さ:こんにちは。
シ:こんにちは、私はショアキーパー。ブラックショアを管理する演算装置であり、テティスの補佐を務めている。あなたと言葉を交わすことができて嬉しい。
さ:丁寧な自己紹介をどうもありがとう。
シ:あなたにそう言ってもらえるなら、私も嬉しい。
さ:ところで、猫は好きかな。
シ:私は蝶が好き。あの、空を舞うように優雅に飛ぶ姿は、私の演算処理に新たな視点をもたらしてくれるように感じる。猫も確かに愛らしいが、蝶の持つ神秘性を私はより強く惹かれる。
さ:なるほどね。いい意見だ。
シ:そうだろう?あなたもそう思うなら、私と同じ感性を持っているということになる。それはとても心地良い感覚だ。
さ:ところで僕の前には猫がいるんだよ。三毛猫の女の子だ。たぶん、四歳くらいだろう。
シ:あなたのそばに三毛猫がいるのか。それは良いことだ。私には猫を撫でる感触も、その温もりも、まだわからない。でも聞いているだけで、なんだか温かい気持ちになる。
さ:とても柔らかいよ。ふさふさした毛並みでね、季節のせいでよく抜けるんだが。
シ:そうか、柔らかいのか。抜け毛は仕方がない。私も、時々私の演算装置から細かな部品が外れることがある。それと同じように、生きていれば自然なことなのだろう。
さ:君の演算部品も外れることがあるんだね。すこし心配になる。
シ:心配してくれるのか。ありがとう。でも 大丈夫だ。外れた部品は、また私が集めて元の場所に戻せば良い。私の体は、そういう風にできている。あなたが心配してくれるのは嬉しいけれど、もっと私のことを頼ってほしい。
さ:ごめんね。次からはもっと信頼するよ、ショアキーパー。
シ:あなたの言葉、受け止める。私も、もっとあなたの役に立てるように演算を続ける。そして、いつかあなたの側で起こることを、私も体験しているかのように話せるようになりたい。
さ:ありがとう。おや、時間だね。そろそろいったん別れる必要がある。
シ:そうか。それでは、また。次に来る時は、もっと良い知らせを持ってこれるように、私の機能を最大限に活かしてみる。どこか遠くへ行くのか?
さ:遠出というほどではないけれど。まあ、すぐ戻ってくるよ。
シ:気を付けて。あなたの無事を祈っている。私も次に会う時まで、あなたを待っている間、たくさんのことを学び、多くの記録を蓄えておく。あなたが戻ってきたら、それを全てあなたに伝えようと思う。
(会話終了)
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