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ポケモンとのび太とノートと その8 - (2007/01/29 (月) 23:42:05) の1つ前との変更点

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[[前へ>ポケモンとのび太とノートと その7]] 翌日。 自然公園入り口に、大小二つの人影と、その上を飛び回る モジャモジャしたものがあった。 ジャイアンとスネ夫と棲み家を追われたアンノーン達である。 ジャイアン「遅いっ!! あいつら何してやがる………。 スネ夫!お前、なんとかしろ!!!」 スネ夫「そんなあ……」 ジャイアンが怒号をあげる。 無理もない。二人は既に、約束の時間から二時間も待たされていたのだ。 元々気が短いジャイアンにこれだけ待たせるのはやはり酷だったろう。 しきりに、スネ夫にやつあたりをかましている。 ジャイアン「もう我慢出来ん! スネ夫!殴らせろ!」 ムシャクシャするという理由で放たれた、ジャイアンの鉄拳がスネ夫の顔面に 直撃しようとした瞬間、聞き覚えのある声がした。 のび太「ジャイアーン、スネ夫ー、遅れてごめーん!」 ---- ナイスだ。スネ夫はそう思った。 怒りの矛先は奴に向けられるだろう。 そして、案の定そうなった。 ジャイアン「のぉび太くぅん、なぜ遅れたのかな?」 ジャイアンが拳をパキパキしながら言う。 しかし、のび太の代わりにドラえもんが答えた。 ドラえもん「ごめん、僕が寝坊しちゃって。 のび太君は悪くないよ。」 スネ夫「ドラえもんが? のび太の間違いじゃないの?」 すかさず、スネ夫がちゃちゃを入れる。 ジャイアンも、意外なことに驚き、怒りも萎えてしまったようだ。 ドラえもんは遅れについて詫びた後、スネ夫に聞いた。 ドラえもん「ねえ、スネ夫君。 あの空にうごめいているのは何?」 ---- ドラえもんがそう言い空を見上げるとジャイアンもつられたように上を向いた。 ジャイアン「うわっ、何だあれは!?」 ジャイアンが驚く。 スネ夫「ああ、あれ? アンノーンの大群さ。」 スネ夫が手を叩くとそれに応じたかのように、アンノーン達が上空から降りてきた。 それらは文字列を作る。 ドラえもん「な、なんだい?」 ドラえもんはたじろぐが、スネ夫はすましている。 スネ夫「なになに………? ナンダ、コノアオダヌキハ? テキカ?、だって? 違うよ、これは仲間さ。」 ドラえもん「僕は狸じゃない!」 ドラえもんはアンノーン達につっかかる。 それをスネ夫がなだめた。 スネ夫「まあまあ。 で、頼みがあるんだけど。 実は………」 スネ夫はアンノーン達がここに居る経緯、アンノーン達の利用法、 それと彼らとの契約で少しの間四次元ポケットの中で 彼らを暮らさせてくれというものだった。 ドラえもん「成程。 確かに、アンノーン文字さえ覚えてしまえば、これほど便利な物はないな。 いいよ。」 意外とドラえもんはあっさりOKしてくれた。 アンノーン達がドラえもんのポケットの中に、雪崩の如く押し寄せる。 それは、唯一神主演の某映画を彷彿とさせた。 その後一行は、戦力の確認をした後、コガネへ向かった。 ---- ~ルールその5~ ノートは、この世界の住人やプレイヤー、何らかの形で この世界に来たものにしか効果はない。 プレイヤーにノートを使用する場合、それが人間であるかを問わない。 もし、その対象がロボットであった場合、それは二度と起動しなくなる。 ---- アカネ「…………」 アカネは焦っていた。 この一週間、何も進展せず、ただ時だけが過ぎてゆく。 ロケット団の守りは、想像以上に堅く、ジムのトレーナーでも苦戦を強いられる。 アカネはあくまでも、ジムリーダー。 トレーナーとしての、力量はあるが、このような持久戦の戦い方は分からない。 そこへ、 トレーナー「アカネさん! 