殺人鬼Kの献身 ◆YhwgnUsKHs
――――それは、男の戦場。
「覚悟は、できたかね?」
――――許されるのは、3つの“手”
「何の、覚悟かな?」
――――“硬き拳”、“突き出す刃”そして、“第3の手”
「決まってるでしょう……負ける覚悟、でしょ?」
――――失敗は、即ち敗北。『もう1回』は……有り得ない。
「正解だ。ただし、それは君達2人ともだよ」
――――戦うは、3人の男。互いに譲れぬ、戦う理由。
「やれやれ……ここは、年上の威厳を見せ付けなければならんかな、少年諸君」
――――話し合いはもういらない。全てを決めるのは、戦いの結果。
「俺は譲る気ないですから……もう、始めましょうよ。時間ないんでしょ?」
――――非情な結末が待っていたとしても、男達は……たった1つの勝利のチケットを求める。
「そうだね。では、やろうか」
「ああ、始めよう」
「恨まないでくださいよ?」
そして、戦いの火蓋は……切って落とされた。
「「「じゃーーーーーーん、けーーーーーーーーーん!!!」」」
「……何やってるんだろう、僕達……」
*****
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」
日光が照らす室内に、それはもう重苦しいため息が漂った。
メガネをかけた青年、
小鳥遊宗太が事務室の中の机の下を見ながらついたため息だった。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「……私は大分謙虚な人間だ。よって、回りくどく言うが……鬱陶しいね」
「思いっきり直球じゃないか!!」
同じ室内でロッカーの扉を開けた少年、
佐山・御言の痛烈な毒舌に小鳥遊は大声で咆えた。
そんな小鳥遊に、佐山はやれやれ、という感じでロッカーの中を確認して肩をすくめる。
「私とてため息をつきたい気持ちは同じだが、それを抑えて……
蒼星石くん……こうして、探索を優先……ああ、蒼星石くん……しているのではないかね」
「未練タラタラだ!!」
なぜ、小鳥遊が深いため息をつき、佐山が蒼星石に未練タラタラになっているのかというと……きっかけは、15分ほど前に遡る。
新たな男、
吉良吉影と3人のコミュニケーションは思ったよりスムーズに進んだ。
彼が小鳥遊を知っていた事、当時の同行者ゾロの特徴を正確に言い当て、ゾロからもスーツの男の情報を得ていた事、その男はとりあえず敵意は無かった事、
がその原因として挙げられる。
唯一、佐山が不審な点として、なぜその時にゾロ、小鳥遊と行動を共にしなかったのか、という事を尋ねると、吉良は
『容貌が怪しいゾロは信用できなかった。だが、メッセージから君のことは信用する』と答えた。
佐山はそれ以上は聞かず、吉良の同行を認めた。気絶していた小鳥遊は彼のことを知らなかったが、とりあえず怖そうではなかったので彼も同意した。
蒼星石は少し嫌々に見えたが、多数決では勝てそうに無い、吉良の同行を断るには特に理由が無い、などの理由が会った為彼女も素直に認めた。
その後、情報交換をしながら4人はG-7駅に着いた。
3人はてっきりすぐに電車に乗り込むのかと思ったのだが、佐山が提案したのは、駅内の探索だった。
彼はその理由として、小鳥遊が話していたある物を切り出した。
迷路探査ボール。小鳥遊のかつての同行者、
ロロノア・ゾロの支給品だ。
その効用、迷路、迷宮において、使用者を出口まで導く。方向音痴のゾロにはぴったりだ、とただの笑い話の種だった、はずだったのだが。
そこに佐山は目をつけた。
支給品。刀、銃などの武器類。原理不明のクレヨン、巨大な牛と車など、用途は比較的広い。
だが、迷路探査ボールの用途はあまりに狭い。
屋外では使用できず、閉鎖空間、それも出口も分からなくなるような入り組んだ場所。そんなところはこの会場でそうあるのだろうか。
もちろん、主催が何も考えずに入れた可能性はある。だが、佐山はこう考える。
『こういったものを仕組み、仕切るものは、なにかしらサプライズを用意しておくものだ。一見分からない、生半可な準備では行き詰る、サプライズを。
トラップ、檻、パズル、クイズ、隠し部屋……迷宮など。
そして、あえてその解決法をどこかに隠しておく。忍ばせておく。
会場内、参加者の身の回り……そして、支給品の、中などにね』
佐山は、この会場内に迷路、迷宮が隠されている可能性を挙げた。
小鳥遊は、遊園地にあるであろう迷路とかじゃないか、と言ったが、佐山は、迷宮があるとすれば、それは一見分からない場所、あえて迷宮とは無縁の場所と推測した。
地図に表示されている施設、これらの名称で迷宮、迷路を連想できるのは遊園地程度。
それ以外の施設の地下などに、迷宮が隠されているのでは。
