GANTZ/RAPID ◆YU3/e.VMFA
家屋や建物が立ち並ぶ街並みから少し外れた場所に、その建造物は建っている。
天に向かって伸びる、何本もの長大な棒。
どの先端部にも三枚の羽がついており、静かに、くるくると風車のように回っている。
遠目で見ていても、なかなか圧倒させられる。
天に向かって伸びる、何本もの長大な棒。
どの先端部にも三枚の羽がついており、静かに、くるくると風車のように回っている。
遠目で見ていても、なかなか圧倒させられる。
海沿いの道に、三人の人影があった。
まだ年若い彼、彼女であるが、残念ながら今は修学旅行気分を味わう時間ではない。
むしろ修学旅行であればどれだけよかったことか。
杖をついた少年か少女か分からない人影を先頭に、おどおどと周りを見渡しながら歩く少女、銃を構えた青年と続く。
先頭が杖をついた人間なので全体的にスローテンポな行軍である。
とはいえ後のふたりは文句を言うこともなく歩調を合わせている。
先頭を歩いている人の顔が怖いとか、能力がとんでもなくて迂闊に言い出せないとか、そんな理由があって言わない訳ではない。
まだ年若い彼、彼女であるが、残念ながら今は修学旅行気分を味わう時間ではない。
むしろ修学旅行であればどれだけよかったことか。
杖をついた少年か少女か分からない人影を先頭に、おどおどと周りを見渡しながら歩く少女、銃を構えた青年と続く。
先頭が杖をついた人間なので全体的にスローテンポな行軍である。
とはいえ後のふたりは文句を言うこともなく歩調を合わせている。
先頭を歩いている人の顔が怖いとか、能力がとんでもなくて迂闊に言い出せないとか、そんな理由があって言わない訳ではない。
「思ってたより遠いなァ」
悪態を吐きながら先頭の少年は歩く。イヤホンのようなコードが大きく揺れた。
それを見て、最後尾の青年が鈍重なため息をつく。
「仕方ないだろ。デカい建物あんの、こッちの方なんだし」
青年――玄野計は思った。
いッそのこと負ぶッて歩いた方が早いかも、と。
悪態を吐きながら先頭の少年は歩く。イヤホンのようなコードが大きく揺れた。
それを見て、最後尾の青年が鈍重なため息をつく。
「仕方ないだろ。デカい建物あんの、こッちの方なんだし」
青年――玄野計は思った。
いッそのこと負ぶッて歩いた方が早いかも、と。
いま三人がいるのは、地図でいう北東部の、水族館の近くである。
三人のひとまずの共通項は「関わりのある人を探す」ということであった。
戦いを避けるために、建物を拠点にし、隠れている人がいるかもしれない。
人を探すのなら、何らかのランドマークに行くべきだ、という話になり、現在地から近かったのが西の発電施設と水族館だった。
南には城があったが、入り組んだ立地条件もあり、戦闘はしやすいものの進んで行くことはあまりないだろうと断じた。
何よりふたつとも、そこまで離れていない。発電所も水族館もどちらも探せて丁度いい、という結論に落ち着いた。
経路も考えて、まずは南側の水族館へ向かうことになった。
三人のひとまずの共通項は「関わりのある人を探す」ということであった。
戦いを避けるために、建物を拠点にし、隠れている人がいるかもしれない。
人を探すのなら、何らかのランドマークに行くべきだ、という話になり、現在地から近かったのが西の発電施設と水族館だった。
南には城があったが、入り組んだ立地条件もあり、戦闘はしやすいものの進んで行くことはあまりないだろうと断じた。
何よりふたつとも、そこまで離れていない。発電所も水族館もどちらも探せて丁度いい、という結論に落ち着いた。
経路も考えて、まずは南側の水族館へ向かうことになった。
水族館へ向かう途中でも発電施設を見ることができた。
が、地図上で発電施設と書かれていたのは、何のことはない風力発電のことだったのだ。
だだっ広い土地に、風力発電の風車が何本も建てられている。
まさかあれだけで会場の電気すべてをまかなっているとは思えないが。
建物といえば、倉庫なのか制御を行う場所なのか、民家一軒分の小屋が麓にあるくらいだ。
土地だけで言えば、思っていた以上の広さだった。
あんな広大な場所で人を捜すとなると、かなり骨が折れる。
和泉が起こしたあの恐ろしい事件のときに、タエちゃんを探したことに比べれば全然楽だろうが、今はひとりだけではない。
発電所そのものがなくてよかった、と玄野は心底思った。
が、地図上で発電施設と書かれていたのは、何のことはない風力発電のことだったのだ。
だだっ広い土地に、風力発電の風車が何本も建てられている。
まさかあれだけで会場の電気すべてをまかなっているとは思えないが。
建物といえば、倉庫なのか制御を行う場所なのか、民家一軒分の小屋が麓にあるくらいだ。
土地だけで言えば、思っていた以上の広さだった。
あんな広大な場所で人を捜すとなると、かなり骨が折れる。
和泉が起こしたあの恐ろしい事件のときに、タエちゃんを探したことに比べれば全然楽だろうが、今はひとりだけではない。
発電所そのものがなくてよかった、と玄野は心底思った。
海が近いせいか、磯の香りがする。
波が寄せては引いていく音ばかりが耳に残る。
