作業用 HGUC キット評価表 2005年発売分
58 RX-110 ガブスレイ
2005.12.19発売 1680円 (本体1600円)総合○
総評
MA形態に差替え変形可。完全変形ではないが(スネの外装の着脱、手首の取り外し、つま先の差し替えが必要)、設定通りの複雑な変形の出来は見事。劇中でジェリド・メサが行なった、下半身だけ変形させた中間形態まで再現できる。この変形機構のためHGUCながら手足に内部フレームを内蔵しており、小さなMGと言ってよい。
フェダーインライフルの出来も良好。設定通りライフル銃身にビームサーベル刃が取り付け可能。ライフルを前後逆に持った鉤爪形態でも先端にサーベル刃が取り付けられる。
展示用のマトリクスディスプレイスタンドはHGUC/アッシマーと同じく、ジョイント部が可動し角度を変更可能。
残念な点としては、ハイディテールの手首のパーツが今までのキットと同様分解しやすい。
特にライフル用右手は穴の方が大きく、突起を太らせるか構成を変えるかなどしないと満足な保持力は得られない。これは瞬間接着剤などを薄く塗ってピンを太らせたり、若干噛み合わせづらい部分を削るなどして工夫するとよい。
キット自体は抜群の出来だが、こういった些細な点で減点。
プロポーション
スマートで良好。人によっては変形の際にムキ出しとなる脚フレームが若干細く感じるか。同時代のMSと比べると頭部や前腕の小ささ(細さ)が目に付くが、設定でもやはりこの程度である。それでも頭部はやや小さめ。
関節
スカートアーマーが大きいため、腰スイングに若干干渉しているが、スカートはよく可動するため脚の可動をそれほど妨げてはいない。頭や首周りの形状が独特であるため、大きく横に振り向けない。だが頭の上下可動は変形機構によって大きく可動する。
その他にヒジ、ヒザは変形機構を活用すれば90度以上可動し、肩関節基部も若干前に出るようになっているのでライフルの両手持ちが容易。
その他の可動範囲は標準程度か。
脚フレームのアームの保持力はそれなりにある。
また肩部のメガ粒子砲も接続がボールジョイントで可動が可能。
手首はポリキャップを使用していないため、変形、武器持ち替えでの着脱によりヘタリが心配される。
パーツの構成上、挟み込みとなるパーツが多いため塗装派は塗り方を工夫しよう。
色分け
成形色+シールでほぼ劇中通り。フェダーイン・ライフルや頭、手足の黄色部分、胴のピンク部分はシール。
モノアイは中央・左寄り・右寄りの3つから選んで貼り付ける。
武器・付属品
- フェダーイン・ライフル+銃持ち手(右)
- ビームサーベル柄×4(柄はヒジのスソ部分に収納可)+ビーム刃×2(クリアイエロー成形)
- 握り手(左右)
- 展示用マトリクスディスプレイスタンド(角度変更可)+MA形態展示用ジョイントパーツ
展示スタンドの裏には、サーベル刃や手首など使わないパーツを収納できる。
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最終更新 2011/09/17 23:3257 RX-121-2A ガンダムTR-1 アドバンスド・ヘイズル
2005.11.26発売 1680円 (本体1600円)総合◎
総評
HGUC/ヘイズル改のバリエーションキット。成形色がティターンズカラーになり、新型シールドブースターやウエポンラッチ(隠し腕付きフロントスカート)などの各種パーツが新規に追加されている。元のパーツは削られていないので、ティターンズカラーのヘイズル改として組む事も可能。
またヘイズル改やHGUC/Mk-II ティターンズカラーと成形色が揃えられているため、パーツを相互に組み換えて遊ぶことも可能。
プリムローズ型胴体や新型肩アーマーは付属していないので注意。
プロポーション
HGUC/ヘイズル改に比べ、足のヒール状パーツやウエポンラッチによりゴテゴテ感が増している。頭部センサーはアンテナ接続部に差し込む形になっており、簡単に取り替えられる。
関節
本体部はHGUC/ヘイズル改と同様。新規のウエポンラッチ隠し腕はABSだが、保持力自体は弱く、ライフルを持たせたりするのには多少苦労する。
バックパックの新規の可動ブースターポッド(シールドマウント部)はABS製で、接続も安定。
なお、シールドが3つに増えたが、シールドと腕部を接続するパーツは1つしか付属しないので注意。
色分け
本体部はHGUC/ヘイズル改と同様で、新規パーツにも多色成形ランナーが使用されているため色分けは良好。ただし、強化型シールドブースターはほぼ白一色なのでグレー部等は塗装が必要。
トサカ、スネ、バックパックのセンサー部のグリーン、カメラアイはホイルシール。
T3部隊章、マーフィー小隊マーク、アドバンスド・ヘイズル専用の兎マーク、コーションマークのマーキングシールが付属。
