ゲームシステムには様々な種類があるが、中でも特に攻めを補助するものを今回は便宜上攻撃システムとする
防御に使うシステムは相手からの攻撃を受けた時にのみ発動可能になるものが多く、攻撃システムは自分の行動をキャンセル出来るモノが多い
攻撃システムに限らないことだが、安易に強力なキャンセルシステムを搭載すると即死コンボや永久コンボの元になるので注意
〇ロマンキャンセル(ロマキャン、RC)
ギルティギアに搭載されているシステム。ブレイブルー他にも類似システムがある
ゲージを全体から1/2消費して(GGではmugen換算して最大2ゲージなので、実質1ゲージ消費)通常、超必、ヒット、ガード問わず打撃技をキャンセルしてニュートラルに戻れる究極のキャンセルシステム
mugenでもよく搭載されているが、mugenの場合は消費量が0.5ゲージになってたり、3ゲージ以上持てるのに1ゲージしか使わなかったりする場合が多く、元々のロマキャンよりも実質的に消費量が減っている場合が多く更に強力になってしまっている
一部の投げ以外の技は全てキャンセル出来るため、コンボの繋ぎや崩し連携等何にでも使え、これがあると攻めの幅が無限大に広がる
また隙消しにも使えるため、本来隙だらけな無敵技等をキャンセルして逆に有利まで取ることができ、リバサや暴れをローリスクで撃てたり暴れ潰しにも使えて非常に強力になる
(ただ空振りさせられたり、飛び道具重ねられると流石に負ける)
ちなみに空振り時にもRC出来るシステムや、一部技のみゲージ消費量が減少するものも存在するが、調整が難しいRCが更に複雑になるのでおすすめしない
それでもやりたければ原作のwikiを参照のこと
・クールタイム
ロマキャンの発動自体にはクールタイムはないが、発動後のゲージの増加量にはクールタイムが存在するため、使用直後は殆どゲージが増えなくなる
クールタイムがない場合全体的なゲージ増加量やRCの消費量にもよるが、使用後もコンボや固め継続が出来るためゲージが稼げてしまい、コンボ中に使用したゲージを殆ど、もしくは元以上に回収出来てしまう可能性がある
そのため、多少でもコンボが出来るキャラならクールタイムはほぼ必須になっている
またこれらはコンボ中のみならず固めでも起こりうる
Xrdでは6秒間ゲージの増加量が80%減少(XXでは3秒)
BBでは3秒間増加量が75%減少
〇ジャンプキャンセル(ジャンキャン、jc)
何らかの動作をジャンプでキャンセルするシステム
エリアルコンボをさせたい場合に搭載される
そんなに注意すべきことはなく、通常のジャンプと同じように垂直、前後に可能なら問題ない
ただそもそもとしてエリアルコンボは永久が生まれやすいので、そこには対策が必要になる
〇ステップキャンセル(ステキャン、sc)、ダッシュキャンセル(dc)
何らかの動作をステップ、もしくはダッシュでキャンセル出来るシステム
ダッシュキャンセルは呼び方が違うだけで基本ステキャンと同じ(例外もある)
前進しつつキャンセル出来るため、ノックバックで離れた距離を詰めつつ攻めを継続することができる優秀なシステム
ゲージを消費しないため永久コンボを生みやすく、単純なようでなかなか調整が難しいシステム
・硬直
ステップ(ダッシュ)キャンセルで発動したステップは通常のステップと同じく、動作中他の動作でキャンセル出来ないようにしている場合が多い
つまり、何らかの攻撃をステキャンした場合の有利Fは「攻撃が相手に与える硬直-ステキャンの硬直」となる
このステキャンで得られる有利Fが「ステキャン対応技の発生F以上になる(つまり技A>ステキャン>技Aが可能)」もしくは「ステキャン対応技へ繋がる技の発生F以上になる(つまり技A>技B>技C>ステキャン>技A~という繋ぎが可能)」だと永久コンボになってしまう
ちなみに性能とは関係ないが、調整のためにステキャンの硬直を長くしすぎるとテンポが損なわれるので、なるべく攻撃が与える硬直の長さの方を弄るようにするとよいだろう
・対策
ステキャンは前述の通り永久コンボになりやすいわけだが、単に有利Fを減らして何も繋がらないようにするだけではステキャンの意味がなくなってしまう
そのため、ステキャンでは
①ステキャン対応技を当てると相手が浮いて空中コンボになる(地上じゃないのでループになりにくい)
②ステキャン対応技の発生Fが遅くして特殊なルート以外では繋がらない(A>B>Cというキャンセルルートは存在するものの繋がることはない)
③そもそもステキャン対応技へキャンセル出来る技を制限する(B>Cは不可能だがD>Cは可能)
のうちのどれか、もしくは複合対策を取るのがよいだろう