夜更けの海は、イメージにあるような真っ青なものとは程遠い。黒い固まりが流動しているようだった。
前方を歩く少女、鹿目まどかはそれを見て、不安そうな表情を隠し切れない。
ただでさえ恐ろしい状況の最中にいるのに、安らぎを与えてくれるようなものはひとつもないのだ。
せめて、なにか情報があれば。
玄野はそう考えながら歩いていた。
波が寄せては引いていく音ばかりが耳に残る。
夜更けの海は、イメージにあるような真っ青なものとは程遠い。黒い固まりが流動しているようだった。
前方を歩く少女、鹿目まどかはそれを見て、不安そうな表情を隠し切れない。
ただでさえ恐ろしい状況の最中にいるのに、安らぎを与えてくれるようなものはひとつもないのだ。
せめて、なにか情報があれば。
玄野はそう考えながら歩いていた。
そして水族館の前に着く。
一同は否応がなしに歩みを止めた。
――黒い固まりが、ここにもあったのだ。
一同は否応がなしに歩みを止めた。
――黒い固まりが、ここにもあったのだ。
水族館の照明は落ちており、もともと閉館してしまっているかのような哀愁さえ感じる。
建物自体は廃墟にはなっていないものの、こんな時間とムードもあって、ちょっとした心霊スポットにもなりそうだ。
案の定、まどかは二人の後ろに隠れがちになっている。
だがそれは、水族館の雰囲気によるものだけではないだろう。
深夜の闇に溶け込んでしまいそうで、それでいてはっきりと違う、異質な黒だった。
入り口のそばに置かれた黒い玉。
このふざけた殺し合いの、最初の説明のときにもあった黒い玉。
頭がなくなった白い修道服の女の子。
まどかは身体を背けて、口元に手を当てていた。
「そォいや、会場にも置いてあるとか言ってやがったな、あンの包帯女」
まどかとは反対に、少年……一方通行<アクセラレータ>は平然とした態度で見る。
黒い玉――――
建物自体は廃墟にはなっていないものの、こんな時間とムードもあって、ちょっとした心霊スポットにもなりそうだ。
案の定、まどかは二人の後ろに隠れがちになっている。
だがそれは、水族館の雰囲気によるものだけではないだろう。
深夜の闇に溶け込んでしまいそうで、それでいてはっきりと違う、異質な黒だった。
入り口のそばに置かれた黒い玉。
このふざけた殺し合いの、最初の説明のときにもあった黒い玉。
頭がなくなった白い修道服の女の子。
まどかは身体を背けて、口元に手を当てていた。
「そォいや、会場にも置いてあるとか言ってやがったな、あンの包帯女」
まどかとは反対に、少年……一方通行<アクセラレータ>は平然とした態度で見る。
黒い玉――――
「……ガンツ」
玄野は一言だけ呟いた。その響きには親しい者の名を呼ぶような流暢さがあった。
一方通行もまどかも、玄野の方を向く。方や爬虫類のような鋭すぎる目つきで、方や訳の分からない不安そうな瞳で。
知っている。
玄野計は、ガンツのことを知っているのだ。
無言のまま、玄野はつかつかとガンツへと近づいていく。
「ガンツ、ひとつ確かめたいことがある」
目の前にしゃがみ込み、手を触れる。
一方通行もまどかも、玄野の方を向く。方や爬虫類のような鋭すぎる目つきで、方や訳の分からない不安そうな瞳で。
知っている。
玄野計は、ガンツのことを知っているのだ。
無言のまま、玄野はつかつかとガンツへと近づいていく。
「ガンツ、ひとつ確かめたいことがある」
目の前にしゃがみ込み、手を触れる。
「コレに……『100点メニュー』はあるのか?」
傍で聞いているふたりにとっては、意味を理解できない単語だっただろう。
だが、鈍い光しか反射していなかったガンツの表面に、テレビを付けたときのような電子の光の揺らぎが映る。
そして、あのふざけたような文字が現れた。
だが、鈍い光しか反射していなかったガンツの表面に、テレビを付けたときのような電子の光の揺らぎが映る。
そして、あのふざけたような文字が現れた。
『100点めにゅ~』
「……なンだ、こりゃァ」
「なに、これ……」
ふたりが呻くのも仕方がなかった。
玄野が呼び出したものは、主催者である平戸ロイヤルですら説明していなかったことなのだ。
玄野は何も答えず、ガンツの文字を凝視している。
「なに、これ……」
ふたりが呻くのも仕方がなかった。
玄野が呼び出したものは、主催者である平戸ロイヤルですら説明していなかったことなのだ。
玄野は何も答えず、ガンツの文字を凝視している。
『1 ほしい物を与えられる』
「欲しいもの……? 飛行機とか頼んだら、ここから出られるんですか……?」
まどかは少しだけ語気を強め、ガンツの方へと近づいてくる。
こんな頭が狂ったような場所から逃れられるなら、謎の黒い玉が相手でも頼りたくもなる。
「あァ? 何言ってンだ。この黒っ玉は包帯女が設置したもンだろォが。そうそう上手く行く訳ねェ。
第一、飛行機じゃ頭ン中がパーンだ」
だが、一方通行の冷静な指摘に、まどかは黙り込んでしまう。言い分は最もだ。
何よりも、それは玄野が一番、嫌な形で推測がついている。
「多分……だけど」
玄野は俯き気味に言う。
「多分……たくさん人を殺さないと、できない……と思う」
一方通行は舌打ちをしてガンツの方を向く。