武器・付属品
- ビームライフル+銃持ち手(右)
- ビームサーベル(クリアピンク成形)×1+持ち手(右)
- グレネードランチャー(肩部増加ユニットに取付可、ホールディンググリップと差替え)
- ビームライフルの予備Eパック×2(サイドスカートにマウント可、ライフルには取付不可)
- シールド(HGUC/ジムコマンドのものと共通デザイン)
- シールドブースター×1(背部可動式ブースターポッド、両腕マウントラッチにマウント可)
- 強化型シールドブースター×1(背部可動式ブースターポッド、両腕マウントラッチにマウント可)
- 平手(左)
- HGUC/ヘイズル改用握り手(左右各1、ホールディング・グリップが保持できる)
シールドは計3つ付属するが、前腕部との接続用パーツは1つだけなので注意。
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最終更新 2011/09/17 23:3256 RX-121-1 ガンダムTR-1 ヘイズル改
2005.09発売 1365円 (本体1300円)総合◎
総評
電撃ホビーマガジンなどで連載中の模型主導企画「ADVANCE OF Z」からのキット化。ヒジの二重関節化などの可動を重視した構成や、気合の入ったパーツ分割、全体のデザインアレンジなど意欲的なキットとなっており、充実した内容の割に割安感もある。
プロポーション
連載初期のイラストに比べ脚部を中心に全体のボリュームを強調したイラストが新たに描かれ、それを元に立体化されている。その脚部のボリュームに好みは分かれるだろうが、キットはイラストを素直に立体化しておりプロポーションは良好。ヒザのボリュームはトライブースター時を考慮してのバランスか。
首の下のエリパーツの白い部分にディテールが入っていないが、ヘイズル改のイラストには同様にディテールなしのものも存在する。気になる人はスジ彫りを。
電撃ホビーマガジン2004年1月号付録のキットと比較すると、割とスタンダードなガンダム体型だった付録キットとは異なり、脚部のボリュームが大幅に増し、全体的に平行、垂直を強調したゴツゴツとしたライン取りとなっている。
キット化にあたり、カトキハジメに代わってAOZメカデザイン担当の藤岡建機がディテールなどの提案書を描いている。デザインアレンジの方向性が違うためか、他のHGUCと比較するとディテールや面取りが緻密でパーツに密度感がある。
関節
ヒジ関節はHGUC初の二重関節でABS式。だがヒジ関節~上腕内部のABSフレームパーツを前腕部と肩ブロックがそれぞれ挟み込む構造となっており、分解、接着・塗装が面倒。下手に後ハメに躍起になるよりも素直にマスキングして塗った方が早道。肩関節基部や足首関節には引き出し式のスイング機構あり。全体的にデザインの割にはよく動く。
可動ブースターポッドの保持力にも問題ない。
色分け
全体にオレンジが散っているデザインだが、これを別パーツ別色成形で細部まで色分けしており色分けとしては十分。だがさすがに指先の赤までは再現していない。スネのパーツ構成が面白い。
トサカ、スネ、バックパックのセンサー部のグリーン、カメラアイはホイルシール。
T3部隊章、マーフィー小隊マーク、コーションマークのマーキングシールが付属。
武器・付属品
- ビームライフル+銃持ち手(右)
- ビームサーベル(クリアピンク成形)×1+持ち手(右)
- グレネードランチャー(肩部増加ユニットに取付可、ホールディンググリップと差替え)
- ビームライフルの予備Eパック×2(サイドスカートにマウント可、ライフルには取付不可)
- シールド(HGUC/ジムコマンドのものと共通デザイン、新規設計パーツ)
- シールドブースター×1(背部可動式ブースターポッド、両腕マウントラッチにマウント可)
- 平手(左)
各手首はHGUC/マラサイ以降の実感のあるディテールのもの。通常の穴開き握り手は付属しないので注意。また持ち手のハメ合わせが悪い場合がある。
HGUC/Mk-II ティターンズカラーからバックパックとバルカンポッド(ただし肩の多目的ランチャーに干渉)を流用可。
トライブースターモードを再現するにはキットが3つ分必要になるが、これはHGUC/アドバンスド・ヘイズル、HGUC/ヘイズル2号機等で補完を。
初回生産分にはAOZ作品解説、機体解説、コミック総集編などを収録した冊子(36p)が付属する。
付属冊子内容
表紙 | 電撃ホビーマガジン2005年8月号ピンナップ |
2p~3p | A.O.Z紹介記事、Episode1.0から一部抜粋 |
4p~5p | 宇宙世紀年表 0079.01.03 ~ 0088.02.20 |