そして、その先には……何かが、あるのではないかと。
わざわざ主催者が用意するものに何があるのか、と言う意見もあった。
だが、佐山は言う。迷宮に誘い入れるには、餌が必要だと。
その餌は、武器かもしれない。あるいは、又別のものかもしれない。
だが、見つける価値はある。
そこに、主催の穴がないという保証は無い。
たとえ、今迷路探査ボールがないとしても、見つけておくには越したことは無い。
佐山はそう考え、駅の探索を提案した。
変に動かないほうがいいんじゃないか、と反論する小鳥遊と吉良だったが、蒼星石が佐山に同意したことで、仕方なく(ていうか、掌を返して)駅の探索に同意した。
だが、4人で共に、というわけにもいかない。
6時間で15人、などというペースだ。時間をかけてしまえば、どんどん手遅れになってしまうかもしれない。
故に、安全よりは迅速性を優先せざるを得ず、2人ずつの2組に分かれることになり……先のじゃんけんに発展したのだった。
『誰が誰と組むか』ではなく、『誰が蒼星石と組むか』で。
その結果、敗者2名はここ、駅の1階を探索し、勝者吉良吉影と蒼星石は2階を探索している。
ちなみに、小鳥遊は1回目であっさりと敗北し、残った2人は
『私はチョキを出す』『なら私はパーを出す』『何ぃ~~~~~!?』
のように、ひたすら舌戦とあいこを繰り返す、という20分の激闘の末のものだったことは、余談にしかならない。
「でも、本当によかったのかなぁ」
「何がかね」
「あの吉良って人。確かに俺たちを殺すつもりはなさそうだけど……いきなり蒼星石ちゃんと2人きりにしちゃってよかったのかなって」
壁のポスターを剥がして、壁を確認しながら小鳥遊が佐山に、吉良について尋ねた。
吉良と出会ってまだ数時間。
蒼星石と2人きりの状況にするには、まだ信用しきれないんではないか、と。
それに対して佐山は、立てかけられたイスをどかしながら答えた。
「確かに、彼にはまだ100%の信頼は置けないな。何か魂胆がある、とは考えられるが……だが、蒼星石くんには天候棒(クリマ・タクト)がある。
アレの使い方は、彼の合流前に確認したのだから、彼にとってはあれはただの棒。何か合っても、蒼星石君は対抗できるだろう」
蒼星石に支給された天候棒、クリマ・タクト。
ウソップという青年が開発したそれは、一見は3つのパーツに分けられる三節棍のような武器。だが、その真価はそのパーツを組み替えることで多彩な攻撃を可能にする点である。
とはいえ
「でも、ほとんどが宴会用の芸だったじゃないか!“サンダー=テンポ”はボクシンググローブが飛び出すだけで!」
「目前にいた小鳥遊君が殴り飛ばされたね」
「“レイン=テンポ”は只の水芸!」
「またも近くにいた小鳥遊くんがずぶ濡れに」
「“クラウディ=テンポ”は花が出ただけ!」
「三度目前にいた小鳥遊君の顔面が花まみれに」
「“ファイン=テンポ”は鳩が出ただけ!」
「あれは不思議だったね。結局鳩が飛んでいってしまって、原理は分からずじまいだよ」
「……今の惨劇の全ての原因は、説明書を読み上げてそのまま蒼星石ちゃんにやらせた佐山くんだってわかってるよな!?
ご丁寧に全て終わった後で『ただし、これは全て宴会用の~』って読み上げて! あれだろ、全部分かってて読み上げたんだろ!」
「そうだが」
「あっさり認めやがった!!!」
クリマ・タクトの技検証中に起きた被害について小鳥遊は文句を言いまくり、佐山はそれを普通に聞き流している。
そんなことをしながらも、ちゃんと2人とも部屋の捜索は続けているあたり、2人とも要領はいいらしい。
「ちゃんと実用的な技もあったではないかね。“トルネード=テンポ”については、説明書の限り一発技のようだから、迂闊な環境では練習はできなかったが。
“サイクロン=テンポ”ならば、いざと言う時に相手を吹き飛ばせるだろう?」
「……あれは、酷かった」
“サイクロン=テンポ”。2つのパーツを十字架形にし、残ったパーツでそれを相手に向かって投げる技。
それが相手によって受け止められるなり、止まると突風を巻き起こす。
「いやあ。あれで吹っ飛んでいく小鳥遊くんは実に楽しそうだったよ」
「へー。じゃあ今度は佐山くんどうぞ」
「私はとりあえず場を仕切る者として、そうそう楽しみを享受するわけにはいかんから、小鳥遊君に譲るよ」
「そうですか、ははははは」
「そうなのだよ、ははははは」
「で、冗談はさておき……まあ、あれならいざって時大丈夫かもしれませんけど……他の技が使えればなぁ」
説明書には他にも“サンダーボルト=テンポ”、“蜃気楼”などの技もあったが、それらは練習しても上手く使う事ができなかった。
使うには、使用者に温度や湿度を計算できる専門的技能が必要らしい。それを扱える者は生憎この中にはいなかった。
