羊と犬とタイプライター・カーテンコールのための補注
おまけの蛇足 人物紹介とか
・オツベル・スタァ
いつも眠そうなヘラヘラした若者。世界的に有名になりつつある娯楽小説家。
ひ弱で陰気なヒツジのマダラ、その正体は歩く五等宝くじ●●●●。
現在、犬の国の首都、比較的治安のいい長期滞在宿に滞在中。
頭のヒツジのツノを紫と黄のマダラに塗っている。犬国の基準で言うと
ヤワそうな優男。頼りにはならないけどちょっと綺麗よねあの子。みたいな。
どちらかと言うと背中で語る頼もしいハードボイルド系がもててたイヌの国で、
軽くて軟派で小奇麗で「今日もみんな綺麗だね☆」と言ってのける優男萌え、の革新を
もらたしつつある。かも知れない。そんなこんなで身近の女性達とは妙に仲良し。
取材と称して花街にも出入りしている。某軍人が仕事で女をたらしこんでる
最中に、ひょこひょこ目の前を通過したりする恐怖のランダム移動型F.O.B。
しかも「おっ。お勤めごくろーさーん。ふぁいとー。いっぱーつ」とゆるーく
軽ーく言って去る。男心粉砕、仕事も台無し。意図的にも酷いが無意識にも酷い。
ヒトで言うと二十一歳。肩にぎりぎり届く長さの黒髪と黒い眼。
身長171cm、体重53k。細い細いと言われているがそうでもない。
無数のペンネームを持つ。本名は紫と書いてユカリと言う。本人はギャルゲの
ヒロインみたいで嫌だと、本名を毛嫌いしている。コトの最中に呼んだりすると
すごい勢いで怒るか、興ざめして「やーめた」と言い出すかどっちかだ、気をつけろ。
日常生活で使用している名は宮沢賢治作品と歴史上の人物名の合体技。
引き篭もって執筆してる時だけ眼鏡っ子、という裏設定がある。
(いわゆる「落ち物」の一品なので人前では使わない。)
修羅場の陣中見舞いにやってきた犬軍人に、なんだよ邪魔すんなと
文句つけつつうっかり眼鏡したままドアを開けてしまい、
「俺の前でだけ眼鏡っ子萌え」とルパンダイブ敢行→校正で真っ赤になった
原稿束で撃墜。なんて展開の世界も無数のパラレルの中にはたぶんある。
人生の秘めた目標は、オタクのチカラでイヌの経済に貢献すること、
人気絶頂のときに最新刊をヒト語で書いて、ヒトが朗読しないと続きが
わからないようにすること(ヒトの別の用途を生み出すこと)、
得た財力でとある軍用犬の身柄を個人的に軍から買い取ること。だとか。
・旦那
犬軍人。諜報専門? 本名不明。もうこうなったら誰かこいつを
再利用してくれる書き手さんが現れてくれるまで決めたくない…。
「いやほんと」が微妙に口癖っぽい。
わりと何事も億劫そうにしてる。本来は無愛想。栗毛。灰色に薄ブルーの目。
その正体は歩く軍事機密●●●●●●●、初期ロット版。
過去二度、仕事中に大怪我を負っている。骨とハラワタの七割くらいは
「生え直してる」らしい。でも現在でも、そこいらのチンピラ程度になら負けない。
意志に関係なく、今とよく似た、でも絶対的に異なるイフの世界?
を幻視する目を持っている。でも正直まず役に立たない。邪魔なだけ。
書き手にとっては、悲劇から喜劇まで、つじつまのあわない展開でも
前フリなしに書かせてくれる便利なギミック。サザエさんな日々維持装置。
でも事件解決の鍵に組み込みたい場合は、構成がえらく難しい。結局微妙。
リアルな淫夢が見られてお得の反面、「いいの? オレ、男の子なんだよ?」とか
「この短小(蔑みきった目で)」なんて夢も白昼唐突に見るので油断ならない。合掌。
某同僚よりちょっと背が高く、ちょっと細身で、ちょっと軽い。
ヒトで言うと、そろそろ親戚のおばちゃんが見合い写真を持ってくるとき
笑顔じゃなくて心配顔になる年頃。煙草と缶詰とラジオが恋人、みたいな。
後輩の同僚に、「快楽を伴った拷問」に関する訓練を施していた時期もある。
という数字向けの設定があったりなかったり。
オツベルの書く小説の熱心なファンであり、同時に常に最初の読者でもある。
カーテンコールさえなければこうも馬鹿にならずに済んだ可愛そうなイヌ。
相手に一方的に振り回される側、と見せかけて、
ホモは断固嫌だけど、異種族女とヒトメスはオッケーというオープン性癖。
結婚って言ったって、法的にどうやってすんだよと文句をつければ、
ん、じゃあ法の邪魔しない所に行くかとさっくり答えてさくさく引越し荷物を
まとめ始める、位にはとんでもねえ男。逃げてユカリん超逃げて。
こんな脱走兵を追う同僚もたまったもんではないだろう。
・八房〔ヤツフサ〕くん
ヒト♀を嫁にしてると思われる、ケール嫌いの例のあの人。由来参照・八犬伝。
もう一名の該当者の探偵氏は、偽羊いわく「エロ声探偵(※会ったことないので憶測)」。
「あんなエロボケは広川太●郎ボイス失格だ! 遊●浩二のエロ声に違いない!」
・某都市 ネオバーチャシティ・コチム=イ
難事件珍事件あらば首をつっこんで迷宮入りさせる、羊と犬デカの凸凹コンビが
走り回っていたり、各国大使館に御忍びで超VIPばかり駐屯してたり、
自転車操業してる自転車屋が立ってたり、不妊治療で名を馳せる闇医者がいたりする
不思議パラレルシティ。学園以外にもそんな場所があってもいいじゃない?
もし辻褄が合わなくなった時は、貧乏長屋のご隠居(ポニーテール狐幼女。道場経営)の
「なあに、困ったときは一巡後の世界とか言っとけばいいでゴザルよ薫殿、ニンニン」
という言霊オチで万事まるく収まります。