隠れん坊オンライン全史
侵入者騒動
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侵入者騒動とは、2022年6月10日に突如としてTwitterに侵入者という名で現れ、坊民やチーターの個人情報をYouTubeで晒し上げていった坊界隈史上最大最悪の絶望的事件である。
このページでは侵入者騒動という2022年6月10日~7月1日まで起きた事件について、過去のデータや自身の記憶をもとに書き記していきます。
第一章 事件の始まり(6月10日~6月20日)
(侵入者の作成したウェブサイト)
犠牲者が決まるルーレット

6月10日、Twitterに「侵入者」と名乗るアカウントが突如現れた。侵入者は、多くの著名な坊民の名前が記されたルーレット画像を投稿し、「ルーレットで当たった人物の個人情報を順に晒していく」と宣言した。当初、坊民たちはこの投稿を真剣に受け止めていなかった。誰かのサブアカウントによる悪質ないたずらだろうと、高を括っていたのである。
しかし、その考えは投稿からわずか5時間後に覆されることとなる──。
最初の犠牲者「れのくん」

最初の投稿から5時間後、侵入者はルーレットでれのくんが選ばれたことをTwitterに投稿し、記念すべき最初の犠牲者というタイトルで彼の個人情報を晒す動画をYoutubeにアップロードした。同時に侵入者は自分で「隠れん坊民統制」というサイトを立ち上げ、そこで誰もが個人情報を見られるようにした。
このことは瞬く間にTwitterに広がり、界隈は物々しい雰囲気に包まれた。加えて、れのくん本人が開き直ったかのようなコメントを動画へ残したことから、実際に個人情報が晒された可能性は高いとされた。
多くの坊民は特定を恐れ、アカウントに鍵をかけ始めた。実際にこれが意味のあることであったとは到底思えない(仮に特定済みであった場合、今更外部からの接触を遮断しても手遅れ)が、恐怖はまるで伝染病のように広がっていった。坊民が軒並み鍵をかけたことは坊民たちの交流を遮断し、中には引退者まで出始めた。一部の悲観的な坊民は「Twitter坊民の破滅」を予言し始めた。
2番目の犠牲者「帝王」
翌日11日、侵入者は新たな晒の対象を発表、帝王という人物がその標的となった。一日一晒し、というのがこの時の侵入者のやり方であったように思える。帝王に関しては、本人の名誉のため詳細は伏せるものの若干の問題のある写真が流出し、一部では騒ぎになった。しかし多くの坊民は「加害者=侵入者」という認識を持っていたためにこれが大きな騒動になって帝王が炎上する、ということは起こらなかった。
3番目の犠牲者「ぼくはモクロー」
翌12日に侵入者はtwitterで三人目の標的を発表し、ぼくはモクローという人物を指定した。この頃の侵入者はまさに絶頂期であり、怖いもの知らずといった感じであった。
しかし、破滅は急に訪れた。ぼくはモクローの晒し動画にて、侵入者自身の通っている高校名と渡辺という名字が映り込んでしまうという事故が起こる。侵入者は急いでこれを削除したが、坊民たちが晒の恐怖で血眼になって侵入者の動向を観察していたことがかえって仇になった。このすきをついて、坊民たちは一斉に追及を開始した。最早どうにもならなくなった侵入者は逃亡し、この騒動は終わったのだ。
しかし、破滅は急に訪れた。ぼくはモクローの晒し動画にて、侵入者自身の通っている高校名と渡辺という名字が映り込んでしまうという事故が起こる。侵入者は急いでこれを削除したが、坊民たちが晒の恐怖で血眼になって侵入者の動向を観察していたことがかえって仇になった。このすきをついて、坊民たちは一斉に追及を開始した。最早どうにもならなくなった侵入者は逃亡し、この騒動は終わったのだ。

(映り込んだ高校名)
そう皆が思っていた。だが、後にこの一連の流れが侵入者による巧妙なミスディレクションだと判明する。
ミスディレクションの意味