突入班B、D両班とも突入に失敗しました! 待機していたA班C班は………」 アカネは心の中でため息をついたが、リーダーの自分の動揺はすぐに下に伝わる。 うまく誤魔化さねば。 アカネ「大丈夫や! それらもこっちには想定の範囲内。 気にすることないで! あっ、で、A班とC班は休ましとき。 お疲れさん。」 トレーナー「はい!」 トレーナーは安心した様子でアカネの元から離れてゆく。 いい加減、演技にも疲れた。 本当は策なんて何もないのに、民衆の皆は自分に信頼を置いてくれている。 それはうれしい反面、アカネにとって、大きな心の負担になっていた。 アカネ「はぁ………」 アカネが皆の居ないところで、またため息をついた時だった。 トレーナー「アカネさん、怪しい者が何か面会を求めて来ています!」 ---- アカネ「怪しい者………?」 誰だか分からないが、逢ってみて損ではない筈。 アカネ「面白そうやな。 連れてき。」 アカネがそう言った時だった。 ドアから押し寄せる様に、何人かの見覚えのある人間がなだれ込んできた。 ジャイアン「ってててて……… あの野郎!後でギャフンと言わせてやる!」 どうやら手荒いもてなしを受けたらしい。 その中の大柄な少年がドアに向かって叫ぶ。 その様子を見て、アカネはそれらがこの前の生意気なガキということを思い出した。 アカネ「なんや、あんたらか。 …………何しに来たん?」 アカネの言葉にキツネ顔の少年が口を尖らせて憤慨の言葉を述べる。 スネ夫「何しに来たとはなんだい!! 僕らは援軍に来たんだぞ!」 スネ夫の言葉にアカネは意地悪く言う。 アカネ「援軍を頼んだ覚えはないんやけどな。 で、何が目的なん?」 ドラえもん「目的も何もあなたは協力したければ 実力をつけろと言ったじゃないですか!? 今日は、僕らの実力を見せに来たんです!」ドラえもんが言う。 アカネは肩をすくめた。 正直期待はしてないが、今はまさに、青狸の手も借りたい気持だ。 アカネ「ええで。 あんたらの実力見してみい!!!」 ---- ジャイアン「望むところだぜ………」 ここで、ジャイアンが一歩前に出た。 アカネ「また、あんたか。 どんだけ成長したか試してやるわ! とりあえず、外でな。」 アカネはそう言うと、一行を外に誘いだした。 アカネ「いくで! いけっ!ミルタンク!」 そう言うとアカネはミルタンクを繰り出した。 ジャイアン「ミルタンクか………。 それなら、いけっ、カイリキー!!」 一方ジャイアンはカイリキーを繰り出した。 タイプではジャイアン有利だが、アカネは動じない。 アカネ「やっぱ、成長しとらへんな。 先週の二の舞いや!! ミルタンク!! 周りで回って砂ボコりをあげぇ!!」 ミルタンクはその辺を高速で回転し、激しい砂ボコりを発生させる。 それにより、周りの視界が奪われる。 アカネ『ここで、前はメタモンに変わる作戦をとったんやな。 それなら………』 アカネは小声でミルタンクに指示を出した。 ---- ジャイアン『奴の作戦は砂ボコりで目をくらまし、 色々なトリックを仕掛けてくること………… なら、こっちは!』 やがて、砂ボコりが晴れてきた。 だが、ジャイアンの視界の先にはミルタンクがいない。 ジャイアン「あれ? ミルタンクは?」 ジャイアンが言った。 すると、 アカネ「気付いてないみたいやな。 アホが。また潰れろや!」 アカネが叫ぶ。 アカネ『奴は、ウチ本人に警戒しすぎで、自分の後ろのミルタンクに気付いてない。 こら、また勝ったわ。』 アカネは勝利を確信する。しかし、 ジャイアン「バーカ。 潰れるのはテメェだ。」 ---- ジャイアンがそう言った瞬間、ジャイアンの足元から一本の角が現れ、 ミルタンクを投げ飛ばした。 アカネ「なっ………」 アカネは突然の事に驚いている。 ジャイアン「ミルタンクの奇襲なんてショボい策考えやがって。 簡単に対応できたぜ。」 ジャイアンが言う。 アカネ「いや、ウチが驚いてる事はそんなことやない!! なんで、ヘラクロスがあなをほるが使えるのかっていうことや!!」 