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ドラーモン作大長編 その23 - (2007/06/17 (日) 01:44:45) のソース
[[前へ>ドラーモン作大長編 その22]] ドラーモン作大長編外伝【誰も知らない秘密の出来事・前編】 ドラえもん達がついにしずかとドラミに遭遇した頃のチャンピオンロードのお話。 「はぁ、はぁ……」 「や、やるわね爺さん……」 そこで戦っていたのは一人の娘と老人。 彼等はかつてフロンティアブレーンと呼ばれていた。 壮絶なポケモンバトル……決着は意外な形でついた。 老人・ウコンのケッキングが捨て身タックルで娘・コゴミのヘラクロスを沈めるも、自らも反動で戦闘不能になってしまったのだ。 「引き分け、か。ウコン爺の悪知恵だな」 見物人のダツラがそう評価する。 このダツラという男、実は生来の怠け者。 今回の世界の命運を分ける戦いにも参加せず、ただポケモンを貸出して傍観者を決めこんでいた。 内心では「勝った側に取り入ってハッピーライフ」などと企んでいたりもする。 「ダツラさん、物知りですね」 「カッコイイー!」 ダツラの抽象的なバトル解説にいちいち感動しているのは二人の少女、マホとナホだ。 単なるチョイ役である彼女達がこの場にいるのは、筆者が贔屓しているからに他ならない。 本来は出木杉に××されてしまう運命だった二人も、どうやら貞操は守りきったようだ。 ---- コゴミもウコンも手持ちのポケモンを失い、戦うことができない。 普通ならここでバトルは終わりのはずだが、この話は外伝。 このまま終わるわけがない。 「さて、ポケモンもいなくなった事だし……次はこっちで戦おうか」 コゴミが何やら物騒な構えをとった。 そう、コゴミは拳法をたしなんでいるのだ。 岩をも砕くその正拳は大陸まで知れわたり、彼氏ができない原因となっている。 「い、いや、ちょ……!」 ウコンが慌てて背を向け、逃げ出す。 それはそうだろう……ウコンはフロンティアブレーンだが、ただのジジイだ。 「ダツラさん、ウコンさんを助けて!」 そんなマホの叫びに、ダツラは爽やかに答える。 「無理無理、俺身体弱いし」 完全に嘘をついている目だ。 マホはそんなダツラにツバを吐きかけると、いてもたってもいられずに駆け出した。 ダツラはツバを吐きかけられ、なぜか興奮している。 どこまでも救い様のない男だ。 ウコンはその老体からは想像できないような俊敏さでコゴミから逃げ回る。 まさに死に者狂いというやつだ。 「チョロチョロと逃げやがって……なら、こうだ!」 コゴミが懐からモンスターボールを取り出し、大きく振りかぶる。 ---- 「コゴミ流拳法……奥義、怪物球破砕撃っ!」 松坂もかくや、といったダイナミックなモーションでボールを投げるコゴミ。 それは真っ直ぐに飛んでいき、逃げるウコンのテンプルに直撃した。 凄まじい回転を与えられたボールに弾かれ、キリモミ回転で吹き飛ぶ細い肉体。 「ストラーイク」 コゴミは会心の投球に満足して舌なめずりをした。 「はて、それはどうかな?」 「な……ウコン!」 いつの間にかコゴミの背後をとっていたウコン。 コゴミはその異様な気に、うかつに動けなくなってしまった。 「確かに、私の球は直撃したはず……」 「ウコン仙術、変わり身……というわけじゃ」 ウコンが指した指の先には、テンプルが陥没して気絶しているダツラが倒れていた。 「変わり身……そんな……」 「コゴミ、主はワシを怒らせてしまったようじゃな」 背後のウコンの気が高まっていく。 『こ、殺される!』 身の危険を感じたコゴミは、とっさに裏拳を放つ。 だが、その場にはすでにウコンはいなかった。 「……ど、どこだ!」 「フハハハハ、ここじゃここじゃ」 声がしたのは近くの木の上。 ウコンは木の枝に座ってハチマキをしめている。 ハチマキ? ---- 「フフフ……ウコン仙術、下布剥がし!」 コゴミはそのハチマキを知っていた。 いや、それはハチマキではない。コゴミが胸に巻いていたサラシだ。 「きゃあっ!」 格闘娘とはいえ、コゴミも女だ。 上着を着ているにも関わらず、恥ずかしさで胸を両手で隠してしまう。 「な、なんて早技……」 「ウコンさん、スゴーイ!」 マホとナホも感心している。 「いや、ウコン爺さんの凄さはそれだけじゃないぜ?」 「ヒッ、ダツラさん生きてたの?」 「ああ、ちょっと気持ちが悪くて吐きそうだが、なんとか大丈夫だ」 そういうダツラの目は焦点がまるであっていない。 口から泡まで吹いている。おそらく、脳に重大な損傷でもあったのだろう。 「で、ウコンさんの凄さって何?」 「……お前達、スカートの中を確認してみろ」 「……!」 「下着が……無くなってる!」 マホとナホが驚いて樹上を見上げると、ウコンはこれ以上ないくらいの笑顔で額の汗を拭いていた。 「あの汗を拭いている布は……」 「ア、アタシ達のパンツ!」 「そうだ、あの一瞬でウコン爺さんは君達の下着まで取っていたんだ」 「……ただのエロジジイじゃない。」 「そうね」 マホとナホは、そう言い捨てた。 ----