「だろうこった」
「けど、内容が違う」
不機嫌かつ怪訝そうな声を一方通行は上げた。
ガンツに近づいていき、自由な方の腕でもたれかかるようにして画面を凝視する。
「俺の時は……かなり強い武器がもらえた。人が喰らッたら、ひとたまりもない位の……」
「へェ。殺し合いを促進させるって訳か。確かに、武器が欲しけりゃァそれもアリだな」
くかか、と一方通行は小さく笑った。剣呑な空気を漂わせる笑い方に、安心を覚える要素は見当たらない。
現に、顔色が優れないまどかは不安そうに一方通行を見ている。
「クソ野郎どもが、犬みてェに舌出しながら媚びそうなもンだ」
一方通行の瞳はぎらりと光っている。だが、危うさはあれど、不安は感じない。
何人も殺して……『とくてん』を貯めて、武器を手に入れようとする人間だとは見えなかった。
和泉や西のように、戦いそのものだけを楽しむようには見えない。
むしろ、この選択肢を選んだ奴を、どうやってのめすか。そんなことを考えているようにさえ思えた。
「あ、あの。これは……」
まどかが、残りの選択肢を指をさす。
残りの二人の目線も、同時にそこへ移る。
まどかは少しだけ語気を強め、ガンツの方へと近づいてくる。
こんな頭が狂ったような場所から逃れられるなら、謎の黒い玉が相手でも頼りたくもなる。
「あァ? 何言ってンだ。この黒っ玉は包帯女が設置したもンだろォが。そうそう上手く行く訳ねェ。
第一、飛行機じゃ頭ン中がパーンだ」
だが、一方通行の冷静な指摘に、まどかは黙り込んでしまう。言い分は最もだ。
何よりも、それは玄野が一番、嫌な形で推測がついている。
「多分……だけど」
玄野は俯き気味に言う。
「多分……たくさん人を殺さないと、できない……と思う」
一方通行は舌打ちをしてガンツの方を向く。
「だろうこった」
「けど、内容が違う」
不機嫌かつ怪訝そうな声を一方通行は上げた。
ガンツに近づいていき、自由な方の腕でもたれかかるようにして画面を凝視する。
「俺の時は……かなり強い武器がもらえた。人が喰らッたら、ひとたまりもない位の……」
「へェ。殺し合いを促進させるって訳か。確かに、武器が欲しけりゃァそれもアリだな」
くかか、と一方通行は小さく笑った。剣呑な空気を漂わせる笑い方に、安心を覚える要素は見当たらない。
現に、顔色が優れないまどかは不安そうに一方通行を見ている。
「クソ野郎どもが、犬みてェに舌出しながら媚びそうなもンだ」
一方通行の瞳はぎらりと光っている。だが、危うさはあれど、不安は感じない。
何人も殺して……『とくてん』を貯めて、武器を手に入れようとする人間だとは見えなかった。
和泉や西のように、戦いそのものだけを楽しむようには見えない。
むしろ、この選択肢を選んだ奴を、どうやってのめすか。そんなことを考えているようにさえ思えた。
「あ、あの。これは……」
まどかが、残りの選択肢を指をさす。
残りの二人の目線も、同時にそこへ移る。
『2 髮ェィДb遖丞・貎溘ウー豼譁』
『3 縺ァ&j縺励%ち#宣k代Дw』
『3 縺ァ&j縺励%ち#宣k代Дw』
「文字、化け……?」
玄野は初めて、思いがけないような口調になる。
苦笑いをしながら言う彼の様子に、一方通行もまどかも、何か異変があったのだと悟る。
内容不明の2番と3番。1番が今までのガンツにあった『より強い武器を与えられる』が変化したものだろうか。
だとすれば、本来ここには『記憶をけされて解放される』と『MEMORYの中から再生する』が当てはまるはずだ。
玄野が説明すると、なるほどなるほどと一方通行は我が意を得たようだった。
「再生てのは、蘇生と同義か?」
「まあ……似た感じ」
「メモリーってのがいまいち分かんねェが、そりゃァぽんぽん再生されちゃァ困るか」
「解放も……そんな簡単には、させてくれないですよね……。わたし達、こうして呼ばれちゃってるんだから」
三人は消沈したように息をつく。
とはいえ、選べないのか他の項目になっているのか分からないが、こうなっているのも頷ける。
死んだ人間を生き返らせられるというリターンは主催者の口から、優勝した際の褒美として言われている。
全員を殺さなくても誰かを生き返らせられるのなら、いくら参加者を釣るための餌とはいえ、わざわざ優勝という言葉を使う必要がないのだ。
再生は(会場内の人数に限りがあるとはいえ)際限がない。
蘇生人数の多寡があるとはいえ、あくまで生き返らせられるのは優勝した場合のみ、ということらしい。
玄野は初めて、思いがけないような口調になる。
苦笑いをしながら言う彼の様子に、一方通行もまどかも、何か異変があったのだと悟る。
内容不明の2番と3番。1番が今までのガンツにあった『より強い武器を与えられる』が変化したものだろうか。
だとすれば、本来ここには『記憶をけされて解放される』と『MEMORYの中から再生する』が当てはまるはずだ。
玄野が説明すると、なるほどなるほどと一方通行は我が意を得たようだった。
「再生てのは、蘇生と同義か?」
「まあ……似た感じ」
「メモリーってのがいまいち分かんねェが、そりゃァぽんぽん再生されちゃァ困るか」