「幸い、ここは1階だ。気を配っていれば、上で何かがあってもすぐ駆けつけられるだろう」
「……佐山くんって、同い年くらいにしてはやけに落ち着いてるっていうか、冷静だよなぁ」
「素直に『冷酷』と言って構わんよ」
佐山は小鳥遊が言おうとした皮肉に平然と反応し、その上その皮肉を先読みして小鳥遊に返した。
気分を害したのか、小鳥遊はむっと顔を歪める。
「じゃあ言わせて貰うけど……一体佐山くんってどんな人生生きてきたんだか。こんな場所で、よくもまあそんな冷静でいられるな」
「私も同じことを言わせて貰うがね……一体、何が君をロリ」
「俺はロリコンじゃなくって、小さい物が好きなんだ!」
「だからその理由が……む?」
突然、佐山の視線が動いた。
小鳥遊もその視線を何気なく追ってみる。
その先では、小鳥遊がずっと抱えていた獏がなにやら首を振っていた。
「か、かわいいぃぃぃ」
「まさか…っ」
小鳥遊がその仕草に見ほれ、そして何かに気付いたような佐山が焦った様子で獏に手を伸ばした、次の瞬間。
小鳥遊と佐山の意識は、途切れた。
*****
「何か見つかったかい?」
「いや、全く。蒼星石くんはどうかね?」
「こっちも同じだよ」
駅の2階、駅長室と書いてある部屋を私と蒼星石くん(ちゃん、は拒絶された)は捜索している。
とりあえずカーペットの下などを探ってはいるが、私には正直やる気はない。
平穏を望む私にとって、大事な事はこのグループの存続。いざという事態に盾になってくれる人数が多いことだ。あと、蒼星石君の腕も大切だ。
そんな私にとって、あるかもわからない迷宮の捜索など、どうでもいい事他ならない。
むしろ、やりたくない。
だが蒼星石君が同意する以上、彼女の腕を欲する私としては彼女の機嫌を損ねたくは無い。あまり反抗してグループが分裂するような事態も困るからな。
反抗して目立ってはいけない。自分がリーダーシップを取ろうとして目立ってはいけない。
目立たず、平穏に。それがこの吉良吉影の行き方でありポリシーなのだから。
だから、リーダーシップはあの佐山という少年に任せ、私は『良識ある一般的な大人』として、時々意見を挟むくらいでとりあえずはあの少年に従っておくとしよう。
さっきは大人としてのプライドか、反対意見を言ったが1回くらい反対はしておかんとな。
私は振り返り、蒼星石くんを見つめる。いや、正確には彼女の手、だが。
にしても、女性というのはともかく……動く人形、とはな。
まあ、スタンドやそれを目覚めさせる矢などあるのだから、別に私はそれを疑いはしない。私にとって重要なのは、彼女の手が素晴らしい、それに尽きるのだから。
そこには人形と人間の堺などない。ただ、素晴らしい腕、それだけだ。
その手を、永劫私の元に留める。その為には持ち主の彼女には、『悪いが』死んでもらおう。
人形ならば、外しても生きていられそうだが……外した時点で、私の印象は最悪だろう。
この吉良吉影にとって、それは苦痛だ。平穏に置ける障害だ。だから、死んでもらう。
しかし、それは今ではない。
今はとりあえず、3人もいる人間(1人は人形だが)を隠れ蓑に、平穏を享受しなければ。ここで行動を起こすのは早すぎる。
なにしろ、
広瀬康一は死んだが、まだ
東方仗助が残っている。奴を殺すまで、死ぬまでは少なくともこのグループに潜んでいた方がいい。
そうすれば、最悪奴を逆に追い込むことができるかも知れん。例えば、奴こそが殺人鬼だと広める、とかだ。最も、コレに関してはまだ実行はしていない。
奴の動向が分からん以上、これは諸刃の剣だ。言った後で、仗助の善行の情報が入ってきたりしたら、私に疑いの目が向いてしまう。
実行するなら、奴について悪いイメージの情報が入ってきた時だ。
「……」
「? 蒼星石くん?」
彼女を見た私は、彼女の顔が優れないものであることに気付いた。
なにやら考えている事があるようだが……ふむ。
しばらくは生かしておくとはいえ、それまではやはりあの腕は間近で見ておきたいな。となれば、彼女に私に近づいてもらうとしよう。
ここで2人きりになったのも、彼女と親密になる絶好の機会だ。ふふ、やはりこの吉良吉影、運命に愛されているとすら思える。
「どうかしたのかね? 何か悩んでいるようなら……私でよければ、相談に乗るが?」
私は当たり障りのないように彼女に声をかける。
彼女は私を振り向き、床に目を落とした。
「……不安になるんだ」
「何に、かな?」
「僕自身のことに」
彼女は駅長室のテーブルに腰かけ(その仕草すら愛らしいというのはもはや反則だな)ると、天井を見上げた。
「もしかしたら……僕は、いつかこの殺し合いに乗ってしまうんじゃないかって。
僕は、死ぬわけにはいかないんだ」