結論から言うと、上記の高校名と名字は侵入者とは全く関係がないものであった。このミスディレクションには、次の4つの狙いがあった
- 洞察力の高い人間とそうでない人間を分別するため
この一連のミスディレクションには多くの人々が欺かれたが、その中には冷静な観察眼を持ち、違和感を覚えた者たちもわずかに存在した。
「これほど綿密な計画を立てた者が、こんな初歩的なミスをするだろうか?」
「この高校は千葉県にある。つまり侵入者は、“犯人は千葉県在住の坊民である”という先入観を意図的に植えつけようとしているのではないか?」
そうした鋭い疑問を抱く人物たちを、侵入者は警戒すべき対象とみなし、炙り出すための試金石としてこのミスディレクションを仕掛けた。さらに、こうした洞察力の高い人間による考察が広まることで、事件の構図は一層複雑化し、全体像の把握を困難にするという副次的な効果も狙っていた。
「これほど綿密な計画を立てた者が、こんな初歩的なミスをするだろうか?」
「この高校は千葉県にある。つまり侵入者は、“犯人は千葉県在住の坊民である”という先入観を意図的に植えつけようとしているのではないか?」
そうした鋭い疑問を抱く人物たちを、侵入者は警戒すべき対象とみなし、炙り出すための試金石としてこのミスディレクションを仕掛けた。さらに、こうした洞察力の高い人間による考察が広まることで、事件の構図は一層複雑化し、全体像の把握を困難にするという副次的な効果も狙っていた。
- 事件の規模を拡大させるため
侵入者は洞察力が乏しく正義感の強い坊民を利用し、高校に「渡辺という名字の生徒がネット上で個人情報を晒している」と通報させ無関係な高校を巻き込み、事件の規模を拡大させようとした。「渡辺」という名字は全国で6番目に多く、ひとつの高校に複数人在籍していても不思議ではない。侵入者は、そうしたありふれた名字を逆手に取り、ついには高校に在籍する生徒たちまでも、自らの計画に利用しようとしたのだった。
- 坊民たちに偽りの希望を与えるため
当時、坊界隈では、自分たちの仲間が次々に晒され、引退者が相次ぐ中、ただ黙ってそれを見ていることしかできないという絶望的な状況に陥っていた。しかし、侵入者の通う高校名と名字が明らかになると、坊民たちはそれを“反撃の武器”と錯覚し、希望を見出した。12日を境に投稿が止まったこともあり、誰もが「この騒動は終わったのだ」と思ったことだろう。ただ機械的に晒し続けるだけでは、やがてマンネリ化してしまう。希望があるからこそ、より深い絶望が生まれるのだ。
- 以降にアップロードされた動画に坊民たちの関心を引きつけるため
坊民たちは「侵入者がアップロードした動画やウェブサイトは一切閲覧せず、報告だけを行うべきだ。侵入者の晒しを閲覧しなければ、その行為は無意味に終わる」と一致団結し、呼びかけていた。しかし、この状況を危惧した侵入者は、わざと偽の個人情報を動画内に載せることで、以後アップロードされる動画に再び個人情報が含まれていないかという探求心を利用し、坊民たちを晒しの動画へ誘導した。
明かされた正体

ぼくはモクローが晒された同日12日に侵入者の正体が判明する。それは、深層隠れん坊オンラインである。
彼は2022年4月からTwitterに隠れん坊の雑学を投稿していた人物であった。彼のアカウントは全体的にダークウェブを強く意識したもので、「深層」という名前もここからきていると思われる。そんな彼であったが、5月3日にβ版隠れん坊オンラインのAPK(早い話が改造ツール)を投稿したのち、突如として消息を絶った。
このことから、坊民たちはこのAPKにはバックドアが仕込まれており、それが原因で個人情報が流出したのではないかと考察している。実際、晒された3人はいずれもAndroidユーザーであり(APKはAndroid専用であるため)、この推測を裏付ける形となっている。
さらに言うと、「深層隠れん坊オンライン」はダークウェブを強く意識していたが、侵入者もまたそうであった。彼のアイコンは海外でのダークウェブ系ミームとして知られる「intruder meme」の画像であり、趣味が合致する。