「解放も……そんな簡単には、させてくれないですよね……。わたし達、こうして呼ばれちゃってるんだから」
三人は消沈したように息をつく。
とはいえ、選べないのか他の項目になっているのか分からないが、こうなっているのも頷ける。
死んだ人間を生き返らせられるというリターンは主催者の口から、優勝した際の褒美として言われている。
全員を殺さなくても誰かを生き返らせられるのなら、いくら参加者を釣るための餌とはいえ、わざわざ優勝という言葉を使う必要がないのだ。
再生は(会場内の人数に限りがあるとはいえ)際限がない。
蘇生人数の多寡があるとはいえ、あくまで生き返らせられるのは優勝した場合のみ、ということらしい。
説明が終わり、一抹の静寂が訪れる。何者も語らぬ沈黙は、夜の凍えさえ打ち払う、不思議な安心感を与える。
訳でもなかった。
「さァて、情報も手ン入れたとこで」
一方通行はそのまま水族館の方へと向かっていく。
まどかは慌てて一方通行の後を追おうとした。
しかし、一方通行の手が動く。
杖代わりの剣を持っていない方の、一方通行の手が、首下へと伸ばされる。
かち、と音がした刹那――
一方通行は玄野の下へ目にも留まらぬ速度で急接近し、刀身を首筋へと当てがっていた。
「テメェ、何もンだ?」
一方通行は卑しく笑っていた。獲物をいたぶる時のような、面白がっている笑みだ。
この緊迫感を味わっている。
眉間に向けられた銃口。
玄野は、一方通行の接近に、反射的に銃を構えていた。
「これを知ってるってこたァ、あいつらのお仲間か? 俺ン時? ならテメェの顔も納得いくけどよ」
ガンツに僅かに映る玄野の表情は、先程までの昼行灯めいたボーッとしたものとは打って変わった、鋭いものだった。
もっとも、玄野自身は発砲するつもりはない。ましてや、一方通行も全く臆することなく、剣を構えたままだった。
普通は、銃を向けられれば誰だって怯むはずだ。しかし対峙している一方通行に、そんな素振りは全くと言っていいほどない。
顎を汗が一筋伝って落ちた。はー、はー、と小さく呼吸を落ち着かせる。
今までどんなに人間に擬態する星人と戦ってきたとはいえ、相手が星人ではないことは確かだ。
それでも今までの戦いで培ってきた直感が告げる。
こいつは、強い。
臨戦態勢に呼応したように、頭がフル回転する。
戦うつもりはないのに、いかにこの状況を切り抜けるか、目まぐるしく考えている。
もし仮に戦闘になったら。相手は星人ではなく人間だ。玄野が守り抜こうと思う人達のひとりだ。
しかし。
考えろ。どうする。どうやって。
相手と、戦う?
訳でもなかった。
「さァて、情報も手ン入れたとこで」
一方通行はそのまま水族館の方へと向かっていく。
まどかは慌てて一方通行の後を追おうとした。
しかし、一方通行の手が動く。
杖代わりの剣を持っていない方の、一方通行の手が、首下へと伸ばされる。
かち、と音がした刹那――
一方通行は玄野の下へ目にも留まらぬ速度で急接近し、刀身を首筋へと当てがっていた。
「テメェ、何もンだ?」
一方通行は卑しく笑っていた。獲物をいたぶる時のような、面白がっている笑みだ。
この緊迫感を味わっている。
眉間に向けられた銃口。
玄野は、一方通行の接近に、反射的に銃を構えていた。
「これを知ってるってこたァ、あいつらのお仲間か? 俺ン時? ならテメェの顔も納得いくけどよ」
ガンツに僅かに映る玄野の表情は、先程までの昼行灯めいたボーッとしたものとは打って変わった、鋭いものだった。
もっとも、玄野自身は発砲するつもりはない。ましてや、一方通行も全く臆することなく、剣を構えたままだった。
普通は、銃を向けられれば誰だって怯むはずだ。しかし対峙している一方通行に、そんな素振りは全くと言っていいほどない。
顎を汗が一筋伝って落ちた。はー、はー、と小さく呼吸を落ち着かせる。
今までどんなに人間に擬態する星人と戦ってきたとはいえ、相手が星人ではないことは確かだ。
それでも今までの戦いで培ってきた直感が告げる。
こいつは、強い。
臨戦態勢に呼応したように、頭がフル回転する。
戦うつもりはないのに、いかにこの状況を切り抜けるか、目まぐるしく考えている。
もし仮に戦闘になったら。相手は星人ではなく人間だ。玄野が守り抜こうと思う人達のひとりだ。
しかし。
考えろ。どうする。どうやって。
相手と、戦う?
「待って……! こんなのだめだよ……!」
しかし、膠着の終わりを告げたのは、予想していなかった場所からだった。
まどかは武器を向け合うふたりに近づき、両手を握り締めて向き合っていた。
「一方通行さん、玄野さんはきっと何か事情があるんです……あの、玄野さんも、説明してくれないですか?
わたしも、玄野さんがどんな人なのか、分かんないよ……」
身体の震えを必死に押さえて、まどかは立ち向かっていた。
ただの女の子に説得されるとは、一体何をやっているんだ。
玄野は一方通行を一瞥する。相手もばつが悪そうに舌打ちをして、顔を背けていた。
お互いに、銃と剣を下ろした。
まどかは武器を向け合うふたりに近づき、両手を握り締めて向き合っていた。
「一方通行さん、玄野さんはきっと何か事情があるんです……あの、玄野さんも、説明してくれないですか?
