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ビギナー その3 - (2007/01/01 (月) 10:03:18) の最新版との変更点
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シーギャロップ船内。
ドラえもん達は、自分達の部屋でくつろいでいた。
ジャイアン「それにしても…スゴいな、この船室は。」
ジャイアンが辺りを見渡しながら言う。
ふかふかのソファに、大きなテレビ、綺麗な浴室(これにはしずかが喜んだ。)船での長旅をするには充分時間を潰せる設備が、部屋には揃っていた。
リーフ「長旅にも出る船みたいだから、いろいろあるみたい。豪華さならサントアンヌと比べても負けないかもね。」
つい今し方部屋に帰って来たリーフが言う。
スネオ「あ、おかえりリーフちゃん。どこ行ってたの?」
リーフ「ちょっとコレをね…取りに行ってたの。」
リーフはそう言って、手に持っていた箱をみんなの前でひっくり返す。
バサバサと音をたてて中から出て来たのは、たくさんのお菓子だった。
リーフ「今はサービス期間中で、子供のトレーナーにはお菓子の詰め合わせが貰えるらしいの。」
ドラえもん「そっか、ドラ焼きあるかな…あれ、のび太くんは?一緒に行ったみたいだったけど…」
ドラ焼きを探しながら、ドラえもんが尋ねる。
リーフ「先に帰ったと思ったんだけど…あれ?帰ってないの?」
その頃のび太は
広い船内で、迷子になっていたのだった。
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のび太「僕だぢの部屋どごなのぉぉ?」
リーフとはぐれて、迷子になったのび太が泣きながら自分達の船室を探していると、長く狭い廊下、自分の後方で叫び声が聞こえた。
「泥棒だぁ!誰か!!」
のび太「ど、泥棒だってぇ!?」
のび太がその声に反応して振り向くと、荷物を持った太った男と、のび太とそう変わらない身長の男が走ってきた。
太った男「お前!そ、そこをどけぇぇ!」
汗だくで走ってくるその男にビビったのび太は、その場でしゃがんだ。
すると太った男はのび太を飛び越えようとしたが、飛距離が足りずのび太に引っ掛かって転倒してしまった。
しかし、小さな男は軽々とのび太達を飛び越え、
小さな男「ちっ!役立たずが!!おや…」
そう言って小さな男は、のび太をチラリと見ると、遠くへ走り去って行った。
後から来た警官に太った男は連れて行かれた。そのままその場を去ろうとしたのび太に、おじさんが話しかけてきた。
おじさん「ありがとう、君のおかげで大事な物を盗まれずに済んだよ。名前はなんて言うんだい?」
のび太「のび太ですけど…」
おじさん「のび太君というのか!ありがとう。感謝の印に、コレを受け取ってくれ。」
おじさんはそう言って、のび太に小型の黄色い機械をくれた。
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のび太「ありがとうございます!ところでコレ…」
のび太の言葉を遮って、おじさんが話し始めた。
おじさん「この機械はね、ポケナビといってだね。ホウエンの人々の間で使われている機械なんだ。
コレ一つで、ホウエンのマップ・通信機器、更にはポケモンのコンディションまで見れ、さらには(ry…という優れものなんだよ!
私達の会社で作っている自慢の商品さ。今日もいくつもあるから、君にあげよう!好きなだけ持って行くといいよ。」
おじさんはそう言って、取り返した荷物の箱からポケナビをいくつも出した。
のび太"いや、ポケナビはわかるんだけど…まぁいいや。"
のび太「あ、ありがとうございます!」
大切な物は取り返してくれたから持って行けと言ってくれたおじさんから、六つのポケナビを貰ったのび太。
おじさんに御礼を言い、ボーイさんに案内してもらってどうにか自分の船室に辿り着けた。
「社長!荷物は大丈夫でしたか?!」
のび太が去った後から、若い男性がやってきて、さっきのおじさんに話しかけた。
ツワブキ「あぁ、大丈夫だったよ。さぁ、部屋に戻るぞ。」
そして、船の倉庫─
あの小さな男が居た。
小さな男「まさか…この船に乗っていたとはな…フフフ」
男は、モンスターボールを片手に不気味に笑った。
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船室に戻ったのび太の持っていたものに、ドラえもん達は驚いた。
スネオ「コレ!ポケナビじゃないか!しかも六つも!」
ドラえもん「のび太くん、コレ一体どうしたんだい?」
みんなに喜んでもらってちょっぴりご満悦だったのび太は、みんなにさっきあった事を話した。
ジャイアン「ちぇっ、俺だったら二人ともギッタギタのメッタメタにしてやったのによー。」
ジャイアンが軽く傷害罪に問われそうな事を言っていると、それを華麗にスルーしたしずかが話しかけてきた。
しずか「ねぇのび太さん、コレをくれたそのおじさん、なんて名前なの?」
のび太はそう言われて気付いた。名前を聞いていない。
のび太「あ、聞くの忘れちゃった…」
やっぱりのび太、そこまで機転は利きません。
リーフ「あ、箱に名刺が入ってるよ…"デボンコーポレーション代表取締役 ツワブキ"って…デボンコーポレーションの社長じゃない!!」
代表取締役と聞いてもピンと来なかったのび太も、社長と聞いて驚いた。
のび太"あのおじさん、スゴい人だったのか。"
なんだかんだあって、船はカイナの港に到着した。
船を降りると、深い青に染まった空が船着き場の天窓から見えた。
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一向がオダマキ博士を探していたその時、のび太がある人物に気がついた。
のび太「あっ!あいつはあの時の泥棒!!」
のび太の視線の先、そこには黒いニット帽を深く被ったさっきの男が居た。
ジャイアン「泥棒だって?!取っ捕まえてやる!!」
のび太達に気付いたニット帽の男は、船着き場から飛び出して逃げて行った。
それをのび太とジャイアンとドラえもんが追いかける。
三人がニット帽の男を探して外に出ると、ニット帽の男はすぐ近くに居た。
帽子を深く被っているので目は見えないが、男の口は笑っていた。
ニット帽の男は手に持っていたボールから、ユンゲラーを繰り出した。そのユンゲラーの通常赤いはずの額の星は、真っ黒だった。
のび太達も応戦するため、ポケモンを繰り出す。イーブイ、ヨーギラス、ヒトデマンと数では上回っていたのだが。
ニット帽の男「……」
ニット帽の男がユンゲラーに何かを命じる。すると、イーブイとヒトデマンが何か見えない力に弾きとばされた。
のび太「イーブイ!」
ドラえもん「ヒトデマン!」
ジャイアンは急な出来事に驚いた。
ジャイアン「しまった!念力かっ!?」
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ジャイアンがイーブイ達に一瞬気を取られる。するとその瞬間─遠くにいたユンゲラーが一瞬にしてヨーギラスの目の前に現れた。
ジャイアン「し、しまった!テレポートか!」
気がついた時にはすでに遅く、ユンゲラーの冷凍パンチがヨーギラスを捕らえていた。
ジャイアン「ヨーギラス!」
効果抜群の一撃を食らったヨーギラスが、ジャイアンの方へすっ飛んでくる。
ジャイアン「ぬぉぉ!」
ヨーギラスの体重は70キロ以上。そんな大砲のような一撃を食らい、ジャイアンも船着き場の壁に叩き付けられた。
ドラえもん「ジャイアン!」
ドラえもんがジャイアンに駆け寄ろうとすると、後ろからのび太が叫んだ。
のび太「ドラえもん!危ない!」
ドラえもん「え…」
のび太の声にドラえもんが後ろを向くと、そこにはユンゲラーがいた。
ユンゲラーがドラえもんの腹部に手をかざす、するとその一部の空間だけが歪んだ。かと思うと、ユンゲラーはまたテレポートしてニット帽の男の元にいた。
のび太「ドラえもん!大丈夫!?」
ドラえもん「大丈夫…なんとも……無いっ!!」
のび太「ああっ!!」
男の手には─四次元ポケットが握られていた。
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ニット帽の男は、四次元ポケットを片手に不敵に笑う。
「 ま た な 」
男の口が確かにそう言っている。そして、男はユンゲラーと共に消えたのだった。
壁に叩き付けられたジャイアンを立たせ、三人はしばし呆然とする。
三対一と手数では有利だったにも関わらず、レベルに差があったとはいえ、楽に一蹴され─更にはポケットまで奪われた。
あの男が何故ポケットを奪って行ったのか、あの男は何者なのか。
今の三人には、考える事が多過ぎて頭を整理することは出来なかった。
その後オダマキ博士と合流したリーフ達ものび太達の元へ駆け付けた。
ドラえもんが今起こった事をありのまま説明し終えると、一向はとりあえずポケモンセンターでオダマキの話を聞く事になった。
ジョーイ「三匹お預かりします!」
あのユンゲラーの一撃を受けて瀕死になった三匹を預け、のび太達はオダマキの話を聞く。
オダマキが言うには、これからのび太達は、一度オダマキ博士のポケモンでミシロタウンへ向かう。
そしてミシロで一夜を過ごし、翌日オダマキと別れて旅立つ。
その予定だった。
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ジョーイ「お待たせしました!」
説明を受けてから10分後、のび太達がポケモンを受け取ると、オダマキのネイティオのテレポートですぐにミシロタウンに移動した。
ミシロタウン・オダマキ研究所
オダマキ「夜までは自由にしてていいよ。あまり遠くには行かないようにね。」
オダマキがそう言うと、ジャイアンが真っ先に研究所から飛び出して行った。
"アイツ…次見つけたら絶対叩きのめしてやる!!"
