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ビギナー その1 - (2006/12/20 (水) 17:43:05) の1つ前との変更点
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?「これで…私の長年の野望が…叶うのか…。長かった…本当に長かった。」
一人の男が呟く。その声は、暗くとても広い部屋の中で響いた。その男のすぐ側の椅子には若い青年が縛られている。
?「あんた…本気で!止めっ」
ドスッ
激しく口答えしようとした青年は、"何か大きな生き物"の一撃で気を失ってしまう。
?「殺すなよ。」
?「…承知している。」
薄気味悪く微笑む黒服の男に猫がすり寄る。
「ニャー…」
暗い部屋に、男の笑い声が響いた。
青年はほんの少しばかり取り戻した浅い意識の中、
「あかん…誰かが止めな…この世界は……頼む………誰か…」
必死の想いで、服の袖口に仕込んだ小さなボタンを押した。
まだ見ぬ光に希望を託して、また深い意識の中に沈んでいく…
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暑い暑い、夏の昼下がり。
ある町の小さな一軒家、その二階の小さな一室に、眼鏡をかけたひ弱そうな少年、その正反対のように大柄で力が強そうな少年、トンガリヘアーでツリ目のチビな少年、そして紅一点可愛らしい少女が4人で座っている。
「なぁのび太?ドラえもんはまだなのかよ!!」
大柄な少年に胸ぐらを掴まれ、首をユサユサ振られる少年のび太。
のび太「うわわ!待ってよジャイアン、もう来る頃だからさ。」
「そうよタケシさん。のび太さんが悪いんじゃなくて、ドラちゃんがちょっと遅いだけじゃない。」
のび太をかばう少女、しずかの助けでのび太は解放される。
「大体どうして肝心のドラえもんがまだいないんだよ。」
トンガリヘアーのスネ夫が、汗をハンカチで拭いながらのび太に問う。
のび太「なんでもどこでもドアの調子が悪いらしくて、今修理に出してたのを取りに行くんだってさ。」
はぁ、とひと息つきながらスネ夫の質問に答えるのび太。
ジャイアン「早くオーストラリアの海で泳ぎてぇなぁ…」
スネ夫「そうだねぇ…」
一同持ち寄った水着とビーチセットに目をやり、ため息をつく。
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ここはとある森の中。1人の少女と、大きなキノコを被ったような不思議な生き物が歩いている。
??「なかなか新種って見つからないもんだねぇ?アミーゴ。」
「うきゅー…」
その時、どこからか叫び声が聞こえてきた。
「うわーー!!」
少女は突然の状況にも慌てる事無く、冷静に声の位置を上と特定する。
「…標的は4つ!お願い!アリくん!!」
腰のベルトから1つのカプセル型のボールを取り外し、それを空中に投げる。するとその中から大きな蜘蛛のような生き物が飛び出してきた。
「大きな蜘蛛の巣を作って!!」
すると4本の木に、糸を吐き出し、一瞬で大きな蜘蛛の巣を作り出した。
その上に、のび太達四人が落っこちるが、蜘蛛の巣のおかげでケガはしなかった。
少女はそれを確認すると、また腰から1つのボールを取り外した。
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「みんなごめん!遅くなっちゃった!」
そこに遅れてやってきた青狸こと、自称猫型ロボットのドラえもんが机の中から勢い良く飛び出してきた。
一同から遅いなどと言われながら、太い胴回りにカラフルな浮き輪をはめて、腰の四次元ポケットからドアを取り出すドラえもん。
さっきまでうなだれていた少年達の目は、希望に満ちて輝いている。
ドラえもん「じゃあ行くよ。」
一同「オーストラリアの海へ!!」
一斉に勢い良くどこでもドアになだれ込む。その拍子に、ドアがきしんで、変な空間が出来る。その不思議な空間の入り口に、ドラえもん以外はみんな吸い込まれてしまった。親友ののび太も。
ドラえもん「なんだこりゃ!?」
最後に残ったドラえもんは、みんなを放っておく訳には行かず、勇気を出して飛び込んだ。
誰も体験したことの無い、冒険の世界へと。
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少女「バーちゃん、4人を降ろしてあげて。」
またボールから赤い光が出て、それが大きな鳥になった。
その鳥は羽ばたいて、4人の元へ向かった。
のび太「…あ~、なんだこれ?ってうわ~!!デッカい鳥だぁ!!」
蜘蛛の巣にビビって、見たことのない鳥にビビる少年のび太。ビビりっぱなしである。
他の3人も同じように驚いている。そこへ、下から声が聞こえた。自分達と同い年ぐらいに見える帽子を被った少女が大きく手を振っている。
少女「お~い!大丈夫?その子が降ろしてあげるからね!大人しくしててぇ!」
危険はないと分かりみんな少し安心して、五分後には地面に降りていた。
のび太「どうもありがとう、おかげで助かったよ。」
その隣にはさっきの鳥がいる。
そこで、平静を取り戻したスネ夫が、突然、
「あっー!ポケモンだぁぁ!!」
そう叫ぶ。そしてみんなも改めて気づいた。目の前にいるのは、紛れもなく人気ゲームのキャラクター、ポケモンだったのだ。
のび太「なんで?!どうしてポケモンがいるの!?」
何に一同が驚いているのかわからず、少女は首を傾げた。
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そこにスネ夫が質問する。
スネ夫「これはポケモンのピジョットに、アリアドスに、キノガッサだよね?どうして君はポケモンを持ってるの?」
少女「どうしてって…私はトレーナーだし、ポケモンを連れているのは当たり前でしょ?」
スネ夫「だって!ポケモンは…」
スネ夫が意見しようとした時に、また上から叫び声が聞こえた。
ドラえもん「うわぁぁぁぁ!誰か助けてぇぇぇぇ!!」
機械のはずなのに顔を鼻水と涙でべちょべちょにしながら降ってきたドラえもん。
さっきのび太達を助けた少女は、"ある事"に気を取られ、ドラえもんを助ける事はなかった。
バサバサバサッ
ドラえもんが落下してきた。木の枝がクッションになったらしく、大したダメージにはならなかったらしい。
すると真っ先にのび太が声をかけようとする。
ドラえもん「いてて…」
のび太「ドラえも「新種だ!!」」
のび太の声は、目を輝かせた少女によって遮られる。
のび太「君、違うよ!ドラえもんは…」
少女「外見からして…狸ポケモン!!」
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少女にのび太の声は届いていない。そしてその一言にドラえもんはキレた。
ドラえもん「狸じゃない!ネコだ!ネ・コ・が・た!!」
少女「しかも喋った!!見かけによらず知能は高いのね…」
少女の声はドラえもんにはもはや挑発にしか聞こえない。
ドラえもん「もう怒ったぞ!!」
ドラえもんも戦闘態勢である。のび太達の姿はもはや目に映っていない。
少女「行くよ!アミーゴ!!」
少女はキノガッサを繰り出す。
ドラえもん「ポケモン!?」
ドラえもんはポケモンの登場に面食らって怯んでしまう。
少女「隙アリ!アミーゴ!キノコの胞子!!」
キノガッサのかさから出てきた綿のような胞子がドラえもんにかかり、ドラえもんは眠ってしまった。
少女「みねうち!」
キノガッサの拳がドラえもんのわき腹を捕らえる。するとドラえもんは叩き飛ばされ、すぐそこの木にぶつかった。
少女「そろそろかな…モンスターボール!」
恐ろしく手際良く攻めた少女がボールを投げようとしたとき、誰かに後ろから手を掴まれた。のび太だ。
のび太「あれは…ドラえもんはポケモンじゃなくて、僕達の友達なんだ!」
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