わたしも、玄野さんがどんな人なのか、分かんないよ……」
身体の震えを必死に押さえて、まどかは立ち向かっていた。
ただの女の子に説得されるとは、一体何をやっているんだ。
玄野は一方通行を一瞥する。相手もばつが悪そうに舌打ちをして、顔を背けていた。
お互いに、銃と剣を下ろした。
そして玄野は、今まで自分が辿ってきた道をおおざっぱに説明した。
まず自分と、参加者の加藤は電車に轢かれて死んだこと。
そのはずなのに、何故か生きていたこと。いつの間にか見知らぬ部屋にいたこと。
部屋にはこのガンツがあり、「星人」という連中と戦ってきたこと。
星人を倒せば「とくてん」が手に入り、100点を取れば戦いから抜け出せたということ。
一方通行が持っている刀も、ガンツの戦いで使ってきたものだということ。
たくさんの星人と戦ったこと。
たくさんの仲間が死んだこと。
そして、空が赤くなって……カタストロフィのことは、あまりにも現実離れしているだろうと思い、話さないことにした。
理由はよく分からないが、ふたりは日本出身のようなのに、和泉の無差別殺傷事件や星人戦に巻き込まれた人達のことを知らないようだった。
まず自分と、参加者の加藤は電車に轢かれて死んだこと。
そのはずなのに、何故か生きていたこと。いつの間にか見知らぬ部屋にいたこと。
部屋にはこのガンツがあり、「星人」という連中と戦ってきたこと。
星人を倒せば「とくてん」が手に入り、100点を取れば戦いから抜け出せたということ。
一方通行が持っている刀も、ガンツの戦いで使ってきたものだということ。
たくさんの星人と戦ったこと。
たくさんの仲間が死んだこと。
そして、空が赤くなって……カタストロフィのことは、あまりにも現実離れしているだろうと思い、話さないことにした。
理由はよく分からないが、ふたりは日本出身のようなのに、和泉の無差別殺傷事件や星人戦に巻き込まれた人達のことを知らないようだった。
玄野は自分の説明を証明するためにも、それぞれの採点結果を見せていた。
『くろの2号 0てん
ToTAl 0てん てめえだれ?』
『しかめさん 0てん
tOTaL 0てん びくびくしすぎ』
『あくせろりーた 0てん
TOtaL 0てん うちどめのこと考えすぎ』
子どもの落書きのような似顔絵と一緒に、点数が映る。
普通ならば、ガンツが決めた制限時間を超えなければ採点結果は表示されないはずだが、ここではいつでも見れるらしい。
当然だと思いつつ、全員が0点であることに安堵する。
その前に一方通行がキレて、またチョーカーのスイッチを入れようとしていたことは言うまでもない。
「……っつっても、にわかには信じがてェ話だな」
平静を取り戻した一方通行は髪を掻きながら言った。
玄野は俯きがちに、苦笑する。
「てゆーか、慣れッこだし、もう」
新たにガンツに呼ばれた人達は、ほとんどが状況を飲み込めずに戦闘へ駆り出され、そのまま無惨に死んでいった。
いつも玄野や加藤はこれから起こる戦いのことを必死に説明していた。
だが、それでも毎回話を聞いてくれるのは、三人いればいい方だ。
無用な被害を出したくはない。とはいえ、はいそうですかと簡単に信じられるような話ではないことも確かである。
「ま、今ン話が本当なら、テメェのこともちったァ納得いくか」
「わたしも……玄野さんが嘘を言ってるようには思えないなぁ」
玄野は驚いたような表情をして顔を上げる。
信じてもらえないと思っていたのに、まさか聞き入れてくれるとは。
自然と顔がほころんで、頬がつっぱるのが分かった。
「嘘か本当か別にしろ、この黒玉知ってンなら泳がしとかねェとなァ」
――ああ、そういうこと……。
一方通行の嗜虐的な笑みに、肩をうなだらせる。とはいえ悪い気分にはならなかった。
そォいや、と一方通行が思い出したように言葉を口走る。
「包帯女、誰が死ンだ、誰が殺したか分かるとかほざいてなかったか?」
ふたりは、はっとしたようにガンツを見る。
『放送を逃しても、いじくれば何とか分かる』。つまり放送以外でも死者を知る術があるということ。
それは、始まって間もない現在も同じではないのか。
血の気が引いたように、まどかの顔が青白くなる。
ぎゅうと目をつむり、ガンツに背を向けるようにして顔を逸らした。
「死者とか、殺したとか……そんなの、見たくないよ……。
なんで……みんなついさっきまで、普通に学校に行ったり、家でご飯食べたり、過ごしてたのに……。
死んじゃうなんて、おかしいよ……!」
背中を震わせるまどかの後ろ姿を、玄野と一方通行が見つめる。
夜更けの明るい月が、まどかの頬から落ちる滴を照らしていた。
一方通行は強い。きっと何度も修羅場を越えてきているのだろう。似たようなものがあると、玄野は感じていた。
けれど、まどかは本当に、ただの中学生なのだ。
血生臭い戦場とは無縁の、どこにでもいる女の子。
タエちゃんのように、巻き込まれてはならない人達のひとりのはずなのに。
『くろの2号 0てん
ToTAl 0てん てめえだれ?』
『しかめさん 0てん
tOTaL 0てん びくびくしすぎ』
『あくせろりーた 0てん
TOtaL 0てん うちどめのこと考えすぎ』
子どもの落書きのような似顔絵と一緒に、点数が映る。
普通ならば、ガンツが決めた制限時間を超えなければ採点結果は表示されないはずだが、ここではいつでも見れるらしい。
当然だと思いつつ、全員が0点であることに安堵する。
その前に一方通行がキレて、またチョーカーのスイッチを入れようとしていたことは言うまでもない。
「……っつっても、にわかには信じがてェ話だな」