こうして、正体が明かされた深層隠れん坊オンラインは自身が侵入者である事を公にツイートした。

この一連の出来事を受けて、坊民たちの間ではある仮説が急速に広まった。すなわち、ルーレットに記載されている全ての名前が「晒し」の対象となるわけではなく、一部は意図的に混入されたブラフである可能性が高いというものである。特に、iPhoneユーザーや、該当のAPKをダウンロードしていない人物が含まれていたことから、それらの名は実際には無関係であると推察された。
これにより、ルーレットは純粋なランダム抽選ではなく、あくまで演出に過ぎず、実際に晒される人物は予め侵入者によって選定されているという結論に至ったのである。
みん作掲示板運営の歴史解説botは「APK導入は褒められたことではないので公で言えることでもないし、本人の名誉のことを考えればAPKを原因と言い切るのは非常に失礼な行為かもしれない。しかし、侵入者がこのような心理を逆に利用しようとしたとも考えられる。『APK導入』という負い目は本人たちにとって少なからずあるであろうし、『自業自得』という意見もささやかれた。このように、侵入者はAPKを窓口にすることで界隈の分裂を狙ったともいえる。すなわち、『APKを導入した被害者は本当に被害者と言えるのか』という問題を引き起こそうとしたのだ。」と述べていた。
4番目の犠牲者「ざこー」
16日、一度は収束したと見られていた晒し行為が再び再開された。今回、標的となったのはざこーと呼ばれる人物であり、過去と同様にその個人情報が公開される形となった。
注目すべきは、晒しの再開と同時に、コメント欄において一部のユーザーが侵入者の通っているとされる偽の高校名を拡散し始めた点である。一見するとこれは侵入者への反撃のように見えるが、結果的には侵入者の狙い通りの展開であった。
実際、動画の再生数は、ぼくはモクローを晒した際の再生数を上回る結果となった。これにより、侵入者によるミスディレクションは極めて効果的に機能したと言える。標的の攪乱と注目の集中という二重の狙いを達成し、晒し行為の影響力をさらに拡大させることに成功したのである。
注目すべきは、晒しの再開と同時に、コメント欄において一部のユーザーが侵入者の通っているとされる偽の高校名を拡散し始めた点である。一見するとこれは侵入者への反撃のように見えるが、結果的には侵入者の狙い通りの展開であった。
実際、動画の再生数は、ぼくはモクローを晒した際の再生数を上回る結果となった。これにより、侵入者によるミスディレクションは極めて効果的に機能したと言える。標的の攪乱と注目の集中という二重の狙いを達成し、晒し行為の影響力をさらに拡大させることに成功したのである。
5番目の犠牲者「じゃっく」

(現在削除済みのじゃっくのチャンネル)
翌17日、5人目の標的としてじゃっくが選ばれた。この出来事は界隈に大きな衝撃を与えることとなった。
じゃっくは、当時チャンネル登録者数2200人を超える隠れん坊オンライン実況者の中でも最も著名な人物の一人であり、何よりも彼がiPhoneユーザーであったことが、それまでの前提を覆す決定的な要因となった。
この出来事により、「iPhoneユーザー」および「深層隠れん坊オンラインが配布したAPKをダウンロードしていない者は安全である」という認識が崩れることとなった。さらに、「侵入者は晒す人物を意図的に選定している」という見方についても、その信憑性に疑問が生じ始めた。
しかも、今回アップロードされた動画は、じゃっくの個人情報を直接晒す内容ではなく、晒しを条件に要求を突きつける交渉型の動画であった。
じゃっくは、当時チャンネル登録者数2200人を超える隠れん坊オンライン実況者の中でも最も著名な人物の一人であり、何よりも彼がiPhoneユーザーであったことが、それまでの前提を覆す決定的な要因となった。