ジャイアンの頭にはそれしかなかった。あのニット帽の男への復讐心を燃やしている。
ジャイアン「絶対強くなるぞ!ヨーギラス!」
そしてジャイアンとヨーギラスは、その辺にいたジグザグマやポチエナと片っ端から戦い続けたのだった。
ジャイアンが飛び出してすぐに、
のび太「ドラえもん!僕たちも行こう!」
ドラえもん「僕はちょっと考え事があるから…」
のび太もドラえもんと外へ行こうと思い誘ったが、ドラえもんはそう言ってどこかへ行ってしまったので、仕方なく一人ですぐそこの草むらに向かった。
のび太"強くならなきゃ…"
ユンゲラーを相手に一瞬でやられたのび太もまた、強くなろうと決心していた。
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のび太「イーブイ、体当たりだ!」
のび太とイーブイは、とりあえず怖そうなポチエナからは逃げて、草むらでジグザグマとばかり戦っていた。
のび太「ふう…結構倒したね。よくやったぞ、イーブイ!」
のび太がイーブイを撫でると、イーブイは嬉しそうだった。イーブイも少し疲れが溜まったようだし、のび太も疲れたのでポケモンセンターに入る。
ジョーイさんにイーブイを預けて待っていると、入口からリーフが入って来た。
リーフがのび太に気がつくと、のび太のいるソファの所へやってきた。
リーフ「どう?のび太くん、レベル上げは順調?」
のび太「うん!レベルも8まで上がったし、今ならリーフちゃんにだって勝てるかもね!」
のび太が笑いながらそう言うと、
リーフ「へぇ…じゃあ勝負してみようか!」
とリーフが勝負を申し込んで来た。
ジョーイさんからイーブイを受け取り、近くの広場で勝負の準備をする。
リーフ「それじゃあ行くよ…ストライク!」
リーフがそう言って繰り出したのはストライク。
緑のボディに、両手の鎌が見るからに強そうだ。
のび太「よし、行けっ!イーブイ!」
この勝負が、のび太が初めて体験するリーフとのポケモンバトルだった。
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のび太対リーフのバトルが始まった。
先手をうったのはリーフ。
リーフ「ストライク、睨み付ける!」
リーフの声で、ストライクがイーブイを睨み付けて防御力を下げる。
のび太「イーブイ、体当たりだ!」
イーブイが走ってストライクに体当たりし、ストライクにダメージを与える。しかし、リーフは動揺せずに次の命令を出す。
リーフ「ストライク、影分身!」
のび太「回避率をあげたな…よし!イーブイ、片っ端から体当たりだ!」
のび太の命令通りに、イーブイは体当たりを放つ。しかし、攻撃が命中したのは分身だった。
のび太「ハズレか!」
リーフ「残念だったね!ストライク、今のうちに気合溜めで集中して!」
沢山のストライクが、張り切って鎌を研ぐ。
イーブイはストライクに怯えてしまっている。
のび太「頑張れイーブイ!もう一度体当たりだ!」
しかし、またしても攻撃は分身に当たった。
その時、体当たりした直後でスキだらけの瞬間をリーフは見逃さなかった。
リーフ「チャンスよ!電光石火!」
スキだらけのイーブイに、横からのストライクの高速攻撃がクリーンヒットする。たったその一撃で、勝敗は決定したのだった。
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のび太「イーブイ!」
のび太が、戦闘不能になってしまったイーブイに駆け寄る。
そこへ、ストライクをボールに戻したリーフがやってきた。
のび太「やっぱ…リーフちゃんは強いや。いつの間にレベル上げしてたの?」
のび太が少し悔しそうに聞くと、リーフはサラリと言った。
リーフ「ストライクのレベルは5だったよ。今のバトルでレベル6に上がったけどね。」
リーフのその言葉に、のび太が面食らっていると、リーフは続けて言った。
リーフ「ハッキリ言わせて貰うとね、のび太くんの戦い方は攻撃だけだからスキだらけなの。」
攻撃しなきゃ、勝てないじゃないか─のび太がそう思っていると、リーフは心を読んだように言った。
リーフ「確かに攻撃技は重要だけど…バトルでは、自分が有利に戦えるような補助技も同じくらい重要なんだよ。」
リーフはそこまで言うと、研究所に戻ると言ってセンターを出て行った。
その後のび太は、受付で回復の終わったイーブイを受け取ってソファに座り直し、ジッとボールを見つめていた。
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のび太とリーフのバトルが終わって少し経ち、のび太達一向はオダマキ研究所の二階で今後の事を話していた。
のび太「これから僕らはどうすればいいの?」
のび太がそう切り出すと、リーフが言った。
リーフ「マユミさんからの情報によると、ロケット団はサイユウシティの方角へ飛んで行ったらしいの。」
スネオ「サイユウって…ポケモンリーグのある場所だよね?」
リーフ「そうよ。でも"サイユウで見た"訳じゃないから確定はしていないんだけど。今はこれだけしか情報は無いから…とりあえずサイユウ向かうしかないの。」
ジャイアン「でもよ、サイユウシティに行くにはでっけぇ滝を登らなきゃ行けないんだろ?」
そう。サイユウシティは孤島にあり、そのサイユウシティに入るにはとても大きな滝を登らなければならない。
リーフ「私は秘伝マシンは持っているから…水ポケモンさえ居れば行けると思ってたんだけどね。
…どうやらカントーのバッチじゃホウエンでは、全ての秘伝技は使えるようにはならないみたい。やっぱりトレーナーの記録自体違うから、この地方じゃ私も駆け出しの扱いみたいだね。」
リーフはちょっと残念そうに苦笑いした。
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リーフを含めのび太達は、カイナのポケモンセンターでトレーナー情報をホウエン仕様に書き替えた。
だからリーフもみんなバッチはゼロだ(リーフ以外は元からゼロだが)。
リーフ「とりあえず、サイユウに向かうには各地でジム戦をして秘伝技を使えるようにならなきゃね。」
そこでしずかが嬉しそうに言った。
しずか「それじゃあ…私達も旅が出来るって事?」
リーフ「そうだよ。そしてこれは私のワガママなんだけど…私は一人で旅をしようと思うの。いろいろとやらなきゃいけない事もあるしね。」
その言葉に、ジャイアンが続いた。
ジャイアン「俺も一人で行くぜ。どうせ強くならなきゃいけねぇんだ…一人のほうがいい。」
元の世界では、いつもスネオを側近に置いて大将のポジションに居たジャイアンから予想外の言葉が飛び出した。
そして、更に予想外の言葉をはいたのはのび太だった。
のび太「僕も一人で行くよ。」
のび太の言葉に、スネオもしずかも驚いた。
しずか「のび太さんまで…大丈夫なの?」
しずかもさすがに心配そうだ。あの情けないのび太の口から、一人旅発言など想像もしていなかった。
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そして、それはスネオも同じだった。
野生児ジャイアンはともかく、ノロマなのび太すらも一人旅を決意している。
スネオも決意を固めた。
スネオ「…僕も一人で行くよ。手数は多いほうがいいんだろう?」
スネオはリーフに話を振る。
リーフ「スネオくん、冴えてるね。そう、手数は多ければ多いほどいいの。」
その言葉の意味を、しずかはよく理解出来なかった。
しずか「それってどういう事?」
スネオ「情報が少な過ぎるからだよ、しずかちゃん。今僕達にある手掛かりはサイユウシティが怪しいって事だけでしょ?」
しずか「そうね…」
リーフ「だけど、手数が多ければいろいろなトレーナーから情報が聞ける分、手掛かりが増える。今は…少しでも手掛かりがいるから。」
ジャイアン「それならみんなのポケモンも自然と強くなるしな。ジムリーダーとかロケット団と戦うなら、強くならないと…」
ジャイアンの頭の中からは、ニット帽の男が離れていなかった。
しずか「それじゃあ私も頑張らないといけないわね。」
リーフ「それじゃあ満場一致で、それぞれ一人旅って事で!」
みんなの頭から、ドラえもんは消えていましたとさ。
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その後二階に来たドラえもんにも同じ話をして、本当に満場一致で各自の一人旅が決定した。
それから、リーフから旅の基本的な知識を教わり、のび太の貰ったポケナビで旅の途中に何か手掛かりがあったら連絡を取る事にして、眠りについた。
そして翌朝
オダマキ「それじゃあみんな!頑張っておいで!」
オダマキには、ロケット団の事は話していない。ただ"ポケモンリーグに挑戦したいから旅に出る"と言ってある。
リーフ「はい、それじゃあ行って来ます!」
みんなはオダマキに礼を言って、ミシロタウンを出発した。
ミシロタウンを離れ、今はコトキタウンのポケモンセンター前。
リーフ「それじゃあ…ここでみんな別れようか。」
ジャイアン「そうだな、それじゃあ俺は行くぜ。みんな達者でな。」
ジャイアンはそう言って103番道路の方へ向かった。
スネオ「僕も。もう行くよ。」
スネオも近くの住宅地の方へ行った。
しずか「私は…もうちょっと101番道路でレベル上げするわ。じゃあね。」
しずかは今来た道の方へ行った。
リーフ「じゃあ…私ももう行くね。頑張って!」
リーフも近くにあったフレンドリィショップへ入って行った。
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そうして、今その場に残っているのはのび太とドラえもんだけになった。
のび太「それじゃあ…僕らも。」
のび太がそう言って歩き出してすぐ、ドラえもんが呼び止めた。
ドラえもん「のび太くん!」
のび太「何?ドラえもん。」
ドラえもん「気をつけてね…ポケモンに襲われたり…お金落としたり…迷子になったり…それから…」
ドラえもんが次々言っていると、のび太が話を止めた。
「ドラえもん。大丈夫だよ…僕、頑張るからさ。
ドラえもんこそ…ねずみポケモンにびっくりして気絶したりするなよ…それじゃあ、僕もう行くね。ばいばい!」
のび太は、一度も振り替える事なく走り去って行った。
そんなのび太に、ドラえもんは大きな成長を感じていた。
ドラえもん"のび太くん…立派になって…"
ドラえもん「僕も…行かなきゃ。」
ドラえもんは、道を聞くためポケモンセンターに入った。