「……それは、保身の為かね?」
「ううん。叶えてあげたい願いがあるんだ。それを叶えるまで……死ぬわけには行かないんだ」
*****
自分は何を言っているんだろう、と蒼星石は思う。
新しくできた同行者に、自分の胸のうちを明かして……。
(僕は、糾弾が欲しいのかな)
それはいけない、と言って欲しいのかもしれない。
それは罪だと、言ってほしい。
そうすることで、自分と他の3人の違いが明確になる。溝ができる。
溝ができてしまえば、もし彼らと決別する時……躊躇いがなくなる。
ここまで築いてしまった情。それは、もし自分がこの殺し合いに乗るなら邪魔なものになってしまう。
その時になってからでは、遅い。
どうせ、脱出を狙うとしても……親密になるわけにはいかない。
彼女の主人は決まっているのだから。
蒼星石は吉良の言葉を待った。
自分を責め、自分と溝を作ってくれる言葉を。
「……それは、当然の事だろう」
「え?」
だが、吉良の口から出た言葉は……糾弾ではなかった。
「私は……恥ずかしい話だが、貴重なものを守るために懸命になる者は好きだ。この世の中、思った以上にそんな者は少ない。
むしろ、傍らにある貴重なものに気付かず、怠惰に過ごしている奴らばかりだ。
あの小鳥遊という少年と狭山と言う少年の違いもそこだろう。
佐山という少年は懸命にこのゲームの脱出を誓う意志を感じる。彼は恐らく、脱出ということの価値をわかっているのだろう。
修羅場を潜っている、というところか。
だが、小鳥遊くんは違う。確かに、脱出の意志はあるが……どうにも、比べると緊張感が無い。彼はわかっていないのだよ。『平穏』の価値を」
「平穏?」
語る吉良の口調はどこか熱くなっているように思える。
「そう。『平穏』。その辺にいくらでもある、と思う連中が多いだろうが、それは違う。
決して世界の何処かでは戦争が起こってる、とかそういう大きなスケールの問題ではない。
『真の平穏』には努力が不可欠だ。努力をして、考え、実行してこそ『平穏』を掴み取れる。小鳥遊くんにはその辺りの自覚がなく、佐山くんにはある。
彼はわかっているのだよ。脱出の先に待つ『平穏』の価値をね。
故に、だ。私はそういったもののために努力をする者は素晴らしいと思っている。そしてそれは、君も例外ではない」
「でも、それはつまり僕が『平穏』のために殺し合いに乗っても……君は素晴らしいと思うってこと?」
「そうなるな」
「なら……それは、他の人の『平穏』への努力を無駄にするってことじゃないか。矛盾するよ」
そう、吉良の言葉は矛盾している。
平穏への努力を全て肯定するなら、今行っている脱出の模索はいいとしても、優勝という道のりは否定すべきだ。
「矛盾はしないよ。素晴らしい、とは思う。だが……互いの平穏が共存するのは難しいこともある。そうなれば……簡単だ。
どちらの努力が大きいか、それだけだ」
「努力が小さい方は、淘汰されてもいい、っていうの?」
「そうさ」
あっさりと、あっさりと吉良は肯定の返事をした。
「弱肉強食。自らの平穏を勝ち取るには、他者の平穏を踏みにじることもまた辞さない。それは社会競争なり、なんなり、よくあることだろう」
「……なら、なんで貴方は僕達と一緒にいるの? 自分の平穏が大事じゃないの? なら、僕達を倒してでも」
「私はそんなつもりはない。今のは、友人からの受け売りでね。私はそこまで平穏にはこだわらない。
ただ、君達と共に脱出を目指したい、それだけだ。
私が言いたかったのは……君が優勝を目指そうとも、私や佐山くんはそれに立ち向かうだろう。けれど、決して君の行動が悪だとは断じない。
君もまた、自分の貴重なものへの努力をしているに過ぎないのだから」
「……よく、わからないよ。貴方のことが。もしここで僕に殺されてしまう、とは思わないの?」
「それならば……逆に本望かもしれんな」
「!?」
突然の吉良の衝撃発言に蒼星石は、慌てた様子でテーブルから立ち上がった。
顔はやや赤くなってしまっているその様子に、吉良が苦笑する。
「ふふっ。やっと笑ってくれたな。君のような端正な顔立ちに、暗い顔は似合わん」
「……案外、軽い事言うんだね」
「いやいや。なんとかコミュニケーションをしようと必死なだけさ」
そう言って被りを振る吉良を見ながら、蒼星石は思う。
――今は、まだ答えは出ない。
――でも、いつか答えを出したら……絶対迷わないようにしよう。
――最大限の努力をして、他者の平穏を踏みにじるとすれば……迷うことは失礼なことだ。
――だから、優勝を選ぶなら、もう僕は絶対に迷わない。
――最大限の努力をしよう。ただし、その努力は
――マスターである、『彼』の『平穏』の為に。
*****
何を言っているんだ私は~~~~~~ッッッ!!
