金剛樹の梢の下 小ネタ集
その1
「そう言えば、あんたらって年とかどうなってるんだ? あんまりおばちゃんとか見当たらないけど」
「卵が産めない年になったら、女は大抵家庭に入って外には出なくなりますねぇ」
「マテ、卵生なのか、あんたら」
「大体、15歳から40歳ぐらいが卵、それ以上の女は子供を生みますよ?」
「なんつーか、出鱈目な体のつくりだな」
「『かるしうむ代謝の関係』、とか、イーシャどのは仰ってますが。
卵が産めるうちに跡継ぎ作って置くと、いろいろと楽ですよ」
「詳しく」
「卵だと、妊娠期間短くて済みますし、後でゆるくなったりしませんし」
「・・・・シモに走るな」
「後で、うちの子の御守お願いしますね」
「居るのか! あんた幾つで、子供幾つだ!」
「私は18で、娘は3つを頭に32人ほど」
「多いよ!」
「誰が、一人で産んだと申しました? 大半は養子ですよ」
卵の産み捨ては、かくれ里の社会問題らしいです。
その2
「そう言えば、姫さんはまだ子供なんだよな?」
「そろそろ、成人してもおかしくない年なんですけどねぇ。
いつまでも晩生で、卵産めるようにも、羽根に色も出てなくて・・・・。困った物です」
「マテ、姫さん、年幾つだ」
「御年18歳になられたかと。同い年ですし、同じ季節生まれですし」
「羽根に色って?」
「成人すると、羽根に独特の色艶が出るんですよ。強い光の下で無いと判りませんけど」
「あんたの羽根が、たまに青や緑に見えたりするような?」
「戦鳥族は大抵一色、歌鳥は二色で・・・・って」
「で、あんたはどっちだって?」
「戦鳥、と言う事にしておいて下さい」
クジャクやゴクラクチョウの羽根を想像すると宜しいかと。
羽根の表面が、特定の波長の光を吸収したり反射したりするそうです。
その3
「ご飯ですよ~」
「今日も魚かよ!」
「他に用意できる物も有りませんし・・・・。あ、海草スープ投げるくらいなら、下さい」
「毎日三食魚と海草で飽きないのか?」
「いえ、別に。これが、一般的な戦鳥の食事内容ですよ」
「栄養、偏らないか?」
「・・・・明日は、姫様と一緒に食事なさいます? たまには顔を見せろと仰せでしたし」
「・・・・頼む」
―――翌日―――
「なんだコレは」
「豆と燕麦の混ぜ煮だけど?」
「新鮮な野菜とか、肉とかは無いのか?!」
「あるわけ無いじゃない。ここをどこだと思ってるのよ」
「こんなんじゃ鳥の餌と一緒じゃねーか!」
「だって鳥だもの」
殆ど土の無い、離島の食生活って、たぶんこんな物。
というか、姫様偏食過ぎ。
スープは多分、昆布と鰹出汁。
その4
「料理してる間、子供達の相手お願いしますね」
「いや、それは良いんだが」
「何か質問でも?」
「結構、見かけ違うのが混じってないか? とさか付いてるのとか、翼小さいのとか」
「交易に出た時に、外で作ったり他の支族の男を連れて来たりしてますからねぇ」
「マテ、ナニを交易に出してますか」
「んー、『春』とか?」
狭い島の中だけで子供作ると、色々と不都合が出るのは 経験的に 知ってるみたいです。
数は少ないけど、鶏や他の鳥も確実に居る、と。
多分、港で働いてたりするんでしょう。
その5
「今日は、何でこんなに女の人が集まってるんだ?」
「月に何回か、子供の顔を見に来る方々が」
「ここだと、お茶やお菓子出てくるしぃ。子供たちの面倒もちゃんと見てくれてるしぃ」
「たまには、子供連れて帰って下さいよ・・・・」
「ここだったら、ちゃんとキョーイクしてくれるし? シューショクも世話してくれるし?」
「・・・・まとめて、騎士団宿舎に放り込みますよ!」
「あ、ソレいいかもー!」
白羽さんちは、『春を売る』商売の人達の託児所兼溜まり場らしーです。
その6 鳥の隠れ里の食糧事情
「なぁ。畑とか見当たらないけど、このパンとかはどうやって作ってるんだ?」
「え? 確か他の国から買ってるんじゃ無かったかな? アタシは良く知らないけど」
「ひょっとして、また授業中に居眠りでもなさってましたか?」
「ね、寝てない! 寝てないってば! ちょっとボーっとしてただけ!」
「・・・・あんたも大変だな」
「これも、一応仕事のうちですから」
「で、畑が無いなら、どうやって野菜や穀物を手に入れてるんだ?」
「基本的には、交易ですかね。海に沈んだ落ちモノを拾って、他国に売って、食料を買うのがメインで」
「あー、良く神楽とかと一緒に出かけてるの、それ?」
「成人したら、姫様が全部やるんですよ?」
「えー、めんどくさい・・・・」
「orz」
売る方のお得意先は、フローラ女王あたりかと。
その7 【ビスケット一枚あったら】
*あくまで、「こんな状況ではこんな事をしそう」と言うお遊びであり、
本編の彼らとはあまり関係が無い、とは言い切れない事をお断りしておきます。
<姫様の場合>
白羽と二人ではんぶんこ・・・・しようとして。
ぱりーん。
「砕けちゃった・・・・」
「お掃除の人、呼びますね」
<白羽の場合>
お茶の準備をして持っていく。
「姫様、お茶でもいかがですか?」
「ちょうど咽喉がかわいてたんだぁ、ありがと。あれ? 神楽の分は?」
「ありません(にっこり)」
<『俺』の場合>
「コレ、貰っていいか?」
「ソレ、アタシの!」
周りに聞いて、姫様に取られる。
<女官長・穂積の場合>
作り足して、お茶請けに配る。
「お茶の時間ですよ~」
<神楽の場合>
「なんか、かび臭くなーい?」
戸棚にしまって、忘れていたらしい。
「鳥頭?」
<イーシャの場合>
ひょいぱくっ。
「こー言うのは見つけた者勝ちよねぇ」
その8 【貴方の特技は何ですか?】
<姫様の場合>
「歌、とか音律魔法とか?」
「練習、サボりがちですけどね」
「一日休むと、取り戻すのに三日くらいかからないか?」
「いつも、そう申し上げているのですけどね・・・・」
<白羽の場合>
「長刀とか槍とか騎竜戦闘術とか、でしょうか」
「この間、市場で値切り倒してたな」
「また、荷物持ちよろしくお願いしますね」
<『俺』の場合>
「やっぱりフルート、かな」
「アッチの方も、結構スゴイと思うけど?」
「な、なにいきなり・・・・」
「私は何も聞いてませんし、知りませんからね!」
<イーシャの場合>
「ん~、オトコノコ脱がしたりとかぁ、オンナノコイかせたりとかぁ」
「わかったから、帰れ」
「えぇ~? 実演がまだよ?」
「あ、そろそろ見回りの時間ですので・・・・」
「ちょ、おま、逃げるなって!」
「ソレはアタシのなんだってば!」