こうして六人は、それぞれの旅路を歩み出したのだった。
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@のび太
ドラえもんと別れたのび太は、103番道路を歩いていた。
のび太「始めのジムは…確かカナズミだっけ。」
のび太はポケナビのタウンマップを見て確認して歩いていると、急に呼び止められた。
「そこの君、トレーナーでしょ?あたしとバトルよ!」
声の主は池のほとりにいた女トレーナーだった。
のび太「え、僕に言ったの?」
女トレ「当たり前でしょ?あなたに言ったのよ。」
のび太「そっか…わかった!バトルしよう!」
こうしてのび太のバトルが始まった。
のび太「イーブイ!」
のび太がイーブイを繰り出すと、トレーナーはポチエナを繰り出した。
女トレ「ポチエナ、体当たりよ!」
のび太「イーブイ、砂かけで命中率を下げるんだ!」
イーブイが地面の砂を蹴り、ポチエナの顔面めがけて飛ばす。
顔に砂がかかって前が見えなくなったポチエナの体当たりを、イーブイは容易く回避した。
のび太「そこだ!体当たり!」
イーブイがポチエナに体当たりすると、ポチエナは少し飛ばされた。
女トレ「くっ…ポチエナ、体当たり!」
のび太「遅いね。もう一度体当たりだ!」
ポチエナが体制を立て直すより早く、イーブイがとどめを差した。
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女トレ「ポチエナ!」
トレーナーの呼び掛けも届かず、ポチエナは戦闘不能となった。
女トレ「私の負けね…戻って、ポチエナ。」
トレーナーはポチエナをボールに戻すと、のび太に賞金を渡してポケモンセンターへ向かって行った。
のび太「やったね!イーブイ。僕たちのバトル初勝利だ!」
のび太はトレーナーとのバトルで勝ったのは初めてだった。
その初勝利の後、そこら辺のトレーナー達と沢山戦ったが、相手のレベルも低くて順調に勝ち続けてレベル上げ、賞金稼ぎをしながらトウカシティへと足を進めた。
そして、イーブイのレベルが10を超えた頃─
のび太「ここがトウカシティか…コトキタウンより広いみたいだなぁ。」
のび太は、トウカシティへ一番に辿り着いたのだった。
町に入ってすぐそこにあるポケモンセンターで、イーブイを預けて体力を回復させる。
イーブイの回復を待つ間、のび太は二階で軽食をとった(トレーナーはセンター内の飲食や施設の利用は無料)。
腹を満たして一階に降りると、イーブイの回復は終わっていた。
のび太は、今日のところはここのポケモンセンターに泊まる事にして、近くの草むらでレベル上げに励む事にしたのだった。
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@スネオ
スネオはみんなと別れた後、ひとまず情報収集を行なっていた。
怪しい人物を見掛けなかったかどうか辺りの人に聞いてまわってはみたものの、手掛かりになりそうな情報は何もなかった。
スネオ「ふぅ…小さな町だから大して情報も得られなかったなぁ。」
ポケモンセンターで休憩しながら、スネオはこれからの事を考えていた。
スネオ"いつ迄もここに居たってしょうがない。とりあえず先に進もう…"
スネオも102番道路を進み、トウカシティを目指した。
スネオ「ロコン、火の粉だ。」
しょっちゅう飛び出してくるタネボーやハスボーを火の粉で退けて進み、トレーナーとも戦いながらトウカシティへ辿り着いた。
スネオ「とりあえず、まずは回復だな。」
スネオはポケモンセンターに入る。そしてロコンを預けて、その待ち時間で隣りのフレンドリィショップに入る。
スネオ"確か次はトウカの森を抜けるんだよなぁ…"
スネオは、ゲームの知識を頼りに傷薬、毒消しや麻痺直しを買っておいた。
スネオ"ゲームと同じようには行かないだろうな…町みたいに、森も広いはずだ…"
一通りの支度を整え、スネオはポケモンセンターに戻って行った。
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@ジャイアン
ジャイアン「ヨーギラス!噛付く!」
スネオがトウカシティに着いた頃、未だにジャイアンはレベル上げの為103番道路とポケモンセンターの往復を繰り返していた。
そしてたった今、またジグザグマを倒してヨーギラスのレベルが上がったのだった。
ジャイアン「だいぶ強くなったけど…もうここじゃ物足りないな。欲しいヤツも居ないし、先に進もうか…」
ジャイアンはポケモンセンターに居た。
回復も買い物も済ませ、そして準備万端で102番道路を進もうとした時、後ろから急に名前を呼ばれた。
「タケシさん!」
ジャイアンが後ろを振り向くと、そこにはしずかが立って居た。
ジャイアン「あぁ、しずかちゃん。しずかちゃんもまだここに居たんだ。」
しずか「えぇ、ちょっとレベル上げしてたの。ラッキーもだいぶ強くなったわ。」
しずかが意味有りげに笑う。
ジャイアン「バトル…しようぜ。俺達はトレーナーなんだしよ。」
しずか「話が早くてよかった。それじゃあ…一対一ね!」
ジャイアン「おう!望むところだ!行けっ、ヨーギラスっ!」
しずか「頑張って、ラッキー!」
互いに充分育てた相棒を繰り出し、バトルが始まった。
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@しずか
しずか"相手は充分育ったヨーギラス…不足はないわね。"
しずか「ラッキー!地球投げ!」
ヨーギラスより断然素早いラッキーがヨーギラスに掴みかかり、そのまま後方へ投げ飛ばす。
ジャイアン「ちいっ、遺伝技か…ヨーギラス!砂嵐だ!」
ジャイアンが命じてすぐ、辺りでは砂嵐が吹き荒れ始めた。砂嵐がラッキーにダメージを与える。
しずか「大したダメージじゃないわ…ラッキー、往復ビンタ!」
ラッキーの往復ビンタが、ヨーギラスに4発ヒットしたが、ヨーギラスは全然ダメージを受けていない。
ジャイアン「へっ、攻撃が甘いぜ。攻撃ってのはこうやるんだ!ヨーギラス、踏み付けろ!」
ヨーギラスが飛び上がり、ラッキーを頭上から踏み付ける。この一撃は相当効いている。
しずか"とりあえず回復しなきゃ…"
しずか「ラッキー、卵産み!」
ジャイアン「しまった、回復技か!」
ラッキーの体力はあっという間に回復していった。
しずか「残念だったわね、タケシさん。とどめよ!地球投げ…いない?!」
ヨーギラスはフィールドから姿を消していた。
砂嵐の中いくらしずかが探しても、地上にヨーギラスは居なかった。
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しずか「まさか…ラッキー、下よ!」
ジャイアン「気付くのが遅いぜ!行けっ、ヨーギラス!」
地中からヨーギラスが現れ、ラッキーに後ろから勢いよく体当たりする。
しずか「穴を掘るで隠れていたのね…」
ジャイアン「遺伝技があるのはそっちだけじゃねえんだぜ!」
ジャイアンは、卵産みの瞬間ヨーギラスに咄嗟に穴を掘らせていたのだった。
その一撃で、ラッキーはだいぶ弱っている。
しずか「また回復させるわ、卵産み!」
ラッキーの体力がまた回復するが、先ほどまでの回復量ではなかった。
ジャイアン「ヨーギラス!これで決めろよ。瓦割りだ!」
ヨーギラスの最後の切り札、瓦割りがラッキーに命中する。効果は抜群だ。
しずか「そんなっ!ラッキー!」
ジャイアン「遺伝してたのは穴を掘るだけじゃなかったんだよ。産みの親に感謝、だな。」
そうしてラッキーは戦闘不能になり、ジャイアンは勝利を納めたのだった。
ジャイアン「しずかちゃん、楽しかったぜ!」
しずか「あたしこそ、いい勝負が出来てよかったわ。ありがとう。」
そしてポケモンを回復させた二人は、ジャイアンはトウカシティへ向かい、しずかはポケモン探しのため互いに別れていった。
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@ドラえもん
ジャイアンとしずかが出会った頃、ドラえもんは未だにポケモンセンターに居た。
"確かにあの時あいつは、またなって言っていた…"
ジョーイさんに道は聞いたので、トウカシティを抜けてカナズミを目指せばいいのはわかった。
しかし、ドラえもんの頭からはニット帽の男の事が離れていなかった。
"あいつは、僕たちの事を知っているのかな…そして、四次元ポケットの事も…"
ドラえもんの頭に一番引っ掛かっていたのはその四次元ポケットの事だった。
ドラえもんはホウエンに来て一度も四次元ポケットを使っていなかった。
ホウエンで初めて会った人物がポケットの事を知っているはずがない。
"じゃあなんで…"
謎だらけのループにハマってしまっているドラえもんが顔をあげると、二階からリーフが降りてきたのに気がついた。
ドラえもん「あ、リーフちゃん!」
リーフ「あーっ、ドラちゃん!ここで何してたの?」
リーフは手を振りながらドラえもんに駆け寄ってきた。
ドラえもん「ちょっと考え事をね…リーフちゃんは?」
リーフ「私はね、ちょっと二階に用があって。その用事を済ませたトコなの。」
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そう言ったリーフはどこか満足そうだった。
リーフ「あ…私、そろそろ行かなきゃ!ドラちゃん、またね!」
ドラえもん「うん、ばいばい!」
リーフは、ポケモンセンターを出て行った。
ドラえもん「僕もいつまでもここに居たってしょうがないよな…レベル上げして次の町に進もう。」
ドラえもんもリーフを追うようにポケモンセンターを出た。
ドラえもん「ヒトデマン、水鉄砲だ!」
102番道路のポケモンやトレーナーを倒しているうちに、ヒトデマンのレベルは上がっていた。
ドラえもん「そろそろトウカシティに着くと思うんだけど…あ、見えてきた!」
ドラえもんの視線の先に、コトキタウンよりも大きな町トウカシティが見えた。
"思ってたより長かったなあ…ゲームやってる時はあっという間だったんだけど…"
102番道路を進んでいる時、モンスターボールを投げ付けられたのは胸の奥にしまって、ドラえもんはポケモンセンターへ向かった。
ホウエンは自然が豊かな地域という話をオダマキから聞いていた。
ポケモンセンターを目指しながらこの町の綺麗な空気を吸って、それを実感したドラえもんだった。
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@リーフ
リーフ「む~…ふひほひふはははふひひひぃは"次のジムはカナズミシティか"…」