テーブルから立ち上がり、デイパックを抱えた蒼星石くんを見ながら私は内心頭を抱えていた。
なぜだ。なぜ、あんな事を言ってしまった! よりによって平穏の事をばらして!
私はその辺のサラリーマンだろう! あんな話、たとえ話でもおかしいだろう!
なんとか受け売りで誤魔化せた……はずだが、一体、どうして。
まさか、蒼星石くんの憂鬱な表情が本当に嫌で、なんとかそれを消してあげたかった、んじゃないだろうな。
いや違う!
私が興味あるのは彼女の手だけだ! 彼女の気持ちなどどうでもいい!
彼女とあんなに話をしたのは……このグループにもぐりこみやすくするためだ!
あれだけすれば、私はそれなりに親身な大人ということになる!
そう、それだけだ! 他に何の目的もない!
「どうしたんだい?」
「あ、ああ。すまない。今行くから、先に行っててくれ」
「?わかったよ」
蒼星石君が扉を開けて駅長室から出て行く。
私はそれを目で追いながらデイパックを片手に歩き出そうとして――――
次の瞬間、蒼星石くんが何かに吹き飛ばされた。
「は――ッ!!」
突然の事に空白になりかけた頭を、必死で回す。
急いで足を動かし、地を蹴った。
なぜか?
蒼星石君は、『蹴り飛ばされた』のであり、『何か』は『誰か』であり、
その『誰か』がすぐさまこちらに拳銃を向けるのが見えたからだ!!
「くうっ!」
急いで駅長室の大きなデスクの裏に飛び込んだ横を、銃声と共に何かが通過したのを風で感じた。
銃弾がすぐ横を通り過ぎた。私はデスクの裏でかがむ。
「へえ。反応が速ぇじゃねえか。あっちのガキとは大違いだぜ」
入り口のほうから聞こえる男の声。
姿は確認できない。スタンドを出そうにも、先の男の件からしてどうやら見える人間が多くなっている可能性がある。
あまり手の内はさらしたくない。
くそ、温泉の時といい、どうしてこう銃による襲撃者に縁があるのだ私は!
…………そうだ、蒼星石くん、ひいては彼女の手は!?
「おい貴様! 蒼星石くんはどうした!」
デスクの裏から私が叫ぶと、けだるけな男の声が帰ってきた。
「けっ。あの程度じゃ死んでいやしねえよ。あー、でも向こうの壁に思いっきり叩きつけられて、すっかりのびちまってるけどなぁ」
壁に叩きつけられた、だと!?
この駅長室から出たところの廊下は狭く、すぐ右側には階段がある。彼女がいるのはその階段の近くか。
くっ、彼女…………の、手は無事なんだろうな!? 皹でも入っていたら冗談ではない!
「……?なんだ、あの腕は。球体関節だと?」
訝しげな声色と共に男の声が耳に入ってくる。
球体関節、という言葉からして、どうやら倒れた蒼星石くんの服がめくれて、関節の部分が見えてしまったらしいな。
ということは。
「まさか……義手か? あるいは人形か?」
ちっ、やけに察しがいい!
だが、これは逆に好機かもしれん。
彼女が人形だと思えば、標的は私に切り替わるだろう。
だが、私は大きなデスクに隠れている。となれば、奴はこの室内に入らなければならない。
それこそがチャンスだ。私のすぐ近くにはこの大きなデスクにつりあう大きなイスがある。
奴が近づいてきた時、このイスをキラークイーンで投げつけ、既に爆弾に変えたそれを爆発させてしまえば……奴は終わりだ。
しとめ損ねたとしても、すぐにキラークイーンで直に触れ、完全に爆殺してやる! キラークイーンの爆発は証拠を残さない。
だから、奴を殺しても私はこのグループにいられる。
いや、むしろこの機会に彼女の腕を奪い、殺してしまうことも
「人形だとしたら、奇襲されたら困るしな」
そうだ、必要なのは手だ。だから
「跡形もなく消し飛ばすとするか」
殺したとしても…………
何…………?
*****
ラズロ・ザ・トリップオブデスはエンジェルアーム弾頭を既に装填してあるもう一つのソードカトラスを取り出し、狭い廊下の突き当たりで倒れている
『少年』に向かってそれを向けた。
感慨はない。あれはただの人型、あるいは偽りの四肢を持つ貧弱な男だ。
人のことは言えないか、とその口を少し歪める。まあ、相手がどんな相手であろうが、殺すのだが。
だが、相手が人型あるいはサイボーグであるなら、案外頭や胸を撃っても起き上がるかもしれない。
だから、この弾頭で全てを吹き飛ばす。胴体を狙って3発も撃てば、頭の先や足の先くらいしか残らないだろう。
そして、同行の男はそれに動揺する。同行していた少年の死に、動揺する。
(仲間の死を使って、動揺を誘え……わかってる。わかっているよ、マスター)
そうなれば、しとめるのは容易い。
そう確信し、彼は少年に狙いを定めて、引き金に力を篭めた。
「『キラークイーン』!!」
突然の、さっきの男の声にラズロはさほど動揺することはなく、体をまわして銃口をすぐさま駅長室の中へと向けた。
男が止めようとする事も、動揺して大声を上げたりする事も予想の範囲内だ。どちらにせよ、
気絶している相手よりはそちらの方が殺すには歯ごたえがある。
ラズロは駅長室を見据え、すぐさま男に銃口を――
(なんだ、あれは)
最初に目に入ったのは、謎の人型だった。
ピンク色の肌に、ところどころにドクロをあしらった意匠、猫のような目。それが、大きなデスクの向こうから、ラズロ
目掛けて大きなイスを投げ飛ばしてきた。
さっきの男? いや、一瞬見た姿はただのスーツの男だったはずだ。ということは、仲間がいたのか?