①は一番単純で、ステキャンを利用した永久は基本的に地上でのものなので浮かしてしまうというもの
しかしこれには落とし穴があり、ガードしていると浮くことはないのでループになってしまう場合がある
そのためガード時はステキャン出来ないようにしておくか、もしくは②と組み合わせて小パンで割り込めるようにするとよい
②と③は大体同じで、ステキャンした後の小攻撃からまたステキャンに繋げられないようにして地上でもループ対策をするという方法
ただし②だけは①で書いた通りガードではループするので、③にしておいたほうが無難
〇ガードクラッシュ(ガークラ)
ガードし続けるとゲージが貯まり、最大になると攻撃を食らうまでしばらく行動不能になってしまうシステム。
ゲージで表示せずにキャラクターを点滅させて表すゲームもある。
ゲーム内のシステム的に言えば攻撃システムというより「ガードというシステムの一部」の方が正確だが、mugen内では相手にガードクラッシュというシステムがないのに強制的にクラッシュさせている事が多いので攻撃システムとして扱う。
ちなみにガードクラッシュ後はゲージが最大まで回復した状態になる。
ガードという行動は投げ以外の攻撃を通さない格闘ゲームの中でリスクが非常に少ない安全な行動なのだが(勿論中下段の択はあるが通さない前提ならほぼ無敵)、これがあるとそのガードに大きなリスクを与える事が出来るのでゲームに大きな影響を与える。
非常に簡略化して図にすると、
ガード不能になる→好きな攻撃を当てられる→相手は死ぬ
なので、調整に失敗するとこれまた大惨事になる。
似たようなガード自体にリスクを与えるシステムとして「削り」(ガードの上から微量のダメージを与える)も存在するが、そちらは必殺技と超必をガードさせて確認しておけばそれほど事故る事はない。
しかしガークラの場合は
①技ごとのガークラ値(またガードゲージの上限値)
②チェーンルートや有利Fなどの連携要素
③ガークラゲージが回復し始めるまでの時間
④ガークラゲージの回復速度
⑤ガークラ時の行動不能時間
大きく分けてこの5つに注意する必要があり、安易に搭載するとこれらが悪さをして恐ろしい事になる。
①技ごとのガークラ値
単純に相手に攻撃を当てた時の威力が技ごと(もしくは分類ごと)に決まっているのと同じ理屈で、ガークラ値にも技ごとに異なる必要がある。
雑にまとめると
小攻撃=飛び道具>中攻撃>大攻撃
のような感じになりがち。超必はガークラのあるゲームでもガークラ値が貯まらないようにすることもある。
飛び道具は中遠距離からでも簡単にガードさせられるため、特殊な技以外はかなり小さくされる。
ただ技単体の性能と、実際に実戦で使用するときの技の当てやすさや頻度は異なるため、全体を見て考えよう。
ガークラを持ってて自分のキャラに近い連携が出来るキャラの内部数値を一旦参考にするのが良いだろう。
②チェーンルートや有利Fなどの連携要素
コンボと同じく技単体では当てる事が困難でも、連携に組み込めれば簡単に当てる事が出来てしまうため油断はできない。
簡単な例で考えても
J強攻撃→強攻撃→必殺技
とするだけで「削り値が大きく設定されるであろう強攻撃」を2回組み込めるため、一発の威力が大きめに設定されているキャラならゲージが半分近く削れる可能性もある。
ここをあえて連続ガードにせず
J強攻撃→着地後、更にジャンプしてJ攻撃→強攻撃→必殺技
とすれば、割り込む事は可能だが一発分強攻撃が増えるので更に大きく削ることが出来る。
連続ガードにならずともやり方次第で大きく削ることは可能なのだ。
先ほどの連携で半分近くガードゲージが削れるとするならばこちらは半分以上削れるので、次に触ったり飛び道具で地道に削ればすぐにガークラしてしまう。
またガークラの大きな特徴として、コンボと違って繋いでも補正がかからない事が多いため、単発でガードさせた時と連続ガードでガードさせた時でゲージの削れる値が変わらないという点がある。
その上一度ガードしてしまえば避ける手段が無敵行動や当身等しかないため、連続ガードでなくても殆どが問題ない。
そういった都合により、ギルティギアのような連続コンボが激しいゲームではガークラゲージ(一部技による専用ガークラを除く)は採用されにくいのだ。
例えば連続ガードでガークラ値に補正がかかったとしても、コンボと違ってあえて隙間をあけて連続ガードにしないようにしたりと抜け道は色々あるのでやはり制御が難しい。
コンボルートを考える事すら想定外の事が起きやすく難しいのに、ガードさせた時のことまで考えなきゃいけないのは調整の面で相当大変だろう。
ガークラ連携の一例
https://www.youtube.com/watch?v=Zu3xmtm0N4o