リーフは102番道路にあったベンチに座り、買っておいたパンを口いっぱいに頬張りながらポケナビを見た。
"この辺のポケモンは一通り捕まえたし、コトキのショップで道具も揃えた…それに…"
リーフは腰につけていたモンスターボールに目をやる。
リーフ「最初の課題もクリアしたしね。おっけー、問題ナシと!」
リーフは立ち上がり、走ってトウカシティへ向かった。これまでの旅で身につけた体力と足の早さで、すぐにトウカシティに到着する。
そして一時間ほどを情報収集に費やし、すぐにトウカシティを出発した。
リーフ「あそこがトウカの森かぁ…いいポケモンいるかなぁ。」
リーフは砂浜を駆け抜け、一人トウカの森を目指して行った。
その途中、一軒だけ海沿いに立つ小屋が目についた。
"船…持ってるんだ。"
小屋の前にある、木造の短い桟橋に船が泊まっていた。
その船を見ていたとき、森の入口の近くにいたトレーナーに声をかけられた。
トレ「そこの君!僕と勝負しようではないか!」
リーフはフと笑い、返事を返す。
リーフ「いいけどさー、あたし強いよ~!!」
リーフはそう言って笑い、トレーナーの元へ駆けて行ったのだった。
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@のび太
翌朝
昨日でレベル上げを済ませたのび太は、トウカの森を進んでいた。
木々の間から漏れてくる光も少なく、森の中は薄暗い。
のび太「薄気味悪い森だなぁ…」
一人でそんな事を呟いた時、歩いていたのび太は落ち葉の中に居た何かを蹴ってしまった。
のび太「うわぁっ!なんだ!?」
のび太は蹴ってしまった何かをじっと見る。そこには、一匹のポケモンが居た…というかひっくり返っていた。
のび太「これは…キノココ?」
のび太は、ひっくり返って短い足をバタバタさせているキノココに近付いた。
するとキノココは急に起き上がりのび太に体当たりしてきた。
のび太「おふぅっ!」
のび太は後ろに尻餅をついてしまう。
のび太「なんだコイツ…やるならやるぞ!行けっイーブイ!」
のび太はイーブイを繰り出すと同時に、攻撃を命じる。
のび太「体当たり!」
目標を確認したイーブイが、真っ直ぐ走って行ってキノココに体当たりすると、キノココはコロコロと転がって、木の根元にぶつかってしまった。
しかし、それっきり動かない。気絶してしまったようだ。
のび太「あれ?なんか呆気ないけど…ゲットしとこうか…」
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のび太は、持っていたモンスターボールをキノココに投げ付ける。
キノココを吸い込んだボールが何度か揺れて、そして動かなくなった。
のび太「やった!キノココゲットだぁ!」
こうしてのび太に、二匹目の仲間が出来たのだった。
しかし、イーブイの様子がおかしい事にのび太は気付いた。
のび太「イーブイ…どうしたんだ?」
この時イーブイは、キノココの胞子で毒を受けていた。のび太がそれに気付いたのは、ポケモン図鑑でイーブイの状態を確認した時だった。
のび太「どうしよう…毒消し、持ってないや…」
のび太がおろおろしていると、茂みから何かが近付いて来た。
のび太「あわわわ、戦えないよ…どうしよう…」
そして茂みから出て来たのは
のび太「うわぁっ…ってスネオ?」
同じく森を進んでいたスネオだった。
スネオ「よぅのび太。お前もここにいたのか。悪いけど戦えないよ、ロコンは…」
のび太「スネオ!毒消し持ってない?」
スネオは急にのび太に迫られ、少々たじろいだ。
スネオ「毒消し…あぁ、持ってるよ、ほら。」
スネオがリュックから毒消しを取り出して、のび太に渡す。
のび太「ありがとう、スネオ!」
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@スネオ
のび太は目の前でイーブイに毒消しを使った。
のび太「助かったよ、ありがとう。」
スネオ「あぁ…おっ、オレンの実見っけ。」
スネオは足下に落ちていたオレンを拾いあげ、ロコンをボールから出して食べさせた。
スネオ「これで借し1な。」
スネオ"ここで借し作っとけば、後々便利だしな。"
スネオとのび太がこんな会話をしていると、森のどこかから叫び声が聞こえてきた。
「誰か助けてくれえぇ!」
その声に、のび太が素早く反応する。
のび太「向こうからだ!スネオ、行ってみよう!」
そう言ってのび太は茂みの向こうに駆けて行った。
スネオ"あいつ…こっち来てなんとなく…まぁいいか。"
スネオは頭の中でのび太の変化について少し考えようとしたが、今は声の元へ急いだ。
スネオが走って森の少し開けた場所へ着くと、そこには森に似つかわしくないスーツの男性が、赤装束の二人組に囲まれていた。
スーツ「そっ、そこの君達!助けてくれぇ!」
赤装A「ちっ、ガキか!」
赤装束の男達は、男性の持っていた封筒を奪おうとしている。
スネオ"こいつら…マグマ団か!"
赤装束B「邪魔するなら…やっつけてやる!」
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こうしてのび太・スネオ対マグマ団二人組のバトルが始まった。
のび太「頑張れ!イーブイ!」
スネオ「頼んだぞ、ロコン!」
そして対するマグマ団はポチエナとズバットを繰り出す。
のび太「スネオ、そっちはズバットをお願い!」
スネオ「へっ!任せろ!」
マグマ団A「ガキめ、大人をなめるなよ!ポチエナ、遠吠えだ!」
のび太「イーブイ、砂かけで目眩ましだ!」
マグマ団B「後悔すんなよ!ズバット!超音波だ!」
しかし、ズバットは言うことを聞かない。
マグマ団B「どうしたズバット!」
スネオ「へへ…怪しい光ですぐに混乱させてたのさ。」
マグマ団B「何!くそっ、ズバット!言う事を聞け!吸血だ!」
しかし、焦るマグマ団Bとは裏腹にズバットは自分を攻撃している。
スネオ「今だ!ロコン、火の粉!」
火の粉の一撃でズバットは倒れた。
スネオ「ははん、後悔したのはそっちだったね!」
そして、スネオが勝負を決めた時同時にのび太もポチエナを倒したところだった。
マグマ団B「ちっ…引き上げるぞ!」
戦えなくなったマグマ団はポケモンを戻して走り去った。
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スーツ「君達ありがとう!これは大事な書類でね…助かったよ。それじゃあ急いでるから僕はこれで!」
男性は二人に礼を言って去って行った。
スネオ「あいつら…マグマ団だったな。」
のび太「ええっ!そうだったの?」
スネオ「お前気付いてなかったのかよ…」
のび太は男性を助けるのに夢中でマグマ団の正体に気がついていなかった。
スネオ「やっぱりのび太はのび太だな…」
スネオはあきれて溜め息をつく。
スネオ「あいつら逃げて行ったけど…まぁこれから先、気をつけろよ。」
のび太「うん…わかった。スネオもね。」
スネオ「のび太に心配されるほど僕は弱くないさ。じゃあ…僕は先に行かせて貰うよ。じゃあな。」
スネオはそう言って先へ行った。
のび太「はぁ…疲れた。」
スネオと別れてしばらく、のび太は森を歩き続けていた。すると、急に森が開けて目の前に大きな池が現れた。
のび太「やった!森を抜けたんだ!」
のび太は新しい仲間も増やし、カナズミシティの目前まで迫っていたのだった。
のび太の状況
手持ち:イーブイ・キノココ
トウカの森を抜けたところ。
シーギャロップ船内。
ドラえもん達は、自分達の部屋でくつろいでいた。
ジャイアン「それにしても…スゴいな、この船室は。」
ジャイアンが辺りを見渡しながら言う。
ふかふかのソファに、大きなテレビ、綺麗な浴室(これにはしずかが喜んだ。)船での長旅をするには充分時間を潰せる設備が、部屋には揃っていた。
リーフ「長旅にも出る船みたいだから、いろいろあるみたい。豪華さならサントアンヌと比べても負けないかもね。」
つい今し方部屋に帰って来たリーフが言う。
スネオ「あ、おかえりリーフちゃん。どこ行ってたの?」
リーフ「ちょっとコレをね…取りに行ってたの。」
リーフはそう言って、手に持っていた箱をみんなの前でひっくり返す。
バサバサと音をたてて中から出て来たのは、たくさんのお菓子だった。
リーフ「今はサービス期間中で、子供のトレーナーにはお菓子の詰め合わせが貰えるらしいの。」
ドラえもん「そっか、ドラ焼きあるかな…あれ、のび太くんは?一緒に行ったみたいだったけど…」
ドラ焼きを探しながら、ドラえもんが尋ねる。
リーフ「先に帰ったと思ったんだけど…あれ?帰ってないの?」
その頃のび太は
広い船内で、迷子になっていたのだった。
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のび太「僕だぢの部屋どごなのぉぉ?」
リーフとはぐれて、迷子になったのび太が泣きながら自分達の船室を探していると、長く狭い廊下、自分の後方で叫び声が聞こえた。
「泥棒だぁ!誰か!!」
のび太「ど、泥棒だってぇ!?」
のび太がその声に反応して振り向くと、荷物を持った太った男と、のび太とそう変わらない身長の男が走ってきた。
太った男「お前!そ、そこをどけぇぇ!」
汗だくで走ってくるその男にビビったのび太は、その場でしゃがんだ。
すると太った男はのび太を飛び越えようとしたが、飛距離が足りずのび太に引っ掛かって転倒してしまった。
しかし、小さな男は軽々とのび太達を飛び越え、
小さな男「ちっ!役立たずが!!おや…」
そう言って小さな男は、のび太をチラリと見ると、遠くへ走り去って行った。
後から来た警官に太った男は連れて行かれた。そのままその場を去ろうとしたのび太に、おじさんが話しかけてきた。
おじさん「ありがとう、君のおかげで大事な物を盗まれずに済んだよ。名前はなんて言うんだい?」
のび太「のび太ですけど…」
おじさん「のび太君というのか!ありがとう。感謝の印に、コレを受け取ってくれ。」
おじさんはそう言って、のび太に小型の黄色い機械をくれた。
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のび太「ありがとうございます!ところでコレ…」
のび太の言葉を遮って、おじさんが話し始めた。
おじさん「この機械はね、ポケナビといってだね。ホウエンの人々の間で使われている機械なんだ。
コレ一つで、ホウエンのマップ・通信機器、更にはポケモンのコンディションまで見れ、さらには(ry…という優れものなんだよ!
