■■ルールセクション■■
ここではニンジャスレイヤー:theチャブRPGを遊ぶ上で発生する様々なことを処理するためのルールを解説している。
■ルール解説をはじめるに際して■
▼黄金率▼
一番重要で、従う価値のある唯一のルールがこれである。すなわち、「ルールはない」というルールである。
物語を面白くする妨げとなるのなら、(GMも、PL全員も納得した上で)ルールを変更して良いし、無視すらして良い。
ルールで雁字搦めにすることにはなにひとつ! 欠片も価値はない!
美しい物語を皆で共有し、味わうことが目的なのであって、つまらない思いはして欲しくない。
ただしこれは諸刃の剣だ。ワンマンなGMを、僕は腐るほど見てきた。そうしてRPGから離れていった人も。
だからこそ、全員が楽しもうとして、かつルールに矛盾や不条理な部分があった時、それを打破する為にこの黄金率を明示した。
独りよがりにルールを改造して、どうだすごいだろう、と自慢するための黄金率ではないとわかってもらえただろうか。
▼判定を行う、とは▼
判定とは、PCの行動に対して、GMが「失敗する可能性がある」と判断した場合。もしくはその行為に競争相手や、対抗相手がいた場合に発生する。
失敗する可能性のあまりない行為に対して、GMは判定をあまり要請しない方が良い。
プラスチックの塊が必要以上にテーブルを叩く時、物語の美しさもまた同時に叩き潰されていることを覚えておくべきだ。
■ルール上の処理■
・このゲームでは十面ダイスを二個以上使用する。
・ダイスを振る行為のことを、これ以降「1d100」「1d10」「2d10」を振る、等と表現する。1d100とは、十面ダイスの片方を十の位、もう一方を一の位と定義してからダイスを振り、擬似的に百面ダイスを振った際の乱数を得ることを言う。0のゾロ目は100として扱うこと。また、同じく1d10であれば、十面ダイスを一個振り、乱数を求めることを。2d10であれば十面ダイスを二個振り、その合計値を算出することを言う。
・数値の計算を行う時、小数点以下が出た場合は全て切り捨てとして算出すること。
・ルールに矛盾が発生した際の優先順位は「黄金率」>「GMの判断」>「特技の効果」>「基本判定ルール」として扱う。
■■基本判定ルール■■
キャラクターの何らかの行動において、失敗する可能性があるとGMが判断した時、その行動が成功したかどうかを「判定」することになる。
GMはその「判定」に相応しい「能力値」と「技能」を指定する。
その判定を行うキャラクターのPLは、指定された「能力値」と「技能」の合計値(以降、この合計値のことを【判定値】と呼ぶ)を算出する。
適した「技能」を所持していない場合でも、「能力値」の値のみを【判定値】とすることが出来る。
1d100を振り、【判定値】以下の出目を出すことが出来れば、その行動は成功となる。
※ひとつ解説しておくと、例えば肉体の能力値が40、運転技能が10のキャラクターがいたとしよう。この時彼は5割の確率で運転をミスするというわけではない!