平静を取り戻した一方通行は髪を掻きながら言った。
玄野は俯きがちに、苦笑する。
「てゆーか、慣れッこだし、もう」
新たにガンツに呼ばれた人達は、ほとんどが状況を飲み込めずに戦闘へ駆り出され、そのまま無惨に死んでいった。
いつも玄野や加藤はこれから起こる戦いのことを必死に説明していた。
だが、それでも毎回話を聞いてくれるのは、三人いればいい方だ。
無用な被害を出したくはない。とはいえ、はいそうですかと簡単に信じられるような話ではないことも確かである。
「ま、今ン話が本当なら、テメェのこともちったァ納得いくか」
「わたしも……玄野さんが嘘を言ってるようには思えないなぁ」
玄野は驚いたような表情をして顔を上げる。
信じてもらえないと思っていたのに、まさか聞き入れてくれるとは。
自然と顔がほころんで、頬がつっぱるのが分かった。
「嘘か本当か別にしろ、この黒玉知ってンなら泳がしとかねェとなァ」
――ああ、そういうこと……。
一方通行の嗜虐的な笑みに、肩をうなだらせる。とはいえ悪い気分にはならなかった。
そォいや、と一方通行が思い出したように言葉を口走る。
「包帯女、誰が死ンだ、誰が殺したか分かるとかほざいてなかったか?」
ふたりは、はっとしたようにガンツを見る。
『放送を逃しても、いじくれば何とか分かる』。つまり放送以外でも死者を知る術があるということ。
それは、始まって間もない現在も同じではないのか。
血の気が引いたように、まどかの顔が青白くなる。
ぎゅうと目をつむり、ガンツに背を向けるようにして顔を逸らした。
「死者とか、殺したとか……そんなの、見たくないよ……。
なんで……みんなついさっきまで、普通に学校に行ったり、家でご飯食べたり、過ごしてたのに……。
死んじゃうなんて、おかしいよ……!」
背中を震わせるまどかの後ろ姿を、玄野と一方通行が見つめる。
夜更けの明るい月が、まどかの頬から落ちる滴を照らしていた。
一方通行は強い。きっと何度も修羅場を越えてきているのだろう。似たようなものがあると、玄野は感じていた。
けれど、まどかは本当に、ただの中学生なのだ。
血生臭い戦場とは無縁の、どこにでもいる女の子。
タエちゃんのように、巻き込まれてはならない人達のひとりのはずなのに。
だからこそ、玄野はガンツの方へひとり振り向く。ガンツに死者情報の表示を求める。
多くの人を助け、ともに脱出するために、多くの情報は得ておかなければいけない――――
多くの人を助け、ともに脱出するために、多くの情報は得ておかなければいけない――――
「えッ……?」
玄野はガンツの表面に両手をあて、間近に穴が空くほどに見つめる。それが間違いではないことを確かめるために。
つられて、一方通行もまどかも向く。
玄野の両手は、その人物の顔写真を囲うようにして当てられている。
ゆえに、顔写真の隣に何があるのか、もしくは無いのか、判断することはできない。
だが玄野には関係ない。今はどうでもよかった。
どうして。どうして、どうしてッ!
つられて、一方通行もまどかも向く。
玄野の両手は、その人物の顔写真を囲うようにして当てられている。
ゆえに、顔写真の隣に何があるのか、もしくは無いのか、判断することはできない。
だが玄野には関係ない。今はどうでもよかった。
どうして。どうして、どうしてッ!
「タエちゃん……タエちゃんッ……!!」
小島多恵。
玄野計が好きな人であり、「本物の玄野計」の恋人。
黒いストレートヘアーを下げた清楚な少女の顔写真が、ガンツに浮かび上がっていた。
『俺はタエちゃん、お前はレイカを幸せにしてやればいい』
その言葉の後、玄野はレイカの下で暮らし始めた。タエちゃんのことはもうひとりに任せて、諦めた。
レイカは自分の世話をしてくれると言った。自分のために、登りつめたアイドルの座も捨てた。
今着ているパーカーもファー付きのジャケットも、レイカが買ってくれたものだ。
まだ17歳なのに、籍を入れようという話にもなっていた。
けれど、だからといって好きじゃなくなった訳がない。
死んだと知らされて、悲しまない筈がない。
「ふッ……う、ううッ……」
打ちひしがれるように、玄野は地面を向く。
目頭が熱い。嗚咽が止まらない。身体の震えが止まらない。
「うあアアッアァァァ、タエちゃんッ、タエちゃんッ」
ちょっとした罰ゲームから付き合うことになってしまった。
だが、時間を一緒に過ごしていく内に、いつの間にか大切な人になっていった。
帰る場所にいつもタエちゃんがいたから、今まで戦えてきたのだろう。
頭を過ぎるのはタエちゃんとの思い出ばかりだ。
涙がぼろぼろとこぼれてくる。
玄野計が好きな人であり、「本物の玄野計」の恋人。
黒いストレートヘアーを下げた清楚な少女の顔写真が、ガンツに浮かび上がっていた。
『俺はタエちゃん、お前はレイカを幸せにしてやればいい』
その言葉の後、玄野はレイカの下で暮らし始めた。タエちゃんのことはもうひとりに任せて、諦めた。
レイカは自分の世話をしてくれると言った。自分のために、登りつめたアイドルの座も捨てた。
今着ているパーカーもファー付きのジャケットも、レイカが買ってくれたものだ。
まだ17歳なのに、籍を入れようという話にもなっていた。
けれど、だからといって好きじゃなくなった訳がない。
死んだと知らされて、悲しまない筈がない。
「ふッ……う、ううッ……」
打ちひしがれるように、玄野は地面を向く。
目頭が熱い。嗚咽が止まらない。身体の震えが止まらない。
「うあアアッアァァァ、タエちゃんッ、タエちゃんッ」
ちょっとした罰ゲームから付き合うことになってしまった。
