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「汝、王家の血を継ぐ竜騎士よ。汝は王家に与えられし義務を果たす事を誓うか?」
『汝、王家の血を継ぐ竜騎士よ。汝は我等、竜との誓約を真摯に守る事を誓うか?』 「汝、王家の血を継ぐ竜騎士よ。汝は全ての民を我が子とし、国の繁栄へと導く事を誓うか?」 『汝、王家の血を継ぐ竜騎士よ。汝は我等、竜の領域を守る事を誓うか?』 「お待ち下さい!私は!」 「我が身は既に竜騎士、その任すら果たせておりません!」 『何事も完璧などない。より向上する事を目指す姿勢こそが尊いのだ』 「しかし」 「今、王家のみならず民の危急存亡の時。竜騎士も王も果たすべき義務に大差はないわよ?」 「お受けなさい。貴方を支える方々は多い」 『王となるべき者の資質でもあるな。建国王もまたそうであった』 「大丈夫よ、中興の祖とか言われてた王もいたけど結構適当に生きてただけだし」 「でも」 「王家の外戚に竜騎士と認められし者は貴方以外にいない。今は武威を必要とする時よ!」 『受けるがいい、若き王女よ』 永遠にも思える静寂。 だが次に聞こえた声は? 『おお、小さき者ではないか!久しいの!』 『ちょ、長老様!』 あの長老格のエルダードラゴンがオレに向けて挨拶してました。 時間差にも程があるだろ? 厳粛な雰囲気は一瞬で砕かれてしまっていた。 「あー、もう何だか力が抜けたわー」 『済まぬ。長老様がいつ反応するのかは我にも読めぬ』 「あー、そうね。そうなのよねー。それにしても、重たいっ!」 完全に脱力したジュナさんは両手に掲げていた宝冠をサビーネ王女の頭上に乗っける。 やはり早業だ。 『汝を正当なる女王として認めよう』 「あー、民と共に繁栄あれ?」 『真面目にやれぬかな?老死霊術師よ』 「もうダメ!限界!」 ジュナさんはその場で座り込んでしまう。 「あ、あの」 『どうした?若き女王よ』 「え?え?」 『既に汝の身は女王である』 「あの、もう?」 『多少、厳粛ではなくなったがな』 『これを機に王笏も作ろうか?』 「いいわねー、それ。でも今から考える事ではないわねー」 『無論だ』 「あ、あの、ジュナ様?」 「何でしょう、女王陛下?」 「え、あの、その、本当に?」 「ええ。皆が陛下のお言葉を待ってますよ?」 女王陛下の視線が泳ぐように見える。 その視線がジュナさんを捉える。 次に金紅竜。 その次に、オレだった。 「金紅竜よ!王家の血に連なる竜騎士として、その義務を果たそう!」 『それで良い。そうでなくては、な』 「「「女王陛下、万歳!」」」 |