作業用 MG キット評価表 1996年発売分
08 MS-14S ゲルググ(シャア・アズナブル大佐機)
1996.12発売 3150円 (本体3000円)総合× 関節× ギミック○ 武器○
総評
アニメのイメージと異なったアレンジに賛否両論があり、関節の保持力の弱さも問題となったキット。だが、合わせ目処理が極力抑えられた外装や、内部フレームの再現など、その後のMGの基本形はここから始まったといえる。MG/ゲルググキャノンの発売以降、不満の挙がった肩アーマー、脚部フレアー内部にディテールが追加、股間ブロックのカバーパーツも追加されている
プロポーション
ゲルググは太いのか細いのか人によってイメージの異なる機体だが、キットは腰高でスマート、各部のカウルも直線的でシャープなイメージでの立体化となっている。TV版のような重厚で味のある、悪く言えば捉え所のないバランスとは異なるものの、その分アレンジの方向性が明快で素直に「カッコいい」プロポーションとなっている。その辺が気になる人は注意。
ヒジ関節~前腕部~手首が小さめ、細めで腕部全体が貧弱に見えるため、力感を欠いているのは惜しい点だが、全体のプロポーションそのものは良好な部類であり、アレンジの賛否の声に隠れた形となっているのは残念。
関節
ヒザ関節が弱く後方に倒れやすい点、手首の可動指が貧弱でシールドなどの保持に難がある点は問題点である。これらは組み立てる際に瞬間接着剤などで関節の固さをきつめに調整すると良い。またヒジ関節には横ロールの回転軸があるが、ヒジを曲げた状態だと回転できず完成度が低い。まあこれらの欠点は初期のキットゆえの仕方が無いものであり、今後の改修が待たれる。
ギミック
上半身や脛などのアーマーを着脱可能で、内部フレーム状態にすることができる。脛の内部フレームは密度があってなかなか良い。武器・付属品
- ビームライフル
- ビームナギナタ(刃の部分はクリアイエロー成形、ビームサーベル状のものと薙刀状の湾曲したものの2種が付属)
- シールド(背面にマウント可)
- 背部ビームナギナタ用マウントラッチ
- B型用高機動バックパック(シールド+ビームナギナタマウントラッチと差し替え)
- 頭部アンテナ(TV版のものとMSV版のものの2種)
- 1/100 シャアフィギュア(座/立)
- ディテールアップ用パーツ
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最終更新 2011/09/12 22:4307 MS-06R-2 ザクII ジョニー・ライデン少佐機
1996.06発売 2940円 (本体2800円)総合× 関節○ ギミック○ 武器○
総評
MG/ザク1.0の大幅パーツ追加キット。元となったMG/ザク1.0のキットが後のバリエーション機のキット化を見越したランナー構成になっていなかったため、主要なパーツの色分けを成形色で再現することができず、それを正当化するためカラーリング指定そのものが改変されている(塗装するよう指定しているのではなく、キットの完成見本からして元の設定とは異なる塗り分けで塗装されている)。
ザクが最初期のキットであるため(あるいはMGシリーズそのものがザクで終了する予定だったためとの説も)企画開発当時にそういった発想がなく、結果色分けが不十分となってしまったことそのものには致し方のない面もある。
あるいはこのキット自体、ヘビーユーザー向けのファンサービス的商品として商品化されたのかも知れない。
だがいくらMGシリーズが元の設定・デザインをアレンジしてキット化するシリーズだとは言え、このカラーリング変更には「単なる金型の都合」以外の合理的な理由が見えず、このようなやり方はやはり行き過ぎだと言わざるを得ない。
その点に抗議の意味も含め×評価となっているが、追加パーツやキットの出来そのものに特に問題がある訳ではない。普通に塗装したり、キットのカラーリングを新解釈として受け入れてしまえば済むだけの話である。
色分け
改変されたカラーリング指定は以下の部分。コクピットブロックの赤い本体色→関節部などと共通のダークグレー
スカート、フンドシの赤い本体色→胸部左右のブロックと共通のダークブラウン
ヒザアーマーの赤い本体色→関節部などと共通のダークグレー
足首ブロック上部の黒い本体色→赤い本体色
足首ブロック下部の赤い本体色→関節部などと共通のダークグレー
前腕部外側部分の黒い本体色→前腕部内側と一体成形の赤い本体色
武器・付属品
- ザクマシンガン+ ドラムマガジン×1(マガジンはリアスカートにマウント可)
