもう少し煮詰められていれば…と全く残念でならない。
今後それらが改善されることを期待。
プロポーション
設定画や劇中の流麗で丸みを帯びたイメージとは異なり、各部は直線的な面構成となっている。ビークラフトによるMG画稿の印象ともまた異なり、プロポーションのバランスはMG/フリーダムやMG/Mk-II2.0等のいわゆる「ビークラフト体型」にアレンジされていて、大きすぎる上半身に対して下半身が貧弱でアンバランスに見える。
F91にこのようなアレンジを期待していた者がどれ程いたのだろうか。各模型誌での「キットレビュー」がそれを物語っている。
頭部はアンテナの角度と大きさが変えられており、ヘルメットが膨れてフェイスも丸顔になっているため、かなり印象が変わっている。フェイスオープン時にはギミックのためのスペースが原因で、目尻のヘルメットとマスクの間の隙間が目立つ。
下半身は股関節軸の位置が下すぎて、ポーズを取った時に不自然さが目立つ。また各パーツの形状や大きさのバランスにメリハリがなく、足首内部アーマーに至っては存在自体忘れられている。
その他にも、大きすぎる肩アーマーや腕部、小さいスリッパ、突き出た胸部バルカン、厚みと丸みが足りない腰フロントスカート、角張った腿など、各部の形状やアレンジの方向性には否定的な意見が多い。
立てヒザや見得を切ったポーズのためにスタイルを犠牲にしたのに、その結果ポーズを決めても格好悪くなってしまったのは皮肉か。
お手軽改修としては、旧キットの肩アーマーとフィン、スリッパはほぼ無改造で流用可能。
バックパックバーニアや逆三角形マークは細かくパーツ分けされ、塗装派にもパチ組み派にも嬉しい配慮となっている。だが腰フロントスカートのノズルはフレームと同じグレーで成形されており、ここはいっそ白のままにしておいてくれた方がパチ組み時の印象が良く、塗装時は白を塗る手間が省けた。
手首の作りは最近のMGと同様のものだが、設定では丸指のはずなのにキットでは角指になっている。MG/ギャンがきちんと丸指になっていたのに、何故このキットでは出来なかったのだろうか?
ビームシールドはビームの波紋をグラデーションプリントで再現しており、今までのどのキットのビームシールドよりも良い出来。
関節
ポリキャップレス構造により、関節はABS同士の勘合のみ。可動範囲を広げるためヒジ、ヒザ関節などは間延びした印象を受けるが、その甲斐あって良く動き保持力も高い。
ヒジ関節に横ロールがあるため、独特の関節ディテールが再現されていないのは残念。
また股関節は軸の位置がオフセットされているため可動範囲そのものは広くなっているものの、太腿を上げるポーズを取った場合に太腿が股間ブロックより下側にはみ出てしまい不自然さが目立つ。
素直にポリキャップを使った方が早かったのでは?と思うような箇所も多数。
ギミック
フェイスオープンは設定ではフェイスガードが真ん中から左右に分割されるが、キットでは一旦ヘルメットを外し、フェイスガードをはね上げることで実現している。技術的には面白いが再現度が高いとはとても言えない。肩の放熱フィンも設定では二段伸縮するはずがキットでは一段。そのためフィンが短くなり、ギミックを仕込んだ肩アーマーは大きくなってしまった。展開時のフィンの位置と角度も疑問。
ビークラフトの画稿などでも指摘されていたが、これらの部分にはスタイル重視の差し替えパーツを用意しておいて欲しかった。
ヴェスバーのスライドギミックは基本的に旧キットと同じ構造になっていて、基部はボールジョイントで接続されている。だがアームに角度(胴体正面から見た際にハの字)がついていないため、片方のヴェスバーを前面に向けるとサイドスカートと干渉し上半身が横に傾く。両方を前面に向けようとすると両方干渉するので腰が抜けそうになる。
その他コクピットハッチの開閉や、ふくらはぎブースターの展開も再現されている。
右の腰サイドスカートには予備のビームシールド基部が収納される。左はサーベルラックになっているが、スカート裏の開閉ギミック用のパーツが太腿に干渉し、ポーズを付けているとパカパカ開いてしまう。
腰リアスカートのマウントラッチにはビームランチャーをマウント可。
武器・付属品