6p | キャラクター紹介 |
7p | A.O.Z基礎知識 |
8p~9p | ヘイズル改紹介 |
10p | 劇場版「機動戦士ZガンダムII-恋人たち-」宣伝記事 |
11p~26p | コミック版特別総集編 |
27p | 各メディア展開(本誌連載、別冊、コミック)宣伝記事 |
28p~31p | ヘイズル改設定資料 |
32p~33p | TRシリーズ紹介 |
34p | HGUCヘイズル改 作例写真 |
35p | 藤岡建機によるキット化提案書 |
背表紙 | HGUC Zシリーズ キットのラインナップ |
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最終更新 2011/09/17 23:3255 RMS-106 ハイザック(連邦カラー)
2005.07発売 1050円 (本体1000円)総合○
総評
HGUC/ハイザックのカラーバリエーション。青色の連邦カラーで成形され、マーキングシールが追加されている。上腕部動力パイプ部の構成が改修されるとの憶測が流れたが、キットは完全なカラバリで変更箇所はない。特に凝ったギミックもなくシンプルだが、手堅い出来の佳作。安価な割に適度なボリューム感もあり手頃な内容。
肩の動力パイプ部が可動優先のデザインに変更されている。
金型の磨きが甘いのか各部に面の荒れが見られるため、ペーパーなどでヒケやバリと一緒にシャープに仕上げてやるとよい。
プロポーション
元デザインにあった過剰なボリューム感は薄まり、ザクシリーズとの整合性を意識した標準的な体型にアレンジされている。また肩プロックから上腕、ヒジパーツを通り前腕内部まで繋がってるデザインの動力パイプは、可動優先のためヒジで分割された構成となっている。キット単体のプロポーションも良好。各部のブロックが直線的なラインでまとめられており、連邦らしさを感じさせる。
関節
オーソドックスで標準的な保持力と可動範囲。動力パイプの構成上、上腕に回転軸はなくヒジ関節で回転する構造。可動範囲に影響もない。
バッグパックのブーム、偏向プレートはプラ同士の接続でフラフラしやすい。
目立たないものの右肩ブロック上面にポリ露出あり。
色分け
専用マーキングシールが追加。モノアイはシール。口部ダクト、ザクマシンガン改のスコープ部(赤)、シールドの星(黄)などに一部塗装が必要な他は、ほぼ完璧に色分け分割されている。
アサフレックス成形のパイプは無塗装だとオモチャっぽい。
武器・付属品
- ザクマシンガン改+銃持ち手(右)
- シールド
- 穴開き握り手(左右)
旧キットの武器セットからミサイルポッドその他が無改造で流用可能。ただジョイントパーツ等はないので、接続はハメ込みのみとなりややグラつく。強度的にも加工した方がベター。
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最終更新 2011/09/17 23:3254 NRX-044 アッシマー
2005.06発売 2100円 (本体2000円)総合○
総評
1/144スケールで完全変形する事が最大のウリ。他の変形MSでは手首が取り外しだった物が多かったのに対し、大柄な機体の本作では手首が前腕に収納できるのもポイントの一つ。
脚部のふくらはぎにあたる外装のロック機構も評価したい。
付属のマトリクスディスプレイスタンド(ジョイント部が可動し角度変更可能)で劇中の臨場感あふれる空中戦シーンも再現可能。
プロポーション
MA形態でのプロポーションを優先させているためか、MS形態では脚部が細く見える。劇中のマッシブな印象とは異なるが、元の設定に無理があるためやむを得ない。
完全変形を取るかMS形態でのプロポーションを取るか、好みが分かれる点。
関節
変形機構があるため、胴体の前後への反り・左右への腰の回転はできないものの、この手のキットとしては可動範囲は十分。デザイン上、派手なポーズを求めすぎると大柄なアーマー同士が干渉するのは仕方ない。
胴体には肩関節のスイング機構があるが、可変・デザインの関係で前後スイング可動には制限がある。
ふくらはぎの外装にはロック機構があるものの、ヒザ関節にはポリパーツが使用されていないため保持力には注意が必要。
MA形態時に胸と腰をロックするツメがかなりきついため、折らないよう注意。削って調整した方がいいかも。
色分け
成形色・付属シールでほぼ劇中のイメージが再現できる。変形時にスライドする箇所があるので、塗装の際はクリアランスに注意が必要。
モノアイはシールでの再現となるが、レンズ部は無色クリアパーツ化されている。頭部も大きく内部スペースに余裕があるのでモノアイ可動化にチャレンジするのもいいのではないだろうか。
武器・付属品
- ビームライフル+銃持ち手(右)