――どうでもいい。イスは避けて、これで消し飛ばせば
だが、そう考えたラズロの脳裏に、あの人型の記憶が浮かんだ。
自分に向かって腕を噴射しぶつけてきた奴。
奴は得体が知れない存在だった。もし目の前の奴がそれと同種の存在ならば。
そんな奴が投げた物が、ただ避けただけで済む代物なのか?
なにより、死線をくぐってきたラズロの、天性の勘が言っていた。
目の前の物は、危険だと。
ラズロは照準をイスに切り替え、イスに向けて破壊の弾頭を撃ち放った。
位置はラズロの目前。
弾頭はイスに辺り、『持っていく』。イスはそのまま虚空へと消え去っていく。
そのイスから生じた爆炎と共に。
(確かに今……爆発しやがった)
弾が当たる直前、イスは爆発した。もしイスが消え去らなかったら、ラズロはその炎の餌食になっていただろう。
どうやらあの時計は爆弾の印であり、あの人型はそういった爆弾を造る能力があるらしい。
今度こそしとめようと、ラズロは銃口を人型に向けた。
「私の名は『吉良吉影』。年齢33歳」
その声はデスクの向こうにいる人型の足元から聞こえてきた。
「自宅は杜王町北東部の別荘地帯にあり………結婚はしていない………。
仕事は『カメユーチェーン店』の会社員で毎日遅くとも夜8時までには帰宅する」
突然の自己紹介に、ラズロの腕も止まる。
まさか、さっきの男?
「タバコは吸わない。酒はたしなむ程度。夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしている……」
ゆっくりとデスクのシルエットが動いた。
いや、人型の隣から何かが盛り上がっている。いや、人影が立ち上がろうとしている。
「寝る前にあたたかいミルクを飲み、20分ほどのストレッチで体をほぐしてから床につくとほとんど朝まで熟睡さ……」
ゆっくりと、スーツの男が立ち上がる。その口は相変わらずの自己紹介に動きながら。
「赤ん坊のように、疲労やストレスを残さずに朝、目を覚ませるんだ…健康診断でも異常なしと言われたよ」
「おい……さっきから何訳わかんねえこと言ってやがる。怖くて頭でもイカれたのか?」
人型の横に立ち、悠然とこちらを見て話している男、吉良に向かってラズロはイラついた様子で言い放った。
そんな様子で銃口を向けるラズロに対して、吉良は余裕の笑みを浮かべていた。
「私は常に『心の平穏』を願って生きてる人間ということを説明しているのだよ……。
勝ち負けにこだわったり、頭をかかえるような『トラブル』とか、夜も眠れないといった『敵』を作らない……というのが、
私の社会に対する姿勢であり、それが自分の幸福だということを知っている……。
もっとも闘ったとしても私は誰にも負けんがね」
「へえ……言ってくれるじゃねえか、この状況で」
最後の発言でラズロのこめかみに青筋が浮かぶ。今のは要するに『お前は勝てない』ということだ。
ラズロにとっては、虚勢であっても許せることではない。
「まあ待ちたまえ。……君のやってしまった事は、2つだ。
1つ、私達を襲撃してしまった事。私はこれからとりあえずの仲間と共に平穏を謳歌するところだった。だが、それを君はぶち壊した。
そしてもう1つ。君が私の愛する手を破壊しようとしたことだ。私の平穏には、彼女の手が必要だ。それを、君は破壊しようとしている。
わかるかね?君は私の平穏における要素を、2つも破壊しようとしているのだよ……つまりは」
吉良の横の人型がラズロに向き直り、構えを取る。
ラズロは理解する。やはりこいつも、先の男と同じ、奇妙な人型使いなのだと。
「君は私の平穏、ひいては睡眠をさまたげる『トラブル』であり『敵』というわけさ。
あの2人が来る前に……君を始末させてもらう」
吉良の目は本気だ。本気で自分に立ち向かおうとしている。
自分に、勝てる気でいる。
「ざけんじゃねえ……」
それが、ラズロにとっては許せない。
「手前が殺され、俺が殺す側! それに違いはねえんだ……何偉そうにしてやがる」
ソードカトラスを2丁とも吉良と人型に向ける。
殺す。絶対に殺す。
自分こそが殺す者だと。
相手に教え込む為に。
ラズロは引き金を引いた。
目の前の男を今すぐ排除する為に。
*****
またも何をやっているんだ私は~~~~~~~~!