運転技能10を持っている時点で、彼は他のキャラクターよりも優れた運転技術を持っているのだ。ただ、判定を要求されるような(例えば時速250キロでのカーチェイス等)状況に置かれた時、うまく運転出来るかどうかが50%である、ということなのだ。
▼タツジン!、ウカツ!▼
【判定値】に関わらず、ダイスの出目が1から5以内の値であった場合を「タツジン!」と呼び、その行動は自動的に成功となる。
同時にGMから「タツジンカウンター」を1枚受け取る。「タツジンカウンター」は「ワザマエカウンター」と同様に使用できるが、使用してもインガオホー値が上昇することはない。
【判定値】に関わらず、ダイスの出目が95から100以内の値であった場合を「ウカツ!」と呼び、その行動は自動的に失敗となる。
それが命中判定だった場合、攻撃は自分に命中する。回避判定だった場合は、最終的に受けるダメージを二倍にする。
■対抗判定■
何らかの行為で競争を行う時や、激突する時、GMは「対抗判定」をするように指示出来る。
「対抗判定」を行うことで、どちらがその競争に勝利したのか決定出来るのだ。
手順は簡単である。両者が同じ【判定値】で判定を行い、成功した者が勝利となる。
両者とも成功した場合は、ダイスの出目を参照する。より小さな出目であった方を勝利とすること。
同値であった場合は、再度同じ【判定値】を使用して「対抗判定」を行うこと。
■■戦闘ルール■■
マッポーの世に生きる者達と戦闘は、切っても切れないものである。
ここからは戦闘を表現するためのルールを解説する。
このゲームの戦闘は「ラウンド進行」という、一種のターン制をとっている。
最初に行動の順番を決め、決定したその順序に従って行動を宣言し、解決していくことになる。
全キャラクターが行動を終えると、再び行動順の決め直しになり、再び順序に従って行動を解決していく。
GMの提示した勝利条件、敗北条件のどちらかを達成した段階で、戦闘は終了となる。
■キャラクターの状態■
ラウンド進行では、キャラクターは「未行動」「行動完了」「戦闘不能」「死亡」のいずれかの状態となっている。
「イニシアティヴ決定フェイズ」の開始時に、全てのキャラクターは「未行動」となり、メインフェイズにおいて「活劇」を行うことで「行動完了」となる。
「活劇」扱いとなる行動は以下の通りである。
- 「移動」
- 「特技を使用しない攻撃」
- 「活劇タイミングの特技の使用」
以上の三種類だ。
会話や回避判定では行動を消費することはない。
「戦闘不能」状態は、HPが0になった状態を指す。この状態では「イニシアティヴ決定フェイズ」の開始時に「未行動」になることが出来ず、「メインフェイズ」においても能動的な行動は行うことができない。GMは会話程度であれば認めて良い。
「死亡」状態は、DL0のキャラクターがHP0になった場合か、全てのキャラクターにおいてインガオホー値が100以上になった場合に発生する。「死亡」したキャラクターは、その時点から基本的には二度とゲームに使用することは出来無い。ただし、例外として「ゴウランガ」状態や、DL0のキャラクターはワザマエカウンターを使用することで「ディセンション」を行い、「死亡」を解除することも出来る。詳しくは後述する。
■射程■
このゲームにおける距離の概念は三種類。即ちショートレンジ、ロングレンジ、オーバーレンジである。
激しく入り乱れるニンジャ同士の戦闘を表現するのに、細かな数値で距離を表すことは、我々の頭脳では不可能である。
よって自分から対象がどの距離にいるか、のみを参照することとする。
ショートレンジは拳やカタナが届く距離。ロングレンジはスリケンやクナイ、銃火器の間合いであり、ショートレンジを対象に取ることも出来る。オーバーレンジは何らかの兵器や、その場所以外からのハッキング等に相当しており、ショートレンジやロングレンジを対象にとることは出来無い。
■勝利条件、敗北条件■
GMはラウンド進行の開始と同時に、戦闘が終了する条件を提示する。これが満たされた時点でラウンド進行は終了となる。
一例を上げると、「襲撃者の全滅」や「護衛対象の死亡」等である。
■戦闘の流れ■
▼イニシアティヴ決定フェイズ▼
ラウンド内での行動順を決定する。よりDLの高いキャラクターから行動することになるが、DLが同値の場合はより「現在のインガオホー値」の高いキャラクターから行動することになる。それも同値だった場合はPLを優先。その上で同値だった場合は、行動順をPL内で相談すること。