- 握り手(左右)
- 展示用マトリクスディスプレイスタンド(角度変更可)
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最終更新 2011/09/17 23:3253 RX-178 ガンダムMk-II+フライングアーマー
2005.05発売 2100円 (本体2000円)総合○
総評
エゥーゴカラーのガンダムMk-IIとフライングアーマーがセットになったキット。フライングアーマーにガンダムMK2を乗せていろんなポーズをとることができる。
なおフライングアーマーにはMk-IIのシールドをマウントさせることが可能。
フライングアーマー付属による1000円の価格上昇は、フライングアーマーのボリューム感やGディフェンサーとの比較から考えても妥当と言えるだろう。
HGUCでエゥーゴカラーのMk-II単品はリリースされていないため、エゥーゴカラーのMk-IIが欲しい人は、このキットまたはHGUC/スーパーガンダムを買うか、HGUC/Mk-II ティターンズカラーを白く塗るしかない。
プロポーション
Mk-II本体についてはHGUC/Mk-II ティターンズカラーを参照。フライングアーマーについては、第一印象はかなりデカイ(MG1体分)。だかスカスカ感や合わせ目が目立つなどの欠点はなく、プロポーションそのものは良好。
またディスプレイスタンドが付属しているので、好きな角度で飾ることができる。
関節
フライングアーマーには可動部なし。スタンドは台座の角度を5段階で調整可能。Mk-II本体はHGUC/Mk-II ティターンズカラー、HGUC/スーパーガンダムと基本的に同じものだが、バックパックのフレキシブルバーニアスラスター(サーベルユニット)のパイプがメッシュパイプになっており、可動がスムーズになっている。
色分け
成形色+シールで原作の色分けはほぼ再現できる。フライングアーマー主翼前縁部の黒はホイルシール。
Mk-II本体はほぼ完全。脚部・肩アーマーのバーニア類やシールドの覗き穴は別パーツ別色成形。関節パーツは青紫に近い明るいグレーで成形されている。
HGUC/スーパーガンダムも参照のこと。
武器・付属品
- フライングアーマー
- 展示用スタンド
- ビームライフル
- ハイパーバズーカ(腰のラッチにマウント可)
- 頭部バルカンポッド
- ビームサーベル(白成形、右手首と一体)
- シールド(差し替えで伸縮可)
- 銃持ち手(右)×1
- 穴開き握り手(左)
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最終更新 2011/09/17 23:3252 RMS-108 マラサイ
2005.01発売 1470円 (本体1400円)総合◎
総評
今回のマラサイから手首に新しい試みが見られる。手の甲のパーツとは別に掌のパーツは2つに分割され、指のディテールが実感のあるものとなっている(丸指)。ただし左の握り手は付属しない。口元のダクトは挟み込みパーツで完成後は合わせ目が正面に来てしまう欠点はあるものの、頭部そのものの出来は良好。
シールドは肩のジョイントを使用して二つに折りたたむことができるため、劇場版「星を継ぐ者」試写の1シーンで初出となった、シールドを畳んだマラサイを再現することが可能。
肩関節は引き出すことが可能なため、大胆なポーズをとらせることも可能。
2005年5月には「劇場版 機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者」公開と連動して、カラーメッキ処理済みの劇場公開記念限定版 エクストラフィニッシュバージョン マラサイ(2940円税込)という商品も発売された。
プロポーション
非常に良好。人によっては若干手が長い、という印象を受けるかも。
関節
特に問題なし。肩関節基部は引き出し式のため、両手でライフルを構えるポーズも再現できる。
頭部の角は軟質素材(アサフレックス成形)、うっかり折ってしまわないよう配慮されている。
各部の動力パイプもアサフレックス成形。腰は動力パーツが若干干渉するものの、腰をねじったポーズをとることは可能。多少可動範囲が狭い程度。
盾の基部のパーツC21に盾パーツC22-23をはめ込む際、盾の保持の為テンションが掛けられていて入り難い。そこで力任せにパーツをはめ込むと、基部のパーツC21のポリキャップの後ろ中央辺りから割れやすい。
ちょっとの力でも白色化して割れ易くなるので注意が必要。
色分け
素組みでもほぼ設定画に近い。バルカンの発射口付近も別パーツ化されているところは凄い。
モノアイはシールで再現。モノアイの可動はしない。
武器・付属品
左の握り手は付属しないので注意。