この出来事により、「iPhoneユーザー」および「深層隠れん坊オンラインが配布したAPKをダウンロードしていない者は安全である」という認識が崩れることとなった。さらに、「侵入者は晒す人物を意図的に選定している」という見方についても、その信憑性に疑問が生じ始めた。
しかも、今回アップロードされた動画は、じゃっくの個人情報を直接晒す内容ではなく、晒しを条件に要求を突きつける交渉型の動画であった。
動画内で、侵入者は自らの目的が「個人情報を晒すこと」ではなく、「隠れん坊民を駆逐すること」であると公言した。さらに、じゃっくに対しては「隠れん坊オンラインの投稿をやめるか、今後の人生を危険に晒すか」という二択を突きつけた。最終的に、じゃっくは前者――つまり投稿の中止を選択した。
この一連の出来事は、iPhoneユーザーであるじゃっくの個人情報が特定されていたという事実を裏付ける証拠ともなってしまった。
iPhoneユーザーに対する追い打ち
侵入者は同日にもう一本の動画を投稿した。内容はiPhoneユーザーとAPKをダウンロードしていない人間に対するものだ。
動画内で、侵入者は内通者と乗っ取ったアカウントを駆使して、じゃっくの情報を引き出したと述べている。
その証拠として、乗っ取ったざこーのアカウントからツイートを行い、その後、侵入者のアカウントでそのツイートをリツイートした。
さらに、侵入者は「もう全員が標的とされているのだよ」と発言し、ルーレットに入っていない坊民たちまでもが晒しの対象となる可能性があることをほのめかした。

この出来事を受け、界隈内では、誰もが自分と親しい相手が内通者や乗っ取られたアカウントである可能性を疑い、次第に疑心暗鬼に陥っていった。
動画内での侵入者の発言に対し、歴史解説botは「内通者は存在せず、侵入者が界隈を分裂させるために使ったブラフだ」と述べていた。しかし、内通者が本当に存在するか否かを証明することは、まさに悪魔の証明であり、決定的な証拠がない以上、断言することはできない。これまでに晒された個人情報が本物であること、さらには実際にアカウントが乗っ取られていたという事実を踏まえると、動画内での「内通者がいる」という発言にも一定の信憑性が生じることになる。
さらに、歴史解説botの侵入者に関する考察では、次のように記されていた。
「モクローの晒し動画にて、侵入者自身の通っている高校名が映り込んでしまうという事故が起こる。最早どうにもならなくなった侵入者は逃亡し、以降現在まで失踪している。そうしてこの騒動は終わったのである。」
「この記事の最初に、『深層隠れん坊オンライン』という人物がAPKを配布した、と記した。このAPKを通すことで、個人情報が流出したのではないかと考えられている。」
しかし、このどちらの結論も誤っていることが判明したため、彼の「内通者は存在しない」という考察が果たして信頼に足るものなのか、疑念が生じることとなった。
真の正体、真の目的
20日、侵入者は突如として、これまでに投稿していたすべての動画を削除した。そして、新たに真の正体、真の目的というタイトルの動画をアップロードし、それが24日にプレミア公開されることを告知した。さらに、過去の全ツイートを削除したうえで、運営していたウェブサイトも変更され、公開されていた個人情報のページはすべて削除されていた。
この突然の出来事に、坊民たちは困惑を隠せなかった。しかしその一方で、次に何が起きるのかという好奇心と期待が膨らみ、界隈全体が不穏な緊張感と高揚感に包まれていった。
第二章 隠れん坊オンラインの支配宣言(6月24日~6月30日)
明かされた真の正体、真の目的
6月24日、予定通りプレミア公開される動画がアップロードされた。彼は、ひょっとこの仮面を付け黒いパーカーを身に纏っていた。
動画の内容を要約すると、侵入者の正体はおかおかぴーという人物であり、第一章で記された出来事はすべて第一段階に過ぎなかった。その目的は、マルウェアのテスト、知名度の向上、情報の信憑性を高めることだった。
