マキナ・ギシ・カンケル

「そうそう、世界ってのは、もっとさ、単純でいいの。『楽しそうなら何処にでも』――で、何の問題があるかって話だと思うのよね」

―― from ≪享楽者達の花火大会≫ : 吟醸 との邂逅 ...... " OK, Let's Go Mad!! " >>


概要

【クリーム色の作業用つなぎ服に身を包み、頭にサンバイザーを被って、】
【右目に片眼鏡を装備した茶髪ポニーテールで身長170cm弱くらいの女性である】

カエルレウム・ナーウィスの技術者。ナーウィス所属ではあるが、カノッサ機関の正式な構成員ではない。
一人称は「あたし」で、二人称は「あんた」だが、あくまでそれは〝基本的には〟。
ノリと勢いで口調が激しくぶれることも日常茶飯事で、エキセントリックな面の目立つ人物である。

マキナが世界の表舞台に立ったのは、ウェル子によるところが大きい。
かつてウェル子は、どこからか巡り会ったマキナに発明を依頼し、〝水先案内〟に活用。
そうしてウェル子のサポート役としての地位を獲得したマキナは、いつしか悪役の一人として暴れ回っていた――という筋書きだ。

そんなマキナも二年ほど前からぱたりと姿を見せなくなっていたのだが……なんと、『枯れ彼岸』の技術者として働いていた。
マキナが持ち前のスキルで信頼を勝ち得るのは、そう難しいことでもなかったようだ。
……彼女は、その裏でずっと水先案内人と繋がっていたというのに。

そうして時は流れ、〝潜伏期間〟が過ぎたことで、遂にマキナは仮面を脱ぐ。
≪枯れ彼岸騒乱≫――マキナは二年の間に把握しきったセキュリティの穴を突き、『枯れ彼岸』の全システムをダウンさせるという大騒動を引き起こしたのだ。
この事件は櫻の国に無視できない被害を与え、関係者内においてマキナの悪名を轟かせる結果となった。

マキナが目指すところはハッキリしていない。
行動の数々は愉快犯的でもあるし、一方で技術者としての矜恃を感じさせるような場面も少なからず存在する。
注目すべきは、マキナは進んで悪事を働いているというよりも、〝周囲からの依頼を受けて〟動いているパターンが多いということか。
悪事に抵抗を感じていない時点で〝クロ〟ではあるものの、もしかすると、水先案内人などと出会わなければ、マキナの歩く道も違っていた……のかもしれない。

ちなみに、実は千日紅ひゆとは、よく一緒に仕事をする仲。
というのも、ひゆの使う医療関係の機械・器具などをマキナが提供するからである。
例えば、某青年の義手の執刀者はひゆだが、義手自体の制作者はマキナだったりする。

また、以前マキナは、ゴーストによって右肘より先を切り落とされたことがある。
ところが次にマキナが姿を現した際には、既に〝何事もなかったかのように〟腕は繋がっていた。
真実は未だに謎に包まれているが、この件についても、マキナとひゆの関わりが何かしら絡んでいそうだ。


近況

『枯れ彼岸』より解き放たれた〝Cancer〟は、世界への敵意を剥き出しにしている。
マキナは≪フルーソ最後通牒事変≫の引き金を引くべく、水の国へ〝びっくり箱〟を仕掛けて脅迫したり、せっせと『真・安置1160』を製作したりと、中々に憎い暗躍を続けていた。
≪フルーソ最後通牒事変≫直前には吟醸と出会い、彼をひとまずは味方側に引き入れるなど、マキナによるカエルレウム・ナーウィスへの貢献度は決して低くない。

そして来る≪フルーソ最後通牒事変≫当日は、千日紅ひゆと共に、桐田善二光岬士斗に立ち向かった。
世に火種を、絶望の種を蒔くため、マキナ達は全力で戦ったが、〝碧を拒む戦徒〟たる善二と士斗には力及ばず敗北――〝認めたくない現実〟に怨嗟の言葉を吐きながら、マキナはひゆによって撤退させられた。

