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のび太の冒険活劇 その3 - (2007/06/17 (日) 22:56:50) の1つ前との変更点

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[[前へ>のび太の冒険活劇 その2]] 「確かにこの辺りから聴こえたんだけど・・・よく見えないなぁ」 不思議な鈴の音に釣られて茂みを探しに来たのび太とエムリット。 だが、暗闇で地面は碌に見えない上に何時の間にかあの音も途絶えてしまった。 「結局何も無しか・・・やっぱゲームみたいに特別なイベントとか起こるわけないよね」 ゲームの世界でそう愚痴をこぼすのび太。 その落胆が引き金となったのか再びどうしようもない疲労と眠気、その他諸々の絶望感が彼を襲う。 「仕方ない、ここは大人しくコトブキシティに――いたたた、耳引っ張るなって!」 本日、エムリットから二度目の攻撃を受ける羽目になったのび太。 思わず肩に乗っているそれをのび太が睨み付ける。 「もう何だよ!どうせ此処には何も無いんだから・・・・」 のび太が突然口を閉ざした。 睨み付けたピンク海月が必死で何かを訴えているような表情をしていたからだ。 「・・・どうしても探さないと駄目なんだね?」 エムリットが大きく頷く。 それを見てのび太は暫く俯いていたがやがて顔を上げ、そして―― 「分かったよ・・・鈴の音の正体を突き止めればいいんだろ?」 そうのび太が言うなりエムリットが肩から飛び上がる。 その姿は伝説ポケモンと言うよりも純粋な子供のようだ。 だが、その姿が今ののび太には何処か嬉しかった。 「よ~し!こうなったら朝まで探してやるぞ!」 もはやヤケクソなのか吹っ切れたのかやる気の表情を見せるのび太 と、その直後。 ――リーン 鈴の音が闇の中で小さく鳴り響いた。 ---- 「はぁ・・・はぁ・・・!ったく、待ってよエムリット!」 音を聴いた瞬間、一直線にその方向へ向かっていくエムリットを追いかけるのび太。 そしてエムリットが止まった場所でのび太が見たものとは・・・。 「鈴?」 そこには大きな鈴らしき物が転がっていた。 「まさかとは思うけど・・・いや、まさかな」 恐る恐る鈴を持ち上げてみるのび太。 だが、次の瞬間。 「うわぁ、動いたぁ!」 思わずその鈴を放り投げそうになるのび太。 だが、不意にその鈴と『目』が合った時に彼は落ち着きを取り戻した。 リーシャン すずポケモン 跳ねるたびリリンと音を出す。高い周波数の泣き声で相手の耳を聞こえなくする 「リ-シャンか・・・可愛いポケモンだなぁ」 見たことの無い新ポケモンに興味津々ののび太。 だが、改めてリーシャンを観察しているうちに彼はある事に気付いた。 「こいつ、怪我してるじゃないか!」 暗くて気付かなかったが、リ-シャンの体にはあちこちに傷が付いており、今にも気絶してもおかしくない状態だった。 「一体なんでこんなボロボロに・・・ってそんな事言ってる場合じゃない!」 急いでリ-シャンを抱えて街へ行こうとするのび太。 と、エムリットが三度何かを言いたげにのび太のズボンを突っついて来た。 「何だよエムリット――あぁ、そういうことか!」 慌ててポケットを裏返すのび太。 そして出てきたのは・・・最後のモンスターボールだ。 流石にこれだけ至近距離ならボールを外すことも無い。 体力を失っているリ-シャンはあっさりとボールに吸い込まれていった。 「よし、それじゃあ急ぐよエムリット!」 そう言って遠くに見えるコトブキシティへ走り出すのび太。 ポケモンを捕まえるという当初の目標を達成できた事に彼が気付くのはリ-シャンをポケモンセンターに預けた時だった。 ---- ――翌日 「はい、昨日お預かりしたリ-シャンも元気になりましたよ!」 「ふぁ・・・ありがとうございましたぁ」 寝ぼけ眼でボールを受け取るのび太。 時刻は朝9時、ポケモンセンターのロビーは宿泊していたトレーナー達で賑わっていた。 (確か昨日はリーシャンを捕まえたあと、急いでポケモンセンターに行って・・・ボールを預けた後ここで寝ちゃったんだな) 普通は部屋を借りるものだが、ボール代に全財産をつぎ込んでしまったのび太にはそんな選択肢は無かった。 「・・・さて、どうしようか」 ポケモンセンターを出た後、のび太は考えていた。 一応ポケモンは二匹に増えたものの今の状況はかなり厳しい。 一匹はご存知眠ることが得意技 捕まえたばかりのリ-シャンでこの先を進むのは少し無謀な気がしてきたのだ。 「やっぱ、もう少しレベル上げとかをしようかな、それにこの街も大きいし何か見つかるかも・・・」 一見のび太の特性「なまけ」が発動したように見えるが彼なりに精一杯考えた結果だ。 ・・・昨日、短パン小僧にフルボッコにされたのがトラウマになっているというのもあるが。 「よ~し、ひとまず今日の予定はまず街をけんが――」 「野比くん・・・?野比くんじゃないか!」 のび太の声がピタリと止まった。 そしてゆっくり話しかけてきた人物の方を見る・・・。 「げぇ、出木杉!」 のび太が色んな意味で苦手な好青年、出木杉英才がそこにいた。 ----