私達の会社で作っている自慢の商品さ。今日もいくつもあるから、君にあげよう!好きなだけ持って行くといいよ。」
おじさんはそう言って、取り返した荷物の箱からポケナビをいくつも出した。
のび太"いや、ポケナビはわかるんだけど…まぁいいや。"
のび太「あ、ありがとうございます!」
大切な物は取り返してくれたから持って行けと言ってくれたおじさんから、六つのポケナビを貰ったのび太。
おじさんに御礼を言い、ボーイさんに案内してもらってどうにか自分の船室に辿り着けた。
「社長!荷物は大丈夫でしたか?!」
のび太が去った後から、若い男性がやってきて、さっきのおじさんに話しかけた。
ツワブキ「あぁ、大丈夫だったよ。さぁ、部屋に戻るぞ。」
そして、船の倉庫─
あの小さな男が居た。
小さな男「まさか…この船に乗っていたとはな…フフフ」
男は、モンスターボールを片手に不気味に笑った。
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船室に戻ったのび太の持っていたものに、ドラえもん達は驚いた。
スネオ「コレ!ポケナビじゃないか!しかも六つも!」
ドラえもん「のび太くん、コレ一体どうしたんだい?」
みんなに喜んでもらってちょっぴりご満悦だったのび太は、みんなにさっきあった事を話した。
ジャイアン「ちぇっ、俺だったら二人ともギッタギタのメッタメタにしてやったのによー。」
ジャイアンが軽く傷害罪に問われそうな事を言っていると、それを華麗にスルーしたしずかが話しかけてきた。
しずか「ねぇのび太さん、コレをくれたそのおじさん、なんて名前なの?」
のび太はそう言われて気付いた。名前を聞いていない。
のび太「あ、聞くの忘れちゃった…」
やっぱりのび太、そこまで機転は利きません。
リーフ「あ、箱に名刺が入ってるよ…"デボンコーポレーション代表取締役 ツワブキ"って…デボンコーポレーションの社長じゃない!!」
代表取締役と聞いてもピンと来なかったのび太も、社長と聞いて驚いた。
のび太"あのおじさん、スゴい人だったのか。"
なんだかんだあって、船はカイナの港に到着した。
船を降りると、深い青に染まった空が船着き場の天窓から見えた。
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一向がオダマキ博士を探していたその時、のび太がある人物に気がついた。
のび太「あっ!あいつはあの時の泥棒!!」
のび太の視線の先、そこには黒いニット帽を深く被ったさっきの男が居た。
ジャイアン「泥棒だって?!取っ捕まえてやる!!」
のび太達に気付いたニット帽の男は、船着き場から飛び出して逃げて行った。
それをのび太とジャイアンとドラえもんが追いかける。
三人がニット帽の男を探して外に出ると、ニット帽の男はすぐ近くに居た。
帽子を深く被っているので目は見えないが、男の口は笑っていた。
ニット帽の男は手に持っていたボールから、ユンゲラーを繰り出した。そのユンゲラーの通常赤いはずの額の星は、真っ黒だった。
のび太達も応戦するため、ポケモンを繰り出す。イーブイ、ヨーギラス、ヒトデマンと数では上回っていたのだが。
ニット帽の男「……」
ニット帽の男がユンゲラーに何かを命じる。すると、イーブイとヒトデマンが何か見えない力に弾きとばされた。
のび太「イーブイ!」
ドラえもん「ヒトデマン!」
ジャイアンは急な出来事に驚いた。
ジャイアン「しまった!念力かっ!?」
----
ジャイアンがイーブイ達に一瞬気を取られる。するとその瞬間─遠くにいたユンゲラーが一瞬にしてヨーギラスの目の前に現れた。
ジャイアン「し、しまった!テレポートか!」
気がついた時にはすでに遅く、ユンゲラーの冷凍パンチがヨーギラスを捕らえていた。
ジャイアン「ヨーギラス!」
効果抜群の一撃を食らったヨーギラスが、ジャイアンの方へすっ飛んでくる。
ジャイアン「ぬぉぉ!」
ヨーギラスの体重は70キロ以上。そんな大砲のような一撃を食らい、ジャイアンも船着き場の壁に叩き付けられた。
ドラえもん「ジャイアン!」
ドラえもんがジャイアンに駆け寄ろうとすると、後ろからのび太が叫んだ。
のび太「ドラえもん!危ない!」
ドラえもん「え…」
のび太の声にドラえもんが後ろを向くと、そこにはユンゲラーがいた。
ユンゲラーがドラえもんの腹部に手をかざす、するとその一部の空間だけが歪んだ。かと思うと、ユンゲラーはまたテレポートしてニット帽の男の元にいた。
のび太「ドラえもん!大丈夫!?」
ドラえもん「大丈夫…なんとも……無いっ!!」
のび太「ああっ!!」
男の手には─四次元ポケットが握られていた。
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ニット帽の男は、四次元ポケットを片手に不敵に笑う。
「 ま た な 」
男の口が確かにそう言っている。そして、男はユンゲラーと共に消えたのだった。
壁に叩き付けられたジャイアンを立たせ、三人はしばし呆然とする。
三対一と手数では有利だったにも関わらず、レベルに差があったとはいえ、楽に一蹴され─更にはポケットまで奪われた。
あの男が何故ポケットを奪って行ったのか、あの男は何者なのか。
今の三人には、考える事が多過ぎて頭を整理することは出来なかった。
その後オダマキ博士と合流したリーフ達ものび太達の元へ駆け付けた。
ドラえもんが今起こった事をありのまま説明し終えると、一向はとりあえずポケモンセンターでオダマキの話を聞く事になった。
ジョーイ「三匹お預かりします!」
あのユンゲラーの一撃を受けて瀕死になった三匹を預け、のび太達はオダマキの話を聞く。
オダマキが言うには、これからのび太達は、一度オダマキ博士のポケモンでミシロタウンへ向かう。
そしてミシロで一夜を過ごし、翌日オダマキと別れて旅立つ。
その予定だった。
----
ジョーイ「お待たせしました!」
説明を受けてから10分後、のび太達がポケモンを受け取ると、オダマキのネイティオのテレポートですぐにミシロタウンに移動した。
ミシロタウン・オダマキ研究所
オダマキ「夜までは自由にしてていいよ。あまり遠くには行かないようにね。」
オダマキがそう言うと、ジャイアンが真っ先に研究所から飛び出して行った。
"アイツ…次見つけたら絶対叩きのめしてやる!!"
