扉。 その3 - (2007/02/04 (日) 20:57:00) の1つ前との変更点
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自分の装備を確認しよう。
ポケモン、ナビフォン、カードケースに、食料…
「準備…おっけー。」
私は立ち上がる。
この『島』での『条件』をクリアしなければならないから。
自分の家じゃない、空き家を出る。
やっぱり、気味の悪い街だ。人影が全くない、いわゆる“ゴーストタウン”。まぁ、これも
ゲームのプログラムだと思う。
唯一機能の働いていたポケモンセンターには、まだ誰も居なかった。
おそらく私が一番最初にここへ辿り着いたのだろう。
あの最初の島であの『祠』のすぐ側に出られたのも、よかったというべきなのか?
あの『巨大な何か』…
ソレに遭ってから、アイツは……。
あの時何が起こったのか、私にはサッパリわからなかった。
ただ、私は無事で、アイツは無事では済まなかった。それだけが私のわかる事。
この『プログラム』の性質からして、『1人で』行動している私の立場は
圧倒的に不利だろう。
そんな事を思いながら、この街に唯一いた人物から受け取った『カード』を見る。
このアイテムが、この島の『クリア条件』に関わってくる事はほぼ間違いない。
私は街の奥へと進んで、目的の地を探した。
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『オアシスの島』
そう書かれた古びた看板を見るのは、ここで二度目だ。
アメリカの西部を意識していたかのようなあの街の町並みと同じように、
荒れ果てた荒野。
1人、そんな荒野をコンパス片手に進んでいた時、ナビフォンが鳴った。
「最初の…脱落者か…」
会った事も無い参加者のリタイアを知らせるメールに、何故か胸が痛んだ。
しかし、私の胸にはある『疑問』が浮かんだ。
こんなに早く、『脱落』って有り得るのかな?だって…
その時、私の思考を邪魔するかのように、突如目の前に地響きと共に
一体のポケモンが現れた。
プログラムに入ってからは、初めてみるポケモンだ。
「これは…イワークね。」
巨大で、長く岩の連なった体。その巨体をくねらせ地面を揺らしながら、
イワークは開けた穴から飛び出し私に体当たりしてきた。
私はそれを回避する。こんな時、武道を習っていた事を幸いに思う。
イワークは地上では地中ほど早く動けない。その重量が自身の邪魔をするからだ。
私に回避され勢い余って地面に激突するイワークを尻目に、
腰についたモンスターボールを手に取る。
「いけっ!」そう言って私の投げたモンスターボールから飛び出すニョロモ。
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体長が8メートルを上回るイワークに対し、50センチ余りのニョロモは
見た目些か頼りない。
しかし、闘いならば話は違う。闘いは体の大きさでするものでは無い。
戦術でいくらでも有利に戦えるのだ。
「ニョロモ、辺り一面にみずでっぽう!」
ニョロモの口から勢いよく大量の水が飛び出す。
その攻撃でイワークはだいぶダメージを受け、
その周囲は水浸しになった。
私の反撃に怒り、イワークがニョロモにたいあたりを仕掛けようとする。
が、しかしイワークは思うように進めないようだ。
「泥で、滑るでしょう?」私は、イワークに諭すように話しかけてみた。
みずでっぽうで攻撃すると同時に、相手の足場を乱す。それだけで200キロ近い体重の
イワークの体は、泥に体をとられて素早い動きが出来ない。
「ニョロモ、さいみんじゅつ。」
地面でのたうつイワークに向かってさいみんじゅつを放ち、イワークを眠らせる。
リュックからボールを取り出し、眠っているイワークに投げ付けた。
その巨体が赤い光になってボールに納まる。ボールは何度か揺れ、そして止まった。
「イワーク、ゲットー。」
私に、新しい仲間が出来た。
さぁ、先を目指そう。
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