当然、マキナがこの程度で折れるはずはない。除こうとも除けぬのが〝Cancer〟であるならば、等しく彼女とて、頑なに世界を蝕み続ける者なのだから。


能力

数々の『魔械兵器』がマキナの発明品であることから、〝発明〟に関する能力であることは分かっている。
それ以上のことは、不詳。


魔械兵器

マキナの発明品は、『魔械兵器』と総称される。
どれもこれも彼女の魔力を含有しており、一般的な機械とは一線を画す構造で成り立っている。
そのためマキナ以外の人間には製造はおろか、修理も出来ないという究極のオーダーメイド兵器群である。

>>多目的半自律式蟹型魔械兵器『Big-C』

【全高2メートルはあろうかという「機械の蟹」――いや、「蟹型のロボット」だ】
【この蟹ロボットのボディは、塗装のされていない金属そのままの鈍い灰色】
【眼の部分は赤く発光していてまさに機械仕掛け、と言った雰囲気】
【蟹の特徴たるハサミ、そして脚、計10本は、どれも極めて細く、不気味なまでに、長い】
【すなわちそれは、タカアシガニという蟹を、そのまま巨大化させたような姿であった】
マキナのメインウェポンとも呼ぶべき、戦闘用ロボット。
破壊されても数日後には新品の『Big-C』をマキナが引き連れているのを見るに、ある程度の生産体制は整っているようだ。
攻撃力・防御力は申し分ないものの、機動が鈍重であるという短所も持つ。目からレーザーを出す《蟹光線γ》や、背中のハッチから爆弾を投げ出す《大蟹玉》など、妙なギミックも豊富。
〝半自律式〟の名称通り、半分は操縦者の〝魔力による〟指示で行動する。つまり、操縦者からの魔力が途絶えるとBig-Cも動きを止めるということ。もちろん、魔力を持たぬ者には扱えない。

>>対電子戦用集積回路型魔械兵器『悪性カードキー』

≪枯れ彼岸騒乱≫において、襲撃側に配布された〝ハッキング用カードキー〟。
黒くメタリックに輝く、禍々しい雰囲気のICカードである。一般的なICカードと同じくプラスチック製で、サイズや耐久性も同等。
これをカードリーダーに通すことで、ウィルスを送り込むという機能を有していた。微弱ながら〝魔力補助〟の効果も持つ。

>>遠隔操作式時限爆弾型魔械兵器『真・安置1160』

「指定された人物(起爆トリガー)」が気力を保っている限り、時を刻み続ける時限爆弾。
「起爆トリガー」の魔力・脈拍・脳波等を感知し、〝戦闘行動可能状態〟が一定時間持続すれば爆発する仕組みで、一都市程度なら余裕でカバーできる感知範囲を持つ。
「起爆トリガー」が〝戦闘不能〟と判断された時点で爆弾は自壊し、危険性が完全に消失する。マキナの能力による極めて特殊な魔力的制御機構を持ち、解体はほぼ不可能とされる。
爆弾の無力化を望む者は否応なしに「起爆トリガー」と戦わされるという性質上、この爆弾の意義は爆破ではなく「敵の誘導」にこそある。
ちなみに『1160』とは『ヒーロー(ひいろお)』の語呂合わせ。言わずもがな、『アンチヒーロー』に掛けた洒落である。

>>UNKNOWN

≪フルーソ最後通牒事変≫の引き金を引くための脅迫道具として登場した〝びっくり箱〟。〝Caeruleum Navis〟という刻印が施されている。
名称・機能の詳細共に不明だが、水の国の報告によれば、「魔力を帯びている」「特異な機械構造」「解体不可能」「殺傷力無し」などの特徴を有するらしい。


戦闘

根っからの技術屋体質で、本人の戦闘力はほとんど皆無。
己の発明品に全てを頼り切った戦闘を行う。

発明品はどれも侮りがたい性能であるものの、それらがことごとく無力化されると、一般人以下に成り下がる恐れすらある。
前線切って戦うのには向かない、〝後方支援型〟であると言えるだろう。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2013年05月11日 09:25