おかおかぴーは第二段階として、5月23日にうじ虫というチャンネルを開設。そこに、実際にはマルウェアが仕込まれたチート配布動画を投稿した。彼はそのマルウェアをスクリプトキディ(※技術力の低いハッカーを指す蔑称)にダウンロードさせ、ダウンロードした者の個人情報を晒し上げると述べた。
そして彼は、最終目標としてiGene(隠れん坊オンラインの運営)の全ての情報を抜き取り、隠れん坊オンラインを手中に収め、覇王となることを宣言した。
動画の最後に、彼は「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ。」と告げ、チーター達に宣戦布告した。
おかおかぴーの経歴
おかおかぴーは、元々チートツールの開発者であり、制作したチートツールを自身のチャンネルで配布していた。彼は高い技術力を持っており、国内外問わず優れた技術者として注目された。彼は2021年で最もシェアされたチートツール開発者であった。それと同時に彼はiGeneから目をつけられており、配布してはアップデートのイタチごっこを繰り広げ、最終的に垢BANされた。
界隈の反応
おかおかぴーの打ち出した政策はどれも急進的かつ、極端な平等主義に基づいていた。すなわち、チャットの廃止、レベルの廃止、クランの廃止、名前の廃止などである。これらは「ユーザー間の格差をなくすため」という理由であった。
しかしながら、そもそもチャットが主流である「遊び鯖」や「クラン」などという概念がある時代にチャットの廃止といった政策を持ち出すのは時代錯誤もいいところであり、当然ながら大きな批判を受けた。これらが一つずつであれば政策として一部の層の支持は得られたかもしれないが、すべてを同時に発表してしまったことで遊び民・荒らし民・ガチ民はおろか一般の野良民に批判を受けるという結果になってしまった。
おかおかぴーに批判的な掲示板民の一人は「おかおかぴーはわざとあまりにもひどい政策を行うことで、隠れん坊オンラインをオワコン化させようとしている」という見方を示した。
一方で政策には「チーターの排除」も明記されており、これは一部の層からの支持は得たもののやはり批判する意見の方が多かった。そもそもおかおかぴー自身がチート制作者であるのにチーターを排除するなどと言うのは棚上げも甚だしく、事情を知っている坊民からすれば狂言としか聞きとれなかった。
しかしながら、そもそもチャットが主流である「遊び鯖」や「クラン」などという概念がある時代にチャットの廃止といった政策を持ち出すのは時代錯誤もいいところであり、当然ながら大きな批判を受けた。これらが一つずつであれば政策として一部の層の支持は得られたかもしれないが、すべてを同時に発表してしまったことで遊び民・荒らし民・ガチ民はおろか一般の野良民に批判を受けるという結果になってしまった。
おかおかぴーに批判的な掲示板民の一人は「おかおかぴーはわざとあまりにもひどい政策を行うことで、隠れん坊オンラインをオワコン化させようとしている」という見方を示した。
一方で政策には「チーターの排除」も明記されており、これは一部の層からの支持は得たもののやはり批判する意見の方が多かった。そもそもおかおかぴー自身がチート制作者であるのにチーターを排除するなどと言うのは棚上げも甚だしく、事情を知っている坊民からすれば狂言としか聞きとれなかった。
最初の犠牲チーター
翌25日、おかおかぴーはチーターの個人情報を晒す動画をアップロードした。しかし、その内容はこれまでの晒しとは明らかに異なっていた。坊民たちを晒した動画では、Twitterのユーザー名をタイトルにしていたが、今回の動画ではチーターの本名がタイトルに使われていたのだ。
これは、彼が以前に語った「例のβ版の威力が50%だとしたら、これは80%の威力を持つ」という発言と関係しているのだろう。