ジャイアンの頭にはそれしかなかった。あのニット帽の男への復讐心を燃やしている。
ジャイアン「絶対強くなるぞ!ヨーギラス!」
そしてジャイアンとヨーギラスは、その辺にいたジグザグマやポチエナと片っ端から戦い続けたのだった。
ジャイアンが飛び出してすぐに、
のび太「ドラえもん!僕たちも行こう!」
ドラえもん「僕はちょっと考え事があるから…」
のび太もドラえもんと外へ行こうと思い誘ったが、ドラえもんはそう言ってどこかへ行ってしまったので、仕方なく一人ですぐそこの草むらに向かった。
のび太"強くならなきゃ…"
ユンゲラーを相手に一瞬でやられたのび太もまた、強くなろうと決心していた。
----
のび太「イーブイ、体当たりだ!」
のび太とイーブイは、とりあえず怖そうなポチエナからは逃げて、草むらでジグザグマとばかり戦っていた。
のび太「ふう…結構倒したね。よくやったぞ、イーブイ!」
のび太がイーブイを撫でると、イーブイは嬉しそうだった。イーブイも少し疲れが溜まったようだし、のび太も疲れたのでポケモンセンターに入る。
ジョーイさんにイーブイを預けて待っていると、入口からリーフが入って来た。
リーフがのび太に気がつくと、のび太のいるソファの所へやってきた。
リーフ「どう?のび太くん、レベル上げは順調?」
のび太「うん!レベルも8まで上がったし、今ならリーフちゃんにだって勝てるかもね!」
のび太が笑いながらそう言うと、
リーフ「へぇ…じゃあ勝負してみようか!」
とリーフが勝負を申し込んで来た。
ジョーイさんからイーブイを受け取り、近くの広場で勝負の準備をする。
リーフ「それじゃあ行くよ…ストライク!」
リーフがそう言って繰り出したのはストライク。
緑のボディに、両手の鎌が見るからに強そうだ。
のび太「よし、行けっ!イーブイ!」
この勝負が、のび太が初めて体験するリーフとのポケモンバトルだった。
----
のび太対リーフのバトルが始まった。
先手をうったのはリーフ。
リーフ「ストライク、睨み付ける!」
リーフの声で、ストライクがイーブイを睨み付けて防御力を下げる。
のび太「イーブイ、体当たりだ!」
イーブイが走ってストライクに体当たりし、ストライクにダメージを与える。しかし、リーフは動揺せずに次の命令を出す。
リーフ「ストライク、影分身!」
のび太「回避率をあげたな…よし!イーブイ、片っ端から体当たりだ!」
のび太の命令通りに、イーブイは体当たりを放つ。しかし、攻撃が命中したのは分身だった。
のび太「ハズレか!」
リーフ「残念だったね!ストライク、今のうちに気合溜めで集中して!」
沢山のストライクが、張り切って鎌を研ぐ。
イーブイはストライクに怯えてしまっている。
のび太「頑張れイーブイ!もう一度体当たりだ!」
しかし、またしても攻撃は分身に当たった。
その時、体当たりした直後でスキだらけの瞬間をリーフは見逃さなかった。
リーフ「チャンスよ!電光石火!」
スキだらけのイーブイに、横からのストライクの高速攻撃がクリーンヒットする。たったその一撃で、勝敗は決定したのだった。
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のび太「イーブイ!」
のび太が、戦闘不能になってしまったイーブイに駆け寄る。
そこへ、ストライクをボールに戻したリーフがやってきた。
のび太「やっぱ…リーフちゃんは強いや。いつの間にレベル上げしてたの?」
のび太が少し悔しそうに聞くと、リーフはサラリと言った。
リーフ「ストライクのレベルは5だったよ。今のバトルでレベル6に上がったけどね。」
リーフのその言葉に、のび太が面食らっていると、リーフは続けて言った。
リーフ「ハッキリ言わせて貰うとね、のび太くんの戦い方は攻撃だけだからスキだらけなの。」
攻撃しなきゃ、勝てないじゃないか─のび太がそう思っていると、リーフは心を読んだように言った。
リーフ「確かに攻撃技は重要だけど…バトルでは、自分が有利に戦えるような補助技も同じくらい重要なんだよ。」
リーフはそこまで言うと、研究所に戻ると言ってセンターを出て行った。
その後のび太は、受付で回復の終わったイーブイを受け取ってソファに座り直し、ジッとボールを見つめていた。
----
のび太とリーフのバトルが終わって少し経ち、のび太達一向はオダマキ研究所の二階で今後の事を話していた。
のび太「これから僕らはどうすればいいの?」
のび太がそう切り出すと、リーフが言った。
リーフ「マユミさんからの情報によると、ロケット団はサイユウシティの方角へ飛んで行ったらしいの。」
スネオ「サイユウって…ポケモンリーグのある場所だよね?」
リーフ「そうよ。でも"サイユウで見た"訳じゃないから確定はしていないんだけど。今はこれだけしか情報は無いから…とりあえずサイユウ向かうしかないの。」
ジャイアン「でもよ、サイユウシティに行くにはでっけぇ滝を登らなきゃ行けないんだろ?」
そう。サイユウシティは孤島にあり、そのサイユウシティに入るにはとても大きな滝を登らなければならない。
リーフ「私は秘伝マシンは持っているから…水ポケモンさえ居れば行けると思ってたんだけどね。
…どうやらカントーのバッチじゃホウエンでは、全ての秘伝技は使えるようにはならないみたい。やっぱりトレーナーの記録自体違うから、この地方じゃ私も駆け出しの扱いみたいだね。」
リーフはちょっと残念そうに苦笑いした。
----
リーフを含めのび太達は、カイナのポケモンセンターでトレーナー情報をホウエン仕様に書き替えた。
だからリーフもみんなバッチはゼロだ(リーフ以外は元からゼロだが)。
リーフ「とりあえず、サイユウに向かうには各地でジム戦をして秘伝技を使えるようにならなきゃね。」
そこでしずかが嬉しそうに言った。
しずか「それじゃあ…私達も旅が出来るって事?」
リーフ「そうだよ。そしてこれは私のワガママなんだけど…私は一人で旅をしようと思うの。いろいろとやらなきゃいけない事もあるしね。」
その言葉に、ジャイアンが続いた。
ジャイアン「俺も一人で行くぜ。どうせ強くならなきゃいけねぇんだ…一人のほうがいい。」
元の世界では、いつもスネオを側近に置いて大将のポジションに居たジャイアンから予想外の言葉が飛び出した。
そして、更に予想外の言葉をはいたのはのび太だった。
のび太「僕も一人で行くよ。」
のび太の言葉に、スネオもしずかも驚いた。
しずか「のび太さんまで…大丈夫なの?」
しずかもさすがに心配そうだ。あの情けないのび太の口から、一人旅発言など想像もしていなかった。
----
そして、それはスネオも同じだった。
野生児ジャイアンはともかく、ノロマなのび太すらも一人旅を決意している。
スネオも決意を固めた。
スネオ「…僕も一人で行くよ。手数は多いほうがいいんだろう?」
スネオはリーフに話を振る。
リーフ「スネオくん、冴えてるね。そう、手数は多ければ多いほどいいの。」
その言葉の意味を、しずかはよく理解出来なかった。
しずか「それってどういう事?」
スネオ「情報が少な過ぎるからだよ、しずかちゃん。今僕達にある手掛かりはサイユウシティが怪しいって事だけでしょ?」
しずか「そうね…」
リーフ「だけど、手数が多ければいろいろなトレーナーから情報が聞ける分、手掛かりが増える。今は…少しでも手掛かりがいるから。」
ジャイアン「それならみんなのポケモンも自然と強くなるしな。ジムリーダーとかロケット団と戦うなら、強くならないと…」
ジャイアンの頭の中からは、ニット帽の男が離れていなかった。
しずか「それじゃあ私も頑張らないといけないわね。」
リーフ「それじゃあ満場一致で、それぞれ一人旅って事で!」
みんなの頭から、ドラえもんは消えていましたとさ。
----
その後二階に来たドラえもんにも同じ話をして、本当に満場一致で各自の一人旅が決定した。
それから、リーフから旅の基本的な知識を教わり、のび太の貰ったポケナビで旅の途中に何か手掛かりがあったら連絡を取る事にして、眠りについた。
そして翌朝
オダマキ「それじゃあみんな!頑張っておいで!」
オダマキには、ロケット団の事は話していない。ただ"ポケモンリーグに挑戦したいから旅に出る"と言ってある。
リーフ「はい、それじゃあ行って来ます!」
みんなはオダマキに礼を言って、ミシロタウンを出発した。
ミシロタウンを離れ、今はコトキタウンのポケモンセンター前。
リーフ「それじゃあ…ここでみんな別れようか。」
ジャイアン「そうだな、それじゃあ俺は行くぜ。みんな達者でな。」
ジャイアンはそう言って103番道路の方へ向かった。
スネオ「僕も。もう行くよ。」
スネオも近くの住宅地の方へ行った。
しずか「私は…もうちょっと101番道路でレベル上げするわ。じゃあね。」
しずかは今来た道の方へ行った。
リーフ「じゃあ…私ももう行くね。頑張って!」
リーフも近くにあったフレンドリィショップへ入って行った。
----
そうして、今その場に残っているのはのび太とドラえもんだけになった。
のび太「それじゃあ…僕らも。」
のび太がそう言って歩き出してすぐ、ドラえもんが呼び止めた。
ドラえもん「のび太くん!」
のび太「何?ドラえもん。」
ドラえもん「気をつけてね…ポケモンに襲われたり…お金落としたり…迷子になったり…それから…」
ドラえもんが次々言っていると、のび太が話を止めた。
「ドラえもん。大丈夫だよ…僕、頑張るからさ。
ドラえもんこそ…ねずみポケモンにびっくりして気絶したりするなよ…それじゃあ、僕もう行くね。ばいばい!」
のび太は、一度も振り替える事なく走り去って行った。
そんなのび太に、ドラえもんは大きな成長を感じていた。