▼メインフェイズ▼
イニシアティヴ決定フェイズで決まった行動順にそって、そのラウンドで行う行動を宣言し、解決していく。
行動の手番となったPLは、以下の宣言が可能である。
以上の三種類である。
「行動宣言」は攻撃や、「活劇」タイミングの特技の使用を指す。
「待機宣言」を行った場合行動は行わず、次の行動順キャラクターの手番となる。「待機宣言」を行ったキャラクターの行動順は最後(「待機宣言」をしていないキャラクター全てが「行動完了」となった後)となる。複数のキャラクターが「待機宣言」を行った場合は、それらのキャラクターの中で、イニシアティヴ決定フェイズと同様の基準で行動順を決定すること。
「行動放棄」を宣言した場合、そのキャラクターはただちに「行動完了」となる。
▼エンドフェイズ▼
全てのキャラクターが「行動済み」となった時点でメインフェイズは終了し、エンドフェイズとなる。
エンドフェイズまで有効な特技の効果を解除し、再び「イニシアティヴ決定フェイズ」へ戻り、次のラウンドへ移ることになる。
このみっつのフェイズを繰り返すことで、「ラウンド進行」は進められる。
■命中判定■
攻撃を行った際、その攻撃が命中するか否かを決定するために、「命中判定」を行う。
まず特技を使用しない場合の「命中判定」について解説する。
「命中判定」を行う際は、使用する「装備」、攻撃を行う「対象」を宣言する。
「装備」には命中判定に使用する【判定値】の種類が明記されているので、その【判定値】を使用した判定を行うこと。
それによって成功した場合、その攻撃は(相手が「回避判定」に成功しない限り)命中したことになる。ダメージの算出を行うこと。
特技を使用する場合は、特技に使用する【判定値】が明記されている。その値を使用すること。また、特技の効果に明記されていない限り、特技に武器のデータを使用することはできない。
■回避判定■
攻撃の対象となり、その攻撃の判定が成功した時、対象とされたキャラクターは「回避判定」を試みることが出来る。
「反応」の能力値を【判定値】として判定を行う。
成功した場合、その攻撃を回避することが出来たものとし、ダメージや、それに付随する効果を受けることはない。
■ダメージの算出■
特技や武器の効果によって、対象にダメージを与える際の算出方法を解説する。
特技や武器には必ず「威力」が明記されている。
ダメージ量を算出する際の計算は、この「威力」に、DL個のダイスを振った合計値を加えた物となる。
■■特技の使用■■
特技とは、他者とは一線を画した技術や才能、またニンジャとしてのジツや武術を表している。
特技には必ず、「タイミング」「射程」「対象」「コスト」「効果」が明記されている。
▼タイミング
「タイミング」とはその特技を使用出来る時を表しており、適した「タイミング」以外で特技を使用することは出来無い。
「タイミング」には「活劇」「常時」「刹那」が存在し、それぞれ「活劇」は行動宣言時に使用出来る特技。「常時」は常に効果を発揮している特技を表している。
「刹那」は特殊なタイミングで、何者かが行動宣言や、判定を行う宣言をした直後に使用出来、その行動宣言や判定よりも先に効果を発揮する特技である。ひとつの行動宣言に対して複数「刹那」タイミングの特技を使用することは可能だが、一人が同じ「刹那」タイミングの特技を重ねて使用することは出来無い。
また、特技は特に指定がない限り、ラウンド進行時でなくても使用出来る。
▼射程
その特技の対象と出来る射程を表している。対象がその射程にいない場合、その特技を使用することは出来無い。
▼対象
その特技の対象と出来る対象を表している。それは「1体」「2体」という数で表されている。
▼コスト
この特技を使用することで消費するコストを表している。特技を使用する場合、まずコストを支払ってから効果の解決に入ること。例えば「インガオホー値+5」と書かれていた場合は、インガオホー値を5点上昇させてから、その特技の解決に入るのである。
▼効果
その特技が発生させる効果について解説されている。
■特技と装備■
特技の「効果」に装備の分類が指定されている場合に限り、装備している、指定された分類の装備の「威力」を加算することが出来る。
【判定値】には武器のものを用いず、特技によって指定されたものを使用すること。
また装備自体に何らかの効果が記されている場合、特技を使用する際にもその効果は発揮される。
最終更新:2012年06月09日 11:20