これは、彼が以前に語った「例のβ版の威力が50%だとしたら、これは80%の威力を持つ」という発言と関係しているのだろう。
坊民晒しの際、晒された情報(威力50%)
- 端末内のファイル、画像、動画
- 身内の連絡先(電話番号)
- SMSのやり取りの履歴
チーター晒しの際、晒された情報(威力80%)
- 端末内のファイル、画像、動画
- 身内の連絡先(電話番号)
- SMSのやり取りの履歴
- 本名
- リアルタイムの顔写真(恐らく端末に付いているカメラをハッキングし、入手したと思われる。)
- 住所
上記の通り、β版APKに比べチートを装ったAPKは明らかに抜かれている情報量や深刻度が高いことが伺える。
チーター殲滅プロセス
同日、おかおかぴーはもう一本動画を投稿した。
動画の内容は、チーターを確実に殲滅するためにハガキを利用するというものだった。
マルウェアを通じて、チーターの「住所」と「本名」の情報を既に把握しているため、チーターの自宅にハガキを送るのは容易い。さらに、そのハガキには「貴方の息子は隠れん坊オンラインのチートをダウンロードし、使用しようとしていました。」といった内容が書かれている。これを送られたチーターは、否が応でも二度とチートをダウンロードしないと決意するだろう。動画内での例え話からも、彼がチーターたちを恐怖で支配しようとしていることが明確に伝わってくる。
チーターと暴露された坊民や掲示板民
翌日から、おかおかぴーは坊民晒しと同様に、毎日一人ずつ晒し続けた。その晒し対象には、現役坊民の主食や掲示板民のサーモンなどが含まれており、この出来事は界隈で大きな物議を醸した。
直接手を下されたチーター「ぶに虫」
30日、ぶに虫というチーターが晒されることとなった。このぶに虫は、マルウェアをダウンロードしていなかった。しかし、おかおかぴーは彼の大まかなGPS情報を掌握していた。彼は、ぶに虫にGPS情報を抜き取るフィッシングサイトを踏ませることで、情報を得たのだ。
ぶに虫の経歴
ぶに虫もまたおかおかぴーと同じくチート制作者であり、2020年から隠れん坊オンラインでチートを使用し、配布も行っていた。さらに、侵入者騒動時には自分が侵入者の正体だと、チーターたちが集まるDiscordサーバーで言い回っていた。これに腹を立てたおかおかぴーは、ついに直接行動に出ることとなる。
ブルートフォースアタック
動画内でおかおかぴーは、「ぶに虫のGPS情報は、マルウェアを通じて得たGPS情報よりも精度が低く、番地を特定することも本名を明らかにすることもできていないため、ハガキを送ることはできない」と述べていた。その後、画面は暗転し、動画は終了したかに思われた。しかし、5秒後にぶに虫のGPS情報周辺におかおかぴーが実際に現れている様子が映し出された。
精度の低いGPS情報ではあったが、その位置から半径10メートル以内にぶに虫の自宅があることは、彼の反応から確信していた。そのため、おかおかぴーは周囲の家すべてに、ぶに虫のSNS情報が書かれたハガキを直接投函した。彼は、まるでブルートフォースアタック(総当たり攻撃)を現実世界で行うかのような行動に出たのだ。
動画内で、彼は「この日を境にぶに虫はDiscord、Youtubeから姿を消しました」と語った事から、彼がぶに虫の住んでいる家にハガキを投函することに成功したと推測できる。
精度の低いGPS情報ではあったが、その位置から半径10メートル以内にぶに虫の自宅があることは、彼の反応から確信していた。そのため、おかおかぴーは周囲の家すべてに、ぶに虫のSNS情報が書かれたハガキを直接投函した。彼は、まるでブルートフォースアタック(総当たり攻撃)を現実世界で行うかのような行動に出たのだ。
動画内で、彼は「この日を境にぶに虫はDiscord、Youtubeから姿を消しました」と語った事から、彼がぶに虫の住んでいる家にハガキを投函することに成功したと推測できる。
おかおかぴーの不可解な行動