だが、時間を一緒に過ごしていく内に、いつの間にか大切な人になっていった。
帰る場所にいつもタエちゃんがいたから、今まで戦えてきたのだろう。
頭を過ぎるのはタエちゃんとの思い出ばかりだ。
涙がぼろぼろとこぼれてくる。
「タエちゃァァァァァァァん……ッ!!」
先程まで強い姿を見せていた玄野計の面影はどこにもない。
いるのは、思い人を亡くして泣く、ただの高校生だった。
いるのは、思い人を亡くして泣く、ただの高校生だった。
居心地が悪そうに、一方通行が舌打ちをした。視線は、目を赤く腫れさせたまどかを捉えている。
「おい、テメェ」
「あっ……あ、はい……」
「こいつ置いて中探すぞ。こンな奴使えねェ」
一方通行はひとり、水族館の中へと進んでいく。
玄野と一方通行を何度も交互に見渡した後、まどかは一方通行へ着いていった。
言葉こそ乱暴だが、一方通行なりの気の遣い方なのだろうと玄野は思うことにした。
それ以外のことへ思考を回す余裕は、今はない。
「おい、テメェ」
「あっ……あ、はい……」
「こいつ置いて中探すぞ。こンな奴使えねェ」
一方通行はひとり、水族館の中へと進んでいく。
玄野と一方通行を何度も交互に見渡した後、まどかは一方通行へ着いていった。
言葉こそ乱暴だが、一方通行なりの気の遣い方なのだろうと玄野は思うことにした。
それ以外のことへ思考を回す余裕は、今はない。
●
水族館の中は暗かった。
誰がいるかも分からない以上、居場所を自ら明かしてしまうのはまずいが、懐中電灯を使って進んでいく。
『悪党』の顔を持つ男が見せた表情は、やはり『光』の側に属する打ち止めやまどかにも似たものであった。
あのまま背後をちょっと襲ってやれば簡単に死んでしまいそうだ。
全くもって、訳が分からない。
「玄野さん、大丈夫かな……」
「さァな。なンか起きたら、その程度ってこった」
ふたりは寂れた水族館を探索する。
海の生物を見る施設のはずなのに、肝心の生き物は何一ついなかった。
こン様子じゃ人もいねェかもな、と一方通行。
誰がいるかも分からない以上、居場所を自ら明かしてしまうのはまずいが、懐中電灯を使って進んでいく。
『悪党』の顔を持つ男が見せた表情は、やはり『光』の側に属する打ち止めやまどかにも似たものであった。
あのまま背後をちょっと襲ってやれば簡単に死んでしまいそうだ。
全くもって、訳が分からない。
「玄野さん、大丈夫かな……」
「さァな。なンか起きたら、その程度ってこった」
ふたりは寂れた水族館を探索する。
海の生物を見る施設のはずなのに、肝心の生き物は何一ついなかった。
こン様子じゃ人もいねェかもな、と一方通行。
しかし、一方通行の気がかりはそこではなかった。
ガンツと呼ばれていた、黒玉に表示された死者の顔写真。
玄野の手でよくは見えなかったが、あの黒いロングヘアーの女の隣に、誰かがいたような気がする。
気のせいかもしれない。だが、どうにも、あれは――――
「どうしたんですか?」
側にいたまどかに声をかけられる。
一方通行は、何でもねェと一方的に話を切った。
ガンツと呼ばれていた、黒玉に表示された死者の顔写真。
玄野の手でよくは見えなかったが、あの黒いロングヘアーの女の隣に、誰かがいたような気がする。
気のせいかもしれない。だが、どうにも、あれは――――
「どうしたんですか?」
側にいたまどかに声をかけられる。
一方通行は、何でもねェと一方的に話を切った。
●
涙を流し終えた玄野は、もう一度ガンツの画面を見る。
始まってまだ間もないのに、もうタエちゃんは誰かの歯牙に掛けられてしまった。
今までも、こうして死んでいった人間の顔が積み重ねられていった。
だが、玄野が知っている人たちの写真がないことから、これは今までのガンツの戦いとは別物なのだと思った。
無論、カタストロフィ前後からガンツの調子は悪かった。
それによってリセットされてしまったのだと言われれば、それまでなのだが。
始まってまだ間もないのに、もうタエちゃんは誰かの歯牙に掛けられてしまった。
今までも、こうして死んでいった人間の顔が積み重ねられていった。
だが、玄野が知っている人たちの写真がないことから、これは今までのガンツの戦いとは別物なのだと思った。
無論、カタストロフィ前後からガンツの調子は悪かった。
それによってリセットされてしまったのだと言われれば、それまでなのだが。
ガンツ。
玄野が黒い玉の名前を呼ぶ。すると、黒い玉は意図を理解したかのように、玄野が望むものを表示させる。
玄野が黒い玉の名前を呼ぶ。すると、黒い玉は意図を理解したかのように、玄野が望むものを表示させる。
『さやかちん 5てん のこり95てん』
小島多恵を殺した人物。
玄野は配布された名簿を取り出し、ガンツのふざけた愛称と名前を照会する。
さやかちん……さやか……美樹さやか。
似顔絵が下手なのでよく分からないが、年格好は自分と同じくらいか、もしくは下かもしれない。
まどかと同じくらいの年の女の子が、何故タエちゃんを殺さなければならなかったのか。
そして、何故自分は今、この情報を見ているのか。
「タエちゃん……」
復讐は考えていない。相手は星人とは違う、ただの人間だ。
何より、タエちゃんがそんなことを望むとも思えなかった。
何か事情があったのかもしれない。考えたくはないが、正当防衛かもしれない。
けれども。
玄野は配布された名簿を取り出し、ガンツのふざけた愛称と名前を照会する。
さやかちん……さやか……美樹さやか。
似顔絵が下手なのでよく分からないが、年格好は自分と同じくらいか、もしくは下かもしれない。