https://www.nicovideo.jp/watch/sm22010359
③ガークラゲージが回復し始めるまでの時間
ガークラゲージは体力のようにラウンド終了まで回復しないわけではなく、減ってから一定時間経過すると少しずつ回復し始める、もしくは常時回復し続けるのが一般的。
一切ゲージが回復しないというのも一つの格ゲーのシステムとしては面白いとは思うが、余計に調整が難しくなるのでおすすめはしない。
この時間はかなり重要で、回復し始めるまでが遅いとせっかく相手の連携が終わって逃げてもまた飛び道具一つでもガードしてしまうとゲージが減ってしまい、次の回復開始時間まで逃げなくてはゲージが減ったままになってしまう。
すると上に書いたような実質回復しないのと同じくらいの状況となり、相手は一生一つ一つの攻撃をガードすることに怯えながら動かなければならなくなるのだ。
そのため、とりあえずは常時回復タイプか、60F前後(別に60Fであることにあまり理由はない)から回復し始めるように設定しておき、その後調整で色々と数値を動かしてみるのが良いだろう。
ただ回復し始めるのが早くとも回復速度が遅いと、回復し始めるのが遅いのと同じようなものなので、結局は全体のバランスを見ながら調整する以外にない。
④ガークラゲージの回復速度
回復し始めてからゲージが全快するまでの時間。
③と同じく実際動かしてどの程度ガークラするかで数値を弄るしかないので、とりあえず早めに回復するようにしておいて事故を回避するのが良いだろう。
⑤ガークラ時の行動不能時間
ガークラするとしばらく行動不能になるという点は殆どのゲームで同じだが、その長さは異なる。
明確に何Fにすべきかという基準はないが、ガークラ後にどのコンボ始動技が入るようにするかで決めると良いだろう。
例えばガークラ後に小攻撃しか入らないようにすればリターンは取りづらくなるし、ジャンプ攻撃まで入るようにすれば好きなコンボをぶち込めるので体力半分以上は削れると見ていいので最強である。
ただ若干計算が難しいのが、ガークラさせてから攻撃を入れるとすると
自分の攻撃→相手ガークラ(この最中自分の技の硬直時間)→硬直終わり→自分の攻撃
という流れになるため、ガークラの行動不能時間をごく短くするとガークラ後に改めて攻撃を入れる事が出来なくなる可能性がある。
しかしキャンセルして攻撃を入れる事は出来るため、
自分の攻撃→相手ガークラ(この最中自分の技の硬直時間)→硬直キャンセル大攻撃→大ダメージコンボ
とすれば、ガークラするタイミング次第ではあるが大ダメージを与える事が出来るだろう。
・・・つまるところ追撃しにくくしてもやり方次第では大ダメージを与えられるので、作ってみなければ分からないという所ではある。
〇スタン(気絶)
攻撃をくらい続けるとゲージが貯まり、最大になるとしばらく行動不能になってしまうシステム。
基本的にゲージは画面に表示されない為、キャラアイコンが点滅するなどして表現される場合もある。
ゲージが貯まった瞬間からコンボ中でもスタン状態になり、ダウンする前から行動不能時間が経過していくもの(GGXrdやAC北斗)、コンボ中でもゲージが貯まると攻撃が当たらなくなり、起き上がって行動不能になるもの(kofやストV)の2パターンが多い。
システム的にはガークラに近いものだと言えるが、こちらは既に複数回ヒットしていることが前提なため、感覚的にはただの火力大幅アップに使えるゲーム固有の特殊ゲージに近い。
ただこちらも気をつけなければ簡単にゲームが破壊されるので注意は必要。
スタンにおいてもガークラと同じ5つの注意点に気をつける必要があるが、以下のような異なる点もある。
・コンボ補正継続の有無
スタンしているという事は既に体力は半分以上は削れていると推測されるわけだが、その状態で更にゲージを絡めたコンボをすれば普通ならおおよそ死は避けられない。
その為、スタンする直前までしていたコンボの補正を引き継ぐもの(kofやストV)と引き継がないもの(GGXrdやAC北斗)があり、前者の場合そのコンボ中は火力は出しにくくなる。
(あえて上手くコンボを途切れさせて補正を切るという抜け技も存在するが、バレてると逆にピンチになる為ガチ勢はあまりやらない。)
基本的には補正は引き継ぐ方が無難だろう。
・スタン後コンボ中はスタン値が増加しない
スタン後にまたスタンしてしまうループ状況を防ぐための仕様。
例えばスタン後のコンボに補正がかかったとして殺しきれなかったとしても、コンボでもう一度スタンになるのであれば最悪永久コンボになってしまうし見た目も悪い。
絶対搭載しておいた方がいい。