- ヴェスバー×2(射撃位置にレールスライド、展開可)
- ビームライフル
- ビームランチャー(腰リアスカートにマウント可)
- ビームサーベル×2(腰サイドスカートに収納可)
- ビームシールド(クリアグリーン成形、予備の基部は腰サイドスカートに収納可)
- 1/100 パイロットフィギュア(座/立)
- 展示用スタンド(ラフレシアのコクピットをイメージ、テンタクラーロッド×4、1/100鉄仮面フィギュア付属)
組立て時の注意
各パーツの噛み合わせがきっちりしていて強力なので、組立て方を間違えた場合に後からパーツを外すのが難しい。特にフレーム部分は要注意。製品の個体差にもよるが、パーティングラインやバリ等が残っていてハメ合わせや動きが渋くなっている場合も多いため、怪しいと思った箇所はヤスリなどで丁寧に整形すること。
- 左腰サイドスカートのH25のパーツは、H26のボールを受ける穴が正面から見て半月型に埋まっている、という成形不良が多数確認されている。これは削って開口すれば済む模様。手に余る場合はパーツ請求を。
- ヴェスバー基部フレーム(H4、H5)のリング状部分や、フェイスパーツ(B11)は破損報告がいくつか上がっているので注意。
- ヴェスバー内部のH28は非常にハメにくいのでレール部分の溝を掘るなどして対処。
- ヒザ関節カバー(E22、E23)も固くなかなか通らないので、事前にバリを削るなどして対処。パーツを持つ指の位置や力のかけ方によってはスルッと入る場合もあるので、絶対に無理はしないこと。
- ビームシールドのビーム部はハメ込みがきついため塗装した場合は剥がれる。予備の基部を使って基部ごと差し替えを推奨。
- カメラアイのシールはフェイスオープン時に干渉してズレる。塗装の方が無難。
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最終更新 2011/09/20 06:1886 YMS-15 ギャン
2006.05.27発売 3780円 (本体3600円)総合◎ 関節○ ギミック◎ 武器◎
総評
フェンシングポーズが再現可能な広い可動範囲や、ビームサーベルの発光ギミック、ネタ満載の広告を引っ提げてギャンがMG化。合わせ目もほとんど目立たない構成になっており、またスネから足首にかけてのアーマーはスライド金型によるワンパーツ成形となっている。
付属の1/20マ・クベは精密な作りで、今までのMG付属1/20フィギュアの中でも最高峰の出来。
また1/20と同ポーズの1/100マ・クベは1/20フィギュアをスキャンして、レーザー彫刻機によるミクロン単位の金型技術で再現した最新技術の賜物。
プロポーション
HGUC/ギャンと比べるとかなりがっしりしたヒーロー体型で、概ね良好。しかし肩アーマーが大きすぎる、頭が小さい、なども意見もあり、好みの別れるところか。
ボディ内部メカは動力パイプがありながら細身なデザインで、「ジオン版ガンダム」という後付設定を想起させる
関節
ヒジやヒザの二重関節、引き出し式の肩関節基部や左右独立スライド可動する股関節軸など、各部とも非常によく動く。モノアイは単純な構成ながら上下左右に可動し、表情付けが容易。
本体、武装共にみっしり詰まっていいものなのだが、シールドの重みに引っ張られる事があるので腰や左腕の関節を強化してやるとよいだろう。
肩と上腕を繋ぐ軸、太股と股間を繋ぐ軸が短く、グリグリ遊んでいると抜けてしまうこともあるので注意。
また股関節の前後可動のロックが甘く、ヒザ関節も他の関節に比べて緩いため、シールドを持ち派手なポーズを付けた際の安定度は少し低め。普通に立たせて飾っておく分には特に問題はない。
手首は最近のMGと同様、切り離せるタイプで、初の丸指。手甲を下に向けフェンシングのように剣を持たせることが可能。
つま先は節ごとに可動するため、立てヒザや踏み込んだポーズも決まる。
バックパックもある程度角度変更が可能となっている。
ギミック