彼は、ぶに虫を晒上げた動画のコメント欄で「動画内のGoogleマップの検索履歴に私の住所と名字が映っている。皆にはこの事をよく覚えておいてほしい。全ては隠れん坊オンラインの明日の為に。」とコメントしていた。実際、検索履歴にはそれらしき住所と本名は映っていた。しかし、坊民達は先の高校名同様これもミスディレクションの類だろうと語った。それは当然の考えであり、突然自身の住所と名字を公開し「全ては隠れん坊オンラインの明日の為に。」などと言われても出任せとしか考えられない。
しかし、翌日に投稿された動画によって、全ての坊民と掲示板民はこの不可解な行動、さらにはこれまでのおかおかぴーの全ての行動の真の意味を理解することとなる。
しかし、翌日に投稿された動画によって、全ての坊民と掲示板民はこの不可解な行動、さらにはこれまでのおかおかぴーの全ての行動の真の意味を理解することとなる。
終章 O(オー)レクイエム(7月1日)
最後の犠牲者「おかおかぴー」
7月1日、おかおかぴーはO_REQUIEMという名前で新たにTwitterとYouTubeのアカウントを作成した。そして、記念すべき最後の犠牲者 おかおかぴーというタイトルの動画を投稿した。
動画の内容は、「昨日アップロードした動画に私の住所と名字が映っているので、それを自分たちで見つけたかのようにiGeneに報告し、私を業務妨害罪で逮捕するよう伝えてください」というものであった。
彼は、自分の今までの行動が、侵入者及びおかおかぴーという共通の敵を作ることで、いがみ合っていた坊民や掲示板民たちを一致団結させるためのものだと釈明した。また、自分が逮捕されることによって、チーターや荒らしに対する抑止力になると考えていた。さらに、ぶに虫以外のチーターにハガキを送っていないことを明かし、「チートは麻薬であり、自分自身を壊してしまう」とチートの危険性について語った。
そして、動画の最後で彼は自身の住所と本名を公表し、仮面を取り「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ。」と言い放った。
界隈の反応
この出来事が界隈にもたらしたのは、静寂だった。それもそのはずだ。全ての人間が、彼の手のひらの上で踊らされていたことを自覚したからだ。彼を強く憎んでいた人間さえも、彼の目的が自分を憎ませることだと知り、自分の感情をどう発散すればよいか、混乱してしまったのだ。
一方で、この動画の影響により、彼の行ったことを労う者や、「おかおかぴーのやったことは歴史に残るべき」と評する者も現れた。やはり、彼が「上からチーターを一掃しようとした」という点が大きかったのだろう。実際、彼はマルウェアが仕込まれた偽のチート配布動画を投稿することにより、将来チート配布動画がアップロードされることや、それをダウンロードする人間を抑止しようとした試みを行った。また、ぶに虫という害悪なチーターを制圧したことは、坊民たちにとって益となることだったからだ。
一方で、この動画の影響により、彼の行ったことを労う者や、「おかおかぴーのやったことは歴史に残るべき」と評する者も現れた。やはり、彼が「上からチーターを一掃しようとした」という点が大きかったのだろう。実際、彼はマルウェアが仕込まれた偽のチート配布動画を投稿することにより、将来チート配布動画がアップロードされることや、それをダウンロードする人間を抑止しようとした試みを行った。また、ぶに虫という害悪なチーターを制圧したことは、坊民たちにとって益となることだったからだ。
模倣した劇場型犯罪
私は、この事件を単なるサイバー犯罪ではなく、劇場型犯罪だと捉えている。その理由は、この一連の流れが、アニメコードギアス 反逆のルルーシュの最終話で主人公ルルーシュが実行したゼロレクイエムと酷似しているからである。
ルルーシュは、世界中の憎しみを自分自身に集中させ、悪逆皇帝として自らの命を捧げることで、人々の願いである「優しい世界」への足がかりを作った。おかおかぴーは、それを模倣することでアナーキーな坊界隈を「優しい世界」に作り変えようとしたのではないかと考察する。