ドラえもん"のび太くん…立派になって…"
ドラえもん「僕も…行かなきゃ。」
ドラえもんは、道を聞くためポケモンセンターに入った。
こうして六人は、それぞれの旅路を歩み出したのだった。
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@のび太
ドラえもんと別れたのび太は、103番道路を歩いていた。
のび太「始めのジムは…確かカナズミだっけ。」
のび太はポケナビのタウンマップを見て確認して歩いていると、急に呼び止められた。
「そこの君、トレーナーでしょ?あたしとバトルよ!」
声の主は池のほとりにいた女トレーナーだった。
のび太「え、僕に言ったの?」
女トレ「当たり前でしょ?あなたに言ったのよ。」
のび太「そっか…わかった!バトルしよう!」
こうしてのび太のバトルが始まった。
のび太「イーブイ!」
のび太がイーブイを繰り出すと、トレーナーはポチエナを繰り出した。
女トレ「ポチエナ、体当たりよ!」
のび太「イーブイ、砂かけで命中率を下げるんだ!」
イーブイが地面の砂を蹴り、ポチエナの顔面めがけて飛ばす。
顔に砂がかかって前が見えなくなったポチエナの体当たりを、イーブイは容易く回避した。
のび太「そこだ!体当たり!」
イーブイがポチエナに体当たりすると、ポチエナは少し飛ばされた。
女トレ「くっ…ポチエナ、体当たり!」
のび太「遅いね。もう一度体当たりだ!」
ポチエナが体制を立て直すより早く、イーブイがとどめを差した。
----
女トレ「ポチエナ!」
トレーナーの呼び掛けも届かず、ポチエナは戦闘不能となった。
女トレ「私の負けね…戻って、ポチエナ。」
トレーナーはポチエナをボールに戻すと、のび太に賞金を渡してポケモンセンターへ向かって行った。
のび太「やったね!イーブイ。僕たちのバトル初勝利だ!」
のび太はトレーナーとのバトルで勝ったのは初めてだった。
その初勝利の後、そこら辺のトレーナー達と沢山戦ったが、相手のレベルも低くて順調に勝ち続けてレベル上げ、賞金稼ぎをしながらトウカシティへと足を進めた。
そして、イーブイのレベルが10を超えた頃─
のび太「ここがトウカシティか…コトキタウンより広いみたいだなぁ。」
のび太は、トウカシティへ一番に辿り着いたのだった。
町に入ってすぐそこにあるポケモンセンターで、イーブイを預けて体力を回復させる。
イーブイの回復を待つ間、のび太は二階で軽食をとった(トレーナーはセンター内の飲食や施設の利用は無料)。
腹を満たして一階に降りると、イーブイの回復は終わっていた。
のび太は、今日のところはここのポケモンセンターに泊まる事にして、近くの草むらでレベル上げに励む事にしたのだった。
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@スネオ
スネオはみんなと別れた後、ひとまず情報収集を行なっていた。
怪しい人物を見掛けなかったかどうか辺りの人に聞いてまわってはみたものの、手掛かりになりそうな情報は何もなかった。
スネオ「ふぅ…小さな町だから大して情報も得られなかったなぁ。」
ポケモンセンターで休憩しながら、スネオはこれからの事を考えていた。
スネオ"いつ迄もここに居たってしょうがない。とりあえず先に進もう…"
スネオも102番道路を進み、トウカシティを目指した。
スネオ「ロコン、火の粉だ。」
しょっちゅう飛び出してくるタネボーやハスボーを火の粉で退けて進み、トレーナーとも戦いながらトウカシティへ辿り着いた。
スネオ「とりあえず、まずは回復だな。」
スネオはポケモンセンターに入る。そしてロコンを預けて、その待ち時間で隣りのフレンドリィショップに入る。
スネオ"確か次はトウカの森を抜けるんだよなぁ…"
スネオは、ゲームの知識を頼りに傷薬、毒消しや麻痺直しを買っておいた。
スネオ"ゲームと同じようには行かないだろうな…町みたいに、森も広いはずだ…"
一通りの支度を整え、スネオはポケモンセンターに戻って行った。
----
@ジャイアン
ジャイアン「ヨーギラス!噛付く!」
スネオがトウカシティに着いた頃、未だにジャイアンはレベル上げの為103番道路とポケモンセンターの往復を繰り返していた。
そしてたった今、またジグザグマを倒してヨーギラスのレベルが上がったのだった。
ジャイアン「だいぶ強くなったけど…もうここじゃ物足りないな。欲しいヤツも居ないし、先に進もうか…」
ジャイアンはポケモンセンターに居た。
回復も買い物も済ませ、そして準備万端で102番道路を進もうとした時、後ろから急に名前を呼ばれた。
「タケシさん!」
ジャイアンが後ろを振り向くと、そこにはしずかが立って居た。
ジャイアン「あぁ、しずかちゃん。しずかちゃんもまだここに居たんだ。」
しずか「えぇ、ちょっとレベル上げしてたの。ラッキーもだいぶ強くなったわ。」
しずかが意味有りげに笑う。
ジャイアン「バトル…しようぜ。俺達はトレーナーなんだしよ。」
しずか「話が早くてよかった。それじゃあ…一対一ね!」
ジャイアン「おう!望むところだ!行けっ、ヨーギラスっ!」
しずか「頑張って、ラッキー!」
互いに充分育てた相棒を繰り出し、バトルが始まった。
----
@しずか
しずか"相手は充分育ったヨーギラス…不足はないわね。"
しずか「ラッキー!地球投げ!」
ヨーギラスより断然素早いラッキーがヨーギラスに掴みかかり、そのまま後方へ投げ飛ばす。
ジャイアン「ちいっ、遺伝技か…ヨーギラス!砂嵐だ!」
ジャイアンが命じてすぐ、辺りでは砂嵐が吹き荒れ始めた。砂嵐がラッキーにダメージを与える。
しずか「大したダメージじゃないわ…ラッキー、往復ビンタ!」
ラッキーの往復ビンタが、ヨーギラスに4発ヒットしたが、ヨーギラスは全然ダメージを受けていない。
ジャイアン「へっ、攻撃が甘いぜ。攻撃ってのはこうやるんだ!ヨーギラス、踏み付けろ!」
ヨーギラスが飛び上がり、ラッキーを頭上から踏み付ける。この一撃は相当効いている。
しずか"とりあえず回復しなきゃ…"
しずか「ラッキー、卵産み!」
ジャイアン「しまった、回復技か!」
ラッキーの体力はあっという間に回復していった。
しずか「残念だったわね、タケシさん。とどめよ!地球投げ…いない?!」
ヨーギラスはフィールドから姿を消していた。
砂嵐の中いくらしずかが探しても、地上にヨーギラスは居なかった。
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しずか「まさか…ラッキー、下よ!」
ジャイアン「気付くのが遅いぜ!行けっ、ヨーギラス!」
地中からヨーギラスが現れ、ラッキーに後ろから勢いよく体当たりする。
しずか「穴を掘るで隠れていたのね…」
ジャイアン「遺伝技があるのはそっちだけじゃねえんだぜ!」
ジャイアンは、卵産みの瞬間ヨーギラスに咄嗟に穴を掘らせていたのだった。
その一撃で、ラッキーはだいぶ弱っている。
しずか「また回復させるわ、卵産み!」
ラッキーの体力がまた回復するが、先ほどまでの回復量ではなかった。
ジャイアン「ヨーギラス!これで決めろよ。瓦割りだ!」
ヨーギラスの最後の切り札、瓦割りがラッキーに命中する。効果は抜群だ。
しずか「そんなっ!ラッキー!」
ジャイアン「遺伝してたのは穴を掘るだけじゃなかったんだよ。産みの親に感謝、だな。」
そうしてラッキーは戦闘不能になり、ジャイアンは勝利を納めたのだった。
ジャイアン「しずかちゃん、楽しかったぜ!」
しずか「あたしこそ、いい勝負が出来てよかったわ。ありがとう。」
そしてポケモンを回復させた二人は、ジャイアンはトウカシティへ向かい、しずかはポケモン探しのため互いに別れていった。
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@ドラえもん
ジャイアンとしずかが出会った頃、ドラえもんは未だにポケモンセンターに居た。
"確かにあの時あいつは、またなって言っていた…"
ジョーイさんに道は聞いたので、トウカシティを抜けてカナズミを目指せばいいのはわかった。
しかし、ドラえもんの頭からはニット帽の男の事が離れていなかった。
"あいつは、僕たちの事を知っているのかな…そして、四次元ポケットの事も…"
ドラえもんの頭に一番引っ掛かっていたのはその四次元ポケットの事だった。
ドラえもんはホウエンに来て一度も四次元ポケットを使っていなかった。
ホウエンで初めて会った人物がポケットの事を知っているはずがない。
"じゃあなんで…"
謎だらけのループにハマってしまっているドラえもんが顔をあげると、二階からリーフが降りてきたのに気がついた。
ドラえもん「あ、リーフちゃん!」
リーフ「あーっ、ドラちゃん!ここで何してたの?」
リーフは手を振りながらドラえもんに駆け寄ってきた。
ドラえもん「ちょっと考え事をね…リーフちゃんは?」
リーフ「私はね、ちょっと二階に用があって。その用事を済ませたトコなの。」
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そう言ったリーフはどこか満足そうだった。
リーフ「あ…私、そろそろ行かなきゃ!ドラちゃん、またね!」
ドラえもん「うん、ばいばい!」
リーフは、ポケモンセンターを出て行った。
ドラえもん「僕もいつまでもここに居たってしょうがないよな…レベル上げして次の町に進もう。」
ドラえもんもリーフを追うようにポケモンセンターを出た。
ドラえもん「ヒトデマン、水鉄砲だ!」
102番道路のポケモンやトレーナーを倒しているうちに、ヒトデマンのレベルは上がっていた。