ジャイアン「そんなことより、前を見た方がいいぜ。」 ジャイアンが指をさす。 なんと、ヘラクロスに軌道修正されたミルタンクは 自分に向かって転がってくるではないか。 しかし、距離が離れ過ぎである。 アカネ「アホか。 こんな距離なら簡単によけら………」 「ゴン!」 アカネは何かにぶつかった。 アカネ「なっ、なんや!?これは!?」 いつのまにか出来た、自分の周りの壁に驚き動揺するアカネ。 ジャイアン「ヤナギ師匠からもらったウリムーの氷の壁さ。 よく注意すれば分かるんだがな。 テメェ、砂ボコりで視界が奪われるのは俺だけじゃないってことだぜ。 ちなみに、ヘラクロスはウリムーの掘った穴にただ潜ってただけさ。 あなをほるなんて使えねえよ。」 ジャイアンが話している間も、ミルタンクはアカネに迫る。 アカネ「キャアアアアアアアアア!」 逃げ場を失ったアカネは、ただ叫ぶしかなかった。 しかし、誰もが「ぶつかる。」と思った瞬間、 ジャイアンのカイリキーがミルタンクを受け止めた。 アカネは突然の恐怖から解放され、ヘナヘナとへたりこむ。 それにジャイアンは勝ち誇ったように言った。 ジャイアン「俺の勝ちだな!」 ---- ~ルールその6~ ノートで、誰かを殺害したとき、殺されたトレーナーの手持ちのポケモンから貰える経験値の半分が、死神に分配される。 ----
[[前へ>ポケモンとのび太とノートと その7]] 翌日。 自然公園入り口に、大小二つの人影と、その上を飛び回る モジャモジャしたものがあった。 ジャイアンとスネ夫と棲み家を追われたアンノーン達である。 ジャイアン「遅いっ!! あいつら何してやがる………。 スネ夫!お前、なんとかしろ!!!」 スネ夫「そんなあ……」 ジャイアンが怒号をあげる。 無理もない。二人は既に、約束の時間から二時間も待たされていたのだ。 元々気が短いジャイアンにこれだけ待たせるのはやはり酷だったろう。 しきりに、スネ夫にやつあたりをかましている。 ジャイアン「もう我慢出来ん! スネ夫!殴らせろ!」 ムシャクシャするという理由で放たれた、ジャイアンの鉄拳がスネ夫の顔面に 直撃しようとした瞬間、聞き覚えのある声がした。 のび太「ジャイアーン、スネ夫ー、遅れてごめーん!」 ---- ナイスだ。スネ夫はそう思った。 怒りの矛先は奴に向けられるだろう。 そして、案の定そうなった。 ジャイアン「のぉび太くぅん、なぜ遅れたのかな?」 ジャイアンが拳をパキパキしながら言う。 しかし、のび太の代わりにドラえもんが答えた。 ドラえもん「ごめん、僕が寝坊しちゃって。 のび太君は悪くないよ。」 スネ夫「ドラえもんが? のび太の間違いじゃないの?」 すかさず、スネ夫がちゃちゃを入れる。 ジャイアンも、意外なことに驚き、怒りも萎えてしまったようだ。 ドラえもんは遅れについて詫びた後、スネ夫に聞いた。 ドラえもん「ねえ、スネ夫君。 あの空にうごめいているのは何?」 ---- ドラえもんがそう言い空を見上げるとジャイアンもつられたように上を向いた。 ジャイアン「うわっ、何だあれは!?」 ジャイアンが驚く。 スネ夫「ああ、あれ? アンノーンの大群さ。」 スネ夫が手を叩くとそれに応じたかのように、アンノーン達が上空から降りてきた。 それらは文字列を作る。 ドラえもん「な、なんだい?」 ドラえもんはたじろぐが、スネ夫はすましている。 スネ夫「なになに………? ナンダ、コノアオダヌキハ? テキカ?、だって? 違うよ、これは仲間さ。」 ドラえもん「僕は狸じゃない!」 ドラえもんはアンノーン達につっかかる。 それをスネ夫がなだめた。 スネ夫「まあまあ。 で、頼みがあるんだけど。 実は………」 スネ夫はアンノーン達がここに居る経緯、アンノーン達の利用法、 それと彼らとの契約で少しの間四次元ポケットの中で 彼らを暮らさせてくれというものだった。 ドラえもん「成程。 