表向きこそ堂々とモヒカン男に向き直っている私だが、内心は大分大変な事になっていた。
さっさと逃げればよかったのだ、蒼星石など見捨てて。
それなりの仲間も、素晴らしい手も、この先見つける機会はあったというのに!
なぜ、なぜ私はこんなことをしている!?
何だ……?
この吉良吉影…ひょっとして今、蒼星石の事を庇っているのか?
彼女自身を殺させないために……それを防げた事にホッとしたのか…?
何だ…この気持ちは…
『……案外、軽い事言うんだね』
この私が他人の、それも人形の少女の心配をするなど…!
いや、違う!
彼女がもしあのままやられたら、手もまた破壊される心配があっただけ…
彼女が破壊されなくてホッとしたのはその事だけのせいだ…
ただそれだけ…
ああ、そうだとも!
もし彼女が戦闘中に目覚め、キラークイーンを見たならば……手を剥ぎ取ってから爆殺する!
あの2人も同じ事だ!もしこの音を聞きつけて来て、キラークイーンを見たならば、容赦なく殺す!
仲間はまた捜せばいい!
そうだ……私が戦うのは、私の平穏の為!
この男を始末するのは、私自身の為だ!
決して、蒼星石のためではない!!
雑念を振り払い、私は男に向き直る。
この男をキラークイーンで早急に始末する、その為に。
【G-7駅・2階駅長室/一日目 午前】
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]右手指軽傷、軽度の疲労、動揺、能力者<ボムボムの実>
[能力]スタンド「キラー・クイーン」
[装備]ニューナンブM60(残弾4/5)、GPS
[道具]支給品一式×3、スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル(残弾15発)@BLACK LAGOON、スチェッキンの予備弾創×1(20発)、
神威の車輪@Fate/Zero、ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
0:目の前の男を始末する。佐山、小鳥遊、蒼星石にキラークイーンを見られたら始末する。
決して蒼星石のためではない!
1:なるべく戦闘には参加しない。どうしても必要な時において容赦なく殺害する。
2:東方仗助は始末する
3:「平穏」に過ごせる場所を探す
4:亀の鍵を見つけたら「部屋」に入ってみる
[備考]
※参戦時期は単行本39巻「シアーハートアタックの巻」から。シンデレラによる整形前の顔です。
また第三の爆弾「バイツァ・ダスト」は使えません
※キラークイーンの能力制限にまだ気が付いてません。(視認されてるとは考えています)
※悪魔の実を食べた事に気付いていません。
※自分の支給品をまだ3人に見せていません。
【
リヴィオ・ザ・ダブルファング@トライガン・マキシマム】
[状態]健康。ラズロ状態。肋骨に皹、内臓にダメージ中(治癒中)、背中のロボットアーム故障
[装備]M94FAカスタム・ソードカトラス×2@BLACK LAGOON、.45口径弾×8、.45口径エンジェルアーム弾頭弾×21@トライガン・マキシマム
[道具]支給品一式、.45口径弾24発装填済みマガジン×4、45口径弾×24(未装填)
[思考・状況]
1:片っ端から皆殺し。
2:目の前の男を必ず殺す。人形は跡形もなく破壊。
3:ヴァッシュとウルフウッドを見つけたら絶対殺す。あとクーガーとゾロも。
4:機を見て首輪をどうにかする。
5:ギラーミンも殺す。
【備考】
※原作10巻第3話「急転」終了後からの参戦です。
※どこへ向かうかは次の方にお任せします。
※治癒能力により肋骨が回復しました。
【G-7駅・2階階段近く/一日目 午前】
【蒼星石@ローゼンメイデン】
[状態]:気絶中、精神的疲労
[装備]:チックの鋏×2@BACCANO!
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0~1、天候棒(クリマ・タクト)@ワンピース
[思考・状況]
0:???