ドラえもん「そろそろトウカシティに着くと思うんだけど…あ、見えてきた!」
ドラえもんの視線の先に、コトキタウンよりも大きな町トウカシティが見えた。
"思ってたより長かったなあ…ゲームやってる時はあっという間だったんだけど…"
102番道路を進んでいる時、モンスターボールを投げ付けられたのは胸の奥にしまって、ドラえもんはポケモンセンターへ向かった。
ホウエンは自然が豊かな地域という話をオダマキから聞いていた。
ポケモンセンターを目指しながらこの町の綺麗な空気を吸って、それを実感したドラえもんだった。
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@リーフ
リーフ「む~…ふひほひふはははふひひひぃは"次のジムはカナズミシティか"…」
リーフは102番道路にあったベンチに座り、買っておいたパンを口いっぱいに頬張りながらポケナビを見た。
"この辺のポケモンは一通り捕まえたし、コトキのショップで道具も揃えた…それに…"
リーフは腰につけていたモンスターボールに目をやる。
リーフ「最初の課題もクリアしたしね。おっけー、問題ナシと!」
リーフは立ち上がり、走ってトウカシティへ向かった。これまでの旅で身につけた体力と足の早さで、すぐにトウカシティに到着する。
そして一時間ほどを情報収集に費やし、すぐにトウカシティを出発した。
リーフ「あそこがトウカの森かぁ…いいポケモンいるかなぁ。」
リーフは砂浜を駆け抜け、一人トウカの森を目指して行った。
その途中、一軒だけ海沿いに立つ小屋が目についた。
"船…持ってるんだ。"
小屋の前にある、木造の短い桟橋に船が泊まっていた。
その船を見ていたとき、森の入口の近くにいたトレーナーに声をかけられた。
トレ「そこの君!僕と勝負しようではないか!」
リーフはフと笑い、返事を返す。
リーフ「いいけどさー、あたし強いよ~!!」
リーフはそう言って笑い、トレーナーの元へ駆けて行ったのだった。
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@のび太
翌朝
昨日でレベル上げを済ませたのび太は、トウカの森を進んでいた。
木々の間から漏れてくる光も少なく、森の中は薄暗い。
のび太「薄気味悪い森だなぁ…」
一人でそんな事を呟いた時、歩いていたのび太は落ち葉の中に居た何かを蹴ってしまった。
のび太「うわぁっ!なんだ!?」
のび太は蹴ってしまった何かをじっと見る。そこには、一匹のポケモンが居た…というかひっくり返っていた。
のび太「これは…キノココ?」
のび太は、ひっくり返って短い足をバタバタさせているキノココに近付いた。
するとキノココは急に起き上がりのび太に体当たりしてきた。
のび太「おふぅっ!」
のび太は後ろに尻餅をついてしまう。
のび太「なんだコイツ…やるならやるぞ!行けっイーブイ!」
のび太はイーブイを繰り出すと同時に、攻撃を命じる。
のび太「体当たり!」
目標を確認したイーブイが、真っ直ぐ走って行ってキノココに体当たりすると、キノココはコロコロと転がって、木の根元にぶつかってしまった。
しかし、それっきり動かない。気絶してしまったようだ。
のび太「あれ?なんか呆気ないけど…ゲットしとこうか…」
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のび太は、持っていたモンスターボールをキノココに投げ付ける。
キノココを吸い込んだボールが何度か揺れて、そして動かなくなった。
のび太「やった!キノココゲットだぁ!」
こうしてのび太に、二匹目の仲間が出来たのだった。
しかし、イーブイの様子がおかしい事にのび太は気付いた。
のび太「イーブイ…どうしたんだ?」
この時イーブイは、キノココの胞子で毒を受けていた。のび太がそれに気付いたのは、ポケモン図鑑でイーブイの状態を確認した時だった。
のび太「どうしよう…毒消し、持ってないや…」
のび太がおろおろしていると、茂みから何かが近付いて来た。
のび太「あわわわ、戦えないよ…どうしよう…」
そして茂みから出て来たのは
のび太「うわぁっ…ってスネオ?」
同じく森を進んでいたスネオだった。
スネオ「よぅのび太。お前もここにいたのか。悪いけど戦えないよ、ロコンは…」
のび太「スネオ!毒消し持ってない?」
スネオは急にのび太に迫られ、少々たじろいだ。
スネオ「毒消し…あぁ、持ってるよ、ほら。」
スネオがリュックから毒消しを取り出して、のび太に渡す。
のび太「ありがとう、スネオ!」
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@スネオ
のび太は目の前でイーブイに毒消しを使った。
のび太「助かったよ、ありがとう。」
スネオ「あぁ…おっ、オレンの実見っけ。」
スネオは足下に落ちていたオレンを拾いあげ、ロコンをボールから出して食べさせた。
スネオ「これで借し1な。」
スネオ"ここで借し作っとけば、後々便利だしな。"
スネオとのび太がこんな会話をしていると、森のどこかから叫び声が聞こえてきた。
「誰か助けてくれえぇ!」
その声に、のび太が素早く反応する。
のび太「向こうからだ!スネオ、行ってみよう!」
そう言ってのび太は茂みの向こうに駆けて行った。
スネオ"あいつ…こっち来てなんとなく…まぁいいか。"
スネオは頭の中でのび太の変化について少し考えようとしたが、今は声の元へ急いだ。
スネオが走って森の少し開けた場所へ着くと、そこには森に似つかわしくないスーツの男性が、赤装束の二人組に囲まれていた。
スーツ「そっ、そこの君達!助けてくれぇ!」
赤装A「ちっ、ガキか!」
赤装束の男達は、男性の持っていた封筒を奪おうとしている。
スネオ"こいつら…マグマ団か!"
赤装束B「邪魔するなら…やっつけてやる!」
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こうしてのび太・スネオ対マグマ団二人組のバトルが始まった。
のび太「頑張れ!イーブイ!」
スネオ「頼んだぞ、ロコン!」
そして対するマグマ団はポチエナとズバットを繰り出す。
のび太「スネオ、そっちはズバットをお願い!」
スネオ「へっ!任せろ!」
マグマ団A「ガキめ、大人をなめるなよ!ポチエナ、遠吠えだ!」
のび太「イーブイ、砂かけで目眩ましだ!」
マグマ団B「後悔すんなよ!ズバット!超音波だ!」
しかし、ズバットは言うことを聞かない。
マグマ団B「どうしたズバット!」
スネオ「へへ…怪しい光ですぐに混乱させてたのさ。」
マグマ団B「何!くそっ、ズバット!言う事を聞け!吸血だ!」
しかし、焦るマグマ団Bとは裏腹にズバットは自分を攻撃している。
スネオ「今だ!ロコン、火の粉!」
火の粉の一撃でズバットは倒れた。
スネオ「ははん、後悔したのはそっちだったね!」
そして、スネオが勝負を決めた時同時にのび太もポチエナを倒したところだった。
マグマ団B「ちっ…引き上げるぞ!」
戦えなくなったマグマ団はポケモンを戻して走り去った。
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スーツ「君達ありがとう!これは大事な書類でね…助かったよ。それじゃあ急いでるから僕はこれで!」
男性は二人に礼を言って去って行った。
スネオ「あいつら…マグマ団だったな。」
のび太「ええっ!そうだったの?」
スネオ「お前気付いてなかったのかよ…」
のび太は男性を助けるのに夢中でマグマ団の正体に気がついていなかった。
スネオ「やっぱりのび太はのび太だな…」
スネオはあきれて溜め息をつく。
スネオ「あいつら逃げて行ったけど…まぁこれから先、気をつけろよ。」
のび太「うん…わかった。スネオもね。」
スネオ「のび太に心配されるほど僕は弱くないさ。じゃあ…僕は先に行かせて貰うよ。じゃあな。」
スネオはそう言って先へ行った。
のび太「はぁ…疲れた。」
スネオと別れてしばらく、のび太は森を歩き続けていた。すると、急に森が開けて目の前に大きな池が現れた。
のび太「やった!森を抜けたんだ!」
のび太は新しい仲間も増やし、カナズミシティの目前まで迫っていたのだった。
のび太の状況
手持ち:イーブイ・キノココ
トウカの森を抜けたところ。
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@ジャイアン
のび太達がトウカの森を抜けてしばらくして、ジャイアンも森を抜けた。
ジャイアン「長い森だったな…ゲームとは違うな、やっぱ。」
池にかかった長い橋を渡りきり、カナズミシティに到着した。
ジャイアン"でっけぇ町だなぁ…今までの町よりめちゃめちゃでけぇ…"
ジャイアンはポケモンセンターに入った。
ジャイアン"ここが最初のジム戦か…だけどさすがにヨーギラスだけでこれからも進むわけには行かねぇよな…"
ジャイアンは新たな仲間を探すべく、ポケモンセンターを後にした。
ジャイアン"たしかここに俺の好きなあのポケモンが居るはずだ…"
そしてその日の夕方
お目当てのポケモンをゲットし、そこそこレベル上げをしたジャイアンは、満足げにポケモンセンターへ帰って行った。
ジャイアン"本当ならすぐにでもジム戦をしたいが…今日はゆっくり休むとしよう。"
そしてジャイアンは、腹ごしらえをしてとりあえず早めに就寝することにしたのだった。
ジャイアンの状況
手持ち:ヨーギラス・???
現在カナズミシティのポケモンセンターで宿泊中。
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