確かに、アンノーン文字さえ覚えてしまえば、これほど便利な物はないな。 いいよ。」 意外とドラえもんはあっさりOKしてくれた。 アンノーン達がドラえもんのポケットの中に、雪崩の如く押し寄せる。 それは、唯一神主演の某映画を彷彿とさせた。 その後一行は、戦力の確認をした後、コガネへ向かった。 ---- ~ルールその5~ ノートは、この世界の住人やプレイヤー、何らかの形で この世界に来たものにしか効果はない。 プレイヤーにノートを使用する場合、それが人間であるかを問わない。 もし、その対象がロボットであった場合、それは二度と起動しなくなる。 ---- アカネ「…………」 アカネは焦っていた。 この一週間、何も進展せず、ただ時だけが過ぎてゆく。 ロケット団の守りは、想像以上に堅く、ジムのトレーナーでも苦戦を強いられる。 アカネはあくまでも、ジムリーダー。 トレーナーとしての、力量はあるが、このような持久戦の戦い方は分からない。 そこへ、 トレーナー「アカネさん! 突入班B、D両班とも突入に失敗しました! 待機していたA班C班は………」 アカネは心の中でため息をついたが、リーダーの自分の動揺はすぐに下に伝わる。 うまく誤魔化さねば。 アカネ「大丈夫や! それらもこっちには想定の範囲内。 気にすることないで! あっ、で、A班とC班は休ましとき。 お疲れさん。」 トレーナー「はい!」 トレーナーは安心した様子でアカネの元から離れてゆく。 いい加減、演技にも疲れた。 本当は策なんて何もないのに、民衆の皆は自分に信頼を置いてくれている。 それはうれしい反面、アカネにとって、大きな心の負担になっていた。 アカネ「はぁ………」 アカネが皆の居ないところで、またため息をついた時だった。 トレーナー「アカネさん、怪しい者が何か面会を求めて来ています!」 ---- アカネ「怪しい者………?」 誰だか分からないが、逢ってみて損ではない筈。 アカネ「面白そうやな。 連れてき。」 アカネがそう言った時だった。 ドアから押し寄せる様に、何人かの見覚えのある人間がなだれ込んできた。 ジャイアン「ってててて……… あの野郎!後でギャフンと言わせてやる!」 どうやら手荒いもてなしを受けたらしい。 その中の大柄な少年がドアに向かって叫ぶ。 その様子を見て、アカネはそれらがこの前の生意気なガキということを思い出した。 アカネ「なんや、あんたらか。 …………何しに来たん?」 アカネの言葉にキツネ顔の少年が口を尖らせて憤慨の言葉を述べる。 スネ夫「何しに来たとはなんだい!! 僕らは援軍に来たんだぞ!」 スネ夫の言葉にアカネは意地悪く言う。 アカネ「援軍を頼んだ覚えはないんやけどな。 で、何が目的なん?」 ドラえもん「目的も何もあなたは協力したければ 実力をつけろと言ったじゃないですか!? 今日は、僕らの実力を見せに来たんです!」ドラえもんが言う。 アカネは肩をすくめた。 正直期待はしてないが、今はまさに、青狸の手も借りたい気持だ。 アカネ「ええで。 あんたらの実力見してみい!!!」 ---- ジャイアン「望むところだぜ………」 ここで、ジャイアンが一歩前に出た。 アカネ「また、あんたか。 どんだけ成長したか試してやるわ! とりあえず、外でな。」 アカネはそう言うと、一行を外に誘いだした。 アカネ「いくで! いけっ!ミルタンク!」 そう言うとアカネはミルタンクを繰り出した。 ジャイアン「ミルタンクか………。 それなら、いけっ、カイリキー!!」 一方ジャイアンはカイリキーを繰り出した。 タイプではジャイアン有利だが、アカネは動じない。 アカネ「やっぱ、成長しとらへんな。 先週の二の舞いや!! ミルタンク!! 周りで回って砂ボコりをあげぇ!!」 ミルタンクはその辺を高速で回転し、激しい砂ボコりを発生させる。 それにより、周りの視界が奪われる。 アカネ『ここで、前はメタモンに変わる作戦をとったんやな。 それなら………』 アカネは小声でミルタンクに指示を出した。 ---- ジャイアン『奴の作戦は砂ボコりで目をくらまし、 色々なトリックを仕掛けてくること………… なら、こっちは!』 やがて、砂ボコりが晴れてきた。 だが、ジャイアンの視界の先にはミルタンクがいない。 ジャイアン「あれ? ミルタンクは?」 ジャイアンが言った。 すると、 アカネ「気付いてないみたいやな。 アホが。また潰れろや!」 アカネが叫ぶ。 アカネ『奴は、ウチ本人に警戒しすぎで、自分の後ろのミルタンクに気付いてない。 こら、また勝ったわ。』 アカネは勝利を確信する。しかし、 ジャイアン「バーカ。 潰れるのはテメェだ。」 ---- ジャイアンがそう言った瞬間、ジャイアンの足元から一本の角が現れ、 ミルタンクを投げ飛ばした。 アカネ「なっ………」 アカネは突然の事に驚いている。 ジャイアン「ミルタンクの奇襲なんてショボい策考えやがって。 簡単に対応できたぜ。」 ジャイアンが言う。 アカネ「いや、ウチが驚いてる事はそんなことやない!! なんで、ヘラクロスがあなをほるが使えるのかっていうことや!!」 ジャイアン「そんなことより、前を見た方がいいぜ。」 ジャイアンが指をさす。 なんと、ヘラクロスに軌道修正されたミルタンクは 自分に向かって転がってくるではないか。 しかし、距離が離れ過ぎである。 アカネ「アホか。 こんな距離なら簡単によけら………」 「ゴン!」 アカネは何かにぶつかった。 アカネ「なっ、なんや!?これは!?」 いつのまにか出来た、自分の周りの壁に驚き動揺するアカネ。 ジャイアン「ヤナギ師匠からもらったウリムーの氷の壁さ。 よく注意すれば分かるんだがな。 テメェ、砂ボコりで視界が奪われるのは俺だけじゃないってことだぜ。 ちなみに、ヘラクロスはウリムーの掘った穴にただ潜ってただけさ。 あなをほるなんて使えねえよ。」 ジャイアンが話している間も、ミルタンクはアカネに迫る。 アカネ「キャアアアアアアアアア!」 逃げ場を失ったアカネは、ただ叫ぶしかなかった。 しかし、誰もが「ぶつかる。」と思った瞬間、 ジャイアンのカイリキーがミルタンクを受け止めた。 アカネは突然の恐怖から解放され、ヘナヘナとへたりこむ。 それにジャイアンは勝ち誇ったように言った。 ジャイアン「俺の勝ちだな!」 ---- ~ルールその6~ ノートで、誰かを殺害したとき、殺されたトレーナーの手持ちのポケモンから貰える 経験値の半分が、死神に分配される。 ---- スネ夫「やったね、ジャイアン!!」 ドラえもん「まさかジャイアンにあんな戦いができるなんて…………すごい!!」 のび太「よかったね、ジャイアン。」 アカネに勝利したジャイアンは皆からの祝福を受ける。 ジャイアン「皆の衆ありがとよ!! 次はスネ夫だ! 頑張れよ!」 スネ夫は、うん、と答えると、アカネの方へ歩み寄った。 スネ夫「次は僕が闘う番だよ。 座ってないで早く準備してよ。」 スネ夫が話しかけるが、返事がない。 スネ夫はまだ知らないが、この後かなりの苦戦を強いられることになる。 スネ夫「アカネさん?」 アカネ「………グスン。ひっぐ、ひっぐ。 うああああ~ん。」 え……?、とスネ夫が思う間もなく、アカネの大号泣が始まった。 ジャイアン「あ~あ、スネ夫泣かしちまったな。」 ジャイアンが人事のように言う。 実際、ジャイアンの中では人事なのだが。 スネ夫「ち、違うよ! アカネさんが勝手に………。 はっ!」 スネ夫は気付いた。 ジムのトレーナー、そしてドラえもん達が自分を白い目で見ている。 スネ夫の苦難の道が始まった。 ---- 約二時間後、一行は35番道路に立てられたテントの中にいた。 全員が、アカネに勝ってはいないとはいえ、アカネが闘える状態ではなかったから、 ほぼ無理矢理といった形で一行はコガネの戦線に加わることができた訳だ。 アカネ「あ~すっきりした! やっぱ人間泣くことは必要やな。」 さっきまで泣いていたアカネはケロッとしている。 