1:
翠星石と合流する。
2:佐山、小鳥遊と行動する。
3:翠星石、真紅、
水銀燈の動向が気になる。
4:決断をしたなら、迷わない。
【備考】
※参戦時期は少なくとも死亡以前。
※ラズロの蹴りで壁に叩きつけられましたが、見えない箇所に損傷があるかどうかは不明です。
*****
「うっ……な、え……?」
覚醒した小鳥遊は、何やら奇妙な感覚に囚われた。
夢を見ていたような気はする。
けれど、さっきまで見ていた映像はひどく明確で、いつもの夢のようなおぼろげに覚えていたり忘れ去っているものではない。
しっかり頭に残っている。
そしてなにより、今自分の姿勢事態が、さっきこの事務室で物を探して立ち上がっていた状態のままなことがおかしい。
寝ていたなら、倒れているのが普通だろう。
「い、今……え?」
「落ち着きたまえ。『見た』のだろう?」
あまりの出来事に呆然としている小鳥遊の前に平然とした様子で立っていた。
その姿に、小鳥遊の頭もだんだんと落ち着いてきた。
『見た』、と聞かれた。
確かに、『見た』。
「み、見た、って……あれですか?」
「ああ、あれだ」
「あ、あ……」
「あ?」
「あんた何やってんだ!? と、年増と……あ、あんな、あんな……!」
「とりあえず新庄君を年増と言ったことは後にまとめて処理するとして……何をそんな顔を真っ赤にしているのかね」
「な、何をって!」
「新庄君の『確認』の為なのだから仕方あるまい」
佐山のパートナー、新庄は性に関して悩みを持っている。
その相談に佐山が乗り、色々『やって』いるのだが……。
しかし、それを何故小鳥遊が知っているように話しているのか?
「なるほど。やはり君も見たのだね……『過去』を」
「か、『過去』……? 夢、じゃなくて?」
「違う。この獏の力だ」
そう言って、佐山は小鳥遊の手から離れ床でごろごろしていた獏を抱え上げた。
それを見て小鳥遊は『かわいいなぁ』と一瞬惚けるが、なんとか我に返り、佐山を見る。
「この獏には、過去を見せる力があるのだよ。
やや唐突で、力が発揮されるにはいくつか条件もあるのだが……どうやら今回は条件を満たしたらしい。
見ている間はどんなに時間が経っても、現実ではわずかな時間がしか経っておらず、他人からすれば「少しぼーっとしてた」程度にしか見えんらしい。
君が見たのは、私と新庄君の過去だ」
「…………」
「信じられないかね?」
「し、信じるよ……だ、だって………ッ!!!」
突然、小鳥遊の顔が恐怖に染まった。
目は見開き、顎は振るえ、顔の筋肉が完全に凍る。
まるで、とんでもない事に気付いてしまったかのように。
それを見て、佐山は暢気に『ああ』と手を突き、無慈悲に言った。
「訂正しておこう。私と新庄君の過去と、『君とお姉さん方の過去』だったね。
いやあ、幼少の頃の君はなんとも女装が似合ったのだね。私としてもつい、愛らしいと思ってしまったよ。
ハハハハハ、成程。あれほど弄ばれれば、年上が嫌にでもなる。
まあ気にしないことだ。これは私の胸にしまっておこう。そう、私の……おや、小鳥遊くん。何虚ろ気に笑っているのかね?
後ろ手にこの部屋の鍵まで閉めて。
ああ、君の秘密を知ってしまった私に対してもう何がなんだかわかっていないで突撃してきたいのだね。ははは、いいだろう。
私も……先の新庄君への『年増』発言について、少し話をしたかったからね」
「記憶をなくせーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
こうして、それなりに防音が施された室内に、2人の取っ組み合う音だけが響いた。
彼らはまだ気付いていない。
自分達が、本当に僅かな間しか意識を失っていたのかどうか。
彼らが意識を過去に見るのに費やしていた時間は……3分。
主催は獏にも制限を施していたようで、過去を見る時間が長くなっていた。
これはつまり、佐山たちは突然3分も意識を失う事になる爆弾を抱えてしまった、ということになる。
もしも、戦闘中に獏が過去を見せてしまったら……。
彼らは気付かない。
3分の間に、2階で轟音が鳴り響いたかもしれない事も。
3分の間に、2階の戦いが終わってしまったかもしれない事も。
3分の間に、この部屋の外すら変わってしまっているかもしれない事を。
今は、まだ。
【G-7駅・1階事務室内/一日目 午前】
【佐山・御言@終わりのクロニクル】
[状態]:右腕に痺れ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、空気クレヨン@
ドラえもん、不明支給品0~1(確認済み)
[思考・状況]
0:はははは、ほらやってみたまえ
1:G-7駅を捜索する
2:新庄くんと合流する。
3:協力者を募る。
4:本気を出す。
※ポケベルにより黎明途中までの死亡者と殺害者を知りました。
※小鳥遊が女装させられていた過去を知りました。
※会場内に迷宮がある、という推測を立てています。
【小鳥遊宗太@WORKING!!】
[状態]:健康
[装備]:秘剣”電光丸”@ドラえもん
[道具]:基本支給品一式、獏@終わりのクロニクル
[思考・状況]
0:忘れろ、忘れろーーーーーー!
1:G-7駅を捜索する
2:佐山たちと行動する。
3:
伊波まひるを一刻も早く確保する。
4:ゲームに乗るつもりはない。
※ポケベルにより黎明途中までの死亡者と殺害者を知りました。
※過去で新庄の顔を知りました。
※獏の制限により、過去を見る時間は3分と長くなっています。
※過去を見ていた3分の間に、吉良とラズロの戦闘が終わったのかどうかは分かりません。
継続中の可能性もあります。
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最終更新:2012年12月02日 23:00