- ザクバズーカ(バックパックと干渉するため腰部ラッチにはマウント不可)
- ヒートホーク(サイドスカートにマウント可)
- 1/100 パイロットフィギュア(座/立)
- ディテールアップ用パーツ
ジャイアントバズは残念ながら付属しない。
スカートにマウントされる各種武器はそれぞれサイド、リアに付け替え可。
マーキングシール、ガンダムデカールの他に、シールを貼った段差でパネルラインを表現するためのフィルムシールが付属。
右肩のシールドにはジオンマークが印刷されている。
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最終更新 2011/09/12 22:4306 MS-06R-1 ザクII シン・マツナガ大尉機
1996.06発売 2940円 (本体2800円)総合× 関節○ ギミック○ 武器○
総評
MG/ザク1.0の大幅パーツ追加キット。元となったMG/ザク1.0のキットが後のバリエーション機のキット化を見越したランナー構成になっていなかったため、主要なパーツの色分けを成形色で再現することができず、それを正当化するためカラーリング指定そのものが改変されている(塗装するよう指定しているのではなく、キットの完成見本からして元の設定とは異なる塗り分けで塗装されている)。
ザクが最初期のキットであるため(あるいはMGシリーズそのものがザクで終了する予定だったためとの説も)企画開発当時にそういった発想がなく、結果色分けが不十分となってしまったことそのものには致し方のない面もある。
あるいはこのキット自体、ヘビーユーザー向けのファンサービス的商品として商品化されたのかも知れない。
だがいくらMGシリーズが元の設定・デザインをアレンジしてキット化するシリーズだとは言え、このカラーリング変更には「単なる金型の都合」以外の合理的な理由が見えず、このようなやり方はやはり行き過ぎだと言わざるを得ない。
その点に抗議の意味も含め×評価となっているが、追加パーツやキットの出来そのものに特に問題がある訳ではない。普通に塗装したり、キットのカラーリングを新解釈として受け入れてしまえば済むだけの話である。
色分け
改変されたカラーリング指定は以下の部分。コクピットブロックの白い本体色→関節部などと共通のダークグレー
スカート、フンドシの白い本体色→胸部左右のブロックとグレー
武器・付属品
- ザクマシンガン+ ドラムマガジン×1(マガジンはリアスカートにマウント可)
- ザクバズーカ(バックパックと干渉するため腰部ラッチにはマウント不可)
- ヒートホーク(サイドスカートにマウント可)
- 06R-1A用脚部外付けタンクパーツ
- 1/100 パイロットフィギュア(座/立)
- ディテールアップ用パーツ
スカートにマウントされる各種武器はそれぞれサイド、リアに付け替え可。
マーキングシール、ガンダムデカールの他に、シールを貼った段差でパネルラインを表現するためのフィルムシールが付属。
右肩のシールドにはジオンマークが印刷されている。
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最終更新 2011/09/12 22:4305 MSZ-006 ゼータガンダム
1996.04発売 3150円 (本体3000円)総合× 関節× ギミック○ 武器◎
総評
MG初の可変MS。フライングアーマーのスライド可動などの大胆な解釈と高い成形技術によって、完全変形という命題とMS、WR両形態でのプロポーションを高いレベルで両立。決定版とも言える変形方式を提示した。変形方式やデザインアレンジなどHGUC版と好対称をなすキット。
キットの評価としては、MG/ドム以降の現在の目から見れば過剰とも言えるデザインアレンジに賛否が分かれ、また変形用のロック機構がなく可動部も弱い点がマイナス評価。MG/Z2.0が発売された現在では、単にZのキットが欲しいのであればMG/Z2.0を勧める。
この5年後に発売されたMG/ゼータプラス(テストカラー)、9年後のMG/Z2.0と比較するとMGシリーズの進歩の程が感じられる。
またカトキハジメが参加した初めてのキットでもある。カトキはZガンダムを合理的にリデザインしたZプラスのデザイン作業にも関わっており、1988年発売の1/144Zプラスは1/144スケールでほぼ完全変形を実現したこれまた驚異的なキットである。
プロポーション