スネ夫の必死の説得によるものだろう。 アカネのケロリとした言葉をスルーし、ジャイアンが言う。 ジャイアン「よし、これで俺達もロケット団のイベントに 参加出来るようになった訳だな。 よし、一丁俺様がギタギタにしてくるか。」 何を血迷ったかジャイアンはそのままテントの外へ出ていこうとした。 それを慌ててドラえもん達が引き止める。 ドラえもん「何を考えてるんだ! 前にも言ったけど相手はゲームと違ってかなりの多数なんだぞ! どんなに強くても、やられちゃうよ!」 ドラえもんが凄い剣幕で止めるが、ジャイアンは独自の理論を展開する。 ジャイアン「やってみなきゃ分かんねえよ。 どっちみち、奴らの圧倒的な数じゃ成す術ねえじゃねえか。 なら、直接殴りこんで戦力を少しでも削るしかねえじゃねえか。」 ドラえもん「なんて無茶な」 ドラえもんが呆れる。しかし、ここでこの雰囲気を看破するかのごとく、 スネ夫が口を開いた。 スネ夫「あのね。 ぼくのポケモンなら、殴り込むんじゃないけど、奴らの人数を大量に削る事は出来るよ。」 ---- ドラえもん「なんだって!?」 スネ夫の意外な言葉に全員が驚く。 のび太「どうするの?」 のび太が聞く。 スネ夫「まあまあ。 とりあえず、これにも準備が必要なんだけどね。 まず、ドラえもん。 ポケットからアンノーン出して。」 アカネ「アンノーンやて!?」 スネ夫の言葉にアカネが驚く。 無理もない。この世界ではアンノーンはまだ未解明の存在。 伝説みたいなものだ。 ドラえもん「スネ夫君。わかったよ。」 アカネの驚きはまだ続いた。 なんと、あの青い狸の腹の袋から今まで神話や、絵本でしか見たことのない ポケモンが飛び出してきたからだ。 しかも大量に。 目の前の光景が信じられないアカネをよそに、 スネ夫は普通にアンノーン達に指示を出す。 スネ夫「あのさ、頼みがあるんだけど。 コガネにいるロケット団員の数を調べてきて。 あと、蛇口の数も。」 スネ夫がそう言うと、アカネの驚きを尻目に、アンノーン達は一斉に空に散っていった。 ---- スネ夫「アカネさん。アカネさん?」 アカネ「ん?あ、いや、何?」 スネ夫の言葉でアカネは我に帰った。 しかたのないことだろう。 余りにも変な物を見すぎてアカネは少し頭が痛かった。 スネ夫「物資を準備してくれない? 必要な物はピーピーエイダーといいきずぐすり。 それぞれ十個ね。」 アカネ「ええけど。 殴り込みはせんのと違う?」 アカネが首をかしげ、訊く。 確かにスネ夫が要求するアイテムは戦闘に関連するものばかり。 前言と矛盾が生じている。 しかし、それを無視してスネ夫は今度はドラえもん達に頼み事をする。 スネ夫「ドラえもん、のび太、ジャイアン。 君達は戦闘の準備をしてエンジュに向かってくれ。 それと、ドラえもん、てきおうとうを貸して。」 スネ夫の意味不明な策に、流石のドラえもんも頭をひねる。 ドラえもん「貸すのはいいけど、君の作戦の意図が全然分からない。 先にそれを説明してくれないかい?」 それを聞いたスネ夫はあたかもうっとうしそうに、頭を掻き言う。 スネ夫「説明は後でするから、早く行ってくれ! 時間がもったいない! 早くてきおうとうを渡してくれ。」 それを見てドラえもんは、仕方ないなあと、てきおうとうを出した。 それをスネ夫は受取り、もう用はないとばかりに去っていった。 ジャイアンは腹を立てたが、ドラえもんがうまく鎮め、 ドラえもん達はエンジュに逆戻りをすることになった。 ---- ~ルールその7~ 以下の時所有者は所有権を失う。 ノートにとりついていた死神がノートを持っていき半径5キロ以上離れる。 所有者が死ぬ。 所有者の手持ちがなんらかの理由により、一匹もいなくなる。 ゲームから脱出する [[次へ>ポケモンとのび太とノートと その9]] ----

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