ビームサーベルには発光ダイオードを使用。コイン電池(CR1220型を1個使用、別売)内蔵で発光する。光量はそれほど強くないが、雰囲気は十分。シールドは、ハイドボンブ、ニードルミサイルなどがしっかり表現されているが、その分かなり重くなってしまっている。シールドマウント部分を動かして前に向ける事ができ、またエフェクトパーツによりニードルミサイル3発の発射状態も再現可能。
武器・付属品
- ビームサーベル(柄は発光ギミックあり/なしの2種類付属)
- ミサイルシールド(サーベルの柄、ハイドボンブを収納可能)
- ニードルミサイル発射エフェクトパーツ
- ハイドボンブ×3(収納状態/散布状態)
- 1/20 マ・クベフィギュア(壺付き)
- 1/100 マ・クベフィギュア(座/立/壺付き立)
- ガンダムデカール、マーキングシール
関連ページ
最終更新 2011/09/20 06:1885 RX-178 ガンダムMk-II Ver.2.0(ティターンズ仕様)
2006.03.25発売 3675円 (本体3500円)総合◎ 関節◎ ギミック◎ 武器◎
総評
Mk-II 2.0(エウーゴ仕様)のカラーバリエーションキット。不評だった腰関節の可動範囲が改善されており、成形色とマーキングがティターンズ仕様になっている。
また、ディスプレイベースが付属しなくなり500円安くなっているが、元々ベースの利用価値が低かったため、概ね好意的に捉えられている。
このキットの発売以降、エウーゴ仕様の腰関節も改修版に仕様変更され、可動範囲が改善されている。
2008年11月27日にはカラーバリエーションとして「ガンダムMk-II Ver.2.0 (ティターンズ)HDカラー」(4200円税込)という商品も発売された。成形色がグロスインジェクション処理となっており、マーキング用水転写デカールが追加されている。
プロポーション
成形色以外はMG/Mk-II2.0(エウーゴ仕様)と変わりなし。シールドが腕から離れすぎている点もそのまま。
関節
腰関節が改修(F24、F25が形状変更、F27、F28が追加)されたことにより、腰の回転範囲が大幅に拡大された。また、股関節軸の前後スイング部分もきちっとロックされる。
これにより、可動範囲は既存のMGの中でも一番広いキットとなった。
ギミック
MG/Mk-II2.0(エウーゴ仕様)と変わりなし。武器・付属品
- ビームライフル+マガジン×3
- ハイパーバズーカ(腰のラッチにマウント可、砲身はスライド成形)+マガジン×2
- 頭部バルカンポッド
- ビームサーベル×2
- シールド(スライド伸縮可、裏面にビームライフルのマガジン×2をマウント可)
- 1/100 パイロットフィギュア(座/立)
- ガンダムデカール、マーキングシール(ティターンズ仕様)
バズーカのマガジンとライフルはそれぞれサイドスカートにマウント可。
関連ページ
最終更新 2011/09/20 06:1884 MSA-003 ネモ
2006.02.11発売 2940円 (本体2800円)総合◎ 関節◎ ギミック◎ 武器○
総評
2005年から引き続きZ映画化に伴うネモのキット化。1/100でのキット化はこれが初めてだが、MG/Mk-II2.0で集約されたノウハウを活かし、関節可動、パーツ割り、スタイルバランス、価格の全ての面で高レベルにまとまったキット。
プロポーション
GMのひ弱さと、第2世代MSフォーマットの無骨さを両立。足首のGM系共通フォーマットと脛の厚みの対比などすばらしい。
カメラのクリアパーツが色付き(クリアオレンジ成形)になったのは賛否両論。
関節
MG/Mk-II2.0の広い関節可動をさらに改良し、さらに問題のあった保持力も改善されている。ギミック
MG/Mk-II2.0譲りの関節構造により多彩なアクションポーズが可能。サイドスカートのマウントラッチがMG/Mk-II2.0と同規格となっており、装備の共有が可能。
バリュートをつけるには改修が必要。
武器・付属品
- ビームライフル(ジム2と同型)(サイドスカートにマウント可)
- ビームサーベル×2+ビーム刃(クリアグリーン成形、リアスカートにマウント可)×2
- シールド(スライド伸縮可)
- 1/100 パイロットフィギュア(座/立)
必要なものは揃っているのだがプレイバリュー的にはやや物足りない。クレイバズーカが付いているとなお良かった。