劇中やHGUC/Z、MG/Z2.0のような直線的でシャープな印象のものとは異なり、機体各部はエッジが面取りされたやや柔らかめのラインで構成されている。MG画稿と比較すると、キットは腕部のボリュームが小さく全体的に大人しめのプロポーションとなっている。腰~太腿のラインの繋がりなどやや固い点も見られるが、キット単体としては概ね良好。
WR形態も不自然な厚みなどはなく良好。だが二段式になったフライングアーマーなど、劇中とは大きく印象の異なるアレンジも存在する。
関節
機体の各所に変形用のロック機構がないため、MS、WR両形態で各可動部が固定できずブラブラしてしまう。またその可動部も保持力、強度的に強くないものが多く、玩具感覚でガチャガチャ遊んでいると関節部がゆるみ、最悪破損の恐れがある。これがこのキット最大の欠点。具体的には、WR形態ではフライングアーマーや脚部など各部が固定できない点、MS形態ではフライングアーマーが基部から垂れてしまう点、ポーズを付けていると肩関節基部の白いパーツや股関節フレームがパカパカ開いてしまう点、スタビレーター基部のポリパーツが変形しやすい点など。腰の後ろの股関節フレーム基部は特に破損に注意。
これはポリランナー、金属線等を使用してロック用のピンを新設したり、可動部を補強してやるとよい。
MS形態での可動範囲は標準並だが、各可動部がグラつくためポーズは付けにくい。そのため自立にも難がある。
その他の通常の関節部分については保持力は標準程度。だが可動指は武器の保持に難があるため、平手(アサフレックス成形)を曲げて武器持ち手を作るとよい。
ヒジの二重関節部はポリ露出あり。
ギミック
WRに変形可能。プロポーション的に明らかなウソのあるアニメ設定を、フライングアーマーの二段スライドや肩アーマーの収納ギミックなどの大胆な解釈によって両形態とも破綻なくまとめあげたのは驚嘆すべき点。
だがロック機構や可動部の強度について当時は現在ほどのノウハウはなく、背中のフライングアーマーがMS/WRどちらの形態でもグラついてしまう等、玩具としての完成度が高くないのは現在からすれば残念な点である。
その他に腕部グレネードのハッチの連動開閉ギミック、テールバインダーの発光ギミックなどがある。
武器・付属品
- ビームライフル(伸縮可)+マガジン×1
- ハイパーメガランチャー(伸縮可)
- ビームサーベル×2(サイドスカートに収納可)
- 腕部グレネードの追加弾倉×2
- ディテールアップ用パーツ(翼端灯やピトー管、VHFアンテナ等)
ハイパーメガランチャーが付属したのは嬉しい。
発光ギミック用コイン型電池(CR1220)は別売りなので注意。
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最終更新 2011/09/12 22:4304 RX-78-3 G-3ガンダム
1996.03発売 2625円 (本体2500円)総合× 関節○ ギミック○ 武器○
総評
MG/ガンダム1.0のカラーバリエーション。色変えでシリーズの数を水増しするバンダイ商法の始まりという、ある意味記念的なMG。MG/シャアザク1.0とMG/ザク1.0の時は武装の変更があったのだが、G-3は完璧に色を変えただけの代物で、箱絵まで色変えで済まされるのだからバンダイは恐ろしい。
プロポーション
PG/ガンダムやHGUC/ガンダムなど現在主流のがっしりとした体型とは異なり、安彦良和氏の描くようなスマートで人間的な体型での立体化となっている。最近のガンダムに慣れた人には変に見えるかもしれないが、安彦版として見た場合のプロポーションはなかなか良好。だが全身のスジ彫りやディテールのアレンジなどはあまりセンスのあるものではない。関節
可動範囲は標準並。保持力は全体的に弱めだが自立には問題ない。注意点として前腕にはシールドのラッチが存在しない。また武器の持ち手も付属しないので、武器類は保持力がほぼ皆無な可動指でムリヤリ保持するか、平手(アサフレックス成形)を曲げて握り手を作って対応しよう。ギミック
全身のハッチフルオープンとコアファイターの変形、収納が大きなギミック。武器・付属品
- ビームライフル(サイドスカートにマウント可)
- ハイパーバズーカ(腰のラッチにマウント可)
- ビームサーベル×2
- シールド
- コアファイター(コアブロック時には尾翼を取り外す)
- ダミーのコアブロック(ガンダムとコアファイターを別々に飾ることが可能)
- 1/100 アムロのフィギュア(座/立)
- ディテールアップ用パーツ
通常のシールの他にガンダムデカール、胸部ダクト用メッシュが付属。左肩アーマーにはペガサスのマークが印刷されている?