ルルーシュは、世界中の憎しみを自分自身に集中させ、悪逆皇帝として自らの命を捧げることで、人々の願いである「優しい世界」への足がかりを作った。おかおかぴーは、それを模倣することでアナーキーな坊界隈を「優しい世界」に作り変えようとしたのではないかと考察する。
事件終結後
事件が終結した後、しばらくゲーム内でチーターを見ることはなくなり界隈内での対立も減少した。やはり、チーターがマルウェアによって個人情報を抜かれ晒されるケースは他の界隈ではありえない出来事だったからだ。そしておかおかぴーの言うように、いがみ合っていた者たちが同じ目的のために行動し、一致団結した事は紛れもない事実だからだ。
結局、彼が逮捕されたかどうかは不明だが、10日後、誰も警察に通報しないことを悟った彼は、削除したTwitterアカウントを一時的に復活させ、「自分のやったことにケジメをつけるため、警察に自首する」とツイートした。その一週間後、彼は押収品目録交付書の画像を投稿した。この行動は、誰も警察に通報しなかった場合のプランBとして準備されていたものと思われる。その画像に彼の本名が記載されていたことから、彼が実際に自首したことはほぼ確定的となった。翌日、彼のアカウントは削除され、行方をくらませた。
結局、彼が逮捕されたかどうかは不明だが、10日後、誰も警察に通報しないことを悟った彼は、削除したTwitterアカウントを一時的に復活させ、「自分のやったことにケジメをつけるため、警察に自首する」とツイートした。その一週間後、彼は押収品目録交付書の画像を投稿した。この行動は、誰も警察に通報しなかった場合のプランBとして準備されていたものと思われる。その画像に彼の本名が記載されていたことから、彼が実際に自首したことはほぼ確定的となった。翌日、彼のアカウントは削除され、行方をくらませた。
まとめ
この騒動によって多くの人々が界隈を離れ、衰退の一歩を辿ることとなった。その一方で、チーターや争いは減少し、平和への一歩を踏み出すこととなった。
おかおかぴーは確かに罪を犯した。これは曲げようのない事実だ。しかし、彼が行ったことすべてを一概に「悪」として片付けるのは、間違っているのかもしれない。彼には、界隈内の争いをなくし、チーターを排除するという明確な信念があったのだ。
「おかおかぴー自身が元々チート制作者であるのにチーターを排除するなどと言うのは棚上げも甚だしい」と思う者もいるだろう。だが、彼が元々チート制作者だったからこそチーターの心理を深く理解しており、チーターを排除することが出来たのだ。後に彼は「チーターを増やした自身の罪滅ぼしの為に、チーターをこのゲームからなくそうとしている」と語っている。
私は彼を英雄だとは思わない。だが、後の出来事を考慮すると、彼が必要悪だったという事実は否定できない。
おかおかぴーは確かに罪を犯した。これは曲げようのない事実だ。しかし、彼が行ったことすべてを一概に「悪」として片付けるのは、間違っているのかもしれない。彼には、界隈内の争いをなくし、チーターを排除するという明確な信念があったのだ。
「おかおかぴー自身が元々チート制作者であるのにチーターを排除するなどと言うのは棚上げも甚だしい」と思う者もいるだろう。だが、彼が元々チート制作者だったからこそチーターの心理を深く理解しており、チーターを排除することが出来たのだ。後に彼は「チーターを増やした自身の罪滅ぼしの為に、チーターをこのゲームからなくそうとしている」と語っている。
私は彼を英雄だとは思わない。だが、後の出来事を考慮すると、彼が必要悪だったという事実は否定できない。
参考文献
- 侵入者騒動の顛末と彼についての一考察(この記事は2022/06/16に書かれたもので、その後の更新はアーカイブ上に残っていませんでした。)
- おかおかぴー政府
- 侵入者過去ツイート
- 深層隠れん坊オンライン過去ツイート
