挑戦者 その6 - (2007/01/26 (金) 16:07:10) の1つ前との変更点
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ジャイアンはポケモンセンターで休憩を取っていた。
ポケモンセンターのジョーイはトレーナーにとって大切な存在である。
もちろんポケモンの体力回復、状態異常改善の手助けは
ゲームでもおなじみである。
そしてこの世界ではトレーナーに様々な情報を与える存在でもあった。
ジャイアンはそれにより、リオルの覚える技を教えてもらった。
聞き覚えの無い技でも、質問すればジョーイは必ず答えてくれる。
「ありがとな、ジョーイさん!」
ジャイアンのお礼の言葉にジョーイは微笑んで答える。
(さて、あとはリオルがどれを使えるか……)
ジャイアンは今書き留めたメモをもとに思考を巡らした。
この世界にはレベルという言葉が無い。
つまりレベルが数字としては表されていないと言うことだ。
そのポケモンがどのくらいの実力を持っているか、
それがこの世界においてのレベルなのだ。
例えば、ジャイアンは最初のうち
ココドラに「アイアンテール」などを命令していた。
そしてその技がまだ使えないことを知った。
そこでゲーム内では比較的初期段階の習得技である「メタルクロー」を
使うようになったのである。
文字では難しい話だが、ジャイアンは本能で理解していた。
そして技のレパートリーは、戦いを積み重ねるにつれて
増えていくことにも気づいていた。
「また修行?」
スズナの呆れたような口調に、ジャイアンは真面目に頷く。
「よくやるわねぇ……まあいいことだけど。
ここのジムはあんたのポケモンじゃ厳しいだろうし……そうそう。
この町のジムはかくとうタイプらしいわよ」
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――のび太の家
三人はここに集まっていた。
何故かドラえもんが失踪した今、
三人はこの町を仕切る中心的な存在となっている。
その三人とは、義雄〔苗字不明、漢字適当〕、金尾タメル、
ズル木〔名前不明〕の三人である。
「ドラえもんが失踪してからもう二日」
義雄の口調は絶望に満ちていた。
「ああ、もう何度も聞いたさ!」
ズル木は歯を食いしばって怒鳴る。「仕方ないじゃないか。
僕らがこの町を守らなきゃ」
「どうやって?」 金尾が口を挟む。
「僕らには何の道具もないよ。どうやってあんな怪物たちから町を守るのさ」
金尾が言った言葉。それが、三人が集会を開いた理由だった。
野生のポケモンたちが町へ侵入し始めていたのだ。
「ああ、せめて出木杉がいてくれればなぁ」
義雄はため息混じりに言う。
三人はしばらく何も言わなかった。
最後に出木杉が三人の前に現れたのは三日前。
その日、三人はのび太の家で発見した「あるもの」を考察すべく、
出木杉を呼んだのである。
話は四日前に遡る……
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「出木杉!これだよ」
四日前、義雄はのび太の部屋を開けざまにそう言った。
義雄の指先には質素なデザインのドラえもんの道具。タイムテレビがあった。
それは義雄がドラえもんの留守中にたまたま発見したものだった。
「さ、ドラえもんが来ないうちに速く!」
「何かわかったことがあったら言ってくれよ!」
その時の三人はすっかり出木杉に頼りっきりだった。
金尾がスイッチを押して、タイムテレビが起動した。
そこに写っていたのは朝の場面――のび太がドラえもんに起こされていた。
ポッポを見て驚くのび太。
「どうやら、この世界に始めてポケモンが現れたときのものらしいね」
出木杉は呟いていた。
やがて映像の中のドラえもんが、今ポケットを持ってないことを示した。
その後二人は部屋を出て、画面から消えた。
「ここまでなんだ……何かわかったことはある?出木杉?」
「…………」
「出木杉!? どうした?」
「ん、ああいや、なんでもないよ」
出木杉はそう答えた。
三人はその時、気づいていなかった。
出木杉が画面を見ながら、悪魔のような笑みを浮かべていたことに……
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三人は集会が無駄だったことに落胆していた。
結局いい案など何一つ思いつかないままである。
だが、三人が去り際に、好機は訪れた。
「やあ、みんな」
のび太の家の玄関があき、少年が現れる。
その姿に気づくと、三人は表情が徐々に変化していった。
落胆から、歓喜へと……
「出木杉!」
一番玄関に近かったズル木が口をあんぐり開ける。
「戻ってきてくれたのか?」
「ああ。でも、すぐに行かなきゃなんだ。
君たちに頼みがある。それを伝えにね」
出木杉は三人に説いた。
……その説明は、三人を驚愕させる。
「まさか、この現象を引き起こしたのが」
「あいつだなんて」
「これが真実なんだ」 出木杉は頷きながらはっきりと言う。
「そして、これから言うことを理解して実行してほしい」
出木杉はその計画を話し出した。
――半日ほどの修行で、ジャイアンはリオルの戦い方を把握していた。
朝が来て、ジャイアンはジムの前で立っている。
スズナが隣で、買いだめした道具を持っている。
「回復用の道具は買えるだけ買ったわ」 スズナが告知した。
「よし、じゃあ行くか」
ジャイアンはジムの扉を開けた。
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