まどかと同じくらいの年の女の子が、何故タエちゃんを殺さなければならなかったのか。
そして、何故自分は今、この情報を見ているのか。
「タエちゃん……」
復讐は考えていない。相手は星人とは違う、ただの人間だ。
何より、タエちゃんがそんなことを望むとも思えなかった。
何か事情があったのかもしれない。考えたくはないが、正当防衛かもしれない。
けれども。
「けど……会わないとッ……! 会って、確かめないとッ……!!」
一体、何の理由があって、タエちゃんは死ななければならなかったのか。
確かめなければ、玄野は納得できなかった。
タエちゃんが死んでしまったということを。
もしこのままレイカとの関係が続くとしても、踏ん切りをつけなければ、いつまでもタエちゃんのことを引きずり続けてしまうだろう。
玄野は目元を拭い、立ち上がる。
今は一方通行とまどかを追いかけなければ。心配をかけ続けてはいけない。
目的は変わらない。多くの人を救い、脱出するだけだ。
玄野は一度目を閉じ、強く意思を込めて瞼を上げる。
そして慣れた身のこなしで、水族館の方へと駆けて行った。
確かめなければ、玄野は納得できなかった。
タエちゃんが死んでしまったということを。
もしこのままレイカとの関係が続くとしても、踏ん切りをつけなければ、いつまでもタエちゃんのことを引きずり続けてしまうだろう。
玄野は目元を拭い、立ち上がる。
今は一方通行とまどかを追いかけなければ。心配をかけ続けてはいけない。
目的は変わらない。多くの人を救い、脱出するだけだ。
玄野は一度目を閉じ、強く意思を込めて瞼を上げる。
そして慣れた身のこなしで、水族館の方へと駆けて行った。
けれど、救う人の中に小島多恵はいない。
【G-3・水族館/1日目・黎明】
【一方通行@とある魔術の禁書目録】
【状態】健康(バッテリー残り25分)
【装備】ガンツソード
【持ち物】支給品一式、不明支給品1~2
【思考】
基本:打ち止めを守り抜く。殺し合いに乗ったやつを殺す。
1:打ち止めを探す。
2;付いてくる少女を守る。
3:出来れば暁美ほむら、美樹さやか、巴マミを探す。
4:玄野はやっぱり訳分かンねェ……
4:オリジナルにあった時は……
【備考】
※参戦時期はグループに初任務後のサービス残業時
※この殺し合いは絶対能力者進化計画に類した何かの実験で学園都市の暗部が絡んでいると考えています。
※木原に関しては本人だと思っていません
※バッテリーは替えのバッテリーの使用、充電等で回復可能です。
【状態】健康(バッテリー残り25分)
【装備】ガンツソード
【持ち物】支給品一式、不明支給品1~2
【思考】
基本:打ち止めを守り抜く。殺し合いに乗ったやつを殺す。
1:打ち止めを探す。
2;付いてくる少女を守る。
3:出来れば暁美ほむら、美樹さやか、巴マミを探す。
4:玄野はやっぱり訳分かンねェ……
4:オリジナルにあった時は……
【備考】
※参戦時期はグループに初任務後のサービス残業時
※この殺し合いは絶対能力者進化計画に類した何かの実験で学園都市の暗部が絡んでいると考えています。
※木原に関しては本人だと思っていません
※バッテリーは替えのバッテリーの使用、充電等で回復可能です。
【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】普段着
【持ち物】支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考】
基本:殺し合いには絶対乗らない。
1:暁美ほむら、美樹さやか、巴マミと合流
2:ちょっと変な男の子と玄野に付いていく。
【備考】
※参戦時期はマミさん死亡以前。
【状態】健康
【装備】普段着
【持ち物】支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考】
基本:殺し合いには絶対乗らない。
1:暁美ほむら、美樹さやか、巴マミと合流
2:ちょっと変な男の子と玄野に付いていく。
【備考】
※参戦時期はマミさん死亡以前。
【玄野計(レイカ再生)@GANTZ】
【状態】健康
【装備】ダッチのリボルバー(6/6)@ブラック・ラグーン
【持ち物】 支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
基本:出来るだけ多くの人々を救い、自分も生き残る
1:一方通行、鹿目まどかと行動する。
2:ガンツスーツを入手したい。
3:加藤、坂田と合流。
4:美樹さやかに会い、真意を確かめたい。
【備考】
※27巻にてレイカにより『再生』されたもう一人の『玄野計』です。
※カタストロフィ・人々を救う為にを追って敵母船へ転送された直後(原作31巻)から参戦しています
【状態】健康
【装備】ダッチのリボルバー(6/6)@ブラック・ラグーン
【持ち物】 支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
基本:出来るだけ多くの人々を救い、自分も生き残る
1:一方通行、鹿目まどかと行動する。
2:ガンツスーツを入手したい。
3:加藤、坂田と合流。
4:美樹さやかに会い、真意を確かめたい。
【備考】
※27巻にてレイカにより『再生』されたもう一人の『玄野計』です。
※カタストロフィ・人々を救う為にを追って敵母船へ転送された直後(原作31巻)から参戦しています
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