[[前へ>のび太の冒険活劇 その2]] 「確かにこの辺りから聴こえたんだけど・・・よく見えないなぁ」 不思議な鈴の音に釣られて茂みを探しに来たのび太とエムリット。 だが、暗闇で地面は碌に見えない上に何時の間にかあの音も途絶えてしまった。 「結局何も無しか・・・やっぱゲームみたいに特別なイベントとか起こるわけないよね」 ゲームの世界でそう愚痴をこぼすのび太。 その落胆が引き金となったのか再びどうしようもない疲労と眠気、その他諸々の絶望感が彼を襲う。 「仕方ない、ここは大人しくコトブキシティに――いたたた、耳引っ張るなって!」 本日、エムリットから二度目の攻撃を受ける羽目になったのび太。 思わず肩に乗っているそれをのび太が睨み付ける。 「もう何だよ!どうせ此処には何も無いんだから・・・・」 のび太が突然口を閉ざした。 睨み付けたピンク海月が必死で何かを訴えているような表情をしていたからだ。 「・・・どうしても探さないと駄目なんだね?」 エムリットが大きく頷く。 それを見てのび太は暫く俯いていたがやがて顔を上げ、そして―― 「分かったよ・・・鈴の音の正体を突き止めればいいんだろ?」 そうのび太が言うなりエムリットが肩から飛び上がる。 その姿は伝説ポケモンと言うよりも純粋な子供のようだ。 だが、その姿が今ののび太には何処か嬉しかった。 「よ~し!こうなったら朝まで探してやるぞ!」 もはやヤケクソなのか吹っ切れたのかやる気の表情を見せるのび太 と、その直後。 ――リーン 鈴の音が闇の中で小さく鳴り響いた。 ---- 「はぁ・・・はぁ・・・!ったく、待ってよエムリット!」 音を聴いた瞬間、一直線にその方向へ向かっていくエムリットを追いかけるのび太。 そしてエムリットが止まった場所でのび太が見たものとは・・・。 「鈴?」 そこには大きな鈴らしき物が転がっていた。 「まさかとは思うけど・・・いや、まさかな」 恐る恐る鈴を持ち上げてみるのび太。 だが、次の瞬間。 「うわぁ、動いたぁ!」 思わずその鈴を放り投げそうになるのび太。 だが、不意にその鈴と『目』が合った時に彼は落ち着きを取り戻した。 リーシャン すずポケモン 跳ねるたびリリンと音を出す。高い周波数の泣き声で相手の耳を聞こえなくする 「リ-シャンか・・・可愛いポケモンだなぁ」 見たことの無い新ポケモンに興味津々ののび太。 だが、改めてリーシャンを観察しているうちに彼はある事に気付いた。 「こいつ、怪我してるじゃないか!」 暗くて気付かなかったが、リ-シャンの体にはあちこちに傷が付いており、今にも気絶してもおかしくない状態だった。 「一体なんでこんなボロボロに・・・ってそんな事言ってる場合じゃない!」 急いでリ-シャンを抱えて街へ行こうとするのび太。 と、エムリットが三度何かを言いたげにのび太のズボンを突っついて来た。 「何だよエムリット――あぁ、そういうことか!」 慌ててポケットを裏返すのび太。 そして出てきたのは・・・最後のモンスターボールだ。 流石にこれだけ至近距離ならボールを外すことも無い。 体力を失っているリ-シャンはあっさりとボールに吸い込まれていった。 「よし、それじゃあ急ぐよエムリット!」 そう言って遠くに見えるコトブキシティへ走り出すのび太。 ポケモンを捕まえるという当初の目標を達成できた事に彼が気付くのはリ-シャンをポケモンセンターに預けた時だった。 ---- ――翌日 「はい、昨日お預かりしたリ-シャンも元気になりましたよ!」 「ふぁ・・・ありがとうございましたぁ」 寝ぼけ眼でボールを受け取るのび太。 時刻は朝9時、ポケモンセンターのロビーは宿泊していたトレーナー達で賑わっていた。 (確か昨日はリーシャンを捕まえたあと、急いでポケモンセンターに行って・・・ボールを預けた後ここで寝ちゃったんだな) 普通は部屋を借りるものだが、ボール代に全財産をつぎ込んでしまったのび太にはそんな選択肢は無かった。 「・・・さて、どうしようか」 ポケモンセンターを出た後、のび太は考えていた。 一応ポケモンは二匹に増えたものの今の状況はかなり厳しい。 一匹はご存知眠ることが得意技 捕まえたばかりのリ-シャンでこの先を進むのは少し無謀な気がしてきたのだ。 「やっぱ、もう少しレベル上げとかをしようかな、それにこの街も大きいし何か見つかるかも・・・」 一見のび太の特性「なまけ」が発動したように見えるが彼なりに精一杯考えた結果だ。 ……昨日、短パン小僧にフルボッコにされたのがトラウマになっているというのもあるが。 「よ~し、ひとまず今日の予定はまず街をけんが――」 「野比くん・・・?野比くんじゃないか!」 のび太の声がピタリと止まった。 そしてゆっくり話しかけてきた人物の方を見る・・・。 「げぇ、出木杉!」 のび太が色んな意味で苦手な好青年、出木杉英才がそこにいた。 ----

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